オフ会あるも本妻のA5稼働せず

20日の土曜に久々に鎌倉方面から当オーディオルームに4名の方が御来訪くださり
楽しいオフ会となりました。
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参加者はpippinさん、よっしーさん、GTOさん、そしてSさんです。
今回は新たに導入したスピーカーの『モスキート・ネオ』の試聴でしたが、他のスピーカーも聴いてもらおうと調整していたのですが、本妻の『ALTEC A5』のマルチの調子が悪く、右に音像が寄ってしまって音も煩いのです。
急遽『ALTEC A5』の使用は取り止めとして、空芯カートリッジの比較試聴に切り替える事にしました。
オフ会は楽しく進行して、空芯カートリッジの聴き比べも好評のようでしたので
無事にオフ会も終了する事ができました。

最近は酷暑の影響などでフルレンジの『BONSAI』や新規の『Neo』を使うことが多く、
かまわなかったので本妻の『A5』のマルチアンプの機嫌が悪くなったのだと思っています。

さて、翌日に色々調べてみるとどうもチャンネルデバイダーの『LX-8』が原因の様です。
IMG_0867.png左CHの周波数特性
IMG_0868.png右CHの周波数特性
右CHがクロス500Hzを境にウーハーの出力が大きくなってしまっています。

早速状態をfidelixに相談したところチャンネルデバイダーのウーハー出力側のコンデンサの容量抜けだろうとの事。
分解して疑わしいフィルムコンデンサーを外し計測してみると
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なんと0.12μFの容量が841pFしかありません。ほぼ断線状態です。
中川さんの話ではフィルムコンデンサーでこんな事滅多にないそうです
早速コンデンサーを送ってもらい交換したら左CHと同じ周波数特性になりました。
それまでの音も悪い状態だったので、以前よりもっと良くなった様に聴こえます。

イヤー、かみさんをほったらかしにしてた罰ですかね~
何とか機嫌は直った様です。
やっぱ『A5』のマルチは好い!






クリスマスもMC-L1000の修理

今日はクリスマスですが、朝からカートリッジの修理でした。

数日前にこのブログにMC-L1000の修理依頼がありました。
ダイヤモンドチップは硬いのですが衝撃には弱くガラスと同じに欠け易いのです。
このオーナーの方は欠けてしまったチップをプロの修理工房に針交換をお願いしたそうなのですが、
MC-L1000はご存知の様にチップとコイルが直結のダイレクトカップルで針交換をするのは
私位の素人ができる修理ではないのは普段からカートリッジを修理しているので良く分かっているのです。
その針交換をしてもらった工房でも修理のリスクは十分説明されたそうですが
無事に針交換が終わって帰ってきたそうです。
しかし、その後音が出なくなったそうで、今回私の所にコイルの交換のご依頼が来たという流れです。
2I3A6574pp.jpg下部カバーを外した写真です。
顕微鏡で観察してみましたが、以前のチップを取外して新たなチップを挿入してある様ですが、オリジナルチップよりやや太いチップが挿してあるようで先端の穴を拡大してある様です。テーパー状のベリリューム製の極細カンチレバーの先端の穴を拡張するのはどんなに難しい作業だったかと思います。
この様な修理後の個体を見るのは初めてなので非常に興味深く観察してしまいました。
チップ固定の後は穴が拡張されているのでチップが抜けない様に通常の3倍くらいの接着剤で固めてありました。
背面にはダイヤモンドは抜けていない様にみえました。
コイルは曲っていて修理から帰って来た時点で曲がっていたそうです。
当然左右の出力は違っていたと思いますが、聞くとやはりバランスが偏っていたそうです。
しかし、超極細のプリントコイルは僅かでも治そうとしただけで導通が無くなる可能性があるので曲ったままで取り付けたのではと推測します。左右対称でないのは問題があるのは私も判るのですが、私がこの作業が出来たとしても恐ろしくて弄らないかもしれません。

