カートリッジの絶対位相を調べる

私はMC-L1000の断線修理をする為に、L1000に使われている断線したプリントコイルを除去して新たに極細の巻線コイルに載せ替える作業をしています。
コイルの左右の繋ぎ方を間違えると逆相になるので聴いて直ぐに分かりますが、両方とも位相が反転していると聴いてもなかなか正しい判断をするのが難しいのです。(聴感では正しいのはこっちだろうな~程度で確信がもてない)
オルトフォンでは絶対位相を調べる為にテストレコードを販売しているそうなのですが価格は結構する様です。
この絶対位相の事で、以前にfidelixの中川さんが「簡単に絶対位相を調べる方法がある」と教えてくれたので、その方法を紹介します。

さて、用意するものはデノンのDL-103とオシロスコープとレコードだけです。
まずDL-103は放送局も使う仕様なので位相管理が確りしていますのでこれを基準にします。
DL-103をプレーヤーに取付てフォノイコかプリアンプに入れてフォノイコの出力かプリアンプのテープアウトから出力された信号をオシロスコープで観察するのですが、使うのはレコードの最内周のエンドグルーブです。
ポチッ!、ポチッ!と言う音をオシロで観察するのです。
1D3A9896A.jpg
通常のアンプのケーブル接続と同じ様に左chが上の黄色で右chが下の緑です。最終グルーブのポチッ!部を通過する時に画像の様なピークがでますが、両chのピークがお互いに向き合う様に見えれば絶対位相は合っています。
1D3A9907B.jpgこれを基準にして対象のカートリッジが同じ様にピークが内向きになるかを観察するのですが、レビンソンのJC-1やヤマハのHA-1、FIDELIXのLN-1、LN-2の様に反転アンプを使用しているヘッドアンプの場合は絶対位相が逆になりますので注意してください。
ただ、この事を考えると多くの方が絶対位相の逆で聴いている場合が多いのではないかと思うのです。




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