“解雇9万人”炊き出し行列4倍に・・・コロナ禍の支援は(2021年3月4日)
また働ける様になれば恩返しできますから・・・
ご自身の命を守りましょう。
ANN newsCHより引用します
新型コロナに関連する解雇や雇い止めは9万人を超えました。緊急事態宣言が延長されれば、さらに悪化する懸念もあります。
東京・新宿で民間のNPOが行う相談会と炊き出しには、コロナ前に比べて約4倍の人が並ぶようになりました。高齢者に加え、働き盛りの若い男性、女性の姿もあります。
警備員として働く30代の男性は、週5日だったシフトが週1日に激減したといいます。
警備員の男性:「(Q.1月分の給料はどれぐらい?)手取りで10万円ちょっと。(Q.いま所持金はいくら?)いま1000円ちょっと。(Q.銀行預金も入れて?)そうです」
政府はコロナの影響で生活が苦しくなった人に緊急の貸付を行っていて、単身世帯では最大で155万円まで借りることができます。ただ、警備員の男性にはためらいがあるといいます。
警備員の男性:「また借金するのかな、国から借金するんだなって。(Q.返すにあたって不安が?)不安ですね」
仕事がなくなり、家賃も払えず、住まいを失った人もいました。
イベント関係の交通量調査をしていた50代男性の所持金は数十円。ファストフード店で朝まで過ごすこともありましたが、時短のため、それもできなくなったといいます。
住まいを失った男性:「朝からずっと公園で途方に暮れていて、駅の地下に行くか、公園で寝るか。きのうの朝に食べたきり、何も食べていない。(Q.住む場所がないと働き先も見つからない?)住居を置かないと(就職の)面接も受け付けてくれない」
定まった住所がないことで、政府の貸付制度を利用することもできません。
男性は後日、生活保護の申請を相談するため、再びNPOの事務所を訪ねました。ただ、その心境は複雑です。
住まいを失った男性:「(生活保護申請は)極力したくない。(親族に)余計な心配をかけてしまう」
生活保護の申請件数は4カ月連続で増えています。去年12月は1万7308件で、前の年の同じ月より1055件増えました。
自立生活サポートセンター『もやい』大西連理事長:「ただ(宣言を)延長するのは、本当に苦しい状況の方、ギリギリの崖の上をなんとか落ちないように頑張ってる方を追い詰めるようなことになりかねない。現金給付は早期にやる必要があるのかなと。
■ 「コロナでこぼれ落ちた」家も仕事も失った若者の貧困【news23】
新型コロナの感染拡大が長引くなか、若い世代にも深刻な影響が広がっています。
普通の若者が病気などをきっかけに、あっという間に仕事も住まいも失ってしまう状況に
支援する団体からは「底が抜けた」との声もあがっています(「反貧困ネットワーク」瀬戸大作さん)。支援の現場を取材しました。
●Rさん「こんにちは、よろしくお願いします」
見た目はごく普通の青年。
しかしいま、24歳のRさんは苦しい状況に直面しています。
●Rさん「寒いんですけど公園とか行ったり、少なくとも雨風しのげる場所だったらどこでもいいかなって」
1年前までは大手携帯電話会社の「派遣社員」でした。
ところがいまは職を失い、公園やネットカフェで寝泊りする毎日です。
一体何があったのか。
●Rさん「病気になったのと、コロナもあってすぐには仕事に就けなかった」
通院後、仕事に復帰しようとしましたが、再雇用を断られ、家賃を払えなくなったと言います。
現在の貯金残高は274円・・・。
●Rさん「外でwifiがないとケータイが使えないので、wifiがある環境で仕事探したりとか」「電話番号も今使えないです、止まっちゃっていて」
きょろきょろと辺りを見まわすRさん。
料金が払えず、自身の携帯のインターネットサービスが使えないため、無料のWi-Fiを探します。
