【いわき遠征グルメ】湯本の喫茶「天都居」でナポリタンセット1,080円

ハワイアンズスタジアムいわきの最寄り駅は、常磐線の湯本駅です。

湯本駅から100m、T字路の角にあります

駅からスタジアムまでは、歩いて30分、シャトルバスで10分。つまりお昼は湯本駅のあたりで食べることになります。

この日も、特に何も調べずに行きました。行き当たりばったりです。

駅前の通りを100mほど歩くと、T字路の交差点に突き当たります。その角に、こんなお店がありました。

20261025_天都居_店舗外観

20261025_天都居_店舗外観

店名は天都居。漢字の上に読み仮名がふってあって、「あどりぶ」と読むそうです。難しい。

壊れかけの木の看板に「コーヒー」「パスタ」。店頭のメニューにもパスタが出ていて、何より「営業中」ののぼりがはためいていました。

これはもう、入るしかないです。

ちなみに前回のいわき遠征では、同じ湯本の駅前で沖縄料理のお店に入りました。そちらもよかったので、あわせてどうぞ(【いわき遠征グルメ】湯本で見つけた沖縄そばが絶品!|A家食堂)。

店内が、まるごと昭和でした

20261025_天都居_店内

20261025_天都居_店内

扉を開けたら、昭和レトロな空間が広がっていました。

テーブルクロス。壁に掛けられた装飾品。そして照明にかけられたカバー。あの、傘みたいな形のやつです。

なんだか懐かしさを感じてしまう、昭和世代の私です。

籐の椅子に、緑の絨毯。窓辺には観葉植物。狙って作ったレトロではなくて、そのまま続いてきた感じの店内でした。

メニューは、トースト・パスタ・お蕎麦

20261025_天都居_メニュー

20261025_天都居_メニュー

メニューを見ると、お昼になりそうなものはこのあたりでした。

メニュー 値段
トースト 400円
チーズトースト 480円
ピザトースト 590円
ホットドッグ 290円
日本そば(冷・温) 490円

そしてパスタです。

20261025_天都居_パスタのメニュー

20261025_天都居_パスタのメニュー

パスタ 単品 セット
ナポリタン 780円 1,080円
ミートソース 850円 1,180円
ボンゴレビアンコ 980円 1,280円

セットはコーヒー+サラダ+デザートが付きます。メニューには、ナポリタンに「昔ながらの、なつかしい味です」、ミートソースに「デミグラス風味です」、ボンゴレビアンコに「殻付アサリを使用しガーリック風味です」と添えてありました。

なお訪問したときは、ナポリタン単品が「今月のおすすめ」で550円になっていました(780円に二重線が引かれていました)。2026年10月の時点の話なので、今は違うかもしれません。

迷いましたけど、お得そうなこちらにしました。

ナポリタンセット 1,080円

最初に、ナポリタンとサラダが出てきました。

20261025_天都居_ナポリタンセット

20261025_天都居_ナポリタンセット

お皿が、かわいいんです。バラの花が描かれた縁取りのお皿に、ナポリタン。テーブルクロスも含めて、全部が昭和。

20261025_天都居_ナポリタン

20261025_天都居_ナポリタン

ソーセージ・ピーマン・玉ねぎが、たっぷり乗っています。

20261025_天都居_麺アップ

20261025_天都居_麺アップ

味付けは、やっぱり昭和な懐かしい味でした。結構しっかり甘さを感じる、濃い味系のナポリタンです。

子供のころ、お母ちゃんに連れられて食べた、デパートのナポリタンを思い出しました。あの味です。

サラダはこちら。

20261025_天都居_サラダ

20261025_天都居_サラダ

レタス、キャベツ・人参・紫キャベツの千切り。シャキシャキの食感が素敵でした。ガラスの器に盛られているのも、なんだか昔っぽくていいです。

コーヒーとデザートまで付いて、この値段

コーヒーはホットかアイスを選べます。最近ちょっと気温が下がってきたので、ホットにしました。

20261025_天都居_コーヒー

20261025_天都居_コーヒー

香りは深く、酸味はそれほどでもないのですが、しっかり苦いコーヒーでした。気分を落ち着けるのに良い味と香りです。

メニューによると、ブレンドが450円で「当店おすすめ、香り深い1品」。ほかにモカ・コロンビア・マンデリンが480円、ブルーマウンテンが790円。コーヒーがちゃんとしているお店です。

そしてデザート。

20261025_天都居_デザート

20261025_天都居_デザート

バニラアイスに、チョコレート味のロールクッキーが添えられていました。

この雰囲気で、このクォリティとボリュームで1,080円。今のご時世、ナポリタンにサラダとコーヒーとデザートが付いて千円ちょっとって、お得だと思いません?

大満足プライスでした。ごちそうさまでした。

遠征で行くなら、ここだけ気をつけて

実用的なところを3つだけ。

ひとつめ。支払いは現金のみでした。湯本駅周辺はキャッシュレスが通らないお店もあるので、遠征のときは少し多めに現金を持っておくと安心です。

ふたつめ。営業は9時から17時、毎週火曜日が定休日です。店内のメニュー表に貼り紙がありました(写真03の右下に写っています)。17時に閉まるので、ナイトゲームの前には入れますが、試合後には開いていません。お昼のお店です。

みっつめ。モーニングもあります。コーヒー+ホットドッグ+サラダで550円、8時30分から13時まで。早い時間に湯本に着いた日は、こちらもよさそうです。

※いずれも2026年10月25日に訪問したときの情報です。お出かけ前に、お店の最新情報をご確認ください。

この日は、雨の中の勝点1でした

お腹を満たしてからスタジアムへ向かったこの日は、いわきFC戦。雨の中、乾貴士が一発退場して、10人で守り切って1-1の引き分けでした(【現地観戦】乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田)。

試合は正直しんどかったのですが、お昼のナポリタンは本当によかったです。遠征は、試合だけでできているわけじゃないので。

ハワイアンズスタジアムいわきへ遠征される方は、湯本駅に少し早めに着いておくと、こういう時間が取れます。

ごちそうさまでした。

店舗情報

項目 内容
店名 天都居(あどりぶ)
場所 常磐線 湯本駅から駅前の通りを約100m、T字路交差点の角
住所 福島県いわき市常磐湯本町天王崎46
電話 0246-42-4720
営業時間 9:00〜17:00
定休日 毎週火曜日
支払い 現金のみ
訪問日 2026年10月25日(土)
参考 食べログの店舗ページ

※メニューの値段と営業時間は、2026年10月25日の訪問時にお店のメニュー表を撮影したものから書き起こしています。税込か税別かはメニューに表記がありませんでした。ナポリタンセット1,080円は税込です。「今月のおすすめ」の価格は時期によって変わります。最新の情報は、お店でご確認ください。

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【グラフトンで観戦】蒼藤決戦、90+2と90+6で逆転|藤枝 1-2 磐田

五反田の地下で、96分に叫びました。

藤枝には行けませんでした

2026年11月3日(火・祝)14時3分、藤枝総合運動公園サッカー場。明治安田J2リーグ第15節、藤枝MYFC戦です。

先に書いておくと、私は藤枝出身の磐田サポーターです。この試合だけは生で見たかったのですが、どうしても動かせない用事が川崎にあって、関東でお留守番になりました。

でも、せっかくの祝日です。五反田のTHE GRAFTON(グラフトン)さんに行ってきました。ジュビロサポーターが集まる、地下のアイリッシュパブです(【五反田】ジュビロサポが集うアイリッシュパブ!THE GRAFTONで観る試合が最高すぎた)。

20261103_藤枝戦_グラフトン入口

20261103_藤枝戦_グラフトン入口

こちらで観戦するのは、今季2回目。1回目は9月19日の新潟戦で、2-1で負けました(【グラフトンで観戦】新潟は7本で2点、磐田は15本で1点|新潟 2-1 磐田)。

今日は、勝ちました。しかも、とんでもない勝ち方で。

看板に「静岡の休日を奪う。」と書いてありました

お店の前の立て看板に、この試合の告知ポスターが貼ってありました。

20261103_藤枝戦_試合告知ボード

20261103_藤枝戦_試合告知ボード

「J2 MATCH15 11.03 TUE 14:00 KICKOFF 藤枝総合運動公園サッカー場 VS JUBILO IWATA」。そして、いちばん下にこのコピーです。

「静岡の休日を奪う。」

11月3日は文化の日。静岡県内の2クラブが、祝日の午後にぶつかる。そういう意味のコピーだと思います。

結果から言うと、休日は96分まで誰にも渡されませんでした。最後の最後に、磐田が持っていきました。

(このコピーがどちらのクラブのものなのかは、藤枝MYFC公式でも磐田公式でも確認できませんでした。写真に写っているとおり、としか書けません)

ギネスとフィッシュアンドチップスで、キックオフ

席に着いて、まずギネスです。

20261103_藤枝戦_ギネスビール

20261103_藤枝戦_ギネスビール

スクリーンには、もう藤枝総合運動公園サッカー場が映っています。旗がはためいていました。この日の天候は晴のち曇、20.7℃、湿度59%。11月にしては暖かい日です。

そしてフィッシュアンドチップス。

20261103_藤枝戦_フィッシュアンドチップス

20261103_藤枝戦_フィッシュアンドチップス

タルタルとケチャップが両方ついてきます。ギネスを飲みながら、サッカーを見る。最高の贅沢でしょ?(笑)

20261103_藤枝戦_グラフトン店内

20261103_藤枝戦_グラフトン店内

店内はこんな感じです。壁に22番のユニフォームが掛かっていたり、ギネスのビッグサイズのクッションがあったり。ここで90分、いや96分を過ごしました。

“蒼藤決戦”は、こういう意味でした

藤枝と磐田の対戦には、「蒼藤決戦」(そうとうけっせん)という名前がついています。2025年4月11日に、藤枝MYFCが発表しました。

公式の文章を引きます。

「静岡県内のクラブである藤枝MYFCとジュビロ磐田は、2025シーズンに同じカテゴリーへ所属し、共にJ1昇格を目指して戦っています。2023シーズンの『静岡三国決戦』に続き、今シーズンは唯一の県内対決となるジュビロ磐田との一戦を話題化することで、サッカーを通じて静岡県全体をより盛り上げるべく本企画を実施することになりました」

名前の由来も書いてありました。

「両クラブのクラブカラーを漢字一文字で端的に表現し、『藤枝MYFC vs ジュビロ磐田』の対決を印象付けることを狙いとしています」

「蒼」が磐田のサックスブルー、「藤」が藤枝の藤色です。

ロゴの説明が、個人的にいちばん好きでした。

「各クラブマスコットのモチーフである三光鳥・不死鳥をクラブカラーでデザイン。『蒼藤(そうとう)決戦』という名称から着想を得た、『双頭』の鳥にも見えるようなシルエットが特徴です。羽の枚数は両クラブのホームタウンを表しており、それぞれの地域を背負って戦うクラブの覚悟を表現しています」

蒼藤と、双頭。藤枝で生まれて磐田を応援している私みたいな人間にとっては、わりと洒落にならない言葉遊びです。

Jリーグ公式のプレビュー記事(文:前島芳雄さん)も、この名前を使っていました。タイトルが「苦境を抜け出すための絶好の機会。藤枝、いざ“蒼藤決戦”へ」です。

数字で見る90分

まず、スタッツを並べます。この試合、シュート数が2系統でかなり違うので、両方載せます。

項目 藤枝 磐田
得点 1 2
シュート(Opta) 19 27
シュート(公式記録) 11 19
枠内シュート(Opta) 7 9
ゴール期待値(xG) 1.38 4.62
ボール支配率 51% 49%
CK 6 6
FK 13 16
ファウル 15 10
警告 3 3

