ピュアストレートアームの軸受けについて

ピュアストレート
最近、「アームは曲っている物だ」と言う今までの常識を覆して「オフセット角の無いピュアストレートアームが音が好い!」という認識がかなり広がってきている様です。ネットでもアーム先端を切り落として実験をされる方をよく見かける様になりましたが、ピュアストレートアームを勧めてきた私としてはとても嬉しく思っています。アームを真直ぐにするとインサイドフォースが発生せず、立上がりの良い鮮明な音になる事が実際に試して御理解頂けて来たのだなと思っています。
 さて、アームを真直ぐにした事に注目が集まっていますが、軸受けに関しても とても重要な要素がある事を御存じでしょうか?
上下、左右に抵抗無くスムーズに動く事を求められますので、通常のアームは縦軸と横軸各2個づつベアリングを使ったジンバル型が多いのではないでしょうか?
しかし、アームはミクロの山を拾うと言う役目がある為に、極僅かな支点の揺らぎもあってはならなのです。この事からするとベアリングはガタ(遊び)がある事が前提で遊びがなければ動かなくなってしまうと言う事を知ってもらいたいのです。
この事から考えると動作点は極力少なくしたい!という事からベアリングを使わないワンポイントアームが有利だという事になります。
鉛筆の様な尖った軸に陣笠のような軸受けを被せた形状で接触点は僅かに1点で、上下、左右に抵抗なく動く為に全くガタつきがなく高感度にできる事が判ると思います。
しかし、このワンポイントアームの最大の問題はカートリッジを前から見た左右の捻りには全く対応できないという事です。
ワンポイントアームで有名なオーディオクラフトはオイルの粘性で対応を考えましたが、低い周波数で動く事に変わりはなく、どうしても甘い低音になりやすかったです。またアーム本体の下方に重りを付けて重心を下げる方式や、マグネットで規制を掛ける方式など、各社色々な方法で苦労してきたのだと思います。しかし、いずれも捻りに対して動いている事にかわりはありません。
ここで、『LEAK』と言うメーカーが最初に考え付いた『持たせ掛け式』が非常に優れている事に気が付いたSTAXがUA-7などのアームに採用したのです。その後にSATINのアームにも採用され、現在はFIDELIXの『0サイドフォース』にも採用されでいます。

1D3A1273.jpgこれば私のTSアームを軸受の所からカットして後方から見た図となります。A点は尖った鉛筆のような軸先端に緑色のイモネジに擂鉢状の穴を開けた軸受けで受けています。
また、下方B点で前後に長穴を開けたプレートの側面を黄色のウエイトでバランスを崩して軸にもたせ掛けて接触させて捻りの振動を抑えているのです。
金属同士の接触である為に動く事はなく、非常にシンプルで明確な動作となりますので音質に対しても絶大な効果があります。

シェル内搭載ヘッドアンプ『SATELLITE』

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以前から気になっていたfidelix社のシェル内臓のヘッドアンプ『SATELLITE』が到着しました。
昔、YAMAHAから『HA-2』と言うシェルにFETを取付たヘッドアンプが発売されましたが、本機はそれと同じものです。
ただし、電源はバッテリーなのでAC電源の『HA-2』より音質はさらに上なのは比較をするまでもないと思います。
 このシェルにFETを組み込む発想はFIDELIXの中川さんが自分用に作って使っていたのですが、シェル交換時などに大きなショックノイズが出るので製品としての販売を躊躇っていたのですが、オーディオ業界の人にこの話をしたところ、YAMAHAがそれを聞いて製品化、販売したのが『HA-2』だったそうです。その後にYAMAHAは このシェル組込みのヘッドアンプの特許の申請を出したそうですが、考えたのは中川さんですので、結局特許は通らなかった様です。
私はYAMAHA『HA-2』 は発売当初から興味があり「機会があれば使ってみたい」と思っていたのですが、そのまま時が過ぎてしまいました。それが現在になってFIDELIXから発売になるとは思いもしませんでした。

 微小信号領域では接点は音質劣化の原因なのは、アームの接点を磨いたり、カートリッジの端子からフォノイコの端子までモガミ2526ケーブルを直結させる事で著しく音質が向上する事はよく知られた事です。ならばシェル内にアンプを置いてカートリッジ直後に信号を増幅してしまえば その後の接点の音質劣化が少なくなるのではとの考え方です。
1D3A1269.jpg今回は私の普段使いの『MC-L1000/TS』カートリッジを付けての試聴です。カートリッジ直後の黒いFETが見えると思います。これをPL-31E/TSプレーヤーに取付、同社『LEGGIERO』×2左右モノ使いのフォノイコに入れ、パッシブボリュームを通した後に同社『LB-4a』パワーアンプからQUAD『ESL2805』スピーカーで再生します。TSアーム取付時にはシェル内FETの分が重くなる為に、場合によってはサブウェイトはもう一段重い物を使用する様になると思います。
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さて、肝心の音質ですが、一聴で生々しく、リアルになった事がすぐに分ります(眼前での演奏者の実在感が上がった)。低域も力強く、勢いがあります。微小レベルの音はLEGGIEROのフォノイコは聴きにいかないとやや聴こえにくい所がありましたが、『SATELLITE』はスッ!と自然に耳に入ってきますし、何処までも空間に延びるピアノの響きの純度もかなり上がっています。
本来は元の状態に戻して確認をする所ですが、今まで聴いてきた音と比較をしなくても明らかに音質が良くなっている事が分かりますので、音質の差はかなりあると思います。リーリコなどの高性能なヘッドアンプも聴いてきましたが、今までに聴いた最上の音が出ていると思いますので、是非多くの人に聴いて頂ければ『SATELLITE』の澄んだ生々しい音にきっと吃驚して頂けると思います。

