2025年06月一覧

ピュアストレートアームの軸受けについて

ピュアストレート
最近、「アームは曲っている物だ」と言う今までの常識を覆して「オフセット角の無いピュアストレートアームが音が好い!」という認識がかなり広がってきている様です。ネットでもアーム先端を切り落として実験をされる方をよく見かける様になりましたが、ピュアストレートアームを勧めてきた私としてはとても嬉しく思っています。アームを真直ぐにするとインサイドフォースが発生せず、立上がりの良い鮮明な音になる事が実際に試して御理解頂けて来たのだなと思っています。
 さて、アームを真直ぐにした事に注目が集まっていますが、軸受けに関しても とても重要な要素がある事を御存じでしょうか?
上下、左右に抵抗無くスムーズに動く事を求められますので、通常のアームは縦軸と横軸各2個づつベアリングを使ったジンバル型が多いのではないでしょうか?
しかし、アームはミクロの山を拾うと言う役目がある為に、極僅かな支点の揺らぎもあってはならなのです。この事からするとベアリングはガタ(遊び)がある事が前提で遊びがなければ動かなくなってしまうと言う事を知ってもらいたいのです。
この事から考えると動作点は極力少なくしたい!という事からベアリングを使わないワンポイントアームが有利だという事になります。
鉛筆の様な尖った軸に陣笠のような軸受けを被せた形状で接触点は僅かに1点で、上下、左右に抵抗なく動く為に全くガタつきがなく高感度にできる事が判ると思います。
しかし、このワンポイントアームの最大の問題はカートリッジを前から見た左右の捻りには全く対応できないという事です。
ワンポイントアームで有名なオーディオクラフトはオイルの粘性で対応を考えましたが、低い周波数で動く事に変わりはなく、どうしても甘い低音になりやすかったです。またアーム本体の下方に重りを付けて重心を下げる方式や、マグネットで規制を掛ける方式など、各社色々な方法で苦労してきたのだと思います。しかし、いずれも捻りに対して動いている事にかわりはありません。
ここで、『LEAK』と言うメーカーが最初に考え付いた『持たせ掛け式』が非常に優れている事に気が付いたSTAXがUA-7などのアームに採用したのです。その後にSATINのアームにも採用され、現在はFIDELIXの『0サイドフォース』にも採用されでいます。

1D3A1273.jpgこれば私のTSアームを軸受の所からカットして後方から見た図となります。A点は尖った鉛筆のような軸先端に緑色のイモネジに擂鉢状の穴を開けた軸受けで受けています。
また、下方B点で前後に長穴を開けたプレートの側面を黄色のウエイトでバランスを崩して軸にもたせ掛けて接触させて捻りの振動を抑えているのです。
金属同士の接触である為に動く事はなく、非常にシンプルで明確な動作となりますので音質に対しても絶大な効果があります。

シェル内搭載ヘッドアンプ『SATELLITE』

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以前から気になっていたfidelix社のシェル内臓のヘッドアンプ『SATELLITE』が到着しました。
昔、YAMAHAから『HA-2』と言うシェルにFETを取付たヘッドアンプが発売されましたが、本機はそれと同じものです。
ただし、電源はバッテリーなのでAC電源の『HA-2』より音質はさらに上なのは比較をするまでもないと思います。
 このシェルにFETを組み込む発想はFIDELIXの中川さんが自分用に作って使っていたのですが、シェル交換時などに大きなショックノイズが出るので製品としての販売を躊躇っていたのですが、オーディオ業界の人にこの話をしたところ、YAMAHAがそれを聞いて製品化、販売したのが『HA-2』だったそうです。その後にYAMAHAは このシェル組込みのヘッドアンプの特許の申請を出したそうですが、考えたのは中川さんですので、結局特許は通らなかった様です。
私はYAMAHA『HA-2』 は発売当初から興味があり「機会があれば使ってみたい」と思っていたのですが、そのまま時が過ぎてしまいました。それが現在になってFIDELIXから発売になるとは思いもしませんでした。