ゴール期待値が4.62対1.38です。シュート27本。

それで、86分まで0-0でした。

基本情報も載せておきます。

項目 内容
大会 明治安田J2リーグ 2026/27 第15節
日時 2026年11月3日(火・祝)14時3分キックオフ
会場 藤枝総合運動公園サッカー場
入場者数 10,006人
天候 晴のち曇/20.7℃/湿度59%
主審 大橋侑祐
得点 86分 真鍋隼虎(藤枝)/90+2分 松原后(磐田)/90+6分 井上潮音(磐田)

吉田舜が、7本止めました

この試合を一文で説明するなら、これです。

藤枝のGK・吉田舜が、磐田のシュートを7本止めた。

先に、数字の出どころを書きます。この「7本」は公式記録ではありません。Jリーグの公式記録にセーブ数の項目はなく、Football LABのこの試合ぶんのデータも「後日更新予定」のままです。Jリーグ公式の試合速報を、私が1本ずつ数えました。

検算はできます。Optaの枠内シュート9本=吉田のセーブ7+ゴール2。ぴったり閉じます。

その7本です。

時間 選手 形
25分 マテウス ペイショット PK・右足
49分 ダニーロ FKからPA右・ヘディング
72分 川﨑一輝 左サイドから右足
80分 川﨑一輝 PA中央から右足
89分 西久保駿介 PA中央から左足
90+2分 松原后 PA中央から左足
90+6分 西久保駿介 PA中央から右足

敵ながら、あっぱれでした。もうね、憎たらしいくらいに、ことごとく止めるんです。

この表の下2行には、あとでもう一度戻ってきます。

前半22分のPKは、吉田が与えて、吉田が止めました

前半22分。ペナルティエリアの中で、マテウス ペイショットが倒されました。

Jリーグ公式の試合速報の原文です。

「Mペイショットが吉田からファウルを受けてPKを獲得する」

倒したのは、吉田舜本人でした。

そして前半25分。判定からキックまで3分かかっています。

「PKのキッカーはMペイショット。右足でシュートを放つも、ゴールの右下に向かったボールは吉田にセーブされる」

倒した本人が、止めました。

ペイショットは前節の鳥栖戦では先発を外れていて、この試合でスタメンに戻ってきた選手です。決めていれば、流れは全然違ったはずでした。

ちなみに公式記録の備考欄には、この直後にこんな記載があります。24分、藤枝の佐々木将貴GKコーチに警告。さらに27分、ベンチにいた鈴木翔太にも警告。PK判定の前後で、藤枝のベンチ側が荒れていたことだけは分かります(理由までは公式に書かれていないので、ここは推測しません)。

先発は4人変更。乾貴士とペイショットが戻りました

磐田の先発です。前節の鳥栖戦から4人変わりました。

Pos No 選手
GK 16 牲川歩見
DF 29 桑原航太
DF 15 ユーリ ララ
DF 2 ダニーロ
DF 4 松原后
MF 7 上原力也
MF 6 金子大毅
MF 8 為田大貴
MF 31 イアゴ テレス
MF 23 乾貴士
FW 11 マテウス ペイショット

OUTが井上潮音、小原基樹、太田龍之介、佐藤大樹。INが松原后、乾貴士、イアゴ テレス、マテウス ペイショットです。

システムは3-4-2-1。藤枝も3-4-2-1で、ミラーゲームになりました。Jリーグ公式のプレビューにこう書いてあります。

「また開幕から[4-2-3-1]で戦ってきた磐田は、第12節・大分戦から布陣を[3-4-2-1]に変えており、今節もそのままであれば同じ布陣を採用する藤枝とミラーゲームになる」

そして乾貴士。いわき戦で一発退場をもらって、鳥栖戦は出場停止でした(【現地観戦】乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田)。2試合ぶりのピッチです。

なお藤枝は、槙野智章監督がベンチにいません。第13節・徳島戦の試合後インタビューでの審判員への不適切発言で、2試合のベンチ入り停止。この試合は太田吉彰ヘッドコーチが指揮を執っています。

出だしは磐田。でも、点が入らない

立ち上がりは磐田でした。藤枝陣内に押し込んで、シュートも打てていました。

前半のシュートは8対7(Opta)。数字だけ見ると互角ですが、ゴール期待値は1.28対0.36です。磐田のほうが、ゴールに近いところまで行けていました。

なのに、前半の枠内シュートは両チーム1本ずつ。磐田の1本が、あのPKです。

0-0で折り返しました。先制できるチャンスはあっただけに、この展開はよろしくないかもしれない。そう感じていました。

後半開始の交代は、両チーム1枚ずつ

後半頭から、両チームがそれぞれ1枚動かしてきました。

チーム IN OUT
藤枝 森侑里 岡本拓也
磐田 川﨑一輝 為田大貴

ゴールが生まれそうで生まれない展開。こうなるとベンチワークがものを言います。

後半も磐田が押していました。ただ、吉田の壁がなかなか崩れません。49分にダニーロのヘディング、72分と80分に川﨑一輝。全部止められました。

そして59分です。上原力也のCKからのシュートが、ゴールの枠を直撃しました。速報には「ゴールの枠に当たってしまう」とだけ書いてあります。

入らない。本当に入らない。

86分、真鍋隼虎

そして、嫌な形で先に動きました。

86分。Jリーグ公式のゴール記述です。

「ペナルティエリア内からの中村のクロスに反応した真鍋がペナルティエリア中央からヘディングでゴール右上に決める」

藤枝の真鍋隼虎。アシストは中村優斗です。

押している中で先制される。これまで何度も何度も苦杯をなめてきた形です。今季もさんざん見てきました。

なお、この場面の起点について。速報の原文に「ゴールキック」という記述はありません。ただ、静岡朝日テレビが「藤枝は吉田のロングフィードを収めた中村がドリブルで持ち運ぶと、1人かわしてクロス」と報じています(確認できたのはこの1社だけです)。

これが正しければ、この失点も吉田から始まっていることになります。

その1分後、ユーリ ララに替えて太田龍之介

失点が86分。秋葉忠宏監督が動いたのが87分です。

ユーリ ララOUT、太田龍之介IN。

センターバックを削って、前線を足す。多少は守備を犠牲にしてでも点を取りに行く、というメッセージです。1分で決めています。

この時点で、磐田の交代は5人すべて使い切りました。

時間 IN OUT
46分 川﨑一輝 為田大貴
59分 西久保駿介 桑原航太
70分 井上潮音 上原力也
70分 小原基樹 イアゴ テレス
87分 太田龍之介 ユーリ ララ

太字にした3人が、このあと全部に絡みます。

90+2分、松原后は3本打ちました

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

Jリーグ公式のゴール記述を、全文そのまま引きます。長いですが、全部に意味があります。

「右サイドから小原がクロスを入れるも、中村にクリアされる。こぼれ球に反応した松原がペナルティエリア中央から左足で枠内にシュートを放つも、吉田にセーブされる。立て続けに放ったシュートは阻まれるが、最後は松原がペナルティエリア中央から右足でゴール左下に決める」

読み直してください。松原后が、1人で3本打っています。

本数 内容 結果
1本目 PA中央から左足 吉田にセーブ
2本目 (速報は「立て続けに放った」とだけ) 阻まれる
3本目 PA中央から右足 ゴール左下

左足で打って、止められて、もう一本打って、阻まれて、それでも右足でもう一本。

私はテレビで見ていて、正直「こぼれ球を押し込んだ」くらいにしか認識していませんでした。あとで速報を読み返して、3本打っていたことを知りました。

松原后はこの試合でスタメンに戻ってきた選手です。そして、クロスを上げたのは小原基樹。前節の鳥栖戦で移籍後初ゴールを決めて、1点目の起点にもなった選手です(【DAZN観戦】小原基樹が移籍後初ゴール。10試合ぶりの複数得点で11位へ|磐田 2-0 鳥栖)。

90+6分、井上潮音

まだアディショナルタイムは残っていました。

「右サイドから小原がクロスを入れる。これに反応した西久保がペナルティエリア中央から右足で枠内にシュートを放つも、吉田にセーブされる。最後はこぼれ球に反応した井上がペナルティエリア右から右足でゴール左下に決める」

井上潮音。逆転です。

グラフトンでは、スタッフさんも一緒になってみんなでハイタッチでした。地下のパブで、知らない人と手を合わせました。

そして、この記述をもう一度見てください。クロスを上げたのは、また小原です。

2点とも、吉田がセーブした「直後」でした

ここで、さっきの7セーブの表に戻ります。

時間 吉田がセーブ その直後
90+2分 松原の左足 松原が右足でゴール
90+6分 西久保の右足 井上が右足でゴール

磐田の2得点は、どちらも吉田舜がセーブした、そのこぼれ球から生まれています。

言い方を変えると、この試合で吉田が触らずにネットに入ったシュートは、1本もありません。枠内9本のうち7本を止めて、残り2本も一度は止めて、そのこぼれ球を押し込まれました。

吉田は、負けていないんです。崩されたわけでもない。ただ、磐田が止められたあとにもう一本打つのをやめなかった。それだけの差でした。

90+2分の松原が、1本目で諦めていたら同点になっていません。90+6分の西久保のシュートに井上が詰めていなかったら、逆転もありません。

今日は、選手たちの諦めない姿勢が導いた勝利でした。

交代で入った4人が、2得点のすべてに絡んでいます

さっきの交代の表を、もう一度。

2得点の関係者を並べると、こうなります。

選手 投入 役割
小原基樹 70分 2得点とも、クロスの出し手
西久保駿介 59分 90+6分、吉田にセーブされたシュート
井上潮音 70分 90+6分、決勝ゴール
太田龍之介 87分 失点直後の投入。前線の枚数を足した

決勝点の構図が、きれいにこうなっています。

小原(70分投入)のクロス → 西久保(59分投入)のシュート → 吉田がセーブ → 井上(70分投入)が決める

ベンチが決めた試合、という言い方もできると思います。

今季初の逆転勝ちです

この勝ち方、今季初めてでした。

今季の勝利5試合を全部見ると、こうです。

節 試合 先制したのは
第3節 磐田 2-1 徳島 磐田(13分)
第4節 栃木C 1-3 磐田 磐田(2分)
第6節 甲府 0-1 磐田 磐田(無失点)
第10節 磐田 1-0 札幌 磐田(無失点)
第15節 藤枝 1-2 磐田 藤枝(86分)

ビハインドを背負ってから勝ったのは、この試合が今季初です。

そして2連勝。今季2度目の2連勝で、3連勝以上はまだありません。負けなしは6試合になりました(第10節から○△△△○○)。

ここまでの流れも振り返っておきます。第11節・宮崎戦、第12節・大分戦、第13節・いわき戦が3試合連続のドロー。そこを抜けた前節の鳥栖戦が、10試合ぶりの複数得点での勝利でした。複数得点で勝ったのは第4節の栃木C戦以来で、ちょうど10試合ぶりです。

10,006人。1万人を超えました

この日の入場者数は10,006人でした。

藤枝の今季ホームゲームで、2番目に多い数字です。

順位 試合 入場者数
1位 第1節・仙台戦 10,658人
2位 第15節・磐田戦 10,006人
3位以下 残り6試合 3,483〜6,100人

藤枝の今季ホーム平均は6,370人。この試合だけ、1.6倍の人が入りました。1万人を超えたのは、今季これが2回目です。

蒼藤決戦、というのはそういう試合です。

9位、勝点22

第15節終了時点のJ2の順位です。この節は10試合すべて11月3日に消化されているので、暫定ではありません。

順位 チーム 勝点 試合 得失
1 新潟 29 15 -2
2 富山 28 15 +13
3 横浜FC 28 15 +11
4 RB大宮 27 15 +9
5 仙台 27 15 +9
6 宮崎 26 15 +8
7 札幌 23 15 +2
8 大分 22 15 +6
9 磐田 22 15 +2
10 湘南 22 15 +1
16 藤枝 16 15 0

