むかし、むかし、“ロック・オペラ”なるものがありましたとな(笑)
10代の頃、70年代スペースオペラ系のSF小説が好きで、その流れでロックの“オペラ”にも興味を持ったんですが…
フーが69年に『トミー』を出し、さらに71年『フーズ・ネクスト』〜73年『四重人格』と続く。
小生は後期フーから入ったもんで、逆に『トミー』と『四重人格』には長いこと悩まされてきました。
私的にはどうにもー冗長なアルバムーでして。キャッチーな曲と、乗れない曲との差が大きすぎ。
そもそも当時、本物のオペラなんて知らないし、クラシックも組曲までは辿りつかないし、“ロックオペラ”と言われても、せいぜい「なんかストーリーのあるコンセプトアルバム?」ぐらいの認識。
そしてダメ押しは映画版『トミー』(76)あれはいまだに苦手。ケン・ラッセル監督の作品は81年『アルタード・ステーツ』は評価してますが、あれは原作の力。
あの毒々しい映画の中で、エルトン・ジョン(ピンボールの魔術師)は最高だったけど(笑)、クラプトン、ティナ・ターナー、フーメンバー、10代では喧噪映画は理解不能。
今思えば、ロックオペラというより『ロック・ミュージカル映画』と捉えたほうがまだ許せるのかも。
ロックオペラには独特のアレルギーがありまして、「普通のコンセプトアルバムでよくない? ビートルズもフロイドもクリムゾンも、思いっきり革新的だったじゃないか」と。
フーはライブでこそ真骨頂なのに、あえてアルバムにストーリー性を持たせる意味とは… 今でも判らん(笑)
好きなブリティッシュロックの革新性の真ん中に、どうしても好きになれないロックオペラがあるという矛盾(笑)
で、枕が長くなりましたが!!!
実はロックオペラの先駆け、フーではなくプリティ・シングスのほうが半年早かった。
このあたり、最近になって聴き直してます。50年以上前のアルバムを(笑)

60年代の英国ロックは、とにかく挑戦の時代。
アメリカもドアーズあたりが奮闘してましたが、小生は70年代以降に後追いしたロック、どうしてもブリティッシュ寄りに。
プリティ・シングスは60年代前半の結成。
ストーンズの前身バンドの流れから、ディック・テイラーが抜けて始めたバンドで、その4作目が68年の『S. F. Sorrow』
このアルバムは主人公 Sebastian F. Sorrow の一生を描く、いわゆるロック・オペラ/劇的コンセプト作品。1曲目「S.F. Sorrow Is Born」は誕生、アコギにロックンロール、そこにサイケが混ざり、60年代後半特有の英国ロックのきらめきがしっかり出ていると思う。残念ながら大ヒットにはならなかった。このあたりは、フーのほうが見せ方が上手かった。
誕生はスタートであり、そこから戦争、失恋、狂気と時代をロックで語っていく、定番、自由や反抗をロックを語った時代。今も同じと思う、時々「反骨とか熱い とか うざい」とロックについて語る方がいますが、それは太陽が西から上りますと言ってるぐらい、大勘違い、あり得ない発言と自覚してね、と思う(笑)
当時の彼らは、まっさらなキャンバスに、コーラスワークとサイケのギミックで新しいロックを描いた、60年代ブリティッシュロックには遊び心と実験精神を盤にきざんだ。
メンバーが元になる小説を書き、それを音楽に落とし込んだらしいですが、その手法は、後のピンク・フロイドのほうがうまく昇華し、大成したと思う。まま彼らはそれで世界的なミュージシャン、バンドになった。
それでも……この『S. F. Sorrow』は、始まりの一歩のアルバム群だったのですね。
と云うことでおまけも同アルバムからで
Pretty Things - Baron Saturday
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