映画レビュー一覧

「家族を想うとき」

「家族を想うとき」『「ケス」「麦の穂をゆらす風」ほか、数々の傑作で知られる社会派映画の名匠、ローチ監督。第69回カンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」を発表後、映画界からの引退を宣言した同監督だが、今なお世界中で広がる貧富の格差や社会の矛盾を目の当たりにしてその考えを改め、本作の映画作りに着手。新自由主義経済がもたらす非情な現実を鋭く浮き彫りにし、彼の新たな傑作と

「十二人の死にたい子どもたち」

「十二人の死にたい子どもたち」直木賞候補にもなった冲方丁による初の現代小説を、「人魚の眠る家」の堤幸彦監督が映画化。タイトルからも察しがつく通り、法廷ドラマの名作「十二人の怒れる男」をベースに、萩尾望都のSF漫画「11人いる!」をミックスさせたような物語が描かれる。廃病院で集団安楽死を図る未成年たちが地下の部屋で起こった不思議な出来事の真相に迫るミステリーから、自分たちのアイデンティティーを見つけてい

「竜とそばかすの姫」

「竜とそばかすの姫」「サマーウォーズ」「未来のミライ」の細田守監督が、超巨大インターネット空間の仮想世界を舞台に少女の成長を描いたオリジナル長編アニメーション。高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、心に大きな傷を抱えていた。ある日、インターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加し、As(アズ)と呼ばれる自分の分身を作ることに。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と

「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」

「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」第69回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。神父による児童への性的虐待という衝撃的な実話事件をF・オゾン監督が映画化した重厚な社会派ドラマ。~WOWOWより~妻子たちとともにリヨンで暮らすアレクサンドル。かつてまだ幼い自分に性的虐待を働いたプレナ神父が、再びこの地に戻って来たことを知った彼は、新たな犠牲者が出ないよう、神父のことを告発することを決意。

「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」

「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」多数のプレーヤーがネットを通じて同時に参加するオンラインRPGの人気作「ファイナルファンタジーXIV」を題材にした実録感動ドラマ。ハンドルネーム“マイディー”が同ゲームを通じて父親に親孝行する過程を綴ったブログをもとに映画化、坂口と吉田が息子と父役を演じた。ゲームの中で、息子であることを隠して父と“フレンド登録”し合い、親子だからこそ言えない本音を聞こうとす

「罪の声」

「罪の声」1984~85年に起きた、複数の食品会社を標的とし、全国を震撼させた凶悪事件これらをモデルに執筆された塩田武士さんの同名小説を小栗旬さん、星野源さんら豪華キャスト共演で映画化※ネタバレ注意!原作未読&映画を観ていない方はスルーして下さい新聞記者の阿久津は、ほぼ35年前に起きて既に時効を迎えた事件を取材することに。それは複数の食品会社を標的とし、誘拐・毒物混入などの手口を組み合わせた脅迫事件だった

「インターステラー」

「インターステラー」クリストファー・ノーラン監督によるオリジナル作品世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描く。自然環境の悪化や食糧難により、人類存亡の危機に直面した近未来の地球。かくなる上は新天地をよそに求めるしかないと、人々は、居住可能な惑星を探査する飛行隊を未知の宇宙空間へ送り込むことを

「TENET テネット」

「TENET テネット」『「ダークナイト」「インターステラー」などのヒットメーカーでありつつ、「メメント」「ダンケルク」で“時間”をテーマとし、「インセプション」でも独自の世界観に迫った鬼才ノーラン監督が、2020年のコロナウイルス禍の中で発表し、大きく注目を集めた話題の大作。“時間を逆行させる”というアイデアを理解するのが難しいため、恐らくは一度見ただけで理解できない異色作ながら、そんなアイデアだからこそ描け

「ミッドナイトスワン」

「ミッドナイトスワン」内田英治監督が(企画、監督、脚本、原作)手掛けたヒューマンドラマ養育費を当てにして育児放棄された少女を預かることになったトランスジェンダーの主人公が、次第に少女と心を通わせていく物語トランスジャンダーの凪沙役を草なぎ剛さんが演じ第44回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞最優秀作品賞も受賞した話題の日本映画※ネタバレありです!まだ映画をご覧になっていない方はご注意下さい!

「パブリック 図書館の奇跡」

「パブリック 図書館の奇跡」行き場を失ったホームレスたちの避難所と化した図書館で起こる騒動を描くヒューマンドラマオハイオ州シンシナティにある公共図書館の職員スチュアートは、ホームレスである常連利用者から、今夜は図書館から去らないと告げられる。大寒波の影響で、路上で凍死者が出る一方、市の緊急シェルターは満杯で、ホームレスは行き場がないというのがその理由だった。スチュアートはホームレスたちに同情し、図

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