シェル内臓ヘッドアンプ『SATELLITE』

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以前から気になっていたfidelix社のシェル内臓のヘッドアンプ『SATELLITE』が到着しました。
昔、YAMAHAから『HA-2』と言うシェルにFETを取付たヘッドアンプが発売されましたが、本機はそれと同じものです。
ただし、電源はバッテリーなので『HA-2』より音質はさらに上なのは比較をするまでもないと思います。
 このシェルにFETを組み込む発想はFIDELIXの中川さんが自分用に作って使っていたのですが、シェル交換時などに大きなショックノイズが出るので製品としての販売を躊躇っていたのですが、オーディオ業界の人にこの話をしたところ、YAMAHAがそれを聞いて製品化、販売したのが『HA-2』だったそうです。その後にYAMAHAは このシェル組込みのヘッドアンプの特許の申請を出したそうですが、考えたのは中川さんですので、結局特許は通らなかった様です。
私はYAMAHA『HA-2』 は発売当初から興味があり「機会があれば使ってみたい」と思っていたのですが、そのまま時が過ぎてしまいました。それが現在になってFIDELIXから発売になるとは思いもしませんでした。

 微小信号領域では接点は音質劣化の原因なのは、アームの接点を磨いたり、カートリッジの端子からフォノイコの端子までモガミ2526ケーブルを直結させる事で著しく音質が向上する事はよく知られた事です。ならばシェル内にアンプを置いてカートリッジ直後に信号を増幅してしまえば その後の接点の音質劣化が少なくなるのではとの考え方です。
1D3A1269.jpg今回は私の普段使いの『MC-L1000/TS』カートリッジを付けての試聴です。カートリッジ直後の黒いFETが見えると思います。これをPL-31E/TSプレーヤーに取付、同社『LEGGIERO』×2左右モノ使いのフォノイコに入れ、パッシブボリュームを通した後に同社『LB-4a』パワーアンプからQUAD『ESL2805』スピーカーで再生します。TSアーム取付時にはシェル内FETの分が重くなる為に、場合によってはサブウェイトはもう一段重い物を使用する様になると思います。


QUAD2805の片chの修理を依頼しました。

やや肌寒いものの何時もの年なら もうすでに蒸し暑くなり始めていますので、気温が低くてかえって過ごしやすい日が続いていますね。
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最近はQUADのESL2805を導入してからは、ALTECやBONSAIなどのダイナミック型スピーカーは全く聴く事が無くなってしまいました。
QUAD2805は箱の中から音がしている様な感じが無いのと、ダイナミック型では反応していない微細な音がハッキリと聴こえるので凄くリアルで、一度この音を聴いてしまうと他の持っているスピーカー達に手が伸びない状態になっているのです。
QUAD2805は以前に埼玉の方に修理をしてもらった片chは絶好調で、反対側のchは正常に近い状態では鳴ってはいますが、もともと静電型はダイナミック型に比して歪みがとても低くいので、僅かな歪みがあっても分かってしまう為に、音楽を聴いていて未修理の片chになんとなく歪みが出るのが分かり(とくに音量が大きい時)、聴いていて精神衛生上よくないので思い切って修理をしてもらう事しました。
修理依頼の連絡を入れると「現在はSTAXの大物3組の修理が入っていて、修理の予定は10月になる」との事でした。
今の時点でも聴くのにはそれほどの問題があるわけでもないので、「待つのも楽しみのうち」と思って声がかかるのをのんびりと待っています。以前より「今年中には修理をしなければ。」と常に思っていて、何時も心に引っ掛っていた物がありましたが、修理予定の目途が立ったのでこれで安心しました。
ただし、修理の時には2805が暫く聴けなくなってしまうので、それが寂しいと思ってしまいます。

