MC-L1000のダンパー修理完了

前記事の続きになります。
ここを見に来て頂いている常連さんにはコイルをカンチレバーの先に載せる作業は何時もの見慣れた写真になりますが、
はじめて見る方もいると思いますので掲載します。
1D3A9666H.jpgまずは左右chの二個のコイルを接合してカンチレバー先端のダイヤモンドチップの背に貼り付けます。コイルはカンチレバーの先端に乗りますので軽ければ軽いほど音質的に有利ですので直径は0.8mmと極小です。
1D3A9672J.jpg次に0.017㎜のリードをカンチレバーの背に貼付ていきます。両チャンネルで4本あり、銅線は細くするほど硬くバネ性を持つ為に張付けるのが非常に困難で常に断線のリスクが伴い、これがこの作業の最難関となります。ダンパーを交換したので黒色に替わっている事が分かると思います。
1D3A9745r.jpgコイルを載せ終わった振動系ユニットを本体にネジ止めしコイルの位置を調整した後固定して端子にハンダ付けします。
1D3A9744q.jpgこの後ダンパーのテンションを調整して下部カバーをネジ止めして修理作業が完了です。
1D3A9748X.jpg


MC-L1000のダンパー交換

サクラの花も散り、日によっては初夏の陽気で、緑も多い景色になってきて出かけるには丁度良い季節になってきました。

このところ少し時間的に余裕ができたので、先延ばしになっていたカートリッジの修理などに手を付け始めています。
今回はVictor社のMC-L1000のダンパー修理に挑戦してみました。
ダンパーはゴム系とウレタン系が使われているのですが、
ウレタン系ダンパーは時間経過とともに加水分解して最悪ドロドロに溶けてしまう事があり
この様な状態になってしまうと針先が沈んでカートリッジのボディの底着きが起き使用する事ができなくなります。
私は今までにMC-L1000の断線のコイル交換修理はかなりの数を熟していますが、
ダンパーを修理するには振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取らなくてはなりません。
通常のカートリッジは極小のネジでカンチレバーアッセンブリーが止まっているだけなので、
この極小ネジを緩めれば外す事ができます。
しかし、MC-L1000カンチレバーアッセンブリーは極小のネジを止めてからアッセンブリーごと接着してあり、簡単には外す事が出来ないのです。
この為にダンパー交換の修理依頼は今まで受けていませんでした。カンチリバー修理以前のカンチレバー修理時の振動系ユニットの写真ですが、カンチレバー根元の水色の部分がダンパーになります。
最近この接着剤を溶かす事が可能になり、カンチレバーアッセンブリーを抜き取る方法が見つかったので、にわかにダンパー修理にトライしてみたくなりました。
かなり前に部品取りとして購入したダンパー劣化のジャンク品のMC-L1000を復活させようと思います。
そしての無事に振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取る事ができました。1D3A9621a.jpgダンパーが膨らんでブヨブヨしています。ここまでできれば後は簡単です。
1D3A9627b.jpg左側が今まで使われていたダンパーで、膨らんてしまっています。右が今回新たに使うfidelixのMC-F1000用のダンパーです。1D3A9630d.jpgハイ、これでダンパーの交換完了です。黒色なのでゴム系の様ですが、加水分解はしないので一度交換してしまえば今後安心して使い続けられると思います。

この後の作業は何時もどおりコイルを載せる作業になりますが、
ここの所この作業での失敗はないので無事に復活させる事が出来ると思います。











能登大震災で損傷のTSプレーヤーの修理

このところ千葉県沖でも地震が頻発していて不安ではありますが今の所は大きなものはなく、
このまま収まってくれる事を願います。

さて、元旦の夕刻に発生した能登の大地震は多くの方がお亡くなりになり、
被災された方は二か月たっても1万人が避難所生活を強いられている状況です。
はやく元の生活にもどれる事を切に願うばかりです。
その様な中、私のPL-31E/TSプレーヤーが大地震でラックから落下し、
一応動作はしていて音は出ているが、正常か分からないので見て欲しいと金沢のYさんから御相談をうけました。
話を聞けばダストカバーは壊れ、クリスタルガラスシートにはヒビがはいっているそうです。
プラッターは僅かに上下動していて正常か分からないとの事
「その様な状態では音楽を安心して聴いていられないでしょう。」と動作チェックと点検に送ってもらう事となりました。

