カートリッジ一覧

模型用バイスを活用しています。

前回掲載した模型用のバイスを再び続けて手に入ったMC-L1000の断線品の修理に活用しています。
1D3A1092A.jpg
極小なカンチレバーアッセンブリーを固定して作業中の写真ですが、非常にシッカリと固定が出来る様になっています。
1D3A1094C.jpg
カンチレバーアッセンブリーをバイスに銜えさせてマイクロコイルをカンチレバー先端のチップの背に取付けてから、カンチレバー上にコイルリードを這わせて貼り付ける作業です。フラフラとしないので、とても作業がやり易くなりました。
1D3A1095B.jpg
上に掲載の写真を拡大してみました。
カンチレバー先端に載る五角形のマイクロコイルは0.8mm径の大きさで、この極小で軽い事がダイレクトカップル型のカートリッジの音質に大きく影響を及ぼす事になります。
カンチレバーに貼り付けるリードは肉眼では殆ど見えないほど細い0.017mmの太さで、これを4本貼付ていきます。

カートリッジ修理の固定台

気温が上がってきて、やっと春らしいくなってきましたね。

私はカートリッジの修理の様な精密な作業をするので安定して小物を固定する治具はとても重要です。
1D3A1088.jpg
当初は上の様な物を使っていましたが、銜えてもやや不安定な所があり、もう少しシッカリと固定できる工具が欲しいと思っていた所、模型関係に精密作業をする工具や固定工具が幾つかある事を知りました。
1D3A1085.jpg
Amazonで手に入れた模型用のバイスです。
しかし、実物が到着してみると精密とは程遠い精度の悪さで、しかも挟み口の角が面取りしてあり、斜めなので超精密な物を銜える事ができません。
ですので、全て自分で作り直す事にしました。ガイドポール(ネジの両側にある棒)は遊びが多くガタガタでしたので旋盤でステンレス丸棒から削出し、遊びの無い精度まで追い込みました。またバイス上部表面は側面と同様のアルマイト仕上げの梨地の青色だった物を表面を削って面取り部を無くし、合わせた時に隙間が出来ない様にしました。
これで精密作業が出来ると思っていたのですが、高さが高くて作業がしずらいのです。
1D3A1086.jpg
そこで20mm厚の板をくり抜いてベースを落とし込み、丁度良い高さに調整しました。
なかなか手間がかかりましたが、これで快適に作業ができそうです。

カートリッジ修理の固定器具

気温が上がってきて、やっと春らしいくなってきましたね。

私はカートリッジの修理の様な精密な作業をするので安定して小物を固定する治具はとても重要です。
1D3A1088.jpg
当初は上の様な物を使っていましたが、銜えてもやや不安定な所があり、もう少しシッカリと固定できる工具が欲しいと思っていた所、模型関係に精密作業をする工具や固定工具が幾つかある事を知りました。
1D3A1085.jpg
Amazonで手に入れた模型用のバイスです。
しかし、実物が到着してみると精密とは程遠い精度の悪さで、しかも挟み口の角が面取りしてあり、斜めなので超極小な物を銜える事ができません。
ですので、全て自分で作り直す事にしました。ガイドポール(ネジの両側にある棒)は遊びが多くガタガタでしたので旋盤でステンレス丸棒から削出し、遊びの無い精度まで追い込みました。またバイス上部表面は側面と同様の青色のアルマイト梨地仕上げだった物を表面を削って面取り部を無くして直角にして合わせた時に隙間が出来ない様にしました。
これで精密作業が出来ると思っていたのですが、最低の高さに調整しても高くて作業がやりづらいのです。
1D3A1086.jpg
そこで20mm厚の板をくり抜いてベースを落とし込み、丁度良い高さに調整しました。
なかなか手間がかかりましたが、これで快適に作業ができそうです。1D3A1091.jpg早速先日手に入れた断線品のMC-L1000を固定して修理をしてみましたが、固定がシッカリしているので作業のしやすさがかなり違います。時間的にも短縮できて快適に修理が完了しました。

カートリッジの絶対位相を調べる

私はMC-L1000の断線修理をする為に、L1000に使われている断線したプリントコイルを除去して新たに極細の巻線コイルに載せ替える作業をしています。
コイルの左右の繋ぎ方を間違えると逆相になるので聴いて直ぐに分かりますが、両方とも位相が反転していると聴いてもなかなか正しい判断をするのが難しいのです。(聴感では正しいのはこっちだろうな~程度で確信がもてない)
オルトフォンでは絶対位相を調べる為にテストレコードを販売しているそうなのですが価格は結構する様です。
この絶対位相の事で、以前にfidelixの中川さんが「簡単に絶対位相を調べる方法がある」と教えてくれたので、その方法を紹介します。

