マーベル映画 「アベンジャーズ」完結!

こんばんは。

  2012年に大ヒットを記録した「アベンジャーズ」がついに最終話?を迎えました。

  アメリカ漫画を代表するマーベルコミックのヒーローたちがオールスターキャストで登場し息もつかせぬ物語を展開しますが、昨年公開された第3作「インフィニティー・ウォー」、今年公開された第4弾「エンドゲーム」は続編となっています。「インフィニティー・ウォー」から1年間待たされたファンにとって、最新作は待ちに待った作品です。

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(映画「アベンジャーズ エンドゲーム」ポスター)

(映画情報)

・作品名:「アベンジャーズ:エンドゲーム」

2019年米・182分)(原題:「Avenngers Endgame」)

・スタッフ  監督:アンソニー・ルッソ  

           ジョー・ルッソ

       脚本:クリストファー・マルクス

          スティーブン・マクフィーリー

・キャスト  トニー・スターク:ロバート・ダウニー・Jr

       スティーブ・ロジャース:クリス・エバンス

       ブルース・バナー:マーク・ラファロ

       クリス・ヘムズワース:ソー

       ナターシャ・ロマノフ:

                    スカーレット・ヨハンソン

              クリント・バートン:ジェレミー・レナー

       スコット・ラング:ポール・ラッド

       キャロル・ダンヴァース:ブリー・ラーソン

  ちなみに、キャストのヒーロー名を順に記載すると、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、マイティ・ソー、ブラックウィドウ、ホークアイ、アントマン、キャプテン・マーベルとなります。今回はこの他にもドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサー、ウォーマシン、ワスプなどなど、とにかくオールスターでマーベルヒーローが登場し、よく破綻せずに脚本を収めたものだと感心します。

  家族の中では子供がマーベル映画の大ファンで、前作の最後を見て新作を待ち望んでいました。1年間耐えた結果、426日の公開が決まり、その日に映画館に足を運んでいました。その映画の出来には家族全員が興味津々で、翌日には子供は質問攻めにあうことになります。さすがにネタバレは御法度なので、深くは語らず、「とにかく絶対面白いので、必ずIMAXで見てね。」とのオススメで感想が締めくくられました。

  実は、私と連れ合いはなんとなく気乗りがせずに前作を見ていなかったのですが、「今回は絶対に前作を見ていないと楽しめないよ。」とのアドバイス。それを受けて、土曜日にレンタル屋さんで前作DVDを借りて見たうえで日曜日に新作を見に行こう、と考えました。どうやら皆さん同じことを考えているようで、1店目の店舗ではすべて貸し出し中。2店目の店舗でやっと見つけ出したのです。ホッとしました。

  いやはや、見て良かった。

  「インフィニティー・ウォー」と「エンドゲーム」は完全なセットで、前作を見ずに映画館に行くと作品の30%程度しか楽しむことができません。皆さんもぜひ前作を見てから映画館にお越しください。

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(映画「アベンジャーズ インフィニティーウォー」)

【ハリウッドの定番脚本】

  さて、以前にも映画紹介でお話ししましたが、今のハリウッドの脚本は登場人物たちの心を描くために効果的なエピソードを語るのが本当に上手です。例えば、今回の敵役は最強ともいえるエイリアン、「サノス」です。彼は、ハルク以上の巨漢で自らの信念に従って全宇宙に秩序をもたらそうとしています。一方、マーベルのヒット作である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で船長のスター・ロードと恋に落ちる宇宙人ガモーラとその妹のアンドロイドであるネビュラは、暗殺者の姉妹。姉妹の仲は敵愾心と嫉妬心からネビュラは常にガモーラに挑んでいます。

  そして、この二人は今回の絶対者であるサノスの血の繋がらない娘なのです。そこに巻き起こる愛憎劇がこの映画に驚くほどの厚みを醸し出しています。また、これまで「アベンジャーズシリーズ」、「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」、「マイティ・ソー」で描かれてきた愛憎劇、エピソードもしっかりとこの作品に生かされています。