到着後すぐに様子を見てみたのですが、キャビネットには損傷はほぼ無い様ですが、
やはりプラッターは上下に動いている様です。
すぐに手持ちのスピンドルと交換するとピタリと上がり下がりが止まりましたので、スピンドルが歪んでしまっていますね。
そうなると水平の回転を受けるマイクロベアリングも損傷していると考えるのが妥当ですので
音も聴かずに交換となりました。2I3A6632B.jpg
また落下時にアーム軸先端が損傷している可能性の高いので、これも当然交換です。
アームを分解して軸先端を顕微鏡でみるとやはり潰れています。2I3A6636C.jpg
2I3A6638E.jpg
上は正常のアーム軸スピンドル、下は先端が潰れています。
最初に修理依頼があった時ダストカバーが損傷しているとの事でしたが
ダストカバーは付属してこなかったのでどの程度の損傷かわからず、修理交換の御相談はなかったのですが、
これも綺麗な物に交換した方が良いだろうとPL-25Eのダストカバーを磨いて取付けました。
PL-25Eのダストカバーと31Eのダストカバーは銘板が違うだけで全くの同じ物ですので問題ありません。
2I3A6627A.jpg
磨きをかけたので蛍光灯が綺麗に映り込みしています。

これで修理は完了し動作確認をしていますが、私用のPL-31E/TSより良い音に聴こえます。
これで無事にYさんに返送できますね。



能登震災のTSプレーヤーの修理

このところ千葉県沖でも地震が頻発していて不安ではありますが今の所は大きなものはなく、
このまま収まってくれる事を願います。

さて、元旦の夕刻に発生した能登の大地震は多くの方がお亡くなりになり、
被災された方は二か月たっても1万人が避難所生活を強いられている状況です。
はやく元の生活にもどれる事を願うばかりです。
その様な中、私のPL-31E/TSプレーヤーが大地震でラックから落下し、
一応動作はしていて音は出ているが、正常か分からないので見て欲しいと金沢のYさんから御相談をうけました。
話を聞けばダストカバーは壊れ、クリスタルガラスシートにはヒビがはいっているそうです。
プラッターは僅かに上下動していて正常か分からないとの事
「その様な状態では音楽を安心して聴いていられないでしょう。」と動作チェックと点検に送ってもらう事となりました。

まだ、続きます。



オフ会あるも本妻のA5マルチが不調

20日の土曜に久々に鎌倉方面から当オーディオルームに4名の方が御来訪くださり
楽しいオフ会となりました。
IMG_0856.jpg
参加者はもう四度訪れて頂いているpippinさん、よっしーさん、GTOさん、そして今回が初のSさんです。
今回の主題は新たに導入したスピーカーの『モスキート・ネオ』の試聴でしたが、他のスピーカーも聴いてもらおうと調整していたのですが、本妻の『ALTEC A5マルチ』の調子が悪く、右に音像が寄ってしまって音も煩いのです。
急遽『ALTEC A5』の使用は取り止めとして、空芯カートリッジの比較試聴に切り替える事にしました。
オフ会は楽しく進行して、空芯カートリッジの聴き比べも好評のようでしたので
無事にオフ会も終了する事ができました。

夏場は酷暑の影響でA級アンプ8台の『A5マルチ』では放熱がもの凄く、
最近はフルレンジの『BONSAI』や新規の『Neo』を使うことが多いのですが、
最低限は電源だけは入れる様にしないと、この様になる事は分かっていましたが
4wayマルチは電源スイッチを入れるだけでもかなりの数になりますので
面倒を決め込んで かまわなかったのが『A5のマルチ』の機嫌が悪くなったせいだと思っています。

さて、翌日に色々調べてみると、どうもチャンネルデバイダーの『LX-8』が原因の様です。
IMG_0867.png左CHの周波数特性
IMG_0868.png右CHの周波数特性
右CHがクロス500Hzを境にウーハーの出力が急に大きくなってしまっています。

早速状態をfidelixに相談したところチャンネルデバイダーのウーハー出力側のコンデンサの容量抜けだろうとの事。
分解して疑わしいフィルムコンデンサーを外しLCRメーターで計測してみると
2I3A6600.jpg
なんと0.12μFの容量が841pFしかありません。ほぼ断線状態です。
中川さんの話ではフィルムコンデンサーでこんな事滅多にないそうです
早速コンデンサーを送ってもらい交換したら左CHと同じ周波数特性になりました。
それまでの音も悪い状態だったので、以前よりもっと良くなった様に聴こえます。

イヤー、かみさん(A5の事)をほったらかしにしてた罰ですかね~
何とか機嫌は直った様です。
やっぱ『A5』のマルチは好い!