ドリンク代だけで入れるカラオケBOXを見つけました。
●Rさん「次のところを見つけてちゃんと住みはじめてから(仕事)探さないと同時進行はきついかなっていう」「きょうもめちゃくちゃからだ重くて。」
「コロナ禍」で仕事を失い、生活苦にあえぐ若者。
総務省統計局「労働力調査」によると、
15歳から24歳の完全失業率は、5.1%と
全体の2.9%より高くなっています(2020年12月時点)。
Rさんは、ネットで知り合った人から、一人の男性を紹介されました。
瀬戸大作さん。
生活困窮者の支援団体の事務局長です。
車を走らせ、公園などで寝泊りする人の支援に向かうのが瀬戸さんの日課です。
SOSのメールが入りました。
●瀬戸さん 「今日泊まるところがなくて、当面の宿泊場所と食料の提供をお願いしたいと(SOSが来た)。生活拠点としては路上とか公園とか河川敷とかに泊まっていますと。こういうような形で情報が入ってきていて、こういう情報が入ったら基本的にはその数時間後には行ってますと。」
メールを送ってきた男性との待ち合わせ場所で待っていると…
●50代男性 「ありがとうございます。すいません」
この男性は、最近、生活困窮者用の施設を出て、自立しようとしたそうですが…。
●50代男性「仕事のあてがあったんですけど、それが・・・」
●瀬戸さん「断られたんでしょ?緊急事態宣言で。所持金が500円しかなくて、無料低額宿泊所から出てきちゃったら、それは路上生活なっちゃうじゃん」
瀬戸さんは、当面の生活費を手渡しました。
この男性は、50代でしたが、コロナの感染拡大後は、若者からのSOSが増えたことに、瀬戸さん自身が驚いていると言います。
この日も、深夜にかけて3人の支援をし、うち1人は20代でした。
●瀬戸さん「コロナでこぼれ落ちた。底辺の層というか、底辺という言い方しちゃいけないんだけど、(経済的に)一番下にいた所が破れちゃって、こぼれちゃった。守らなきゃいけない層が守られていない」「多くの若い子たちが、真面目にやっても報われる社会じゃなかった。政治の責任でもあり、社会の責任なんだよな」
その瀬戸さんに救いを求めた24歳のRさん。
どんな解決策があるのでしょうか?
支援団体の瀬戸さんが、Rさんにすすめたのは
生活保護を受けることでした。しかし…。
●Rさん「生活保護って聞くと、やっぱりご年配の方が多いイメージで良いイメージではなかった」
それでも結局、Rさんは瀬戸さんに付き添われ、生活保護を申請しました。申請が受理されたため、しばらくの間は区役所が提供するホテルに泊まれます。
公園やネットカフェ以外でからだを休めるのは久しぶりです。
●Rさん「個室にシャワーがあって、ちゃんと布団があります/ここで寝れるということで、嬉しいです」
そして1週間後、Rさんは3万円ほどの生活保護費を受け取りました。
ほっとした反面、複雑な思いもあります。
●Rさん「まさかという感じですね。受けるとも思っていなかったし。こうなるとも思っていなかった。」
この日、瀬戸さんはRさんをいきつけの居酒屋に誘いました。
久しぶりのひとりではない食事に笑顔がこぼれます。
●瀬戸さん「アパート入居して1か月間くらいちゃんと落ち着けて自分のやりたいこと見つけて」「いつか金稼げるようになりたいよな?」
●瀬戸さん「今まで嫌なこといっぱいあったよな」
●Rさん「嫌なことしかないですね」
●瀬戸さん「無理しない方がいいよ」
●Rさん「ちょっとずつやっていこうかなと」
「今の生活からなんとか抜け出してもう一度自立したい」。
Rさんのその思いを瀬戸さんは、痛いほど感じています。
●瀬戸さん「ちゃんと働けよ今回は。な?少しずつね」
「死にたいとか、これからまだあるかもしれないけど、もうひとりじゃないから。そこは平気だよ。自分がこの社会でひとりってことは絶対にないから」
(news23 2021年2月17日放送)