音楽って分からない



 私は音楽が苦手だ。この年になる迄、人前では歌ったこともほとんどない。サラリーマン時代でも、社員旅行、忘年会等でも絶対に歌うということは無かった。大人げないと言われればそれまでだ。だがこれは子供時代の小学生だった頃から続いている。

 小学生の2年だった頃、担任の女の先生から言われた一言。音楽の時間だったと思う。

 『○○ちゃん、ちょっと音痴だね』

 この一言が致命傷だった。傷ついた多感な子供はそれ以来、歌うことは無くなった。音楽の歌のテストの時でも歌わなかった。それは徹底していた。ある時には逃げ出したりもした。だから音楽の成績は良いはずはない。

 中学生になり、音楽の先生が専門ではなくて、国語との掛け持ちの担任になった。この1年間は歌の試験がなかった。私にとっては天国のような時間だった。その当時、私の中学校は9科目の評価があった。私の学校は中間と期末試験の平均点が通知表に載った。私の9教科の平均点は90点を遥かに超えて、もちろん学年で1番になっていた。

 音楽嫌いでも実技がなくてペーパー試験だけだったらそんなに悪くはなかったのだ。だがそれも1年しか持たなかった。2年になると音楽の先生が赴任をしてきた。再び悪夢のような歌の試験が始まった。逃げ出して歌わない私の結果は明らかだった。通知表には100点満点の30点。これでは9教科の平均点は良くても80点くらいではなかっただろうか。高校に行くようになって音楽の授業が無くなり、それ以降は音楽のトラウマから解放された。

 数日前に私の姪のフェイスブックを見てびっくりした。ドイツのJugend musiziert(ドイツ青少年音楽)コンクールというのがあるらしい。姪の高校1年の息子が、半年かけて地方、州、ナショナルの3ステージのコンクールを通過して、バイオリンで、最後のナショナルレベルは満点で1位になったというのだ。

 良くは知らないがすごいことらしい。身内でこのような快挙とは嬉しいではないか。もしかしたら私も小学生時代のことがなっかったらもっと音楽を好きになったかも・・・・・・・・。

 言葉って怖いなあと思う。
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