オフ会あるも本妻のA5マルチ稼働せず

20日の土曜に久々に鎌倉方面から当オーディオルームに4名の方が御来訪くださり
楽しいオフ会となりました。
IMG_0856.jpg
参加者はもう四度訪れて頂いているpippinさん、よっしーさん、GTOさん、そして今回が初のSさんです。
今回は新たに導入したスピーカーの『モスキート・ネオ』の試聴でしたが、他のスピーカーも聴いてもらおうと調整していたのですが、本妻の『ALTEC A5マルチ』の調子が悪く、右に音像が寄ってしまって音も煩いのです。
急遽『ALTEC A5』の使用は取り止めとして、空芯カートリッジの比較試聴に切り替える事にしました。
オフ会は楽しく進行して、空芯カートリッジの聴き比べも好評のようでしたので
無事にオフ会も終了する事ができました。

夏場は酷暑の影響でA級アンプ8台の『A5マルチ』では放熱がもの凄く、
最近はフルレンジの『BONSAI』や新規の『Neo』を使うことが多いのですが、
最低限は電源だけは入れる様にしないとこの様になる事は分かっていましたが
4wayマルチは電源スイッチを入れるだけでもかなりの数になりますので
面倒を決め込んで かまわなかったのが『A5のマルチ』の機嫌が悪くなったせいだと思っています。

さて、翌日に色々調べてみるとどうもチャンネルデバイダーの『LX-8』が原因の様です。
IMG_0867.png左CHの周波数特性
IMG_0868.png右CHの周波数特性
右CHがクロス500Hzを境にウーハーの出力が急に大きくなってしまっています。

早速状態をfidelixに相談したところチャンネルデバイダーのウーハー出力側のコンデンサの容量抜けだろうとの事。
分解して疑わしいフィルムコンデンサーを外し計測してみると
2I3A6600.jpg
なんと0.12μFの容量が841pFしかありません。ほぼ断線状態です。
中川さんの話ではフィルムコンデンサーでこんな事滅多にないそうです
早速コンデンサーを送ってもらい交換したら左CHと同じ周波数特性になりました。
それまでの音も悪い状態だったので、以前よりもっと良くなった様に聴こえます。

イヤー、かみさん(A5の事)をほったらかしにしてた罰ですかね~
何とか機嫌は直った様です。
やっぱ『A5』のマルチは好い!






オフ会あるも本妻のA5稼働せず

20日の土曜に久々に鎌倉方面から当オーディオルームに4名の方が御来訪くださり
楽しいオフ会となりました。
IMG_0856.jpg
参加者はpippinさん、よっしーさん、GTOさん、そしてSさんです。
今回は新たに導入したスピーカーの『モスキート・ネオ』の試聴でしたが、他のスピーカーも聴いてもらおうと調整していたのですが、本妻の『ALTEC A5』のマルチの調子が悪く、右に音像が寄ってしまって音も煩いのです。
急遽『ALTEC A5』の使用は取り止めとして、空芯カートリッジの比較試聴に切り替える事にしました。
オフ会は楽しく進行して、空芯カートリッジの聴き比べも好評のようでしたので
無事にオフ会も終了する事ができました。

最近は酷暑の影響などでフルレンジの『BONSAI』や新規の『Neo』を使うことが多く、
かまわなかったので本妻の『A5』のマルチアンプの機嫌が悪くなったのだと思っています。

さて、翌日に色々調べてみるとどうもチャンネルデバイダーの『LX-8』が原因の様です。
IMG_0867.png左CHの周波数特性
IMG_0868.png右CHの周波数特性
右CHがクロス500Hzを境にウーハーの出力が大きくなってしまっています。

早速状態をfidelixに相談したところチャンネルデバイダーのウーハー出力側のコンデンサの容量抜けだろうとの事。
分解して疑わしいフィルムコンデンサーを外し計測してみると
2I3A6600.jpg
なんと0.12μFの容量が841pFしかありません。ほぼ断線状態です。
中川さんの話ではフィルムコンデンサーでこんな事滅多にないそうです
早速コンデンサーを送ってもらい交換したら左CHと同じ周波数特性になりました。
それまでの音も悪い状態だったので、以前よりもっと良くなった様に聴こえます。

イヤー、かみさんをほったらかしにしてた罰ですかね~
何とか機嫌は直った様です。
やっぱ『A5』のマルチは好い!