  今回のアベンジャーズの闘いは、最強のエイリアン「サノス」との決戦を描いています。そして、「インフィニティー・ウォー」の中に書き込まれたエピソードが「エンドゲーム」に繋がっていくのです。

(以下、ネタばれあり)

  「インフィニティー・ウォー」は、サノスがソーたちのアスガルドの人々が地球に向かう避難船を襲い、「石」を奪い取るシーンからはじまります。ロキ兄弟はなんとか「石」を守ろうと抵抗し、ロキは得意のだまし討ちでサノスに立ち向かいますが、まったく歯が立たずロキはなすすべもなく殺されてしまい、サノスは「石」を手に入れることになります。

  避難船に乗っていたハルクは、瀕死の仲間によって地球へと投げ出されソーたちは全滅してしまいます。ハルクは、タイムストーンという「石」を持つドクター・ストレンジのもとに落下し、サノスが「石」を狙って地球にもやってくることを警告します。ストレンジとハルクはアベンジャーズのメンバーである「アイアンマン/トニー・スターク」にサノスの野望を伝え、団結して「石」を守るよう要請したのです。

  ここで、ドクター・ストレンジによって6つの「石」が世界を司っていることが明かされます。その石とは「インフィニティストーン」と呼ばれる石。その種類は、「スペースストーン」、「パワーストーン」、「タイムストーン」、「リアリティストーン」、「マインドストーン」、「ソウルストーン」です。これら6つの「石」を手に入れれば望む未来を実現することが可能となるのです。

  サノスは、これまで宇宙の様々な惑星を侵略し、そこに住む宇宙民族の半数を殺害し、半数を生存させるという殺戮を繰り返してきました。すべての宇宙の住人達の半分を殺戮することで人々は幸福に生きることができるはずだ。それが全宇宙に対するサノスの信念であり、哲学なのです。(ちなみに、このテーマは、ダン・ブラウン氏のラングトン教授シリーズ「インフェルノ」と共通しています。)人類の半数が無差別に殺戮される。この虐殺行為を阻止するため、アベンジャーズが立ち上がります。彼らは勝利することができるのか、それが本作のテーマなのです。

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(アベンジャーズのヒーローたちは生き残るのか?)

  本テーマを考えると、前作「インフィニティー・ウォー」は確かに完結した作品ということができます。しかし、この作品を見ている間、どうも説明的な場面が多いところが気になりました。アベンジャーズでは、第2作までにそのあまりのパワーから彼らを国連の管理下に置く「ソコビィア協定」が交わされています。この協定に反対するキャプテン・アメリカが離反したことから、アベンジャーズはバラバラになっていました。サノスの襲撃に相対するためにバラバラとなっていたアベンジャーズを集結させるためにいくつかのエピソードが必要で、そこにかなりの時間を割いています。

  さらに「タイムストーン」はドクター・ストレンジが所有し、「マインドストーン」はアイアンマンの執事であったAIのビジョンが身に着けることでアンドロイドとなっています。また、「リアリティストーン」はノーホエアという惑星にあり、「ソウルストーン」はヴォーミアという惑星に存在します。それぞれの「石」を手に入れるためにエピソードが頻繁に入れ変わっていくのです。

  確かに説明的なのですが、これだけの悪条件を考えると、数々の戦闘シーンを練り上げて、それぞれのヒーローたちのエピソードを語り、さらにストーリーを創っていく脚本が破たんせずに面白いのは、まさに脚本を練る力のたまものだと感服します。そんな中で、ソーとアライグマのロケット(ソー曰く「ウサギ」)とのやり取りはお遊びの中でも一級品です。

【エンドゲームは本当にエンド?】

  アベンジャーズ第4作に当たるエンドゲームは、これまでの集大成ともいえる作品です。

  ネタばれとなりますが、前作のクライマックスで敵役の「サノス」は何度もアベンジャーズに敗れる直前まで追い詰められます。彼の口癖は、「俺は絶対だ。」ですが、まさにその言葉のとおりに彼は劣勢になりながらも必ず勝利します。6つの「石」を手に入れ、その「石」を装着した超合金の手鎧で指を鳴らそうとした瞬間、マイティ・ソーが虚空から飛び込んできてソノスの体を斧で串刺しにします。