通算6勝4分5敗、勝点22。首位の新潟とは勝点7差です。

勝点22に3クラブ、勝点27〜29に5クラブ。中位から上は完全に団子です(ジュビロ磐田 2026/27 日程・結果|J2全38節+ルヴァン・天皇杯・U-21)。

ちなみにアウェイの成績は8試合3勝2分3敗。アウェイで勝ったのは、宮崎戦・いわき戦と引き分けが続いたあとの、3試合ぶりでした。

藤枝のことも書いておきます

藤枝は、これで11試合勝ちなしになりました(7分4敗)。直近の勝利は第4節、8月29日のアウェイ富山戦(3-2)です。

Jリーグ公式のプレビューには、こう書いてありました。

「ホームの藤枝は、なかなか勝ち切れずに苦しんでいるが、内容的に大きな問題があるわけではなく、前節・秋田戦も含めて本当に最後の一押しが足りない状況にある」

今日の試合、まさにそうでした。86分までリードを守り、吉田が7本止めて、あと数分で勝点3でした。

スポーツナビに載っていた戦評に、こう書いてあります。

「勝利目前から悪夢のような展開で1-2の逆転負けを喫し、藤枝は長いトンネルを抜け出せず、悔しさの残る一戦となった」

私は藤枝で生まれました。だから、この一文はちょっと重いです。

太田吉彰ヘッドコーチのコメント(スポーツ報知)。

「相手の圧力にやられた。勝ちたい、という執念を見せられた」

秋葉監督「こんな筋書き、どんな脚本家も書けない」

秋葉忠宏監督のコメントです。スポーツ報知が報じたものです。

「こんな筋書き、どんな脚本家も書けない。アディショナルタイムに2点。こんな経験はなかなかない」

静岡朝日テレビには、こう話しています。

「皆さんもお待ちしているかと思う。THIS IS ダービー!!」

なお、クラブ公式とJリーグ公式には、執筆時点で試合後コメントの掲載がありません。Jリーグは戦評タブ自体が出ていない状態です。上の2つは、どちらも報道1社ずつが出どころです。

次は11月8日、ホームで湘南戦

第16節は11月8日(日)14時、ヤマハスタジアム(磐田)で湘南ベルマーレ戦です。

湘南は10位・勝点22。磐田とまったく同じ勝点で、得失点差だけで下にいるチームです。7引き分けはリーグ最多タイ。

中4日。今日のアディショナルタイムの6分を、どれだけ持ち帰れるか。

今日の結論

シュート27本、ゴール期待値4.62。それでも86分まで0-0でした。

止めていたのは吉田舜です。7本。PKを含めて、7本。しかも、そのPKを与えたのは吉田自身でした。

そして磐田の2得点は、どちらも吉田がセーブした直後のこぼれ球から入りました。90+2分の松原后は、1人で3本打っています。90+6分の井上潮音は、西久保のシュートが止められたその先に走っていました。

止められても、もう一本打つ。それだけの差で、祝日の午後が決まりました。

看板には「静岡の休日を奪う。」と書いてありました。奪われませんでした。96分まで粘って、こっちが持って帰りました。

藤枝で生まれた人間として、複雑な気持ちもあります。でも今日は、五反田の地下で叫びました。

次は11月8日、ヤマハです。

※この記事の数字は、Jリーグ公式記録、Jリーグ公式の試合速報、J.LEAGUE Data Site、ジュビロ磐田公式、Football LAB、スポーツナビをもとにしています。シュート数はJリーグ公式記録(藤枝11・磐田19)とOpta(藤枝19・磐田27)で異なるため、本文はOpta集計で統一し、表に両方を併記しました。吉田舜のセーブ数7本は、公式記録に項目がないため試合速報を1本ずつ数えた集計です(Optaの枠内シュート9本=セーブ7+ゴール2で検算)。キックオフ時刻は公式記録の14時3分を採用しています(クラブ公式の表記は14時00分)。アディショナルタイムの表示分数は確認できませんでした。監督・ヘッドコーチのコメントは報道各1社が出どころで、クラブ公式およびJリーグ公式には執筆時点で掲載がありません。立て看板のポスターのコピーは写真のとおりですが、発信元のクラブは確認できていません。順位は第15節終了時点(全10試合消化済み)です。

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【グラフトンで観戦】蒼藤決戦、90+2と90+6で逆転|藤枝 1-2 磐田

五反田の地下で、96分に叫びました。

藤枝には行けませんでした

2026年11月3日(火・祝)14時3分、藤枝総合運動公園サッカー場。明治安田J2リーグ第15節、藤枝MYFC戦です。

先に書いておくと、私は藤枝出身の磐田サポーターです。この試合だけは生で見たかったのですが、どうしても動かせない用事が川崎にあって、関東でお留守番になりました。

でも、せっかくの祝日です。五反田のTHE GRAFTON(グラフトン)さんに行ってきました。ジュビロサポーターが集まる、地下のアイリッシュパブです(【五反田】ジュビロサポが集うアイリッシュパブ!THE GRAFTONで観る試合が最高すぎた)。

20261103_藤枝戦_グラフトン入口

20261103_藤枝戦_グラフトン入口

こちらで観戦するのは、今季2回目。1回目は9月19日の新潟戦で、2-1で負けました(【グラフトンで観戦】新潟は7本で2点、磐田は15本で1点|新潟 2-1 磐田)。

今日は、勝ちました。しかも、とんでもない勝ち方で。

看板に「静岡の休日を奪う。」と書いてありました

お店の前の立て看板に、この試合の告知ポスターが貼ってありました。

20261103_藤枝戦_試合告知ボード

20261103_藤枝戦_試合告知ボード

「J2 MATCH15 11.03 TUE 14:00 KICKOFF 藤枝総合運動公園サッカー場 VS JUBILO IWATA」。そして、いちばん下にこのコピーです。

「静岡の休日を奪う。」

11月3日は文化の日。静岡県内の2クラブが、祝日の午後にぶつかる。そういう意味のコピーだと思います。

結果から言うと、休日は96分まで誰にも渡されませんでした。最後の最後に、磐田が持っていきました。

(このコピーがどちらのクラブのものなのかは、藤枝MYFC公式でも磐田公式でも確認できませんでした。写真に写っているとおり、としか書けません)

ギネスとフィッシュアンドチップスで、キックオフ

席に着いて、まずギネスです。

20261103_藤枝戦_ギネスビール

20261103_藤枝戦_ギネスビール

スクリーンには、もう藤枝総合運動公園サッカー場が映っています。旗がはためいていました。この日の天候は晴のち曇、20.7℃、湿度59%。11月にしては暖かい日です。

そしてフィッシュアンドチップス。

20261103_藤枝戦_フィッシュアンドチップス

20261103_藤枝戦_フィッシュアンドチップス

タルタルとケチャップが両方ついてきます。ギネスを飲みながら、サッカーを見る。最高の贅沢でしょ?(笑)

20261103_藤枝戦_グラフトン店内

20261103_藤枝戦_グラフトン店内

店内はこんな感じです。壁に22番のユニフォームが掛かっていたり、ギネスのビッグサイズのクッションがあったり。ここで90分、いや96分を過ごしました。

“蒼藤決戦”は、こういう意味でした

藤枝と磐田の対戦には、「蒼藤決戦」(そうとうけっせん)という名前がついています。2025年4月11日に、藤枝MYFCが発表しました。

公式の文章を引きます。

「静岡県内のクラブである藤枝MYFCとジュビロ磐田は、2025シーズンに同じカテゴリーへ所属し、共にJ1昇格を目指して戦っています。2023シーズンの『静岡三国決戦』に続き、今シーズンは唯一の県内対決となるジュビロ磐田との一戦を話題化することで、サッカーを通じて静岡県全体をより盛り上げるべく本企画を実施することになりました」

名前の由来も書いてありました。

「両クラブのクラブカラーを漢字一文字で端的に表現し、『藤枝MYFC vs ジュビロ磐田』の対決を印象付けることを狙いとしています」

「蒼」が磐田のサックスブルー、「藤」が藤枝の藤色です。

ロゴの説明が、個人的にいちばん好きでした。

「各クラブマスコットのモチーフである三光鳥・不死鳥をクラブカラーでデザイン。『蒼藤(そうとう)決戦』という名称から着想を得た、『双頭』の鳥にも見えるようなシルエットが特徴です。羽の枚数は両クラブのホームタウンを表しており、それぞれの地域を背負って戦うクラブの覚悟を表現しています」

蒼藤と、双頭。藤枝で生まれて磐田を応援している私みたいな人間にとっては、わりと洒落にならない言葉遊びです。

Jリーグ公式のプレビュー記事(文:前島芳雄さん)も、この名前を使っていました。タイトルが「苦境を抜け出すための絶好の機会。藤枝、いざ“蒼藤決戦”へ」です。

数字で見る90分

まず、スタッツを並べます。この試合、シュート数が2系統でかなり違うので、両方載せます。

項目 藤枝 磐田
得点 1 2
シュート(Opta) 19 27
シュート(公式記録) 11 19
枠内シュート(Opta) 7 9
ゴール期待値(xG) 1.38 4.62
ボール支配率 51% 49%
CK 6 6
FK 13 16
ファウル 15 10
警告 3 3

ゴール期待値が4.62対1.38です。シュート27本。

それで、86分まで0-0でした。

基本情報も載せておきます。

項目 内容
大会 明治安田J2リーグ 2026/27 第15節
日時 2026年11月3日(火・祝)14時3分キックオフ
会場 藤枝総合運動公園サッカー場
入場者数 10,006人
天候 晴のち曇/20.7℃/湿度59%
主審 大橋侑祐
得点 86分 真鍋隼虎(藤枝)/90+2分 松原后(磐田)/90+6分 井上潮音(磐田)

吉田舜が、7本止めました

この試合を一文で説明するなら、これです。

藤枝のGK・吉田舜が、磐田のシュートを7本止めた。

先に、数字の出どころを書きます。この「7本」は公式記録ではありません。Jリーグの公式記録にセーブ数の項目はなく、Football LABのこの試合ぶんのデータも「後日更新予定」のままです。Jリーグ公式の試合速報を、私が1本ずつ数えました。

検算はできます。Optaの枠内シュート9本=吉田のセーブ7+ゴール2。ぴったり閉じます。

その7本です。

時間 選手 形
25分 マテウス ペイショット PK・右足
49分 ダニーロ FKからPA右・ヘディング
72分 川﨑一輝 左サイドから右足
80分 川﨑一輝 PA中央から右足
89分 西久保駿介 PA中央から左足
90+2分 松原后 PA中央から左足
90+6分 西久保駿介 PA中央から右足