さて、用意するものはデノンのDL-103とオシロスコープとレコードだけです。
まずDL-103は放送局も使う仕様なので位相管理が確りしていますのでこれを基準にします。
DL-103をプレーヤーに取付てフォノイコかプリアンプに入れてフォノイコの出力かプリアンプのテープアウトから出力された信号をオシロスコープで観察するのですが、使うのはレコードの最内周のエンドグルーブです。
ポチッ!、ポチッ!と言う音をオシロで観察するのです。
1D3A9896A.jpg
通常のアンプのケーブル接続と同じ様に左chが上の黄色で右chが下の緑です。最終グルーブのポチッ!部を通過する時に画像の様なピークがでますが、両chのピークがお互いに向き合う様に見えれば絶対位相は合っています。
1D3A9907B.jpgこれを基準にして対象のカートリッジが同じ様にピークが内向きになるかを観察するのですが、レビンソンのJC-1やヤマハのHA-1、FIDELIXのLN-1、LN-2の様に反転アンプを使用しているヘッドアンプの場合は絶対位相が逆になりますので注意してください。
ただ、この事を考えると多くの方が絶対位相の逆で聴いている場合が多いのではないかと思うのです。





MC-L1000のダンパー修理完了

前記事の続きになります。
ここを見に来て頂いている常連さんにはコイルをカンチレバーの先に載せる作業は何時もの見慣れた写真になりますが、
はじめて見る方もいると思いますので掲載します。
1D3A9666H.jpgまずは左右chの二個のコイルを接合してカンチレバー先端のダイヤモンドチップの背に貼り付けます。コイルはカンチレバーの先端に乗りますので軽ければ軽いほど音質的に有利ですので直径は0.8mmと極小です。
1D3A9672J.jpg次に0.017㎜のリードをカンチレバーの背に貼付ていきます。両チャンネルで4本あり、銅線は細くするほど硬くバネ性を持つ為に張付けるのが非常に困難で常に断線のリスクが伴い、これがこの作業の最難関となります。ダンパーを交換したので黒色に替わっている事が分かると思います。
1D3A9745r.jpgコイルを載せ終わった振動系ユニットを本体にネジ止めしコイルの位置を調整した後固定して端子にハンダ付けします。
1D3A9744q.jpgこの後ダンパーのテンションを調整して下部カバーをネジ止めして修理作業が完了です。
1D3A9748X.jpg


MC-L1000のダンパー交換

サクラの花も散り、日によっては初夏の陽気で、緑も多い景色になってきて出かけるには丁度良い季節になってきました。

このところ少し時間的に余裕ができたので、先延ばしになっていたカートリッジの修理などに手を付け始めています。
今回はVictor社のMC-L1000のダンパー修理に挑戦してみました。
ダンパーはゴム系とウレタン系が使われているのですが、
ウレタン系ダンパーは時間経過とともに加水分解して最悪ドロドロに溶けてしまう事があり
この様な状態になってしまうと針先が沈んでカートリッジのボディの底着きが起き使用する事ができなくなります。
私は今までにMC-L1000の断線のコイル交換修理はかなりの数を熟していますが、
ダンパーを修理するには振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取らなくてはなりません。
通常のカートリッジは極小のネジでカンチレバーアッセンブリーが止まっているだけなので、
この極小ネジを緩めれば外す事ができます。
しかし、MC-L1000カンチレバーアッセンブリーは極小のネジを止めてからアッセンブリーごと接着してあり、簡単には外す事が出来ないのです。
この為にダンパー交換の修理依頼は今まで受けていませんでした。カンチリバー修理以前のカンチレバー修理時の振動系ユニットの写真ですが、カンチレバー根元の水色の部分がダンパーになります。
最近この接着剤を溶かす事が可能になり、カンチレバーアッセンブリーを抜き取る方法が見つかったので、にわかにダンパー修理にトライしてみたくなりました。
かなり前に部品取りとして購入したダンパー劣化のジャンク品のMC-L1000を復活させようと思います。
そしての無事に振動系ユニットからカンチレバーアッセンブリーを抜き取る事ができました。1D3A9621a.jpgダンパーが膨らんでブヨブヨしています。ここまでできれば後は簡単です。
1D3A9627b.jpg左側が今まで使われていたダンパーで、膨らんてしまっています。右が今回新たに使うfidelixのMC-F1000用のダンパーです。1D3A9630d.jpgハイ、これでダンパーの交換完了です。黒色なのでゴム系の様ですが、加水分解はしないので一度交換してしまえば今後安心して使い続けられると思います。

