2018年11月一覧

試合レポート Jユースカップ準決勝 横浜Fマリノスユース 5-1 ヴィッセル神戸U-18 2018/11/11

11/11(日) 14:00 ベアスタ
横浜F・マリノスユース 5-1 ヴィッセル神戸U-18
得点
横浜FM 榊原 彗悟、栗原 秀輔(2)、椿 直起、津久井 匠海
神戸 泉 柊椰

横浜F・マリノスユース

ーーーー栗原ーー榊原ーーーー
ー椿ーー土佐ーー岩澤ーー山谷
池田ーー鈴木ーー小林ーー木村
ーーーーーー吉嵜ーーーーーー
控え
寺門、五十嵐、石井、松田、上田、ブラウンノア賢信、津久井

ヴィッセル神戸U-18

ーーーーーー臼井ーーーーーー
-泉ーーーーー原ーーー船越ー
ーーーー押富ーー山内ーーーー
坂口ーー小林ーー右田ーー宋ー
ーーーーーー多久実ーーーーー
控え
森田、五味、佐伯、谷村、藤本、尾崎、マンビ マーカス

公式の試合詳細ページが無いので以下でガマン
https://www.jleague.jp/jyouth/2018/match/semi_final.html





マリノスの圧倒的な攻撃力が出た試合になりました。
特に、ストロングポイントである左サイド椿と、右サイド山谷(と、右サイドバックの木村。上下動が素晴らしかった。)による
サイド突破で、数えきれないほどのチャンスを創り出しました。

神戸のサイドを突破し続けられたこと、
その形で序盤早々に2点をとれたこと。
これが大きなポイントにはなるのですが、
それよりも試合を決定づけたのは、
後半立ち上がりからの神戸のチャレンジと、それによる結果でした。

神戸は後半、2枚の選手交代を行い、4バックから3バックへ変更。
前線の枚数を厚くし、前線からプレスを仕掛ける。
後半立ち上がりで勝負をかけます。
神戸のプレスがはまった時間帯はあったし、
攻守の切り替えが非常に速いゲームになり
どちらに点が入ってもおかしくない展開に。




ただ、追加点は、マリノスでした。
後半18分、捨てたサイド裏を突破される形でゴールが生まれます。
マリノス的には、一瞬流れを持っていかれそうになるも
自分たちのストロングポイントで持ち直せたのが非常に大きく、
この4点目は、スコア的にも展開としても決定的でした。

神戸としては、玉砕覚悟とまではいかなかったと思いますが
3-1で迎える後半、どうしても大きく変えていく必要性があった中で
前半、散々サイドを破られ続けながらも、
そこへの対症療法ではなく、逆に捨ててしまい
別のポイントを強化して上回ろうとする神戸のプランは、
ある意味では成功していたのですが、
4点目を取られる前に2点目を取りたかったところでした。




マリノスのサイド攻撃はわかっていても止められないレベルでした。
椿と山谷の局面打開力はこの年代では圧倒的で、
サイドバックのオーバーラップによるサポートも素早い。
前線は流動的な上に、ボランチからの配給も良い。
全選手が確かな技術と判断力を持ち、
そしてサイド攻撃で攻撃していくんだという
明確な連帯感、攻撃力への自信を、感じました。

↓準決勝のもう一試合も書いてます。
www.soccer-bless.info


試合レポート Jユースカップ準決勝 清水エスパルスユース 2-0 アルビレックス新潟U-18 2018/11/11

11/11(日) 11:00 ベアスタ
清水エスパルスユース 2-0 アルビレックス新潟U-18
得点
丸山 優太朗(清水)
佐野 陸人(清水)

清水エスパルスユース

ーーーー川本ーー佐野ーーーー
丸山ーー中里ー五十嵐ーー青島
佐塚ーー監物ーー栗田ーー望月
ーーーーーー天野ーーーーーー
控え
石井、鈴木、小川、荒木、成岡、斎藤、ノリエガエリック

アルビレックス新潟U-18

ーーーー鈴木ーー本田ーーーー
本間ーー五十嵐ー和田ーー辻ー
西山ーー押久保ー岡本ーー原田
ーーーーーー藤田ーーーーーー
控え
土山、木村、柴崎、高橋、小田、笹川、小林