敵ながら、あっぱれでした。もうね、憎たらしいくらいに、ことごとく止めるんです。

この表の下2行には、あとでもう一度戻ってきます。

前半22分のPKは、吉田が与えて、吉田が止めました

前半22分。ペナルティエリアの中で、マテウス ペイショットが倒されました。

Jリーグ公式の試合速報の原文です。

「Mペイショットが吉田からファウルを受けてPKを獲得する」

倒したのは、吉田舜本人でした。

そして前半25分。判定からキックまで3分かかっています。

「PKのキッカーはMペイショット。右足でシュートを放つも、ゴールの右下に向かったボールは吉田にセーブされる」

倒した本人が、止めました。

ペイショットは前節の鳥栖戦では先発を外れていて、この試合でスタメンに戻ってきた選手です。決めていれば、流れは全然違ったはずでした。

ちなみに公式記録の備考欄には、この直後にこんな記載があります。24分、藤枝の佐々木将貴GKコーチに警告。さらに27分、ベンチにいた鈴木翔太にも警告。PK判定の前後で、藤枝のベンチ側が荒れていたことだけは分かります(理由までは公式に書かれていないので、ここは推測しません)。

先発は4人変更。乾貴士とペイショットが戻りました

磐田の先発です。前節の鳥栖戦から4人変わりました。

Pos No 選手
GK 16 牲川歩見
DF 29 桑原航太
DF 15 ユーリ ララ
DF 2 ダニーロ
DF 4 松原后
MF 7 上原力也
MF 6 金子大毅
MF 8 為田大貴
MF 31 イアゴ テレス
MF 23 乾貴士
FW 11 マテウス ペイショット

OUTが井上潮音、小原基樹、太田龍之介、佐藤大樹。INが松原后、乾貴士、イアゴ テレス、マテウス ペイショットです。

システムは3-4-2-1。藤枝も3-4-2-1で、ミラーゲームになりました。Jリーグ公式のプレビューにこう書いてあります。

「また開幕から[4-2-3-1]で戦ってきた磐田は、第12節・大分戦から布陣を[3-4-2-1]に変えており、今節もそのままであれば同じ布陣を採用する藤枝とミラーゲームになる」

そして乾貴士。いわき戦で一発退場をもらって、鳥栖戦は出場停止でした(【現地観戦】乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田)。2試合ぶりのピッチです。

なお藤枝は、槙野智章監督がベンチにいません。第13節・徳島戦の試合後インタビューでの審判員への不適切発言で、2試合のベンチ入り停止。この試合は太田吉彰ヘッドコーチが指揮を執っています。

出だしは磐田。でも、点が入らない

立ち上がりは磐田でした。藤枝陣内に押し込んで、シュートも打てていました。

前半のシュートは8対7(Opta)。数字だけ見ると互角ですが、ゴール期待値は1.28対0.36です。磐田のほうが、ゴールに近いところまで行けていました。

なのに、前半の枠内シュートは両チーム1本ずつ。磐田の1本が、あのPKです。

0-0で折り返しました。先制できるチャンスはあっただけに、この展開はよろしくないかもしれない。そう感じていました。

後半開始の交代は、両チーム1枚ずつ

後半頭から、両チームがそれぞれ1枚動かしてきました。

チーム IN OUT
藤枝 森侑里 岡本拓也
磐田 川﨑一輝 為田大貴

ゴールが生まれそうで生まれない展開。こうなるとベンチワークがものを言います。

後半も磐田が押していました。ただ、吉田の壁がなかなか崩れません。49分にダニーロのヘディング、72分と80分に川﨑一輝。全部止められました。

そして59分です。上原力也のCKからのシュートが、ゴールの枠を直撃しました。速報には「ゴールの枠に当たってしまう」とだけ書いてあります。

入らない。本当に入らない。

86分、真鍋隼虎

そして、嫌な形で先に動きました。

86分。Jリーグ公式のゴール記述です。

「ペナルティエリア内からの中村のクロスに反応した真鍋がペナルティエリア中央からヘディングでゴール右上に決める」

藤枝の真鍋隼虎。アシストは中村優斗です。

押している中で先制される。これまで何度も何度も苦杯をなめてきた形です。今季もさんざん見てきました。

なお、この場面の起点について。速報の原文に「ゴールキック」という記述はありません。ただ、静岡朝日テレビが「藤枝は吉田のロングフィードを収めた中村がドリブルで持ち運ぶと、1人かわしてクロス」と報じています(確認できたのはこの1社だけです)。

これが正しければ、この失点も吉田から始まっていることになります。

その1分後、ユーリ ララに替えて太田龍之介

失点が86分。秋葉忠宏監督が動いたのが87分です。

ユーリ ララOUT、太田龍之介IN。

センターバックを削って、前線を足す。多少は守備を犠牲にしてでも点を取りに行く、というメッセージです。1分で決めています。

この時点で、磐田の交代は5人すべて使い切りました。

時間 IN OUT
46分 川﨑一輝 為田大貴
59分 西久保駿介 桑原航太
70分 井上潮音 上原力也
70分 小原基樹 イアゴ テレス
87分 太田龍之介 ユーリ ララ

太字にした3人が、このあと全部に絡みます。

90+2分、松原后は3本打ちました

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

Jリーグ公式のゴール記述を、全文そのまま引きます。長いですが、全部に意味があります。

「右サイドから小原がクロスを入れるも、中村にクリアされる。こぼれ球に反応した松原がペナルティエリア中央から左足で枠内にシュートを放つも、吉田にセーブされる。立て続けに放ったシュートは阻まれるが、最後は松原がペナルティエリア中央から右足でゴール左下に決める」

読み直してください。松原后が、1人で3本打っています。

本数 内容 結果
1本目 PA中央から左足 吉田にセーブ
2本目 (速報は「立て続けに放った」とだけ) 阻まれる
3本目 PA中央から右足 ゴール左下

左足で打って、止められて、もう一本打って、阻まれて、それでも右足でもう一本。

私はテレビで見ていて、正直「こぼれ球を押し込んだ」くらいにしか認識していませんでした。あとで速報を読み返して、3本打っていたことを知りました。

松原后はこの試合でスタメンに戻ってきた選手です。そして、クロスを上げたのは小原基樹。前節の鳥栖戦で移籍後初ゴールを決めて、1点目の起点にもなった選手です(【DAZN観戦】小原基樹が移籍後初ゴール。10試合ぶりの複数得点で11位へ|磐田 2-0 鳥栖)。

90+6分、井上潮音

まだアディショナルタイムは残っていました。

「右サイドから小原がクロスを入れる。これに反応した西久保がペナルティエリア中央から右足で枠内にシュートを放つも、吉田にセーブされる。最後はこぼれ球に反応した井上がペナルティエリア右から右足でゴール左下に決める」

井上潮音。逆転です。

グラフトンでは、スタッフさんも一緒になってみんなでハイタッチでした。地下のパブで、知らない人と手を合わせました。

そして、この記述をもう一度見てください。クロスを上げたのは、また小原です。

2点とも、吉田がセーブした「直後」でした

ここで、さっきの7セーブの表に戻ります。

時間 吉田がセーブ その直後
90+2分 松原の左足 松原が右足でゴール
90+6分 西久保の右足 井上が右足でゴール

磐田の2得点は、どちらも吉田舜がセーブした、そのこぼれ球から生まれています。

言い方を変えると、この試合で吉田が触らずにネットに入ったシュートは、1本もありません。枠内9本のうち7本を止めて、残り2本も一度は止めて、そのこぼれ球を押し込まれました。

吉田は、負けていないんです。崩されたわけでもない。ただ、磐田が止められたあとにもう一本打つのをやめなかった。それだけの差でした。

90+2分の松原が、1本目で諦めていたら同点になっていません。90+6分の西久保のシュートに井上が詰めていなかったら、逆転もありません。

今日は、選手たちの諦めない姿勢が導いた勝利でした。

交代で入った4人が、2得点のすべてに絡んでいます

さっきの交代の表を、もう一度。

2得点の関係者を並べると、こうなります。

選手 投入 役割
小原基樹 70分 2得点とも、クロスの出し手
西久保駿介 59分 90+6分、吉田にセーブされたシュート
井上潮音 70分 90+6分、決勝ゴール
太田龍之介 87分 失点直後の投入。前線の枚数を足した

決勝点の構図が、きれいにこうなっています。

小原(70分投入)のクロス → 西久保(59分投入)のシュート → 吉田がセーブ → 井上(70分投入)が決める

ベンチが決めた試合、という言い方もできると思います。

今季初の逆転勝ちです

この勝ち方、今季初めてでした。

今季の勝利5試合を全部見ると、こうです。

節 試合 先制したのは
第3節 磐田 2-1 徳島 磐田(13分)
第4節 栃木C 1-3 磐田 磐田(2分)
第6節 甲府 0-1 磐田 磐田(無失点)
第10節 磐田 1-0 札幌 磐田(無失点)
第15節 藤枝 1-2 磐田 藤枝(86分)

ビハインドを背負ってから勝ったのは、この試合が今季初です。

そして2連勝。今季2度目の2連勝で、3連勝以上はまだありません。負けなしは6試合になりました(第10節から○△△△○○)。

ここまでの流れも振り返っておきます。第11節・宮崎戦、第12節・大分戦、第13節・いわき戦が3試合連続のドロー。そこを抜けた前節の鳥栖戦が、10試合ぶりの複数得点での勝利でした。複数得点で勝ったのは第4節の栃木C戦以来で、ちょうど10試合ぶりです。

10,006人。1万人を超えました

この日の入場者数は10,006人でした。

藤枝の今季ホームゲームで、2番目に多い数字です。

順位 試合 入場者数
1位 第1節・仙台戦 10,658人
2位 第15節・磐田戦 10,006人
3位以下 残り6試合 3,483〜6,100人

藤枝の今季ホーム平均は6,370人。この試合だけ、1.6倍の人が入りました。1万人を超えたのは、今季これが2回目です。

蒼藤決戦、というのはそういう試合です。

9位、勝点22

第15節終了時点のJ2の順位です。この節は10試合すべて11月3日に消化されているので、暫定ではありません。

順位 チーム 勝点 試合 得失
1 新潟 29 15 -2
2 富山 28 15 +13
3 横浜FC 28 15 +11
4 RB大宮 27 15 +9
5 仙台 27 15 +9
6 宮崎 26 15 +8
7 札幌 23 15 +2
8 大分 22 15 +6
9 磐田 22 15 +2
10 湘南 22 15 +1
16 藤枝 16 15 0

通算6勝4分5敗、勝点22。首位の新潟とは勝点7差です。

勝点22に3クラブ、勝点27〜29に5クラブ。中位から上は完全に団子です(ジュビロ磐田 2026/27 日程・結果|J2全38節+ルヴァン・天皇杯・U-21)。

ちなみにアウェイの成績は8試合3勝2分3敗。アウェイで勝ったのは、宮崎戦・いわき戦と引き分けが続いたあとの、3試合ぶりでした。

藤枝のことも書いておきます

藤枝は、これで11試合勝ちなしになりました(7分4敗)。直近の勝利は第4節、8月29日のアウェイ富山戦(3-2)です。

Jリーグ公式のプレビューには、こう書いてありました。

「ホームの藤枝は、なかなか勝ち切れずに苦しんでいるが、内容的に大きな問題があるわけではなく、前節・秋田戦も含めて本当に最後の一押しが足りない状況にある」

今日の試合、まさにそうでした。86分までリードを守り、吉田が7本止めて、あと数分で勝点3でした。

スポーツナビに載っていた戦評に、こう書いてあります。

「勝利目前から悪夢のような展開で1-2の逆転負けを喫し、藤枝は長いトンネルを抜け出せず、悔しさの残る一戦となった」

私は藤枝で生まれました。だから、この一文はちょっと重いです。

太田吉彰ヘッドコーチのコメント(スポーツ報知)。

「相手の圧力にやられた。勝ちたい、という執念を見せられた」

秋葉監督「こんな筋書き、どんな脚本家も書けない」

秋葉忠宏監督のコメントです。スポーツ報知が報じたものです。

「こんな筋書き、どんな脚本家も書けない。アディショナルタイムに2点。こんな経験はなかなかない」

静岡朝日テレビには、こう話しています。

「皆さんもお待ちしているかと思う。THIS IS ダービー!!」

なお、クラブ公式とJリーグ公式には、執筆時点で試合後コメントの掲載がありません。Jリーグは戦評タブ自体が出ていない状態です。上の2つは、どちらも報道1社ずつが出どころです。