この後の作業は何時もどおりコイルを載せる作業になりますが、
ここの所この作業での失敗はないので無事に復活させる事が出来ると思います。











クリスマスもMC-L1000の修理

今日はクリスマスですが、朝からカートリッジの修理でした。

数日前にこのブログにMC-L1000の修理依頼がありました。
ダイヤモンドチップは硬いのですが衝撃には弱くガラスと同じに欠け易いのです。
このオーナーの方は欠けてしまったチップをプロの修理工房に針交換をお願いしたそうなのですが、
MC-L1000はご存知の様にチップとコイルが直結のダイレクトカップルで針交換をするのは
私位の素人ができる修理ではないのは普段からカートリッジを修理しているので良く分かっているのです。
その針交換をしてもらった工房でも修理のリスクは十分説明されたそうですが
無事に針交換が終わって帰ってきたそうです。
しかし、その後音が出なくなったそうで、今回私の所にコイルの交換のご依頼が来たという流れです。
2I3A6574pp.jpg下部カバーを外した写真です。
顕微鏡で観察してみましたが、以前のチップを取外して新たなチップを挿入してある様ですが、オリジナルチップよりやや太いチップが挿してあるようで先端の穴を拡大してある様です。テーパー状のベリリューム製の極細カンチレバーの先端の穴を拡張するのはどんなに難しい作業だったかと思います。
この様な修理後の個体を見るのは初めてなので非常に興味深く観察してしまいました。
チップ固定の後は穴が拡張されているのでチップが抜けない様に通常の3倍くらいの接着剤で固めてありました。
背面にはダイヤモンドは抜けていない様にみえました。
コイルは曲っていて修理から帰って来た時点で曲がっていたそうです。
当然左右の出力は違っていたと思いますが、聞くとやはりバランスが偏っていたそうです。
しかし、超極細のプリントコイルは僅かでも治そうとしただけで導通が無くなる可能性があるので曲ったままで取り付けたのではと推測します。左右対称でないのは問題があるのは私も判るのですが、私がこの作業が出来たとしても恐ろしくて弄らないかもしれません。

さて、この修理の問題は先端のチップの穴が拡張してある為ベリリュームカンチレバーの肉が薄くなっている事で
取外し時にチップごと取れてしまう可能性があります。
てすのでチップ部分は出来る限り触らず、コイルのみを取外すこととしました。
そして、このプリントコイルを取去り先端に取り付けるスペースを作る事に成功しましたので
何時もの様にコイルの取付に取り掛かりました。
そして修理完了後の写真です。
2I3A6582Q.jpg
コイルリードをハンダ付けして、導通が出たときには何時もの変わりない嬉しさが込み上げてきます。
コイルは事前に修理予定の物が組んであり、丁度キャンセルとなったので兆速の2日ほどで修理は完了です。

この記事を書きながら修理完了のMC-L1000/TSで聴く音は何時もながら最高の音を再現してくれています。





MC-L1000のカンチレバー修理その2

前回はカンチレバーの折損品の交換修理の記事を載せましたが
その後、無事にコイルを載せ終わり、1個体を復活させる事ができました。
以前は手が震えてコイルの配線修理に何日もかかって、成功率も3割程度でしたが、
今は鼻歌まじりで この作業が出来るほどの余裕です。
2I3A6490PP.jpg
音質ももちろん問題なく何時も聴いているMC-L1000/TSの音です。
コイルの断線修理はもう数えられないほどしましたが、
カンチレバーの交換作業は今回が初めてだったので
上手く修理する事ができて、これからのMC-L1000の修理の対応範囲に自信が持てます。
このMC-L1000/TSはfidelix社のMC-F1000と同様にダイレクトカップル型の完成形で、
音域、バランス、広がり、そしてキレと全てにおいて本当に素晴らしい音です。
2I3A6495XX.jpg
私は最高音質のカートリッジと確信していますので、これからも1個体でも多く復活させる事ができればと願っています。

MC-L1000のカンチレバー修理

ようやく気温も下がってきましたね。
涼しくなってきたので、やっとオーディオをやる気がでてきました。

私の普段使用するカートリッジは断線したVictor社のMC-L1000を私自身が修理したものですが、
幾つか手元にある中で、針先が折れてチップが無い物や、テンションワイヤーが切れてしまっていてカンチレバーのみとなっている物があります。以前からこれらの修理が出来ないものかと考えていましたが、ようやく目途がたったので今回ニコイチで修理をしてみる事にしました。

カンチリバー修理
修理完了後の写真となってしまいますが、
下は先端がチップごと折れたベリリウムカンチレバーを上の振動系ユニットから取外した物で、上はテンションワイヤーの切れたチップの付いたカンチレバーから後部の鍔の付いたダンパー受け部品を取外し、入替えた修理後の振動系ユニットです。
カンチレバーを鍔から取外す方法が思いつかずに暫く悩んでいましたが、やっと取外す事ができて上手く修理ができましたので、これから何時もの様にfidelix社のコイルをとりつけて修理をしていきたいと思います。

MC-L1000修理完了

先の記事に載せた 先日入手したMC-L1000の修理に取り掛かりました。
外観は比較的綺麗な品で両Chから音が出ない個体でしたが、テスターでも導通はありませんでした。
振動系のカバーを開けてカンチレバーアッセンブリーを外した時の写真です。
2I3A6302FF.jpg
写真の通り磁性ゴミがビッシリです。カンチレバー先に付いているはずのプリントコイルは千切れてゴミの中に埋もれています。
プリントコイルが磁性ゴミで固まってしまい動かなくなってしまった所に無理な力が加わったのでしょう。


2I3A6304GG.jpg
磁気回路のギャップを清掃後の写真です。

2I3A6314OO.jpg
何時もの様にMC-F1000用のコイルに載せ替えました。

2I3A6321PP.jpg
磁気回路のカバーを付けて修理完了です。
久々の修理だったのでリードを端子に接続後に音が出なかったので失敗したかと思いましたが 
その後に無事に素晴らしい音が出てきました。
何度やっても この修理は大変ですが、音が出た時の嬉しさもひとしおです。