2025年11月一覧

ジミー・クリフ追悼: “Many Rivers to Cross”と出会った70年代の風

ジミー・クリフの訃報を知った瞬間、
レゲエの伝道師、そして広々とした海のような
“祈りの声” が胸にせまってきた。


Jimmy Cliff – “Many Rivers to Cross”

 


The Harder They Come Original Soundtrack


 



ジミー・クリフを偲び、映画
『ハーダー・ゼイ・カム』(1972/日本公開78年)
を思い返す。
そしてサントラの名曲
“Many Rivers to Cross(遥かなる河)” を上げたい。

70年代、レゲエという音楽に初めて触れたあのころ。
ロックより衝撃だった。ぶんじゃかと独特に揺れるリズム。
ソフトで優しい音なのに、権力や搾取と向き合う鋭さもある。

10代の自分に芽生えた“社会への疑問”を、
そっとなぞってくれるような歌。

ソフトなバラードのはずなのに、ただの異国の歌ではなく、
むしろ 心を照らすように思えた。

Many Rivers to Cross(遥かなる河)

Many Rivers to Cross — 渡らなければならない川がまだいくつもある
But I can’t seem to find my way over — でも渡る道が見つからない
Wandering, I am lost — さまよい、道を失う

10代のときに聴いた歌が、60代になった今も変わらない。
やっぱりこれは、“本当のこと”を歌う歌 だからだと思う。
“Many Rivers to Cross” は、人の普遍性を教えてくれる歌だ。

■ 皆さんはレゲエを、どんな時期に知りましたか?

私のレゲエとの最初の接点は、
クラプトンの「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。
そして NHK『ヤング・ミュージック・ショー』で放送された
ボブ・マーリー&ウェイラーズ(1978)の衝撃。

世界にこんな“本物の歌”があるのか、と驚いた。

大学受験勉強より洋楽とレゲエのほうに頭が向いてしまい、
そこから本格的にレゲエを聴き始めた。

そして、ボブ・マーリーより先に世界へ出ていた
ジミー・クリフの存在 を知る。

日本公演はクリフが78年、マーリーが79年。
どちらも行っていない。
今でも悔やんでいる。観たかった、本当に。

この動画クリフがアコギ一本で歌う、素晴らしい!
音楽の才、声の震え、そのすべてが“祈り”に近い。
ただただ “みんなのために” 歌っている感じがする。

■ 歳を重ねて分かる “渡らなければならない川”

「渡らなければならない川がまだいくつもある」
この1行に、人生の重さと希望がすべて入っている。

若いころは“越えられない壁の歌”だと思っていた。
でも今聴くと、
「それでも歩き続ける人間の意志」 の歌に聴こえる。

人には突然“川”が現れる。
仕事、人間関係、家族、自分自身——。

その川の前で立ちすくむ前にこそ、
ジミー・クリフの歌声は、ひときわ温かい。

■ 映画『ハーダー・ゼイ・カム』について

この映画は、レゲエとジャマイカを世界に知らしめた
記念碑的作品。
サントラの曲はどれも存在感がある。

反骨、貧困、ジャマイカの日常のリアリティ。
そんなテーマを背負いながら、
どこか可笑しく、さびしく、
どこまでも 人そのもの を描いていた。


と云うことでおまけも同サントラのから主題で
落ち込んだ時によく聴いた歌で、
「危機や困難は迫ってくるけれど、
 いつも困難なら平常だよ」と
言われているようで、いつも元気をもらった

Jimmy Cliff – The Harder They Come



ジミー・クリフに感謝!!!















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Pretty Things – S.F. Sorrow Is Born

プリティ・シングスの「S.F. Sorrow Is Born」、アルバムは68年の『S. F. Sorrow:S.F.ソロウ』ですね。

むかし、むかし、“ロック・オペラ”なるものがありましたとな(笑)

10代の頃、70年代スペースオペラ系のSF小説が好きで、その流れでロックの“オペラ”にも興味を持ったんですが…
フーが69年に『トミー』を出し、さらに71年『フーズ・ネクスト』〜73年『四重人格』と続く。
小生は後期フーから入ったもんで、逆に『トミー』と『四重人格』には長いこと悩まされてきました。

私的にはどうにもー冗長なアルバムーでして。キャッチーな曲と、乗れない曲との差が大きすぎ。
そもそも当時、本物のオペラなんて知らないし、クラシックも組曲までは辿りつかないし、“ロックオペラ”と言われても、せいぜい「なんかストーリーのあるコンセプトアルバム?」ぐらいの認識。

そしてダメ押しは映画版『トミー』(76)あれはいまだに苦手。ケン・ラッセル監督の作品は81年『アルタード・ステーツ』は評価してますが、あれは原作の力。
あの毒々しい映画の中で、エルトン・ジョン(ピンボールの魔術師)は最高だったけど(笑)、クラプトン、ティナ・ターナー、フーメンバー、10代では喧噪映画は理解不能。

今思えば、ロックオペラというより『ロック・ミュージカル映画』と捉えたほうがまだ許せるのかも。

ロックオペラには独特のアレルギーがありまして、「普通のコンセプトアルバムでよくない? ビートルズもフロイドもクリムゾンも、思いっきり革新的だったじゃないか」と。
フーはライブでこそ真骨頂なのに、あえてアルバムにストーリー性を持たせる意味とは… 今でも判らん(笑)
好きなブリティッシュロックの革新性の真ん中に、どうしても好きになれないロックオペラがあるという矛盾(笑)

で、枕が長くなりましたが!!!