次は11月8日、ホームで湘南戦

第16節は11月8日(日)14時、ヤマハスタジアム(磐田)で湘南ベルマーレ戦です。

湘南は10位・勝点22。磐田とまったく同じ勝点で、得失点差だけで下にいるチームです。7引き分けはリーグ最多タイ。

中4日。今日のアディショナルタイムの6分を、どれだけ持ち帰れるか。

今日の結論

シュート27本、ゴール期待値4.62。それでも86分まで0-0でした。

止めていたのは吉田舜です。7本。PKを含めて、7本。しかも、そのPKを与えたのは吉田自身でした。

そして磐田の2得点は、どちらも吉田がセーブした直後のこぼれ球から入りました。90+2分の松原后は、1人で3本打っています。90+6分の井上潮音は、西久保のシュートが止められたその先に走っていました。

止められても、もう一本打つ。それだけの差で、祝日の午後が決まりました。

看板には「静岡の休日を奪う。」と書いてありました。奪われませんでした。96分まで粘って、こっちが持って帰りました。

藤枝で生まれた人間として、複雑な気持ちもあります。でも今日は、五反田の地下で叫びました。

次は11月8日、ヤマハです。

※この記事の数字は、Jリーグ公式記録、Jリーグ公式の試合速報、J.LEAGUE Data Site、ジュビロ磐田公式、Football LAB、スポーツナビをもとにしています。シュート数はJリーグ公式記録(藤枝11・磐田19)とOpta(藤枝19・磐田27)で異なるため、本文はOpta集計で統一し、表に両方を併記しました。吉田舜のセーブ数7本は、公式記録に項目がないため試合速報を1本ずつ数えた集計です(Optaの枠内シュート9本=セーブ7+ゴール2で検算)。キックオフ時刻は公式記録の14時3分を採用しています(クラブ公式の表記は14時00分)。アディショナルタイムの表示分数は確認できませんでした。監督・ヘッドコーチのコメントは報道各1社が出どころで、クラブ公式およびJリーグ公式には執筆時点で掲載がありません。立て看板のポスターのコピーは写真のとおりですが、発信元のクラブは確認できていません。順位は第15節終了時点(全10試合消化済み)です。

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【DAZN観戦】小原基樹が移籍後初ゴール。10試合ぶりの複数得点で11位へ|磐田 2-0 鳥栖

前半を見ているあいだは、正直こう思っていました。「これは、勝てないな」と。

乾貴士がいない日でした

2026年10月31日(土)14時3分、ヤマハスタジアム(磐田)。明治安田J2リーグ第14節、サガン鳥栖戦です。

この試合、乾貴士は出場停止でした。前節のいわき戦で退場になったぶんの1試合です(乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田)。

これ、数字で見るとけっこう重いことです。第13節終了時点のFootball LABによると、乾はチームのアシスト数(2)も攻撃ポイント(21.78)も、どちらもチーム1位でした。

チームでいちばん攻撃に絡んでいる選手がいない。しかも磐田は3試合連続ドローで14位。勝点3を取らないと上には行けない。

そういう日でした。

9,823人。今季ホームで初めての昼開催

この日の入場者数は9,823人。天候は晴、気温22.1℃、湿度36%。主審は野堀桂佑さんでした。

キックオフは14時3分です。実はこれ、今季のホームゲームで初めての昼開催でした。

節 相手 キックオフ 入場者数
第1節 秋田 夜 14,901人
第3節 徳島 夜 14,235人
第5節 富山 夜 9,958人
第8節 八戸 夜 11,086人
第10節 札幌 夜 12,349人
第12節 大分 水曜夜 6,782人
第14節 鳥栖 14:03 9,823人

ホーム平均は11,305人(この試合を含む7試合)。9,823人は、水曜ナイターだった大分戦に次いで少ない数字です。

ただ、11月の晴れた土曜の昼にヤマハへ1万人近くが来る、というのは、やっぱりすごいことだと思います。

先発の変更は、1人だけ

磐田の先発です。

Pos No 選手
GK 16 牲川歩見
DF 15 ユーリ ララ
DF 2 ダニーロ
DF 6 金子大毅
MF 29 桑原航太
MF 7 上原力也
MF 18 井上潮音
MF 8 為田大貴
MF 47 佐藤大樹
MF 14 小原基樹
FW 32 太田龍之介

システムは3-4-2-1。前節から変わったのは1人だけで、負傷交代した藤原健介のところに井上潮音が入りました。

乾は前節も途中出場だったので、出場停止でも先発はほとんど動かさなかった、ということです。

鳥栖も3-4-2-1。前節から先発の変更はゼロ。監督は小菊昭雄さんです。

前半のシュートは、1本

そして前半が、きつかった。

前半の数字 磐田 鳥栖
20分時点のシュート 0本 1本
40分時点のシュート 0本 7本
前半終了時のシュート 1本 8本
枠内シュート 1本 2本
コーナーキック 0本 3本
ゴール期待値(xG) 0.08 0.35

40分までシュート0本。コーナーキックも0本。

唯一のシュートは45+1分、前半のラストプレーでした。上原力也の左からのFKに、ダニーロがPA中央からヘディング。これはGK松原颯汰に止められています。

つまり磐田の前半のシュート1本は、セットプレーからの1本だけでした。

なんとか耐え抜いて、0-0で折り返した。見ていて、そんな前半でした。

坂本亘基が、ひとりで怖かった

その鳥栖の攻撃、見ていていちばん怖かったのが坂本亘基でした。

この日の坂本の数字です。

項目 坂本亘基
シュート 5本(両チーム最多)
ドリブル 9回成功/9回(成功率100%)
こぼれ球奪取 3回

ドリブル9回、全部成功しています。

前半の時系列を並べると、ほとんど坂本の名前が出てきます。

時間 できごと
19分 坂本がドリブルでPA左へ → シュートは枠外
28分 坂本が左から持ち運んでクロス → ユーリ ララがクリア
30分 坂本が左から持ち運んでクロス → 上原力也がクリア
30分 坂本がPA手前から右足 → 牲川歩見がセーブ
31分 坂本がPA左から左足 → 上原力也がブロック
44分 坂本が中央から持ち込んで右足 → 牲川歩見がセーブ

ほかにも26分に山内翔のシュートを上原がブロック、32分に阿部海大のシュートをダニーロがブロック。

前半だけで、上原力也が4回(クリア2回・ブロック2回)、ダニーロが1ブロック、牲川歩見が2セーブ。この7つがなかったら、0-0では折り返せていません。

ちなみに磐田は今季、1試合平均タックル20.3回でリーグ1位です(第13節終了時点)。耐える力は、数字の裏づけがあります。

ハーフタイム、2枚替え

後半開始から、秋葉忠宏監督が2人替えました。

OUT IN
太田龍之介 マテウス ペイショット
為田大貴 川﨑一輝

前線と左に、違うタイプを入れる交代です。

マテウス ペイショットのハーフタイム投入は、前節のいわき戦に続いて2試合連続。しかも前節も太田龍之介との交代でした。同じ形を、2試合続けて使っています。

交代は、20分で効きました

この交代、数字ではっきり効いています。

時点 磐田 シュート(枠内)/xG 鳥栖 シュート(枠内)/xG
前半終了(45+1分) 1(1)/0.08 8(2)/0.35
65分 5(2)/0.83 12(3)/0.79
85分 8(3)/1.03 15(3)/1.02
試合終了 11(4)/1.97 15(3)/1.02

前半45分でシュート1本・xG 0.08だったチームが、後半の20分で4本・xG 0.75を積み増しました。

入った川﨑一輝が、さっそく仕事をします。48分に左からクロス、49分にも左からクロス。そして49分、この試合初めてのコーナーキックを獲得しました。

後半4分まで、磐田にはコーナーキックが1本もなかったということです。

58分。4回目のシュートで、ようやく

そして58分でした。

この1分間、磐田は立て続けに攻めています。

順番 できごと
1 上原力也がPA中央から右足 → 森下怜哉がブロック
2 こぼれ球を川﨑一輝が左足 → 塩浜遼がブロック
3 左CK(キッカー井上潮音)→ 髙橋利樹がクリア
4 ゴール

Jリーグ公式の記述を、そのまま載せます。

「左サイドから小原がドリブルで前進。そのまま持ち運んでクロスを供給する。ペナルティエリア内からユーリララがパスを送る。これに反応した川崎がペナルティエリア中央から左足で枠内にシュートを放つも、豊田にブロックされる。最後はMペイショットがペナルティエリア中央から右足でゴール左上に決める」

(ブロックした豊田歩は鳥栖のMFです。この日の鳥栖のGKは松原颯汰でした)

見ていたときは「ペナルティエリア内のユーリ ララのパスから」だと思っていたのですが、記述を読み直して気づきました。

この攻撃の起点は、小原基樹の左サイドのドリブル突破とクロスです。

その前に、小原が左を破っていました。ここ、あとで効いてきます。

マテウス ペイショットは、これが今季のリーグ戦では初ゴールです。

そして、この形です。

シュートを打って、こぼれ球をもう一度シュート。この厚みのある攻撃、相手にとってはかなりの脅威だと思います。

1分間で4回。ブロックされても、クリアされても、次が来る。守るほうからすると、いちばん嫌な時間ではないでしょうか。

先制してからが、いちばん怖かった

1-0になってからの10分が、この試合の山場でした。

時間 できごと
62分 髙橋利樹のスルーパス → 吉田真那斗がPA右から右足 → 牲川歩見がセーブ
63分 右CK → マテウス ペイショットがクリア
63分 塩浜遼がPA中央から左足 → ダニーロがブロック
64分 左CK → 上原力也がクリア
64分 坂本亘基がPA内まで持ち込んでクロス → 上原力也がブロック
64分 左CK → 森下怜哉がシュート、枠外
69分 坂本亘基がPA左からシュート、枠外

この60〜75分、ボール保持率は磐田42%、鳥栖58%。この試合でいちばん押し込まれた時間帯です。

攻め込まれるたびに、ヒヤヒヤの連続でした。1点差では、まったく安心できません。

68分に秋葉監督がもう2枚。佐藤大樹→イアゴ テレス、井上潮音→松原后。攻撃と守備を1枚ずつ、という交代です。

89分、小原基樹

そして89分でした。

左コーナーキック。キッカーは上原力也です。

蹴り込んだボールはクリアされ、そのこぼれ球を誰かが撃ち、ゴールの枠に当たります。そして、さらにこぼれたボールに反応したのが小原基樹でした。

PA中央から、左足。ゴール左上。

小原基樹、移籍後初ゴールです。

小原は今年6月25日にサンフレッチェ広島から期限付き移籍で加入しました。磐田での公式戦は、この日までリーグ戦11試合とルヴァンカップ2試合。13試合目で、やっと1点目です。

