少年はいつ、サンタクロースを信じなくなったのか ― Greg Lakeの曲を聴きながら

少年はいつ、サンタクロースを信じなくなったのか

昨日、たまたま知り合った同世代の人と、クリスマスの話をした。
不妊治療をあきらめず、いまは小学生の子どもが二人いるという。

うちはもう、二十代の終わりと二十代半ば。
そんな年齢の子どもがいる身だから、一瞬、時間の感覚がずれた。

 

「長く治療しました。何十年も」その言葉が、静かに胸に残った。

私は「クリスマスは?」

「サンタさんは、まだ来ると信じているらしいんです」

場の空気がふっと和らいだ。

私も、自分がクリスマスプレゼントを探し回ったドジな話をして、笑った。
なんだか、その時間が少しだけ、あたたかかった。

 

この人、幸せなんだ。そして、そう思えた自分も、幸せなのかも。
いま、人の幸せをそのまま受け取れるのは、ありがたい……

 

自分がクリスマスプレゼントをもらった、遠い記憶もよみがえった。
今年亡くなった父が、買ってくれた野球のグローブ。
嬉しかったことを思い出す。

 

それでも――
少年は、いつサンタクロースを信じなくなったのか。

はっきりした瞬間を、私は思い出せない。

 

今日会った彼の子どもたちは、まだ信じているという。
クリスマスの夜、プレゼントは「サンタが持ってくる」。


グレッグ・レイクの75年のヒット曲、

「I Believe In Father Christmas:夢見るクリスマス」は、
多くのクリスマスソングとは、少し違う場所に立っている。

もっと、シビアだ。

 

 

この曲には、もう素直には信じられなくなった大人の視線。
それでもなお、何かを信じたいという、かすかな願い。

 

今日の会話を思い返しながら、
私はふと、その子どもたちの顔を想像した。できるだけ長く続けばいいと。

 

久しぶりに、この曲が聴きながら、その記憶・思い出が大切に思えることが、
きっとあると。

 

 

グレッグは歌う。 “The Christmas you get you deserve” 

「あなたにふさわしいクリスマスが、訪れますように」

 

この言葉を、昨日出会った彼とその子供たちに贈りたい。 

このブログを読んでくださっているあなたにも!!

 

 

 

 


 

 

 

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〈再編集2026〉勝手なプロジェクトの一編です。

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