公式の記録ページが見つからない…。ここしかないのかな
https://www.jleague.jp/jyouth/2018/match/semi_final.html





組織力と、個の力の、両面で、はっきり清水が上回った試合でした。

後方からのビルドアップをなんとか成立させたい新潟でしたが
洗練された4-4-2ゾーンディフェンスを使いこなす清水を超えていけない。

新潟は両サイドバックが大きく開いてサイド幅を取るスタイルで
確かにボールこそ動かせましたが、
清水のポジションバランス調整や連動性が、新潟の揺さぶりを、上回る。
ゾーンを崩せない上に、清水のほうが球際で強かったので、
特に中央で縦に入れるボールを奪われてショートカウンターを受け続けました。

裏への長いボールを選択するケースも何度か見られた新潟でしたが、
そもそも前からのプレスを仕掛けておらず
4-4-2ゾーンが崩れていない清水にとっては大きな問題にならない。
確かに低リスクですが、攻撃バリエーションの一つ以上の意味は持たせられず、劣勢を引っくり返せない。
特に前半は、こぼれ球からのミドルシュートが精一杯という新潟でした。

最も可能性が高かったのは、新潟10番の本間のドリブルでした。
左からの本間の仕掛けは、この試合で清水を攻略できそうだった唯一のポイントです。
本間にボールを回してわかりやすく使っていく形を
もっとたくさん作りたかったはずの新潟ですが
清水の守備はそれを許さなかった。




とにかく清水が固く、強かったです。
チーム全体で、攻守問わず球際で競り負けず、
ドリブルでチャレンジできる精神力と、
一枚くらいは剥がせる技術力、
そしてそれを一試合続けられる体力が、ありました。

新潟の攻撃はボールを回すので精いっぱいで単騎での仕掛けが多く
単純な攻撃に終始してしまいました。
清水は2種年代ではトップクラスの守備組織構築が出来ていたので
ワイドに開いてのボール回しで、本来は中央からチャンスを作れたり
本間が仕掛けるシーンもたくさん作れたはずのところが
うまくいかなかったのかな、と。

清水の守備は安定していました。
4-4-2ゾーンはとてもきれいで、
センターラインが安定していてプレスバックも精力的。
最後方には、U代表の監物と、大きく成長した栗田、
世代トップレベルのGK梅田に代わって活躍するGK天野がいます。




そして、得点シーン。
1点目、シュートを放った丸山が中央でパスを受ける際にも
ダイアゴナルに抜けていく選手がいたし、
2点目だって、グラウンダークロスに対して
ニアで潰れた選手がいたから、佐野がファーでフリーになった。
複数人が連動した攻撃をなかなか見せられなかった新潟と比べると、
こういったところに、確かな差があったように思います。

↓準決勝のもう一試合も書きました
www.soccer-bless.info


試合レポート 関東大学サッカー1部 第19節 専修大学 2-3 駒澤大学 2018/11/04

JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦 1部 第19節
2018年 11月 04日 (日)
味の素フィールド西が丘

専修大学 2-3 駒澤大学
得点
17分 葛谷 将平(専修大学)
41分 薬真寺 孝弥(駒澤大学)
63分 矢崎 一輝(駒澤大学)
73分 中原 輝(駒澤大学)
77分 中山 克広(専修大学)

専修大学

ーーー遠藤ーー中山ーーー
ーーーーー岡本ーーーーー
小林ー鹿沼ーー葛谷ー古屋
ーー大西ー西村ー河上ーー
ーーーーー桐林ーーーーー
控え
塚田、加藤、氣田、小川、鈴木、下田、中杉

駒澤大学

ーーー室町ーー高橋ーーー
ー坂本ーーーーーー中原ー
ーーー薬真寺ー大場ーーー
桧山ーー星ーー伊勢ー深見
ーーーーー角井ーーーーー
控え
八木、須藤、猪俣、安藤、鈴木、伊藤、矢崎

   

