2024年04月一覧

MC-L1000のダンパー修理完了

前記事の続きになります。
ここを見に来て頂いている常連さんにはコイルをカンチレバーの先に載せる作業は何時もの見慣れた写真になりますが、
はじめて見る方もいると思いますので掲載します。
1D3A9666H.jpgまずは左右chの二個のコイルを接合してカンチレバー先端のダイヤモンドチップの背に貼り付けます。コイルはカンチレバーの先端に乗りますので軽ければ軽いほど音質的に有利ですので直径は0.8mmと極小です。
1D3A9672J.jpg次に0.017㎜のリードをカンチレバーの背に貼付ていきます。両チャンネルで4本あり、銅線は細くするほど硬くバネ性を持つ為に張付けるのが非常に困難で常に断線のリスクが伴い、これがこの作業の最難関となります。ダンパーを交換したので黒色に替わっている事が分かると思います。
1D3A9745r.jpgコイルを載せ終わった振動系ユニットを本体にネジ止めしコイルの位置を調整した後固定して端子にハンダ付けします。
1D3A9744q.jpgこの後ダンパーのテンションを調整して下部カバーをネジ止めして修理作業が完了です。
1D3A9748X.jpg


MC-L1000のダンパー交換

サクラの花も散り、日によっては初夏の陽気で、緑も多い景色になってきて出かけるには丁度良い季節になってきました。

このところ少し時間的に余裕ができたので、先延ばしになっていたカートリッジの修理などに手を付け始めています。
今回はVictor社のMC-L1000のダンパー修理に挑戦してみました。
ダンパーはゴム系とウレタン系が使われているのですが、
ウレタン系ダンパーは時間経過とともに加水分解して最悪ドロドロに溶けてしまう事があり
この様な状態になってしまうと針先が沈んでカートリッジのボディの底着きが起き使用する事ができなくなります。
私は今までにMC-L1000の断線のコイル交換修理はかなりの数を熟していますが、
ダンパーを修理するには振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取らなくてはなりません。
通常のカートリッジは極小のネジでカンチレバーアッセンブリーが止まっているだけなので、
この極小ネジを緩めれば外す事ができます。
しかし、MC-L1000カンチレバーアッセンブリーは極小のネジを止めてからアッセンブリーごと接着してあり、簡単には外す事が出来ないのです。
この為にダンパー交換の修理依頼は今まで受けていませんでした。カンチリバー修理以前のカンチレバー修理時の振動系ユニットの写真ですが、カンチレバー根元の水色の部分がダンパーになります。
最近この接着剤を溶かす事が可能になり、カンチレバーアッセンブリーを抜き取る方法が見つかったので、にわかにダンパー修理にトライしてみたくなりました。
かなり前に部品取りとして購入したダンパー劣化のジャンク品のMC-L1000を復活させようと思います。
そしての無事に振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取る事ができました。1D3A9621a.jpgダンパーが膨らんでブヨブヨしています。ここまでできれば後は簡単です。
1D3A9627b.jpg左側が今まで使われていたダンパーで、膨らんてしまっています。右が今回新たに使うfidelixのMC-F1000用のダンパーです。1D3A9630d.jpgハイ、これでダンパーの交換完了です。黒色なのでゴム系の様ですが、加水分解はしないので一度交換してしまえば今後安心して使い続けられると思います。

この後の作業は何時もどおりコイルを載せる作業になりますが、
ここの所この作業での失敗はないので無事に復活させる事が出来ると思います。