実はロックオペラの先駆け、フーではなくプリティ・シングスのほうが半年早かった。
このあたり、最近になって聴き直してます。50年以上前のアルバムを(笑)


 


S.f. Sorrow


 


60年代の英国ロックは、とにかく挑戦の時代。
アメリカもドアーズあたりが奮闘してましたが、小生は70年代以降に後追いしたロック、どうしてもブリティッシュ寄りに。

プリティ・シングスは60年代前半の結成。
ストーンズの前身バンドの流れから、ディック・テイラーが抜けて始めたバンドで、その4作目が68年の『S. F. Sorrow』

このアルバムは主人公 Sebastian F. Sorrow の一生を描く、いわゆるロック・オペラ/劇的コンセプト作品。1曲目「S.F. Sorrow Is Born」は誕生、アコギにロックンロール、そこにサイケが混ざり、60年代後半特有の英国ロックのきらめきがしっかり出ていると思う。残念ながら大ヒットにはならなかった。このあたりは、フーのほうが見せ方が上手かった。

誕生はスタートであり、そこから戦争、失恋、狂気と時代をロックで語っていく、定番、自由や反抗をロックを語った時代。今も同じと思う、時々「反骨とか熱い とか うざい」とロックについて語る方がいますが、それは太陽が西から上りますと言ってるぐらい、大勘違い、あり得ない発言と自覚してね、と思う(笑)

当時の彼らは、まっさらなキャンバスに、コーラスワークとサイケのギミックで新しいロックを描いた、60年代ブリティッシュロックには遊び心と実験精神を盤にきざんだ。
メンバーが元になる小説を書き、それを音楽に落とし込んだらしいですが、その手法は、後のピンク・フロイドのほうがうまく昇華し、大成したと思う。まま彼らはそれで世界的なミュージシャン、バンドになった。

それでも……この『S. F. Sorrow』は、始まりの一歩のアルバム群だったのですね。

と云うことでおまけも同アルバムからで

Pretty Things - Baron Saturday






























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デイヴィッド・カヴァデール引退なんだ!70年代パープルに魅せられた者のミストゥリーテッド

時は流れる、時間が人生! でも寂しい。

ディープ・パープルⅢ期の「Mistreated:ミストゥリーテッド」で、アルバムは74年『Burn:紫の炎』ですね。



 デイヴィッド・カヴァデール引退、宣言と言うか告知、皆様のブログでも、たくさん拝見しました。カヴァデールはディープ・パープルⅢ・Ⅳ期、ソロ、ホワイトスネイク、カヴァーデイル・ペイジ、ホワイトスネイクでしたが、ホワイトスネイク、カヴァーデイル・ペイジは日本公演行きましたので、やっぱり好きだったと思う。

パープルは聴き始めが、Ⅳ期後パープル解散の75年なんで中坊、これは行けなかった。 
小生は自称パープルⅡ派でしたが、パープルのアルバムで一番聴いたのは『Burn:紫の炎』やライブ盤76年『メイド・イン・ヨーロッパ 』だったりで、隠れⅢ派だった(笑)

夢中になったパープルには、まず72年『マシン・ヘッド』『ライヴ・イン・ジャパン』がありき。Ⅲ期になってのアルバムで初めて聴いたのが『紫の炎』、びくびくしながらレコードに針を落とした時、「Burn」始まる、ひたすらカッコイイ!覚えいる。昨日の事も忘れ、ボケなのか悩む日々なのに、『紫の炎』の感激しっかり体に、しみついている。

パープルのボーカルはギランでしょうと思う心に、カヴァデールの低い唸りと、ヒューズのハイトーンが絡む独特の緊張、そこへリッチーのギターが切り込み、10代の感性はノックアウトされた。
レコードを聴き進みB面で「Mistreated:ミストゥリーテッド」では
ーーーー演歌や、ロックに演歌がある ぶっ飛んだ!ーーー

今聴いても震えるほどの“孤独の匂い” 単なる失恋の歌のでなく、おこちゃまのままでも60代になると「お前もどこかで誰かに裏切られたことがあるだろ?」と問いかけているようで……

ロックは歳を取らないが、人は歳を取る。

カヴァデールの引退に触れて、あの頃のパープルが胸によみがえる。若い頃は勢いで聴いていた曲が、寄り添う音になっている。音楽は同じでも、時が、音の聴こえ方を変える。

いろいろな思いのカヴァデール引退宣言。

今は、私は感謝のみ、デイヴィッド・カヴァデール ありがとう!!