ここも「こぼれ球」でした。58分の先制点も、89分の追加点も、どちらも誰かが撃ったあとのボールです。

試合前の見出しは「小原基樹は意欲を燃やしている」でした

ここ、今回いちばん書きたかったところです。

この試合の前、Jリーグ公式サイトに出ていた見どころ記事のタイトルが、これでした。

「磐田に足りないのは決め切る力。小原基樹は意欲を燃やしている」

そして試合では。

時間 小原基樹がやったこと
58分 左サイドをドリブルで突破してクロス。先制点の起点
89分 こぼれ球を左足で。追加点
90分通して ブロック4回(チーム最多)

起点になって、決めて、守った。

「決め切る力」が足りないと言われていたチームで、「意欲を燃やしている」と書かれた選手が、2点とも絡んで移籍後初ゴールを決めました。

こういう日があるから、見るのをやめられないんですよね。

数字で見る90分

この試合のスタッツです。

磐田 鳥栖
シュート 11本 15本
枠内シュート 4本 3本
ボール保持率 45% 55%
パス(成功率) 398本(75.1%) 493本(77.5%)
CK 7本 7本
ゴール期待値(xG) 1.97 1.02

見てのとおり、シュートもパスもボール保持率も、全部鳥栖が上です。

上回ったのは枠内シュート(4対3)と、ゴール期待値(1.97対1.02)。そしてスコアが2-0。

これ、磐田にとっては珍しい形です。今季の磐田は、第13節終了時点で1試合平均のゴール期待値1.577に対して、実際のゴールは1.08。差分は-0.497でした。作ったチャンスの半分くらいしか決められていないチームだったんです。

この日はxG 1.97に対して2得点。やっと、期待値どおりに決めました。

15本打って、0点

逆に、鳥栖の話をします。

鳥栖は15本打って、0点でした。これ、今季の鳥栖そのものの数字です。

項目(第13節終了時点) 鳥栖の値 リーグ順位
1試合平均シュート 16.7本 2位
チャンス構築率 14.8% 2位
シュート成功率 6.5% 19位

撃つ量はリーグ2位、決まる率はリーグ19位。この日の15本0点は、偶然ではありませんでした。

それと、鳥栖はこれでアウェイ5連敗、今季アウェイ未勝利(0勝2分5敗)です。ホームでは強いチームなので、そこの落差がそのまま順位に出ています。

あと、鳥栖の最後のシュートは85分でした。そこから試合終了まで、1本も打たせていません。

10試合ぶりの複数得点

さて、ここがこの試合のいちばん大きい数字です。

節 相手 磐田の得点
第4節 栃木シティ(A) 3
第5節 富山(H) 0
第6節 甲府(A) 1
第7節 新潟(A) 1
第8節 八戸(H) 1
第9節 仙台(A) 1
第10節 札幌(H) 1
第11節 宮崎(A) 1
第12節 大分(H) 0
第13節 いわき(A) 1
第14節 鳥栖(H) 2

8月29日の栃木シティ戦(3-1)を最後に、9試合続けて1得点以下でした(開始5分で2-0!ゴールは奪える時間帯に奪うべし|栃木C 1-3 磐田)。

約2か月、10試合ぶりの複数得点です。

今季の複数得点は、これで3試合目。第3節の徳島戦(2-1)、第4節の栃木シティ戦(3-1)、そしてこの日。

2点取っての完封は、今季初めて

そしてもうひとつ。

節 相手 スコア
第6節 甲府(A) 1-0
第10節 札幌(H) 1-0
第12節 大分(H) 0-0
第14節 鳥栖(H) 2-0

今季4度目の完封です。14試合で4つ。

でも、ここに気づいてほしいんです。これまでの3つは、1-0、1-0、0-0。

2点以上取って完封したのは、今季これが初めてです。

札幌戦は1点を守り切る試合でした(後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌)。大分戦は取れずに0-0でした(大分のGKに前半だけで4本。これで3試合連続無得点|磐田 0-0 大分)。

守れる。でも取れない。それがずっと続いていました。

この日、守れて、取れました。

ちなみにヤマハでは、これで3試合連続無失点です(1-0、0-0、2-0)。ホームは3試合負けなし。

勝点19で11位。得失点差がプラスになりました

この勝利で磐田は5勝4分5敗、勝点19。順位は14位から11位に上がりました(※10月31日時点の暫定)。

順位 クラブ 試合 勝点 得点 失点 得失
8 いわきFC 14 20 23 20 +3
9 北海道コンサドーレ札幌 14 20 17 19 -2
10 大分トリニータ 14 19 17 12 +5
11 ジュビロ磐田 14 19 16 15 +1
12 サガン鳥栖 14 17 14 17 -3
13 徳島ヴォルティス 14 17 11 14 -3

小さいことですが、ひとつ。

得失点差が、-1から+1になりました。

今季ここまでずっとマイナスだった得失点差が、この2-0でプラスに転じています。勝点が並んだときに効いてくる数字です。

8位のいわきまで、勝点差は1。1勝で8位まで行けます。

4試合負けなし。でも、まだ連勝がない

これで磐田は4試合負けなし(1勝3分)。第9節の仙台戦以降、5試合負けていません。

ただ、正直に書きます。

磐田は今季、まだ1度しか連勝していません。

勝った試合 その次の試合
第3節 徳島 ○2-1 第4節 栃木C ○3-1
第4節 栃木C ○3-1 第5節 富山 ●0-1
第6節 甲府 ○1-0 第7節 新潟 ●1-2
第10節 札幌 ○1-0 第11節 宮崎 △1-1
第14節 鳥栖 ○2-0 第15節 藤枝 ?

連勝は第3節と第4節の1回だけ。8月の話です。

勝ったあとに勝てない。ここを変えられるかどうかが、次の試合です。

次は中2日、アウェイで藤枝

次節は11月3日(火・祝)14時、藤枝総合運動公園サッカー場で藤枝MYFC戦。

中2日です。かなり短い。

相手の藤枝は、16位・勝点15。順位だけ見れば下ですが、油断できる相手ではありません。

節 H/A 相手 結果
第9節 H 湘南 1-1 △
第10節 A 鳥栖 0-1 ●
第11節 H 山形 0-0 △
第12節 A 栃木C 2-2 △
第13節 H 徳島 0-1 ●

直近5試合は0勝3分2敗。第4節を最後に、9試合勝てていません。

でも、だからこそ怖い。藤枝のホームは2勝4分1敗で1敗だけです。勝ち切れないかわりに、簡単には負けないチームになっています。

そして、ひとつ大きな情報があります。

藤枝の槙野智章監督は、この試合も出場停止です。10月29日にJリーグから2試合の出場停止処分が発表されていて、対象は第14節と第15節。つまり磐田戦のベンチに入れません。

そして磐田には、乾貴士が帰ってきます。出場停止は1試合だけだったので、藤枝戦から出られます。

アシストもチームトップ、攻撃ポイントもチームトップの選手が戻ってくる。しかも今日、その乾がいない状態で10試合ぶりの複数得点を取りました。

中2日はきついですが、材料はそろっています。

最後に、この日いちばん効いた言葉を。試合前の見どころ記事のタイトルです。

「磐田に足りないのは決め切る力。小原基樹は意欲を燃やしている」

燃やしていました。しっかり。

火曜、藤枝で。

(今季の全日程と結果はこちらのページにまとめています)


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。Jリーグ公式の試合記録(data.j-league.or.jp)では、シュートが11対13、CKが7対7、FKが13対16と記録されています。シュート数(鳥栖)とFK数(磐田)が2系統で食い違っています。
※Optaの数値は試合直後に修正が入りました(磐田のシュート10→11本、ゴール期待値1.89→1.97、鳥栖のゴール期待値0.96→1.02)。本稿は修正後の数値を採用しています。
※オフサイドの数は、Jリーグ公式記録とJ.Leagueサイトが「磐田2・鳥栖0」、スポーツナビが「磐田0・鳥栖2」と真逆に表示されています。どちらが正しいか確認できないため、本文には記載していません。
※89分のゴールについて、Jリーグ公式の記述は「キッカーの上原がボールを蹴り込むも、松原にクリアされてしまう。こぼれ球に反応した松原がペナルティエリア中央からシュートを放つも、ゴールの枠に当たってしまう。最後はこぼれ球に反応した小原がペナルティエリア中央から左足でゴール左上に決める」です。この「松原」が鳥栖のGK松原颯汰なのか、68分から出場していた磐田のDF松原后なのか、記述からは区別できないため、本文では名前を特定していません。
※マテウス ペイショットの得点は、今季のリーグ戦では初ゴールです。ルヴァンカップでは今季2得点を記録しています。
※小原基樹は2026年6月25日にサンフレッチェ広島から期限付き移籍で加入しており、この得点が磐田での公式戦初ゴールです。
※本文中の1試合平均の数値(ゴール期待値、チャンス構築率、シュート成功率、タックル数、アシスト数、攻撃ポイント)は、すべてFootball LABの2026年10月27日更新ぶん=第13節終了時点のものです。この試合の数値は含まれていません。
※秋葉忠宏監督および選手のコメントは、本稿執筆時点でクラブ公式・Jリーグ公式のいずれにも掲載されていません。
※2026/27シーズンのJ2リーグにVARは導入されていません。この試合もVAR・AVARは配置されていません。
※順位は2026年10月31日時点の暫定です。同日の秋田対藤枝が雷の影響でキックオフを45分遅らせたため、本稿執筆時点では試合中でした。J2の公式順位表は公式記録の確定後に確定します。

The post 【DAZN観戦】小原基樹が移籍後初ゴール。10試合ぶりの複数得点で11位へ|磐田 2-0 鳥栖 first appeared on ジュビロ磐田観戦記と遠征グルメ【関西ジュビリスト】.

CHARGESPOTを8時間33分借りたら570円。でも支払いは0円でした

※本記事にはプロモーションが含まれます。

結論から書きます。8時間33分借りて、料金は570円。支払いは0円でした。

品川駅、特急ひたち。ここまでは完璧だった

2026年10月25日(日)。ジュビロ磐田のアウェイいわき戦を見るため、遠征に出ました。

特急ひたち|CHARGESPOTに救われた日

特急ひたち|CHARGESPOTに救われた日

品川駅から特急ひたち。バッグからお茶を出してドリンクホルダーに入れて、リクライニングを倒して、あとは湯本駅まで運ばれるだけ。

品川から湯本までは、だいたい2時間30分です。いい時間でした。ここまでは。

スマホの電池が、残りわずか

ふとスマホを見たら、電池残量がほとんどありません。

でも大丈夫。ちゃんとモバイルバッテリーを持ってきています。えらい。

……と思ってバッグから出したのがこれです。

モバイルバッテリー残り僅か|CHARGESPOTに救われた日

モバイルバッテリー残り僅か|CHARGESPOTに救われた日

見てください。4つあるランプが、1つしか点いていません。

そう、モバイルバッテリー本体の充電を忘れていました。

ちなみにこの残り1つも、スマホを15分ほど充電したところで消えました。本当に、何も持っていないのと同じです。

コンセントはある。プラグがない

ここで希望が見えます。特急ひたち(E657系)は、全席に電源コンセントがあります。肘掛けの先端についていて、普通車でも使えます。

助かった、と思いました。

思ったんですが、この日の私はACアダプター(プラグ)を持っていませんでした。

USBケーブルだけあっても、コンセントには挿さりません。コンセントを眺めながら、何もできない時間が始まりました。

(ちなみに車内Wi-Fi「JR-EAST FREE Wi-Fi」は使えます。でもWi-Fiがあっても、電池がなければ意味がないんですよね)

サッカー観戦でスマホが死ぬと、何が起きるか

遠征でスマホの電池が切れると、わりと詰みます。

困ること どうなるか
電子チケット 入場できません。これがいちばん致命的です
現地での連絡 仲間と合流できません
写真 記事が書けません
帰りの乗り換え 時刻が調べられません
決済 ハワイアンズスタジアムいわきは完全キャッシュレスです