さて、この修理の問題は先端のチップの穴が拡張してある為ベリリュームカンチレバーの肉が薄くなっている事で
取外し時にチップごと取れてしまう可能性があります。
てすのでチップ部分は出来る限り触らず、コイルのみを取外すこととしました。
そして、このプリントコイルを取去り先端に取り付けるスペースを作る事に成功しましたので
何時もの様にコイルの取付に取り掛かりました。
そして修理完了後の写真です。
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コイルリードをハンダ付けして、導通が出たときには何時もの変わりない嬉しさが込み上げてきます。
コイルは事前に修理予定の物が組んであり、丁度キャンセルとなったので兆速の2日ほどで修理は完了です。

この記事を書きながら修理完了のMC-L1000/TSで聴く音は何時もながら最高の音を再現してくれています。





TSアームの部品制作中

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今年もあと10日ほどで終わりますが、年々時間が加速している感覚を感じます。
その間にも色々な事がありましたが、
今年も沢山の方々から竹本式プレーヤーの製作の御依頼を頂きました
誠に有難うございました。
ここにきてTSアームの部品在庫が殆ど無くなりましたので制作を始めています。2I3A6562A.jpg
ステンレスパイプが3本、チタンパイプアームが4本出来上がりました。
このアーム軸受けの機関部分の形状が複雑で、削り出すのに一番時間がかかりますので
この部分をあらかじめ制作しておけばPL-31E/TSプレーヤーの完成までの時間をかなり短縮する事ができます。
材質がパイプはステンレスかチタンで軸機関部は錆びにくいアルミ合金A6061ですので塗装やメッキの必要はなく、このまま組み立てていけます。


TCHAIKOVSKYのバイオリンコンチェルト

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ルジェーロ・リッチのラロのスペイン狂詩曲も素晴らしい演奏でしたので期待していたのですが
今日チャイコフスキーのバイオリンコンチェルトが届きました。
61年のDECCA録音ですが、このレコードの演奏と録音は素晴らしいです。
ジャケットもレコードの内容に違わない印象的な出来です。

NEOのバスレフダクトのディフューザーを制作しました。

モスキート社のスピーカー『NEO』が入ってから暫く聴いていますが、
最初に気になったのは低音が70Hz近辺で膨らんでしまい洞窟の中の様な音がする為に
バスレフダクトにマイクロファイバークロスを入れて調整していました。
これでかなり良くなりましたが、まだ気になっていたので
バスレフダクトデュフューザーを制作する事にしました。
2I3A6541A.jpg
これで低域の共鳴音はほぼ改善して納得の出来る状態となりました。2I3A6535B.jpgもともと持っている低域の質感は重めで、分厚いドスの効いた低音なのでデフォルメ感はありますが、
迫力がありますので、これはこれで魅力的な音だと思います。



PL-31E/TSの試聴感想を頂きました。

先日制作したPL-31E/TSプレーヤーが届いたK様から試聴感想を頂きました。
到着直後の比較では それまで使われていたプレーヤーと音はあまり変わらないとの事でしたが、
その後、調整してから時間をかけて聴いて頂いた感想を頂きました。
私に送られてきたメールの内容ですが無修正で掲載します。
小林様宅
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
竹本様、
いつもお世話になります。
この土日で聴き込みましたのでご報告させて頂きます。
先日は早く聴きたい気持ちが強すぎて報告しました通り急いで
セッティングしたので大きなミスをしておりました。
まず、ベルトを再度確認した所、ゴムが捻れてかかっていましたので
これを正しく掛け直しました。
プレーヤーの水平も取れてませんでしたので、プレーヤーの脚を調整して
きっちりと水平を出しました。
あと、針圧調整を針圧計でなくウエイトの目盛りで合わせておりましたので
針圧計で測り直した所、正規の針圧より0、3gも重く針圧がかかってました。
これを針圧計で正規の針圧に調整しました。
基本的な事ができていない状態で報告してしまい反省しております。
気を取り直して、聴き直した所、
「きた---、解き放たれた音とはこの事か!」
素晴らしい!!以外の言葉が見つかりません。
私のフェバリットアルバムの1枚であるJONI MITCHELLのSHADOWS & LIGHT
という野外ライブ盤、今まではホールのライブを聴いているようだったのですが
ホールの天井がなくなってまさに野外ライブの臨場感が味合う事ができました。
スタジオ録音の盤は、マスター音源をレコーディングスタジオのモニタースピーカーで
聴いている感覚(実際、経験した事はないので想像ですが)です。
これは「レコードに刻まれたの音を引き出す」という事にプラスして、レコードの溝に
刻み込まれた現場の空気をも引き出しているのでは?と思ってしまいます。
本当に素晴らしいとしか言いようがなく、ずっと一人でニヤニヤしていました。
家内とは、学生時代にバンドを一緒にやっており家内も音楽自体は大好きなのですが、
音には無頓着で私のオーディオの趣味をいつも白い目で見ていました。
その彼女が「無茶苦茶音にリアル感があるね」と感嘆していました。
今、竹本様もブログに書いておられましたDIANA PANTONを聴いていますが
本当にそこで演奏しているのを聴いている感覚ですね。
フィデリックスのカートリッジMC-F1000はヘッドシェルがMITCHAKU Zなので
まだ聴けていませんが、MC-F1000で聴いたらどういう音が出てくるのか
本当に楽しみです。
たかが500枚程度のコレクションですが、明日から全て聴き直すことになりそうです。
素晴らしいプレーヤーを手に入れる事ができ心から満足しております。
本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
今後とも宜しくお願い致します。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