ということでおまけはツインボーカルですがカヴァデールあればこその曲で

Deep Purple - Might Just Take Your Life


























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The Yardbirds – I Wish You Would

ヤードバーズの「I Wish You Would」は、1965年のアルバム『For Your Love』ですね。ただしこのアルバム、アメリカ盤のためコンピレーション的性格が強く、ジェフ・ベックとエリック・クラプトンの演奏が混在している。

いつ初めて聴いたのか、もうすっかり忘れている。たぶん1980年代、「For Your Love」が少し流行っていた頃、ラジオでかかっていた時期 かな??

東京の日々と輸入盤の匂い
その頃、東京に出てきたばかり。大学演劇部の先輩に輸入盤の大家がいて、彼の部屋には憧れのレコードがずらりと並んでいた。ところが、その先輩がどうにも苦手でして、強引で、威圧的な物言いをし、典型的なトラブルメーカー。しかもビートルズを馬鹿にしていた。もっとも、そのおかげで“ビートルズ以外”のレコードをたくさん聴くことができた。今思えば、嫌いな人や物でも、結果的に自分の幅を広げてくれることがあるかも? 還暦を過ぎてから、やっと判った(笑)

三大ギタリストとヤードバーズの記憶
昔は“伝説”のように語られた三大ギタリスト、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ。(まあ、レコード会社のプロモーション意向もあったと思いますが、良心的な仕掛けだったと今では思っています(笑))

80年代前半までは、彼らの名前にはまだ神話的な威光があり、その流れでヤードバーズも改めて聴くようになったわけで。

あの頃は、レイドバックしてあまり弾かないクラプトンに「もう本気出さないのかな?」と心配したり、ジミー・ペイジの動向もよく分からず、ザ・ファームを聴いて、「何、これ?」と思ったり(笑)一方で、ベック先生はフュージョン路線に夢中。

そんなことを思い出しながら、久しぶりに『For Your Love』を聴いたら、当時夢中になった“三大ギタリスト”の記憶が、よみがえり、ほんと、すり込まれてます(笑)


 


For Your Love


 


ブリティッシュ・ロック黎明期の息吹
ロックンロール、ロカビリーの流れを汲みながらも、ブルースを基調に、サイケの香りを漂わせたブリティッシュ・ロック。ヤードバーズは、その中核を担ったバンドだと思う。
ビートルズ、ストーンズ、フー、キンクス、アニマルズ、マンフレッド・マン、ホリーズ、他にバンドがたくさんいた。互いに競い合いながら、新しい音と曲風を創り出していた時代だったと思う。

「I Wish You Would」とクラプトン
「I Wish You Would」は、シカゴ・ブルースのカバーで、ギターはエリック・クラプトンで、ヤードバーズのデビュー・シングルだったようで、一方、このアルバムの大ヒット曲「For Your Love」は、クラプトン本人が気に入らず、これを機に脱退とWikiに書いてありました、知らんかった。(編集盤らしい結末)

その後、ジェフ・ベックが加入し、わずか1年ほどでジミー・ペイジへ。ギタリスト交代劇もブリティッシュロックの基!! これもヤードバーズならではの伝説ですね。

ということでおまけはクラプトンは嫌いでも小生は好きな曲で(笑)

The Yardbirds - For Your Love



























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Steve Winwood-Dirty City

スティーヴ・ウィンウッドの「Dirty City:ダーティ・シティ」で、アルバムは2008年『Nine Lives:ナイン・ライヴズ』ですね。

小生では珍しの21世紀のアルバムですが、大好きスティーヴ・ウィンウッドですから、この頃はしっかり大人の向き、アダルト・コンテンポラリー(笑)和むます。

「Dirty City:ダーティ・シティ」では、朋友エリック・クラプトンがギターを弾いている、音色かなり歪ありでも、やはりクラプトン、ソロのメロディ運びが絶妙、至極好み。

ウィンウッドのハモンド・オルガンもいい。ブラインド・フェイスの頃から時は経つが、その空気感はどこかでつながっている。


 


Nine Lives


 


この『Nine Lives』の翌年には、クラプトンとの連名ライヴ盤2009年『ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン』が出て、さらに2011年12月には日本武道館での公演。東日本大震災3月11日に会社を辞め、あの年は激動だった時に、本当、ライブに元気をもらった!!

ウィンウッドといえば、スペンサー・デイヴィス・グループ、トラフィック、ブラインド・フェイス、そして80年代のPOP路線まで、時代ごとに合わせたと思うが、21世紀に入ってからは再び本来のブルー・アイド・ソウルに立ち返った。

けして上手いとは思えない(むしろ不安定?)なのに、不思議と心にすり込まれる。寂寥感あり、せつない歌声。さらにバック・バンドがしっかりしていると、その魅力が一層際立つと思う。

前作2003年『アバウト・タイム』は、どこかサンタナを思わせるジャケットで、カバーの「Why Can’t We Live Together:かなわぬ想い」もソウルフルで心地いいで、ハモンドも最高。

2004年モントルー・ジャズ・フェスティバル:Hymns For Peaceでは、サンタナのバンドで同曲を歌っている。

「けして上手いとは思えない」は撤回かな(笑)やはりウィンウッドは、バンドが一流であればあるほど光る です。

と云うことでおまけはサンタナとの共演で

Steve Winwood & Carlos Santana ‐Why Can’t We Live Together































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