2023年09月一覧

プレーヤーのトルクについて

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この世に存在するモーター全ては必ずトルクムラがあり滑らかに回転する完全なものは一つもない。これは絶対です。
トルクを強くすれば力強くメリハリの付いたシャキシャキした音に聴こえますが自然な音から離れていきます。
そのトルクムラの影響を受けないためにはトルクを極力弱くして惰性だけで回す事です。

では、糸ドライブの様にプラッターを重くしてトルクを弱くすれば全て解決するかと言うとそう単純ではありません。
モーターのトルクムラの影響は少なくなりますが、
たいがいのプレーヤーはスピンドルが太過ぎたり、プラッターが重過ぎたりで回転の抵抗が大きくて
弱いトルクエネルギーでは軸に吸収され滑らかだけど弱弱しく、活き活きとした音ではなくなります。
プラッターが重ければ音が良くなると思っている方がいますが、同時に回転抵抗も増えているのです。
この弱い回転エネルギーを減衰させない為に回転抵抗は徹底的に小さくしなければなりません。
この様にすれば最も自然で滑らかで力強い音が得られるのです。
これが私の言う所の『手回しプレーヤーの音』になるのです。

NEOのその後

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最近入手したスピーカー『NEO』を継続して聴いていますが、その後の試聴感想を少し書いてみます。
アルミ一枚板の衝立状のフロントパネルとアルミハニカムカーボンコンポジットのお椀状の特殊形状がよく分かると思います。

前記事にも書いた様に高域は歪みが少なく鮮明なのに聴き易く
低音はパワーを入れた時には分厚く、腹に響く密度の高い低音を叩き出します。
少々のデフォルメ感はあるもののオーディオ的快感があるので『これでもいいじゃん!』と納得させられるだけの物があります。

アンプ類はフォノイコも含めて全て左右モノ駆動ですので、空間の広がり感は文句ありません。
幾つか聴いた感じでは低音が分厚く音の開放感があり高域は繊細なのでフルオーケストラは相性が良い様です。
また大音量では迫力と力強さが抜群なので『ハープアルパート』や『マンジョーネ』の様なフュージョン系には相性抜群です。
全体としては音の切れや解像度は普通で、フルレンジの『AL-05BONSAI』に比べれば聴き劣りしますが
通常のネットワーク式マルチウェイスピーカーと同程度で こんなものでしょう。
しかし、小径フルレンジでは出せない音も出せますので、これはこれでとても気に入っています。

暫くならしていて感心するのは、このNEOではなく、ドライブするパワーアンプの『CERENATE』です。
もう長く使っていますが、とにかくPOWER感がありシッカリとしていて揺るぎがありません。
大型のパワーアンプではこの様なPOWER感のある物は幾つもありますが、
超小型のアナログパワーアンプでこれだけの力感が出せる物は他にはなかなか無いのではと思っています。

今回『NEO』が入った事で今までに集めたレコードがどの様に鳴るのか聴き返してみるのが楽しみです。