PL-31E/TSをとても気に入って頂けた様で、また一人ご愛用者が増えて嬉しく思っています。

グリモーのクレド

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グリモーの『クレド』です。以前買ったグリモーの『ザ・メッセンジャー』が良かったので予約を入れていたのが届きました。
CDではだいぶ前に発売されていた様ですが、今回はレコードでの発売となったようです。
前記事のPL-31E/TSの動作確認をかねて聴いていますが、期待通りの澄み切ったピアノの響きが空間に広がります。

さらに1台完成しました。

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またまた、御依頼頂いていたPL-31E/TSですが、本日完成して動作確認をしています。
部品は削り出しですが、あらかじめ加工は済ませて組み立てるだけなので短時間で仕上がります。
問題なければ来週早々にも発送したいと思っています。

『気まぐれジジイ』さんが三度YouTubeに動画を載せてくれています。



MC-L1000のカンチレバー修理その2

前回はカンチレバーの折損品の交換修理の記事を載せましたが
その後、無事にコイルを載せ終わり、1個体を復活させる事ができました。
以前は手が震えてコイルの配線修理に何日もかかって、成功率も3割程度でしたが、
今は鼻歌まじりで この作業が出来るほどの余裕です。
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音質ももちろん問題なく何時も聴いているMC-L1000/TSの音です。
コイルの断線修理はもう数えられないほどしましたが、
カンチレバーの交換作業は今回が初めてだったので
上手く修理する事ができて、これからのMC-L1000の修理の対応範囲に自信が持てます。
このMC-L1000/TSはfidelix社のMC-F1000と同様にダイレクトカップル型の完成形で、
音域、バランス、広がり、そしてキレと全てにおいて本当に素晴らしい音です。
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私は最高音質のカートリッジと確信していますので、これからも1個体でも多く復活させる事ができればと願っています。

MC-L1000のカンチレバー修理

ようやく気温も下がってきましたね。
涼しくなってきたので、やっとオーディオをやる気がでてきました。

私の普段使用するカートリッジは断線したVictor社のMC-L1000を私自身が修理したものですが、
幾つか手元にある中で、針先が折れてチップが無い物や、テンションワイヤーが切れてしまっていてカンチレバーのみとなっている物があります。以前からこれらの修理が出来ないものかと考えていましたが、ようやく目途がたったので今回ニコイチで修理をしてみる事にしました。

カンチリバー修理
修理完了後の写真となってしまいますが、
下は先端がチップごと折れたベリリウムカンチレバーを上の振動系ユニットから取外した物で、上はテンションワイヤーの切れたチップの付いたカンチレバーから後部の鍔の付いたダンパー受け部品を取外し、入替えた修理後の振動系ユニットです。
カンチレバーを鍔から取外す方法が思いつかずに暫く悩んでいましたが、やっと取外す事ができて上手く修理ができましたので、これから何時もの様にfidelix社のコイルをとりつけて修理をしていきたいと思います。