最後のやつ、地味に怖いです。いわきFCのホームゲームは完全キャッシュレス運用なので、スマホが死ぬとスタジアムグルメも買えません。

そこで思い出したのが、CHARGESPOT(チャージスポット)でした。

CHARGESPOTって何だっけ

駅やコンビニで見かける、モバイルバッテリーのレンタルサービスです。運営は株式会社INFORICH。

特徴はこの3つです。

内容
設置台数 62,879台(2026年6月現在・公式サイトより)
借り方 アプリでQRコードを読み取るだけ
返し方 借りた場所と違うスタンドに返せます

コンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)、駅、携帯ショップ、商業施設、空港、スタジアム。だいたいどこかにあります。

この「どこで借りても、どこで返してもいい」が、遠征と相性が良すぎました。あとで書きます。

アプリで、着く駅のまわりを調べた

列車の中でCHARGESPOTのアプリを開いて、これから着く湯本駅のまわりを見てみました。

CHARGESPOTアプリで湯本駅前のスタンドを検索|CHARGESPOTに救われた日

CHARGESPOTアプリで湯本駅前のスタンドを検索|CHARGESPOTに救われた日

駅前の「ワイワイショップ WAI WAI SHOP」というお店に、スタンドがありました。

項目 アプリの表示
店名 ワイワイショップ WAI WAI SHOP
時間 06:00 – 22:15(営業中)
住所 福島県いわき市常磐湯本町天王崎38
在庫 利用可:2 返却可:8

ここで大事なのが「利用可:2」という数字です。借りられるバッテリーが、2本しか入っていません。

都市部のスタンドなら在庫を気にすることはまずないのですが、地方は台数が限られます。「行けばあるだろう」ではなく、アプリで在庫を見てから向かうべきでした。結果的には空いていましたが、あれが0だったら詰んでいます。

湯本駅に着いて、まっすぐお店へ

湯本駅に着いて、スタジアムより先に向かったのがこのお店です。

湯本駅前のワイワイショップ|CHARGESPOTに救われた日

湯本駅前のワイワイショップ|CHARGESPOTに救われた日

「湯本駅前コンビニ ワイワイショップ」「湯本温泉へようこそ」。ヤシの木と、いわきFCののぼり旗。いい駅前です。

全日食チェーンのお店で、いわきFCのオフィシャルグッズも置いてあります。店内には勿来温泉の入泉割引券まで「ご自由にお持ちください」と並んでいました。完全に地元のインフラです。

ちなみに湯本駅からハワイアンズスタジアムいわきまでは、徒歩約30分、タクシーで約5分、試合日はシャトルバスも出ています。

QRを読み取ると、ポンッと出てくる

ありました、CHARGESPOT。

湯本駅前のワイワイショップでレンタル|CHARGESPOTに救われた日

湯本駅前のワイワイショップでレンタル|CHARGESPOTに救われた日

借り方は拍子抜けするほど簡単でした。

手順 やること
1 アプリを起動する
2 スタンドに貼ってあるQRコードを読み取る
3 支払い方法を確認する
4 バッテリーがポンッと飛び出してくる

本当に、少しだけ飛び出して取り出せるようになります。自動販売機のような感触です。

貸出時刻は13時12分。キックオフが15時3分なので、じゅうぶん間に合いました。

借りたバッテリーは、こんなやつ

CHARGESPOTのバッテリー 表面|5,000mAh・163g|CHARGESPOTに救われた日

CHARGESPOTのバッテリー 表面|5,000mAh・163g|CHARGESPOTに救われた日

表には「Powerボタンを押すと充電が始まります」。サイズはスマホとだいたい同じで、厚みもそれほどありません。

項目 スペック
容量 5,000mAh
重さ 163g
内蔵ケーブル 3種類
認証 日本のPSE適合、抗菌・抗ウイルス加工

163gなので、荷物になりません。スマホ約1.5回分は充電できる計算です。

CHARGESPOTのバッテリー 裏面|内蔵ケーブル3種類|CHARGESPOTに救われた日

CHARGESPOTのバッテリー 裏面|内蔵ケーブル3種類|CHARGESPOTに救われた日

裏にはQRコードとシリアル番号。このバッテリーは「36177436」番でした。

端子は3本。たいていのスマホは挿さります

ここが個人的にいちばん感心したところです。

USB Type-C・Lightning・microUSBの3種類の端子|CHARGESPOTに救われた日

USB Type-C・Lightning・microUSBの3種類の端子|CHARGESPOTに救われた日

ケーブルが3本、本体に格納されています。

端子 主な対応
USB Type-C 最近のAndroid、iPhone 15以降
Lightning iPhone 14以前
microUSB 少し前のAndroid、周辺機器

ケーブルを持っていなくてもいい、というのが効きます。私はケーブルもプラグも持っていませんでしたが、何の問題もありませんでした。

(※急速充電タイプの新しいバッテリーは8,000mAh・ケーブル2種類で、2026年6月から順次入れ替わっているそうです。スタンドによって中身が違う可能性があります)

無事に観戦。結果は……聞かないでください

電池の心配がなくなったので、安心して観戦できました。スタジアムグルメも楽しみました。

試合は1-1。詳しくはこちらに書いています(乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田)。

……ええ、聞かないでください。

どこで借りても、どこで返してもいい

さて、ここからがCHARGESPOTの本領です。

帰り道、川崎のあたりでアプリの地図を開いてみました。

CHARGESPOTアプリで川崎駅前のスタンドを検索|CHARGESPOTに救われた日

CHARGESPOTアプリで川崎駅前のスタンドを検索|CHARGESPOTに救われた日

見てください。スポットだらけです。

湯本駅のまわりは数えるほどでしたが、川崎駅前はピンで埋まっています。これが都市部と地方の差です。

そしてもうひとつ、この画面に大事なものが写っています。

「レンタル時間 08:28/現在の料金 JPY ¥0」

8時間28分借りているのに、料金が0円と出ています。この理由は、あとでちゃんと書きます。

ラゾーナ川崎のローソンへ

返却先に選んだのは、川崎駅前のバスターミナル横にあるローソンでした。

川崎駅西口のローソン|CHARGESPOTに救われた日

川崎駅西口のローソン|CHARGESPOTに救われた日

「ローソン ラゾーナ川崎店」。24時間営業で、アプリの表示は「利用可:1 返却可:17」。17台ぶんの空きがあるので、満杯で返せないという心配はありません。

湯本で借りて、川崎で返す。福島県いわき市から神奈川県川崎市まで、バッテリーを連れて帰ってきたわけです。

返却はアプリ不要。挿すだけでした

川崎駅前で返却|CHARGESPOTに救われた日

川崎駅前で返却|CHARGESPOTに救われた日

ありました、CHARGESPOT。

ここで驚いたのが、返却にアプリが要らなかったことです。

空いているスロットにバッテリーを挿し込むだけ。カチッと入れば、それで返却完了です。アプリを開く必要も、QRを読む必要もありません。

(返せる場所を探すときはアプリが要ります。挿す瞬間だけ不要、ということですね)

このローソンのスタンドはクレジットカードのタッチ決済とQR決済に対応した新しいモデルでした。「TOUCH HERE TO START」と書いてあるとおり、アプリを入れていない人でもカードをかざせば借りられます。2025年11月から順次増えているタイプです。

8時間33分で570円。支払いは0円

返却後にアプリを開くと、明細が出ます。

CHARGESPOT返却完了画面|8時間33分570円が0円|CHARGESPOTに救われた日

CHARGESPOT返却完了画面|8時間33分570円が0円|CHARGESPOTに救われた日

項目 表示
利用時間 08:33
利用料金 JPY ¥570
クーポンを使用 しない
クーポン割引 JPY ¥0
利用料金(確定) JPY ¥0
支払い方法 MemberCard

借りた場所と返した場所も、ちゃんと記録されています。

項目 記録
バッテリー番号 36177436
貸出時間 2026-10-25 13:12:31
貸出場所 ワイワイショップ WAI WAI SHOP
返却時間 2026-10-25 21:45:18
返却場所 ローソン ラゾーナ川崎店

福島で借りて、神奈川で返した証拠がこれです。

CHARGESPOTの料金表は、こうなっています(2026年10月29日時点・税込)。

利用時間 料金
30分未満 165円
30分〜1時間未満 330円
1時間〜3時間未満 430円
3時間〜6時間未満 500円
6時間〜12時間未満 570円
12時間〜24時間未満 640円
以降24時間ごと +360円

8時間33分は「6時間〜12時間未満」なので570円。表のとおりです。

では、なぜ0円だったのか。

dバリューパスに入っていたから

ドコモのサブスク「dバリューパス」(旧・スゴ得コンテンツ)に加入していると、CHARGESPOTが使い放題になります。

項目 内容
月額 550円(税込)
CHARGESPOT 24時間を超えても0円、回数制限なし
初回 31日間無料
対象者 ドコモ回線がなくても、dアカウントがあれば誰でも

「スゴ得コンテンツ」から「dバリューパス」に変わったのは2026年3月1日です。名前が変わったので検索しても出てこない、という人がいるかもしれません。

そして、ここが大事です。

使い放題には、ひと手間と条件があります

「入れば勝手に0円になる」わけではありません。私も最初にここでつまずきました。

条件 内容
ライセンスコードの登録が必要 dバリューパス側でコードを取得し、CHARGESPOTアプリに登録して初めて適用されます
コードは毎月リセット 有効期限は発行月の月末まで。翌月はまた取り直しです
同時に借りられるのは1台 1アカウントにつきコードは1つ、バッテリーも1本まで
日本国内のみ 海外のスタンドは対象外です
一部の施設は対象外 テーマパーク、スタジアム、大学、医療機関など、通常と違う料金が設定された場所では使い放題が適用されません
併用不可 他のクーポンやCHARGESPOT Passとは併用できません

※ライセンスコードの取り方は、CHARGESPOTの特設ページに手順が載っています。

とくに「一部の施設は対象外」に注意してください。公式には、レゴランド・ジャパン、東京ドーム、横浜スタジアム、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、楽天モバイルパーク宮城が例として挙がっています。

サッカー観戦をする人には、けっこう大きい話です。スタジアムの中のスタンドで借りると、0円にならない可能性があります。私が0円で済んだのは、スタジアムの外(湯本駅前のコンビニ)で借りたからです。

遠征のときは、スタジアムに入る前に、駅前かコンビニで借りておく。これが正解だと思います。

なお、ドコモ回線を持っていない人でもdアカウントがあれば加入できますが、その場合支払いはクレジットカードのみになります。

dバリューパス

1回使えば、元が取れる

数字を並べると、こうなります。

金額
dバリューパスの月額 550円
今回のCHARGESPOT利用料 570円
差額 +20円

この1回だけで、すでに元が取れています。

月に1回でも「6時間以上」借りれば、それだけで月額を上回ります。遠征が月に2回ある月なら、完全に黒字です。

しかもdバリューパスは、CHARGESPOT以外にも特典があります。

特典 内容
クーポン コンビニの100円お買い物券が当たる毎日の抽選、約900種類以上の店舗クーポン、映画館の割引など
dポイント d払い利用時の抽選還元、dショッピングの還元、Amazonでのボーナスdayなど
使い放題 CHARGESPOTのほか、天気・乗換案内などのアプリやゲームが約150種類

