Victor MC-L1000の再修理

やっと電気が復旧して趣味のオーディオを再開する事ができました。
台風被害の復旧はまだまだ元通りとはいきませんが、先に進まなくてはなりません。

さて、以前にMC-L1000の断線品を修理した記事を書きましたが、初めて修理したので出来上がった物には「あそこはこうしておけば良かったかなぁ?」といくつかの不満な反省すべき点があったのです。
https://millionhit515.blog.fc2.com/blog-entry-634.html
https://millionhit515.blog.fc2.com/blog-entry-636.html
しかし修理作業は困難を極めたものでしたので、「もう暫くはこの修理はやりたくないなぁ」と思っていました。
修理したL1000の音は素晴らしく、暫くは気に入って鳴らしていたのですが、床に置いてあったプレーヤーに足を当てた事で片側から音がでなくなりました。
これはいやでも再度修理しなければならない立場になりましたので、今回は前回の反省点を修正してみようと思います。
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まず前回と同様にコイル二個を瞬間接着剤でペアにしてステレオ用にした後、カンチレバー先端のダイヤモンドチップの背中にエポキシで貼り付けました。この振動系ベースの前回との修正点は取り付けるネジの長穴を0.5mmくらい後方に拡張した事です。取り付けたコイルはオリジナルのプリントコイルより厚みがあり、振動系ユニットを目一杯前方に出して取り付けてもオリジナルの長穴のままだとコイルと後方のヨークが干渉するのです。これで振動系ユニットの取り付けと位置決めの調整がとても楽になりました。IMG_0502bb.jpgIMG_0517cc.jpg今回は最近見つけた優れものアイテムを使ってみました。紫外線硬化型の接着剤『BONDIC』です。https://www.youtube.com/watch?v=_n4pTCkqyYMIMG_0498dd.jpg以前からカートリッジの修理で使う為にエポキシ接着剤などは色々試していましたが、硬化後に硬くなる物ほど音が良い傾向にある事がわかっていました。今回の『BONDIC』は硬化するとカッターナイフの刃も通さないほど硬くなるのです。接着には極微量のエポキシでコイルの位置決めをしたあとに、取付部に『BONDIC』を盛り、補強をすると今までのエポキシ系のフニャりとした接着とは比較にならないほどガッシリと取付けられて嬉しくなりました。しかもこの接着剤は紫外線を当てなければ硬化しませんのでユックリ余裕を持って作業が出来、紫外線を当てれば4秒で完全に固化するので作業効率や使い勝手は抜群です。修理完了後に聴いた音もカチッとした曖昧さの無い音で、この接着剤の効果が表れている様です。これからはスタイラスチップの取付時の補強などに使えば抜群の性能を発揮してくれそうで楽しみです。
IMG_0537xx.jpg前回と同様にカンチレバーの背にコイルリードを這わせ、振動系ユニットをネジ止めし、端子にリード端を半田付けすれば完了です。前回より綺麗で良い仕上がりです。
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IMG_0547pp.jpg今回はMC-L1000オリジナルと同じにボディ下部の振動系の樹脂カバーを取り付けてみました。余計な音が付いて少し音は曇りますが、スタイラスカバーを取り付けることができます。
IMG_0551jj.jpg今回の修理に使った道具です。この中では新たに加わった道具は竹製のピンセットで、先を極細に削りヤスリで尖らせ使用しています。

前回と同じくhttps://millionhit515.blog.fc2.com/blog-entry-640.html
修理後のMC-F1000の音は他のカートリッジでは得られないほど超リアルで鮮烈でした。


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