専修大がボールを回して仕掛ける、
駒沢大は奪ったら縦に大きく早く、
という戦前の予想通りの展開となりました。

専修大は、3バックに入る右ストッパー8番河上が、スイッチを入れる役割でした。
右ウイングバックの古屋がサイドに張り出し大きく幅を取るので
3バック+ボランチとでボールを回す流れの中で
河上がサイドバックのように振舞うとフリーが生まれやすい。
相手の左サイドバックの周囲を狙うイメージで、
河上から、縦に素早くボールを出す。

駒沢はさほど前からプレッシャーをかけずに
4-4-2で自陣に構えて専修大を引き出すイメージでした。
だから、専修3バックのどこかが必ずフリーになる。
持ち上がる河上は終始フリーでした。

河上自体を抑えに行かない前提では、
河上から古屋へのパスコースを駒沢大が消そうとすると
別のパスコースが専修大学に生まれる。
前線2トップ、あるいは中央ボランチ・トップ下にボールが渡ってしまう。

特に中盤中央の、鹿沼や葛谷、そして岡本は
足元技術が高く反転も得意なので
駒沢大からするとここは空けられない。
専修大の右サイド=駒沢の左サイドが、特に前半はポイントになりました。
そして、専修大学は狙い通り右サイド攻撃で獲得したコーナーキックから早い時間に先制します。

駒澤大の攻撃は、いつもどおり。
中盤を省略した長いボールで専修大の3バックに空中戦で挑み、
トップが入れ替わって裏抜けできればベスト、
そうでなくともセカンドボールを拾って二次攻撃。

専修大3バックのうち、中央の西村と左の大西はサイズがありましたが
攻撃で活躍した右ストッパー河上の身長が足りないことも影響します。
左に流れる駒沢2トップの高橋と室町を大きく狙う形からの攻撃が見られました。

かみ合わせ的には、専修大に分があったように思います。
狙い通り右サイドで仕掛け続けられた。
可能性は感じましたが、しかし崩しの最終局面でなかなか成果を出せません。

   

前半は1-1の同点で終了します。
専修大学としては、狙い通り右サイド攻撃が成立しているうちに追加点を取るか、
あるいはせめて同点弾を許さずリードして後半を迎えたかった。

後半開始から同点で推移していた時間帯、
そして、駒沢大学の2点目が生まれてからのビハインド。
専修大はどんどん前掛かりにならざるを得ない。
そして、後半は、前半よりもどうしてった間延びする。

駒沢大の狙いである早く大きな展開での仕掛けは、
試合展開的には専修大に厳しいものになってしまいましたし
それが駒澤大学にもたらすリターンは時間経過とともに大きくなっていきました。

駒沢大は、守る気になれば強靭なCB二枚を中心にして
ゾーン組んで固く出来る上に、低リスクな縦に早い攻撃も成り立つ。
最終的には1点差まで詰められますが、
先制される中でも逆転し、2点までリードを広げた上で
低リスクなゲーム運びができる駒沢大の戦術的な強みが出た試合だったのかなと思いますし、
そして、前半に駒澤大が追いつけたのはやっぱり大きかったのかなとも思いました。

   

駒澤大学は、ロングボールの受け手として室町や高橋、
それを拾って仕掛けるフォロワーとして中原や薬師寺が頑張りましたが
むしろ星と伊勢の2センターバックが安定していたことが印象的。
右サイドを破られることが多かった中でよく守っていました。
高さと強さが目立ちますが、機動力もある。

専修大学は、河上と古屋の右サイドコンビが目立ちましたが
だからこそ、そこからの成果を残したかったところ。
鹿沼と葛谷の両ボランチは、ビルドアップによく絡み、ゲームプラン遂行の上で大きく貢献しました。
甲府に出戻る小林は、能力が高いことは見えたものの、期待値からすると物足りない。岡本も足元に入ってからの仕掛けで違いを見せたが、後半はゲームに絡めず途中交代。


試合レポート ルヴァンカップ決勝 2018/10/27 湘南ベルマーレ 1-0 横浜Fマリノス

いまさらですが、せっかく書いたので投稿します。

 

JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 
2018年10月27日(土)13:10KO
埼玉スタジアム2002

湘南ベルマーレ 1-0 横浜Fマリノス
36分 杉岡 大暉(湘南)

