レコードプレーヤーPL31E改一覧

『手回しの音』を実現した世界初のプレーヤーPL-31E/TS

私はオーディオを始めた頃は普通に市販の機種を買っては好みの音になる様に組合せて聴く普通のユーザーでしたが、故江川三郎さんとの出会いから大きく考え方が変わる事になりました。
その江川さんが愛用していたアンプを作っていたのがFIDELIX社の中川 伸さんで、
このお二方を師として様々な事を学ばせてもらいました。

一番大きく影響を受けたのは「アナログプレーヤーのプラッターをモーターを使わないで手で回わしてみてください。」と言われて実験をしたところ、
今まで聴いたことの無い空間の静けさ、弦楽器の滑らかさと艶、音楽の優しさと重心の低さなど圧倒的に自然な鳴り方だった事で、
「レコードの中にはこの音以外には入ってはいない‼」と断言できるほどの衝撃的体験だったことです。
この経験からこのモーターを使わないで手で回した時の音を絶対目標として、微塵の迷いもなく究極の回転をするプレーヤーを捜していく旅に出る事になるのです。

当初は市販品の中から探してみたのですが、どのプレーヤーも思ったレベルの音にはならずに長い時を悶々と過ごす事になっていました。
ある時、中古屋でジャンク品のpioneerのPL-25Eが目に止まった事が切っ掛けとなり、また同時期に金属加工の機械も手に入れる事が出来たので、自分の考えていた通りの部品を作る事が出来る様になり、これを改造しながら音を比較する事が出来る様になったのです。
実際に実験をしてみると『オーディオの常識』と言われている多くの事が間違っている事が実によく分かりました。
特にスピンドルシャフトの比較などは経験した事のある方は殆どいないと思いますが、
太さの違う数種類のシャフトを作って比較をしてみたところ信じられないほどの音質差がある事に驚き、徹底的にフリクションロスを無くす方向で工夫をしてみたのです。
この結果は抑圧された所が無い伸び伸びとした開放的な音で音楽が鳴る様になり、この音が私のプレーヤーの大きな特徴の一つ『解き放たれた音』になったのです。
プレーヤーを駆動するモーターも大きな物の方がトルクがあり力強く頼もしく思えるのですが、色々聴いてみると小型の物ほど音がよく、今は廉価プレーヤーに使われている玩具の様なDCモーターが理想の『手回しの音』に非常に近い音が出る事がわかりました。
DCモーターなので電池駆動が出来る為、電源は当初はACアダプターと電池を併用する事を考えていたのですが、単一乾電池6本で毎日2時間位聴いていても、私のプレーヤーでは半年以上も持ってしまうので、あまりの省エネに使った自分自身が驚いてしまいました。
音質も非常に優秀なので、あえて音の悪いAC電源は使う必要は無くなってしまいましたので乾電池ドライブ1本で行く事にしたのです。
アームの軸受構造はワンポイント+ワンのFIDELIXの0サイドフォースアームを参考にした自作ピュアストレートアームを搭載しています。
現在ベース機となっている機種はpioneer社のPL-25Eの上位機種PL-31Eを使用し、
キャビネットは岐阜県の『Woody&Allen工房』が制作をした無垢材の素敵なキャビネットに替えて使用しています。
オリジナルの『PL-31E』からの部品はプラッターとトッププレートのみですので実質は殆ど別の機種になってしまっていますので、もう御指導を頂いた方の名前を入れて 中川・竹本式プレーヤー『PL-31E/TS』と言っても良いのではと思っています。

音は『手回しプレーヤー』のモーターレスの音に極近く、今の所は改造の必要はないと思うほどのレベルにまで到達していますが、故江川三郎さんと中川 伸さんと言うオーディオの巨人と天才のお二方がいなければ、私などが「手回しプレーヤーの音」という孤高のレベルに到底到達できるはずもなく、心底この巡り合わせの幸運に感謝したいと思っています。



PL-31E/TSのまた新たな試聴感想

先日shuksさんからの試聴記事をブログに載せて頂きましたが、
今回は日野市のSeaBass さんから制作依頼を受け納品したPL-31E/TSの試聴感想を頂きました。
そのSeaBass さんのサイトには多数のアンプ制作の記事が載せられていて、その数は驚くべきものですので一度のぞいてみてください。
以下は今回SeaBassさんから頂いた試聴感想です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

こんばんは。先ずはお礼と報告まで。
予定通り、本日午前中に無事受け取りました。
プリアンプの一部オーバーホールをしていたことも有り音出しは夕方になってしまいましたが、
取りあえず M-21 と手持ちの単3エネループを6本繋いで音出ししてみました。
予想通り、静かで透明で野太い音が出てきました。 まさに音溝から全ての情報を正確に引き出している様に思います。
旧来から使用の MICRO DD-8 (改)もそれ程悪くはないのですが、竹本スペシャルに比べるとやはり音に濁りを感じます。
理由を考えてもなかなか頭の中の整理がつきませんが、PL-31E/TS は確かにおっしゃるような解き放たれた音で感涙ものです。
こちらの再生音を聞いてしまうとやはり MICRO DD-8 はすっかり色褪せてつまらない音に聞こえてしまいます。

