だからプロ野球から目が離せない!

こんばんは。

  行動規制のないコロナ禍での生活もあたりまえになってきました。

  一時、世界一の感染者数を記録していたオミクロン株によるコロナ禍でしたが、一人一人の感染対策が功を奏しているのか、日本全土で猛威を振るっていたオミクロン株もやっと落ち着きつつあるのかと思わせます。

  引き続き、油断することなく、常に感染対策を心がけましょう。

  ウクライナでは、非道のプーチン大統領が侵略によって略奪した地域をロシア国土に編入するために、国民投票をねつ造し、占領地域の既成事実化を図っています。ロシア国内では、兵力不足による予備兵の徴兵や戦争の長期化によってプーチン大統領の支持率も下がってきつつあるようですが、それでも77%というから驚きです。

  ウクライナの反撃は成功しつつあり、併合が画策されているドネツク州の要衝、リマンをウクライナが奪還したニュースが世界中に配信されました。現地の親ロシア派兵力はロシア軍の撤退に異を唱えており、戦略的核兵器を使用すべき、などという言語道断な発言も飛び出しています。また、クリミア半島につながる唯一の道路をウクライナが破壊したとして、報復と称しウクライナの主要都市に数十発のミサイルを撃ち込み多くの無垢な命を奪っています。

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(爆破されたクリミア橋 nittkei.com)

  侵略者であり独裁者でもあるプーチン大統領ですが、人類と地球に不幸をもたらすだけの愚かな決定を次々に実行しています。政治的な思惑が人の命を平気で奪うことの愚かさをあきらめることなく訴え続けることこそが大切です。

  さて、今日は久しぶりに大好きな野球の話をしましょう。

  メジャーリーグでは、エンジェルスの大谷翔平選手が投手と打者の二刀流でまるで漫画の主人公のような活躍をリアルの続け、我々に生きる勇気を与えてくれています。最終戦の登板で、規定打数とともに規定投球回数を上回り、みごと歴史にその名を刻んでくれました。

  日本のプロ野球。昨年は、セパともに前年最下位であったチームが優勝し、大いに盛り上がりました。野村時代からのスワローズファンとしては、その後継者ともいえる(野村さんの後継者は数え切れないのですが、)高津臣吾監督が初のリーグ優勝をかざり、さらには日本一に輝いてくれたことが何よりの喜びでした。

  今年のプロ野球は本当にハラハラドキドキ、素晴らしい試合が続きました。

  セリーグでは、嬉しいことにヤクルトスワローズが交流戦をはさんでぶっちぎりの首位を独走し、終盤に濱の番長、三浦監督率いる横浜ベイスターズに追い上げられましたが、それを振り切って2年連続の優勝を果たしました。さらには、主砲の村神宗隆もとい村上宗隆選手が、日本人最多の56号ホームランを放ち、令和最初の三冠王を獲得しました。最終戦で決めるという劇的なホームランは我々の心を躍らせてくれました。

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(56号をはなった村上選手 asahi.com)

  一方、パリーグでは記録的な熱戦が繰り広げられ、ファンは最後までハラハラドキドキ楽しみました。一時は楽天も交えて、西武、ソフトバンク、オリックスが1ゲーム差の中にひしめき、最終戦でソフトバンクが西武に敗れ、オリックスが楽天に勝利したことによりオリックスが奇跡的な逆転優勝を飾ったのです。同率首位でしたが、直接対決で勝利数が多いオリックスに軍配が上がるという劇的な優勝でした。さらにソフトバンクは、クライマックスシリーズで、最終戦で敗れた西武と対決し、みごとにファイナルステージへと勝ち上がりました。

  クライマックスファイナルは、セリーグがヤクルト対阪神、パリーグはオリックス対ソフトバンクとなり、その行方は混とんとしています。プロ野球ファンにとって今シーズンの熱き戦いはいつまでも記憶に残る素晴らしい戦いとなりました。

  さて、そんな中、今週はヤクルトスワローズ高津臣吾監督の本を読んでいました。

「一軍監督の仕事 育った彼らを勝たせたい」

(高津臣吾著 光文社新書 2022年)

【スワローズ・ウェイって何?】

  この本の著者高津臣吾さんは、言わずと知れたヤクルトスワローズの監督です。

  2022年のシーズンは監督就任から3年目となりますが、1年目の2020年シーズンは416910分けという記録で、ダントツの最下位を記録しています。皆さん覚えていると思いますが、昨年、セリーグでヤクルト、パリーグでオリックスが優勝したときに、セパともに前年度最下位球団の優勝、と騒がれました。

  いったい、どうやって最下位のチームを一気に優勝まで押し上げたのか。

  その秘密を知りたくて、この本を手に取ったのです。

  高津監督と言えば、忘れもしない、ヤクルト黄金時代に試合の最後には必ず登場して試合を勝利に導いた最強のリリーフ投手でした。野村克也さんが監督として指揮を執っていた1990年代、ヤクルトスワローズは黄金時代を迎えており、4度の優勝と3度の日本一に輝いています。

  その経歴を見ると、野球に対するその情熱に驚きます。日本では1993年から、りりーフ救援投手に転向し、四度最優秀救援投手に輝いています。その後は、MLBホワイトソックスに移籍、通算で300セーブを記録しまいた。しかい、そのすごさは最後まで現役投手にこだわったことです。MLBの後には、韓国のプロリーグ、台湾プロリーグで活躍、その後、日本の独立リーグに戻り、新潟アルビレックスでは、選手兼任監督として日本一に輝いているのです。