  ソノスを倒したか。そう思われた瞬間、ソノスがにやりと笑い「頭をつぶすべきだったな。」とつぶやくと指を鳴らします。その瞬間。全宇宙の生命体の半分が死滅します。ソノスは、自らの命も再生してどこかにワープしていきます。

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(宿敵 「絶対者 ソノス」)

  「エンドゲーム」の予告編で映し出される、消えゆく人々の映像は、前作のラストシーンだったのです。地球に住む人々も全世界の半数の人々が粉々になって風の中に消えていきます。スパイダーマンのピーターをはじめ、ドクター・ストレンジ、サイコキネシスのワンダ、ブラックパンサーなど、アベンジャーズの面々も粒子となって消えていきました。

  こうして敗れ去ったアベンジャーズ。しかし、物語はこれで終わりではなかったのです。

  最新作「エンドゲーム」はここから物語が始まります。

  「インフィニティー・ウォー」の脚本はあまりに条件が重なったために、少し冗長な感を免れなかったのですが、「エンドゲーム」の脚本はみごとでした。もちろんマーベル映画ですから荒唐無稽感は当たり前なのですが、それをもワンダーに変え、さらに前作を伏線として挿入されるエピソードが涙を誘います。

  今回、アベンジャーズの卒業を表明していたのは、「アイアンマン/トニー・スターク」を演じるロバート・ダウニィ・Jr、「キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース」のクリス・エバンス、「ブラックウィドウ/ナターシャ・ロマノフ」のスカーレット・ヨハンソンの3人だと言います。それを聞いて新作を見ると、主役級の3人が素晴らしい役を演じていました。そこに至るエピソードも申し分ありません。まさに有終の美とはこのことです。

  その脚本の妙はおみごととしか言いようがありません。

  また、「インフィニティー・ウォー」では登場しなかったマーベルヒーローも効果的なワンダーを醸しだします。「エンドゲーム」の脚本は2つのフェイズから成り立っています。一つは前作の続き、もう一つは敗北から5年後の物語です。第一フェイズで重要な役割を演じるのは、まず、ジェレミー・レナー演じる「ホークアイ/クリント・バートン」です。彼はアベンジャーズが国連の管理下となったときに引退し、郊外の自宅で愛する奥さんと二人の子供にかこまれて穏やかな日々を送っています。ところが、サノスが指を鳴らしたとき、恐ろしいことが起こりました。

  二人目の登場人物は、つい先日映画が公開されていた「キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース」です。彼女の活躍を紹介してしまうと、ダブルネタばれになってしまうので控えますが、彼女が登場しなければ「アイアンマン/トニー・スターク」は宇宙の藻屑と消えてしまうことになるのです。ぜひ、映画をお楽しみに。

  そして、敗北から5年後の世界で重要な役割を演じるのは、ポール・ラッド演じる「アントマン/スコット・ラング」です。2015年に公開された「アントマン」は、本当に面白い映画でした。彼は、ビム粒子によって物を自由に収縮できる技術を発明したビム博士に従って、身体収縮自在のスーツを着て活躍します。今回は、「アントマ&ワスプ」から続くエピソードから彼が重大な役割を担うこととなるのです。

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(物語の行方を握る「アントマン&アプス」)


  「エンドゲーム」は、これまでのアベンジャーズの最後を飾るにふさわしい面白い作品です。映画の中で、アイアンマンとキャプテン・アメリカはタッグを組んであるミッションに挑みます。その中で、アイアンマンは、今は亡き実の父親に出会い心の通う時間を過ごします。また、キャプテン・アメリカもかつての恋人であるシャロン・カーターに出会い、想いを新たにすることとなります。

  こうした緻密なエピソードがすべて心に響き、映画は最後に大きな感動を呼び起こして、ラストを迎えるのです。

  3時間にも及ぶ大作ですが、あっという間の3時間です。この映画はぜひ迫力のIMAXでご覧ください。観終わった瞬間、しばし、作品世界の余韻に浸って感動が続くこと間違いなしです。

  それでは皆さんお元気で、またお会いします。


今回も最後までお付き合いありがとうございます。
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