この度は貴重なお時間を私の為に割いて戴き本当にありがとうございました。
思いがけず M-18 の復活とおそらく究極のアナログプレーヤーに出会うことが出来ました。
私の場合アナログは遠の昔に諦めてDSDとSACDにフォーカスしていましたが、
アナログでこれだけのクオリティがしかもリーズナブルなコストで得られてしまうとDSD再生側にもまだ工夫の余地があるように思えてきます。
これから色々なディスクを試聴して楽しみたいと思います。

この度は本当にありがとうございました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
との内容でした。
今回のSeaBassさんにもPL-31E/TSを気に入って頂けた様で大変にうれしく思っています。

PL-31E/TSの試聴記事

新型コロナの緊急事態宣言はやっと解除となりましたが、なにやらまた怪しい状況で
第2波に警戒です。

今回PL-31E/TSの製作依頼shuksさんから受けて4月初め頃にお送りしたのですが、
あいにく間が悪くshuksさんは入院中、物は到着しているのに触る事も、聴く事もできない状態で、
ご本人ももどかしい日々が続いていたと思います。
さて、shuksさんも5月末にめでたく御退院となり、私のPL-31E/TSを晴れて聴いて頂ける運びとなりました。
ファーストインプレッションを早速書いて頂けましたので見て頂ければと思います。

PL-31E/TSのshuksさんの試聴記事

新型コロナの緊急事態宣言はやっと解除となりましたが、なにやらまた怪しい状況で
第2波に警戒です。

今回PL-31E/TSの製作依頼をshuksさんから受けて4月初め頃にお送りしたのですが、
あいにく間が悪くshuksさんは入院中、物は到着しているのに触る事も、聴く事もできない状態で、
ご本人も もどかしい日々が続いていたと思います。
さて、shuksさんも5月末にめでたく御退院となり、私のPL-31E/TSを晴れて聴いて頂ける運びとなりました。
ファーストインプレッションを早速書いて頂けましたので見て頂ければと思います。
shuksさんの所有機はオラクルDelphi MkⅣやロクサンのザークシーズなど
名機揃いですので強敵です。

PL-31E改の試聴感想を頂きました。

先の見えない災厄的な状況となっています。コロナ禍が早く終わる事を祈るしかありません。

ブログは暫く更新が滞ってしまっていますが、PL-31E改プレーヤーの制作依頼が何点か続いていて、
やっと全て制作と発送が完了して一息ついているところです。
そんな状態の中、PL-31E改ウォールナット仕様を送った方から試聴感想のメールが届きましたので御紹介したいと思います。
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感想を頂いたのは北海道の『 i さん』です。写真でもお分かりの様に長岡派の方です。
私の記事でFidelixのヘッドアンプ『LIRICO』の事を知り、聴いてみたところ結果がとても好かったので
私のプレーヤーにも興味を持って頂けたそうです。
以下『 i さん』からのメールになります。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
音を出してみました
アンプの電源を入れたばかりで、RCAケーブルもあり合わせで
不十分な条件ではありましたが
出てきた音は衝撃でした。milon様が書かれている通り、
スピーカーの外側まで音が広がって、フォーカスがかっちりあっているのに
抑えられたところがなく、残響が伸び伸びと広がって瑞々しい

この音を聴いた後に、今までのプレーヤーで聞いたら
すっかり音場がしぼんでしまって
こんなつまらない音だったっけと感じました
この度は本当にありがとうございました
将来的にリリコからレジェッロにつないでパッシブアッテネーターにしたら
どんな音になるかと よからぬことを考えてしまいます
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プレーヤーのキャビネットの加工をしました。

三月に入ったばかりだと言うのに春真っ盛りの一日でした。
これで変な病気が流行っていなければ最高のお出かけ日和なのですが。
今日は外出もできないので、一日中アナログプレーヤーのキャビネットの加工をしていました。
IMG_0937hh.jpg
一番下は自分用のカリン製で、キズを付けてしまったので、製作者のウッディさんに修理をお願いして帰ってきた物で、脚を変更する為に追加工をしました。修復後の傷は全く元通りで、流石プロの木工屋さんの仕事です。どこに傷が有ったのかわかりません。
下から二番目はパオローズ、杢目のハッキリした重い材で、メチャクチャ硬くて加工するのに苦労しました。
三段目から三つはウォールナット材で落ち着いたこげ茶色が品の良さを感じさせてくれます。無垢の天然木なので個体によって色目が微妙に違いますがこれが好いんですね。
一番上は桜材を着色したものです。

一番下のキャビネットの様にこれからRCA端子や脚を取付て行きたいと思います。
数があったのでケガキなども含めて結構一日仕事になりました。