 微小信号領域では接点は音質劣化の原因なのは、アームの接点を磨いたり、カートリッジの端子からフォノイコの端子までモガミ2526ケーブルを直結させる事で著しく音質が向上する事はよく知られた事です。ならばシェル内にアンプを置いてカートリッジ直後に信号を増幅してしまえば その後の接点の音質劣化が少なくなるのではとの考え方です。
1D3A1269.jpg今回は私の普段使いの『MC-L1000/TS』カートリッジを付けての試聴です。カートリッジ直後の黒いFETが見えると思います。これをPL-31E/TSプレーヤーに取付、同社『LEGGIERO』×2左右モノ使いのフォノイコに入れ、パッシブボリュームを通した後に同社『LB-4a』パワーアンプからQUAD『ESL2805』スピーカーで再生します。TSアーム取付時にはシェル内FETの分が重くなる為に、場合によってはサブウェイトはもう一段重い物を使用する様になると思います。
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さて、肝心の音質ですが、一聴で生々しく、リアルになった事がすぐに分ります(眼前での演奏者の実在感が上がった)。低域も力強く、勢いがあります。微小レベルの音はLEGGIEROのフォノイコは聴きにいかないとやや聴こえにくい所がありましたが、『SATELLITE』はスッ!と自然に耳に入ってきますし、何処までも空間に延びるピアノの響きの純度もかなり上がっています。
本来は元の状態に戻して確認をする所ですが、今まで聴いてきた音と比較をしなくても明らかに音質が良くなっている事が分かりますので、音質の差はかなりあると思います。リーリコなどの高性能なヘッドアンプも聴いてきましたが、今までに聴いた最上の音が出ていると思いますので、是非多くの人に聴いて頂ければ『SATELLITE』の澄んだ生々しい音にきっと吃驚して頂けると思います。

シェル内臓ヘッドアンプ『SATELLITE』

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以前から気になっていたfidelix社のシェル内臓のヘッドアンプ『SATELLITE』が到着しました。
昔、YAMAHAから『HA-2』と言うシェルにFETを取付たヘッドアンプが発売されましたが、本機はそれと同じものです。
ただし、電源はバッテリーなので『HA-2』より音質はさらに上なのは比較をするまでもないと思います。
 このシェルにFETを組み込む発想はFIDELIXの中川さんが自分用に作って使っていたのですが、シェル交換時などに大きなショックノイズが出るので製品としての販売を躊躇っていたのですが、オーディオ業界の人にこの話をしたところ、YAMAHAがそれを聞いて製品化、販売したのが『HA-2』だったそうです。その後にYAMAHAは このシェル組込みのヘッドアンプの特許の申請を出したそうですが、考えたのは中川さんですので、結局特許は通らなかった様です。
私はYAMAHA『HA-2』 は発売当初から興味があり「機会があれば使ってみたい」と思っていたのですが、そのまま時が過ぎてしまいました。それが現在になってFIDELIXから発売になるとは思いもしませんでした。

 微小信号領域では接点は音質劣化の原因なのは、アームの接点を磨いたり、カートリッジの端子からフォノイコの端子までモガミ2526ケーブルを直結させる事で著しく音質が向上する事はよく知られた事です。ならばシェル内にアンプを置いてカートリッジ直後に信号を増幅してしまえば その後の接点の音質劣化が少なくなるのではとの考え方です。
1D3A1269.jpg今回は私の普段使いの『MC-L1000/TS』カートリッジを付けての試聴です。カートリッジ直後の黒いFETが見えると思います。これをPL-31E/TSプレーヤーに取付、同社『LEGGIERO』×2左右モノ使いのフォノイコに入れ、パッシブボリュームを通した後に同社『LB-4a』パワーアンプからQUAD『ESL2805』スピーカーで再生します。TSアーム取付時にはシェル内FETの分が重くなる為に、場合によってはサブウェイトはもう一段重い物を使用する様になると思います。