クリスマスもMC-L1000の修理

今日はクリスマスですが、朝からカートリッジの修理でした。

数日前にこのブログにMC-L1000の修理依頼がありました。
ダイヤモンドチップは硬いのですが衝撃には弱くガラスと同じに欠け易いのです。
このオーナーの方は欠けてしまったチップをプロの修理工房に針交換をお願いしたそうなのですが、
MC-L1000はご存知の様にチップとコイルが直結のダイレクトカップルで針交換をするのは
私位の素人ができる修理ではないのは普段からカートリッジを修理しているので良く分かっているのです。
その針交換をしてもらった工房でも修理のリスクは十分説明されたそうですが
無事に針交換が終わって帰ってきたそうです。
しかし、その後音が出なくなったそうで、今回私の所にコイルの交換のご依頼が来たという流れです。
2I3A6574pp.jpg下部カバーを外した写真です。
顕微鏡で観察してみましたが、以前のチップを取外して新たなチップを挿入してある様ですが、オリジナルチップよりやや太いチップが挿してあるようで先端の穴を拡大してある様です。テーパー状のベリリューム製の極細カンチレバーの先端の穴を拡張するのはどんなに難しい作業だったかと思います。
この様な修理後の個体を見るのは初めてなので非常に興味深く観察してしまいました。
チップ固定の後は穴が拡張されているのでチップが抜けない様に通常の3倍くらいの接着剤で固めてありました。
背面にはダイヤモンドは抜けていない様にみえました。
コイルは曲っていて修理から帰って来た時点で曲がっていたそうです。
当然左右の出力は違っていたと思いますが、聞くとやはりバランスが偏っていたそうです。
しかし、超極細のプリントコイルは僅かでも治そうとしただけで導通が無くなる可能性があるので曲ったままで取り付けたのではと推測します。左右対称でないのは問題があるのは私も判るのですが、私がこの作業が出来たとしても恐ろしくて弄らないかもしれません。

さて、この修理の問題は先端のチップの穴が拡張してある為ベリリュームカンチレバーの肉が薄くなっている事で
取外し時にチップごと取れてしまう可能性があります。
てすのでチップ部分は出来る限り触らず、コイルのみを取外すこととしました。
そして、このプリントコイルを取去り先端に取り付けるスペースを作る事に成功しましたので
何時もの様にコイルの取付に取り掛かりました。
そして修理完了後の写真です。
2I3A6582Q.jpg
コイルリードをハンダ付けして、導通が出たときには何時もの変わりない嬉しさが込み上げてきます。
コイルは事前に修理予定の物が組んであり、丁度キャンセルとなったので兆速の2日ほどで修理は完了です。

この記事を書きながら修理完了のMC-L1000/TSで聴く音は何時もながら最高の音を再現してくれています。





TSアームの部品制作中

今年もあと10日ほどで終わりますが、年々時間が加速している感覚を感じます。
その間にも色々な事がありましたが、
今年も沢山の方々から竹本式プレーヤーの製作の御依頼を頂きました
誠に有難うございました。
ここにきてTSアームの部品在庫が殆ど無くなりましたので制作を始めています。2I3A6562A.jpg
ステンレスパイプが3本、チタンパイプアームが4本出来上がりました。
このアーム軸受けの機関部分の形状が複雑で、削り出すのに一番時間がかかりますので
この部分をあらかじめ制作しておけばPL-31E/TSプレーヤーの完成までの時間をかなり短縮する事ができます。
材質がパイプはステンレスかチタンで軸機関部は錆びにくいアルミ合金A6061ですので塗装やメッキの必要はなく、このまま組み立てていけます。


TCHAIKOVSKYのバイオリンコンチェルト

2I3A6547A.jpg
ルジェーロ・リッチのラロのスペイン狂詩曲も素晴らしい演奏でしたので期待していたのですが
今日チャイコフスキーのバイオリンコンチェルトが届きました。
61年のDECCA録音ですが、このレコードの演奏と録音は素晴らしいです。
ジャケットもレコードの内容に違わない印象的な出来です。