QUAD2805の片CH修理を依頼しました。

やや肌寒いものの、何時もの年なら もうむし暑くなり始めていますので、気温が低くて過ごしやすい日が続いていますね。

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最近はQUADのESL2805を導入してからは、ALTECやBONSAIなどのダイナミック型スピーカーは全く聴く事が無くなってしまいました。
QUAD2805は箱の中から音がしている様な感じが無いのと、ダイナミック型では反応していない微細な音がハッキリと聴こえるので凄くリアルで、一度この音を聴いてしまうと他の持っているスピーカー達に手が伸びない状態になっているのです。
QUAD2805は以前に埼玉の方に修理をしてもらった片CHは絶好調で、反対側のCHは正常に近い状態では鳴ってはいますが、もともと2805は歪みがとても低くいので、僅かな歪みがあっても分かってしまうので、音楽を聴いていて片CHIになんとなく歪みが感じられる時があり(とくに音量の大きい時)、聴いていて精神衛生上よくないので思い切って修理をしてもらう事しました。
修理依頼の連絡を入れると「現在はSTAXの大物3台の修理が入っていて、修理の予定は10月になる」との事でした。
今の時点でも聴くのにはそれほどの問題があるわけでもないので、「待つのも楽しみ」と思ってジックリと構えています。
ただし、修理の時には2805が聴けなくなってしまうので、それが寂しいと思ってしまいます。

レイブラウンのソウラー・エナジー

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最近聴いて音の良さに感激したレコードを紹介します。
RayBrownのSOULAR ENERGYの45rpmのAnalogue Productionsからの復刻盤ですが、
もうマスターテープかと言う位の高音質でした。
演奏も素晴らしいです。


模型用バイスを活用しています。

前回掲載した模型用のバイスを再び続けて手に入ったMC-L1000の断線品の修理に活用しています。
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極小なカンチレバーアッセンブリーを固定して作業中の写真ですが、非常にシッカリと固定が出来る様になっています。
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カンチレバーアッセンブリーをバイスに銜えさせてマイクロコイルをカンチレバー先端のチップの背に取付けてから、カンチレバー上にコイルリードを這わせて貼り付ける作業です。フラフラとしないので、とても作業がやり易くなりました。
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上に掲載の写真を拡大してみました。
カンチレバー先端に載る五角形のマイクロコイルは0.8mm径の大きさで、この極小で軽い事がダイレクトカップル型のカートリッジの音質に大きく影響を及ぼす事になります。
カンチレバーに貼り付けるリードは肉眼では殆ど見えないほど細い0.017mmの太さで、これを4本貼付ていきます。

カートリッジ修理の固定器具

気温が上がってきて、やっと春らしいくなってきましたね。

私はカートリッジの修理の様な精密な作業をするので安定して小物を固定する治具はとても重要です。
1D3A1088.jpg
当初は上の様な物を使っていましたが、銜えてもやや不安定な所があり、もう少しシッカリと固定できる工具が欲しいと思っていた所、模型関係に精密作業をする工具や固定工具が幾つかある事を知りました。
1D3A1085.jpg
Amazonで手に入れた模型用のバイスです。
しかし、実物が到着してみると精密とは程遠い精度の悪さで、しかも挟み口の角が面取りしてあり、斜めなので超極小な物を銜える事ができません。
ですので、全て自分で作り直す事にしました。ガイドポール(ネジの両側にある棒)は遊びが多くガタガタでしたので旋盤でステンレス丸棒から削出し、遊びの無い精度まで追い込みました。またバイス上部表面は側面と同様の青色のアルマイト梨地仕上げだった物を表面を削って面取り部を無くして直角にして合わせた時に隙間が出来ない様にしました。
これで精密作業が出来ると思っていたのですが、最低の高さに調整しても高くて作業がやりづらいのです。
1D3A1086.jpg
そこで20mm厚の板をくり抜いてベースを落とし込み、丁度良い高さに調整しました。
なかなか手間がかかりましたが、これで快適に作業ができそうです。1D3A1091.jpg早速先日手に入れた断線品のMC-L1000を固定して修理をしてみましたが、固定がシッカリしているので作業のしやすさがかなり違います。時間的にも短縮できて快適に修理が完了しました。

カートリッジ修理の固定台

気温が上がってきて、やっと春らしいくなってきましたね。

私はカートリッジの修理の様な精密な作業をするので安定して小物を固定する治具はとても重要です。
1D3A1088.jpg
当初は上の様な物を使っていましたが、銜えてもやや不安定な所があり、もう少しシッカリと固定できる工具が欲しいと思っていた所、模型関係に精密作業をする工具や固定工具が幾つかある事を知りました。
1D3A1085.jpg
Amazonで手に入れた模型用のバイスです。
しかし、実物が到着してみると精密とは程遠い精度の悪さで、しかも挟み口の角が面取りしてあり、斜めなので超精密な物を銜える事ができません。
ですので、全て自分で作り直す事にしました。ガイドポール(ネジの両側にある棒)は遊びが多くガタガタでしたので旋盤でステンレス丸棒から削出し、遊びの無い精度まで追い込みました。またバイス上部表面は側面と同様のアルマイト仕上げの梨地の青色だった物を表面を削って面取り部を無くし、合わせた時に隙間が出来ない様にしました。
これで精密作業が出来ると思っていたのですが、高さが高くて作業がしずらいのです。
1D3A1086.jpg
そこで20mm厚の板をくり抜いてベースを落とし込み、丁度良い高さに調整しました。
なかなか手間がかかりましたが、これで快適に作業ができそうです。