「82年生まれ、キム・ジヨン」
韓国で136万部を突破し、日本などで翻訳された同名小説を映画化
韓国人女性に多いというキム・ジヨンという名前のヒロインが
女性らしい生き方を押し付けられてきたのではないかと悩む物語
韓国以外でも通じる、ジェンダーについての問題提起が印象に残る
結婚・出産を機に仕事を辞め、
専業主婦として育児と家事に追われるキム・ジヨン。
そんな毎日の中、自分が“女性らしい生き方”を押し付けられ、
差別されているのではないかと疑うようになって苦悩し、
彼女の夫テヒョンはそんな妻を心配する。
さらにジヨンは、母親や祖母など、
他人がまるで乗り移ったかのような言動をし始める。
しかもジヨンは、自分のそうした発言をどれも覚えていなかった。
ジヨンは精神科病院に通いだすが……。
原題／Kim Ji-young: Born 1982
制作年／2019
制作国／韓国
内容時間／119分
監督／キム・ドヨン
脚本／ユ・ヨンア
撮影／イ・ソンジェ
音楽／キム・テソン
（CAST)
キム・ジヨン／チョン・ユミ
デヒョン／コン・ユ
ミスク（ジヨンの母親）／キム・ミギョン
ウニョン（ジヨンの姉）／コン・ミンジョン
ジソク（ジヨンの弟）／キム・ソンチョル
ヨンス（ジヨンの父親）／イ・オル
本作は韓国社会のジェンダー差別を
心を病んでしまうジヨンを通して描いている
チョン・ナムジュ著の大ベストセラー小説「82年生まれ、キム・ジヨン」
女性の人生に立ちはだかる問題、女性が人生で出会う困難、差別を描き
韓国で社会現象を巻き起こした話題作の映画化です
年末に観るには少々重たいテーマの映画でしたが
でも以前から観たいと思っていたので年内に観ることができ良かったです
義理の母からの嫁はこうあるべきだ！という押し付け
ジヨンの病気に心を痛め助けてあげたいと思っている夫
コン・ユさん演じるデヒョンもどこかズレているよう…！？
ジヨンのことを気遣い助言めいたことを言う周りの人々
良かれと思っていても真綿のようにジヨンの心を締め付けていく
たぶん当の本人も自覚できていないのでは
ジヨンの心はゆっくりと静かに壊れていった
ジヨン役のチョン・ユミさんの美しく繊細な演技が光った映画でした
韓国に限らずジェンダー問題はどの国にも存在し
日本でも男尊女卑的な傾向は今だに社会に燻っている
昭和に比べるとかなり改善されてはいますが
男性は外で稼ぎ女性は家庭で子育てだと決めつけている輩はまだまだいる
それぞれができることをやればいいのでは？と私は思っているのですが
実際には役割分担が自然と決まってくる
それが押しつけでなければジヨンのように追い詰められることはない！？
色々なことを考えさせながら観た映画です