公式はコチラ
https://www.jleague.jp/match/leaguecup/2018/102702/live/

湘南ベルマーレ

ーーーーーー山崎ーーーーーー
ーー梅崎ーーーーーー石川ーー
杉岡ーー金子ーー秋野ーー岡本
ーー大野ーー-坂-ーー山根ーー
ーーーーーー秋元ーーーーーー
控え
富居、アンドレ・バイア、ミキッチ、松田、菊地、高山、イ・ジョンヒョプ

横浜Fマリノス

ーーーウーゴヴィエイラーーー
ーユンーーーーーーーー仲川ー
ーーーー天野ーー大津ーーーー
ーーーーーー扇原ーーーーーー
山中ードゥシャンーチアゴー松原
ーーーーーー飯倉ーーーーーー
控え
鈴木、栗原、畠中、喜田、中町、伊藤、イッペイシノヅカ 

   

 

横浜も、湘南も、自分たちのやりたいことをしっかり表現できていたと思います。
その上で、湘南の圧力のほうが、横浜を上回った。


すでにいろんなところで書かれているとおり、
サイドバックの山中と松原をボランチエリアに移動させて
中央を厚くしたかった横浜に対して、
湘南がその中央を守ったことが、ペースを握れた理由なことは間違いありません。
チョウキジェ監督の試合後インタビューでも
中央を固めていくプランだったことがはっきりわかる。


4-1-2-3のスタート布陣から、並びを変化させながら
GK飯倉も含めたパス回しで、パスコースを複数個作って、前進する。
そうして今年の横浜は対戦相手を攻略してきました。

この日の横浜のパフォーマンスがいつもより劣っていたかとは思いませんでした。

あえて言うならば、パス回しが慎重すぎたのかな、と。
ただ、そもそもが素早いパス回しというよりは
位置取りでアドバンテージを取っていく志向性で
トラップとルックアップを省略せずに
相手を見てボールを動かすスタイルの横浜です。
今期序盤はフリックとかも多かったイメージですが、徐々に少なくなっていった印象です。

   

そのスピードを、湘南のスピードが、上回りました。

湘南のスタイル的には好都合だったと思います。
横浜は中央スモールフィールドに人的密集を作ってくれて
必ずそこを中心にボールが回る上に
ボール回しそのものが早いわけじゃなく大きな展開も少ないから
狙いどころが明確で、複数人のプレスが掛けやすい。
縦パスのトラップ際を狙い続けられました。

後半からはサイドバックの中央絞りを控えて
ピッチを広く使うようになり、
湘南の体力的な面でも当然ながらプレスが多少弱まるので
そういう後半のオープンな展開の中で横浜も多少盛り返しますが、
だからこそ、完全にハマっていた前半に湘南が先制できたのは
完全に結果論ではあるものの、非常に大きかったです。


アプローチの速さと強さ、攻守の切り替えスピード、
そして前を向いたら出来る限り前進して、仕掛ける。
湘南は、いつもどおりハードワークして強みを存分に出せていました。
90分通して実行し続けられるだけの十分な力量、そしてプライドが、あったからだと思います。


湘南の横浜対策とか、この試合だけを切り取ったかみ合わせとか、
そういうものよりも、積み重ねてきたものや背負ってきたものが
表現できていたことが、見るものを感動させたんじゃないのかな。
少なくとも僕はそうでした。
この大舞台は、力を証明できる、良い機会になりました。

 

 

 

必ず報われるなんてことは、ありえないのだけれど、
それでも湘南は、ついにひとつ、成果を手にすることが出来ました。
湘南にとってはあくまで通過点に過ぎないだろうけれど、
それでも、湘南の歴史としては重要なポイントになる。

そういう意味では、横浜は対照的で、まだ道半ば。
なかなかスタイルは安定せず、
来年以降がどうなるかわからないけれど。
仮に、今期の特徴的なスタイルを続けていけば
苦しい道のりの中で、どこかで、なにかが待っているはず。

湘南は実際にそうだったのだから。
チョウキジェ監督と、その下でサッカーをしたいプレーヤーがいて、
それを支えるフロントとサポーターがいました。
そういう積み重ねや歴史やスタイルが見えるサッカーが、
いろんなチームで見たいなぁと思った、ルヴァンカップ決勝の、湘南の勝利でした。


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