  指導者としても、2014年にはヤクルトの一軍投手コーチに就任。翌年には、真中監督の下で、セリーグ優勝を果たしました。2017年からは二軍監督に就任。一軍に育てた選手を送り込むことに専念し、2018年には、「二軍監督の仕事」という著作を上梓しています。

  高津監督が就任した2020年。これでヤクルトは復活する、との思いがあり応援しました。

  この本のプロローグは、2020年監督に就任した年、シーズン最下位となった最終戦からはじまります。まずは目次を確認しましょう。

プロローグ

1章 2021年かく戦えり
2章 日本シリーズかく戦えり
3章 運命の第6戦、涙の日本一へ
4章 2021年を戦い終えて
5章 スワローズのV戦士たち
6章 育てながら勝とうじゃないか
7章 スワローズ・ウェイと、野村監督の遺伝子
8章 スワローズ・ウェイの完成に向けて

エピローグ

(付録:2021年全試合戦績)

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(「一軍監督の仕事」 amazon.co.jp)

  この本では昨年の高津監督初制覇の内容が記されていますが、2022年のヤクルトは、この本の延長線上にあります。昨年ブレイクした村上選手は、昨年度不動の4番打者に座り、ホームラン39本を打って本塁打王に輝きました。さらに打率は278厘、出塁率4割、長打率は566厘を記録しています。さらには、盗塁も12をマークし、攻守走ともに大活躍したのです。ところが、今年はさらにその上を行きました。

  今年の成績は、ホームラン56本。打率318厘、出塁率458厘、長打率は、なんと71分を記録しているのです。ちなみに打点は昨年の112打点から大きく飛躍し134打点を挙げました。三冠王も納得です。ホームランに注目すると、8月には日本プロ野球記録となる5打席連続ホームランを放ち、5月には2試合連続満塁ホームランの最年少記録も塗り替えています。

  まさに、神様、村神さまですね。

【野村野球の継承者】

  高津監督はどのようにして勝つチームを作り上げたのか。

  この本にはその秘密がギッシリとつまっています。

  昨年度の合言葉は、「絶対大丈夫」でしたが、その言葉はシーズンを通して戦った高津監督の戦略のうえに成り立っていた言葉でした。野球は、ついつい打撃陣と得点に目が向くのですが、高津監督は元世界のリリーフエースでした。その野球は、基本的に最少得点でも守り勝つことのできるチームを作ることです。

  昨年度の投手成績を見ると、若手の台頭が素晴らしく、奥川9勝、今野7勝、田口5勝、高橋4勝と新たなスターが生まれています。ここにベテランの小川が9勝、石川が4勝、サイスニードが6勝を挙げています。

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(スワローズの要ライアン小川投手 asahi.com)

  今年の成績を見ると今年は昨年ブレイクした奥川投手が不調でどうなるかと思いましたが、新生木澤が9勝、原樹里、高橋が8勝、若手は主役が変わりましたが、さらに9年目の高梨が7勝。ここにベテランの小川が8勝、石川が6勝、サイスニードも9勝と計算できる成績を残しています。

  注目されるのは、この本のサブタイトルにもなっている「育った彼らを勝たせたい」というマネジメントです。さすが抑えで一流の成績を残した高津監督ならではの投手采配が際立ちます。投手と言えば、リリーフエースのマクガフです。

  昨年の日本シリーズ第1戦、この試合はオリックス山本由投手と、奥川投手の投げ合い、1対1で迎えた8回表村上選手の2ランホームランで31と勝ち越します。もちろん9回裏はヤクルトの守護神マクガフが登場です。ところが、どうしたことか、マクガフはヒットとフォアボール、そしてぼてぼてのピッチャーゴロを三塁に送球してセーフ。ノーアウト満塁のピンチを迎えたのです。オリックスの打者は3番吉田正選手。結果は逆転のさよなら負けでした。

  マクガフの想いはいかほどでしょう。しかし、高津監督は、マクガフの気持ちを我がことのように理解していたのです。その後のマクガフの活躍はご存知の通りです。その守る野球の妙は、ぜひともこの本でお楽しみください。

  さて、高津監督はチームを勝たせるマネジメントをどうやって学んできたのでしょうか。その答えは、この本の最後2章に記されています。それは、名将野村克也監督のDNAなのです。

  野村さんと言えば、解説者時代に考案したストライクゾーンを9つのマスに分けて配給を解説する野村スコープが有名で、MLBでも野村スコープによる解説が当たり前になっています。しかし、野村さんは監督として10倍以上も高度なスコープを使用していたのです。それは、投手の配球のストライクゾーン9マスを36マスに分解。さらには、その外側のボールゾーンにふた回り、28マスと36マスを加えて、合計99マスの配給スコープで投球を分析していた、というのです。

  「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」とは、野村さんの名言ですが、高津スワローズには、この野村監督のDNAが脈々と流れていたのです。


  今年もいよいよクライマックスシリーズ、そして日本シリーズが始まります。どの試合からも目が離せません。ダッグアウトではどのような闘いが繰り広げられるのか。この本は、その一端を我々に教えてくれるのです。今年も盛り上がりましょう。

  それでは皆さんお元気で、またお会いします。


今回も最後までお付き合いありがとうございます。
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