正直に言うと、私はクーポンのほうはあまり使えていません。でもCHARGESPOTだけで月額を回収できているので、それで十分だと思っています。

dバリューパス

借りる前に知っておきたい、3つの注意点

便利なサービスですが、落とし穴もあります。

1. 返さないと、けっこう高くつきます

レンタルできるのは最長120時間(5日間)まで。これを超えると違約金2,000円(税込)が加算され、合計4,080円(税込)になります。紛失・破損したときの補償金も同じ4,080円です。

ここ、注意してほしいところがあります。ネット上には「3,300円/違約金1,980円」と書いている記事がたくさん残っていますが、これは古い数字です。現行の利用規約では4,080円/2,000円になっています(2026年10月29日時点)。

2. 返す場所に「空きスロット」が要ります

スタンドが満杯だと返せません。アプリの地図で「返却可」の数を見てから向かってください。今回のローソンは「返却可:17」だったので余裕でしたが、小さなスタンドだと埋まっていることがあります。

3. 他社のスタンドに返しても、返却になりません

似たようなバッテリーレンタルのスタンドが他社からも出ています。見た目が似ていても、必ずCHARGESPOTのスタンドに返してください。公式も注意喚起しています。

そして、自前のモバイルバッテリーの話

今回いちばん反省したのは、自分のモバイルバッテリーを充電し忘れたことです。

ただ、調べていて「これは書いておこう」と思ったことがあります。

2025年の夏以降、鉄道の車内でモバイルバッテリーの発火事案が相次ぎました。国土交通省とJR6社などが調整して、2025年9月から駅や車内で注意喚起の放送とポスター掲示が始まっています。JR東日本も2025年8月末から全線区で放送を始めました。

呼びかけの内容はこうです。

「可能な限りお手元に置くなど、状態が確認できる場所でのご使用」

航空でも2025年7月から、モバイルバッテリーを頭上の収納棚に入れないこと、充電は見える場所ですること、が各社共通の協力要請になっています。

一方のCHARGESPOTは、日本のPSE認証に適合したバッテリーを使っていて、公式には「国内累計1億回レンタル突破、発火事故0件」とうたっています(2026年8月時点の公式発表)。

自前のバッテリーを持たない、という選択肢。あるいは「古いバッテリーを無理して使い続けない」という選択肢。今回のことで、少し真面目に考えるようになりました。

なお、列車の中でバッテリーを使うときは、膝の上やテーブルの上など、目の届くところで。私もそうしていましたが、これはJR東日本の呼びかけどおりのやり方でした。

遠征の持ち物リストに、1行足しました

今回わかったことを、まとめます。

学んだこと
持ち物 モバイルバッテリーは「持つ」ではなく「充電しておく」
持ち物 ACアダプター(プラグ)を1つ入れておく。特急には全席コンセントがあります
保険 CHARGESPOTのアプリを入れておく。使わなくても、あるだけで安心感が違います
借りる場所 スタジアムに入る前に、駅前かコンビニで借りる
事前確認 地方は在庫が少ないので、アプリで「利用可」の数を見てから向かう
返す場所 「返却可」の数を確認してから向かう

前に仙台へ遠征したときは、こんなことにはなりませんでした(シュートは3本だけ。90+4分、首位仙台に力尽きる|仙台 2-1 磐田)。慣れた頃がいちばん危ない、ということだと思います。

湯本駅前で借りて、ラゾーナ川崎で返す。8時間33分、570円、支払い0円。

遠征先でスマホの電池に泣いたことがある人は、一度試してみてください。

(今季の全日程と結果はこちらのページにまとめています)


※本記事にはプロモーションが含まれます。
※CHARGESPOTの料金・利用条件は、2026年10月29日に公式サイト(料金ページ・利用規約)で確認した内容です。料金改定の可能性があるため、利用前に公式サイトでご確認ください。
※dバリューパスの月額・特典・適用条件は、2026年10月29日にドコモ公式サイトおよびCHARGESPOTの特設ページで確認した内容です。
※「未返却時は3,300円(違約金1,980円)」という記述がインターネット上に多く残っていますが、現行の利用規約では違約金2,000円・上限4,080円(いずれも税込)です。
※バッテリーの容量・重量・内蔵ケーブルの種類は、CHARGESPOT公式のスペックページおよび筆者が借りた個体に基づく記述です。急速充電タイプ(8,000mAh・ケーブル2種)が2026年6月から順次導入されているため、スタンドによって異なる場合があります。
※特急ひたち(E657系)の「全席に電源コンセントがある」「肘掛けの先端にある」という記述は、筆者の実体験と鉄道専門サイトの実地レポートに基づくものです。JR東日本の公式サイトでは、電源コンセントに関する記載を確認できませんでした。車内Wi-Fi(JR-EAST FREE Wi-Fi)については、JR東日本の公式FAQで確認しています。
※ワイワイショップ WAI WAI SHOP へのCHARGESPOT設置は、公式の店舗リストでは確認できません(アプリの地図でのみ確認できます)。本記事は2026年10月25日時点の筆者の実体験に基づく記述です。
※モバイルバッテリーの発火事案に関する注意喚起の内容は、国土交通省の公表資料および報道に基づく要約です。
※写真に写っている通行人の方については、顔が識別できないようぼかし処理をしています。

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【現地観戦】乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田

勝たなきゃいけない試合でした。

雨のハワイアンズスタジアムいわきへ

2026年10月25日(日)、ハワイアンズスタジアムいわき。明治安田J2リーグ第13節、いわきFC対ジュビロ磐田です。

遠征してきました。

ハワイアンスタジアムいわき|いわき vs. 磐田

ハワイアンスタジアムいわき|いわき vs. 磐田

常磐線の湯本駅から、スタジアムまでは歩いて30分、シャトルバスで10分。駅を降りた時点で、もう降っていました。

傘よりカッパのほうがいい日です。実際、スタジアムの前は赤いポンチョだらけでした。

ここで、先に書いておきます。Jリーグの公式記録では、この日の天候は「曇」です。気温19.3℃、湿度90%。でも、湿度90%という数字が全部を語っていると思います。試合中も、終盤はしっかり降っていました。

秋葉忠宏監督も、試合後にこう言っています。

「さらに、この雨のいわきまで300人近いジュビロを愛するファン・サポーターが来てくれて、最後にはゴール裏から我々に力強いエールを送ってくれました」

記録は「曇」。でも、降っていました。両方書いておきます。

3,680人。いわきの今季ホーム最少

この日の入場者数は3,680人でした。

ハワイアンズスタジアムいわきは、芝生席を含めて5,000人規模のスタジアムです。そこに3,680人なので、スカスカという感じはまったくしません。むしろ、距離が近い。

いわき vs. 磐田|ハワイアンズスタジアムいわき

いわき vs. 磐田|ハワイアンズスタジアムいわき

ただ、いわきの今季ホームゲームの中では、いちばん少ない数字です。雨と、中3日の日曜開催(湘南戦から中3日)が重なりました。

そのうち300人近くが、磐田から来ていた人たちです。秋葉監督が試合後にわざわざ触れたのは、たぶんそのへんが見えていたからだと思います。

アウェイのゴール裏は芝生席でした。雨の芝生席で90分立っている人たちが、300人。

先発は3-4-2-1。上原力也が今季初先発

磐田の先発です。

先発メンバー|いわき vs. 磐田

先発メンバー|いわき vs. 磐田

Pos No 選手
GK 16 牲川歩見
DF 29 桑原航太
DF 15 ユーリ ララ
DF 2 ダニーロ
MF 8 為田大貴
MF 7 上原力也
MF 6 金子大毅
MF 14 小原基樹
MF 77 藤原健介
MF 47 佐藤大樹
FW 32 太田龍之介

システムは3-4-2-1。為田大貴が左のウイングバック、小原基樹が右。藤原健介と佐藤大樹がシャドーで、前は太田龍之介ひとりです。

そして上原力也が今季初先発でした。前節の大分戦で途中出場して、そのまま先発を勝ち取った形です。

ベンチには川島永嗣、松原后、西久保駿介、川﨑一輝、増田大空、井上潮音、乾貴士、イアゴ テレス、マテウス ペイショット。前節スタメンだった3人が、そろってベンチスタートです。

いわきは3-1-4-2。GK佐々木雅士、3バックが桒田大誠・中野陽斗・深港壮一郎、アンカーに藤井海和、前に高橋勇利也・木吹翔太・山口大輝、そして道脇豊・西谷亮・熊田直紀。監督は田坂和昭さんです。

6分、熊田直紀

そして、始まって6分でした。

Jリーグ公式の記述はこうです。

「ペナルティエリア内からの高橋のクロスに反応した熊田がペナルティエリア中央から右足でゴール左下に決める」

高橋勇利也のクロスに、熊田直紀。現地で見ていても、あっという間でした。「あ」と言っているうちにネットが揺れていた感じです。

秋葉監督は、この失点をこう振り返っています。

「試合の入りに気をつけようと言っていた中で、選手たちはウォーミングアップから非常に集中していました。ただ、あの早い時間帯に、スカウティングしていたクイックのプレーからやられたというのは、良い入りをしなければいけないと必死にやっている中でも、どこかに隙があったのかなと思います」

スカウティングしていた。つまり知っていた形で、やられたということです。

熊田直紀はこれが今季5点目。第12節終了時点でいわきのチーム得点王(4点)だった選手が、きっちり1点増やしました。

24分、藤原健介が倒れた

24分です。

藤原健介が倒れて、一度は立ち上がってプレーを続けようとしました。でも、続けられませんでした。

交代で入ったのは松原后。DFです。シャドーが抜けた穴に、DFが入りました。

この交代の意味は、たぶん「同じポジションの選手を入れる余裕がなかった」のではなく、「ここでシステムをいじってでも、後半の3枚替えのカードを残した」ということだと思います。実際、後半開始から3枚替えが来ます。

秋葉監督は、藤原の状態についてこう話しました。

「前半で交代するくらいですから、おそらく軽いものではないと思っています。これから病院に行って検査をしなければ分からないと思いますけど、あれだけ強気でキャプテンシーのある選手が、あの時間帯で一度プレーを続けようとして、それでも交代するということは、簡単なトラブルではないと思っています」

検査結果を待ちます。

なお、入ったばかりの松原后は31分に警告を受けています。慣れないポジションでの31分だったのか、単に厳しいプレーだったのかは、見ていて判断がつきませんでした。

前半のことは、上原力也が全部説明してくれた

前半は0-1で折り返しました。

正直、前半は「重いな」と思って見ていました。いわきが前から来て、磐田が引っかかる。そういう時間が続いていました。

これ、上原力也が試合後にそのまま説明してくれています。

「前から来る相手で、そこに自分たちも引っかかるシーンや、うまくいかないシーンもありました。ただ、相手もパワーを出してボールを奪いに来なければいけない中で、前半のラスト10分くらいはかなりきつそうでした」

「これを続けていれば絶対に点を取れるし、後半は相手も落ちてくると思っていました」

いわきは、第12節終了時点で攻撃回数がリーグ2位(1試合126.9回)のチームです。前から行って、たくさん仕掛ける。その代わり、後半は落ちる。

上原は、重く見えていた前半の中で、相手の息が上がっていくのを見ていました。こういう選手がいると違うんだな、と思いました。

後半開始、3枚替え。「予定どおりです」

ハーフタイムで、磐田は一気に3人替えました。

OUT IN
佐藤大樹 乾貴士
為田大貴 イアゴ テレス
太田龍之介 マテウス ペイショット

前線が総入れ替えです。

これ、ビハインドだから慌てて替えたのかな、と思って見ていました。違いました。

「もちろん5連戦の最後だったことや、相手との兼ね合い、コンディションなど、いろいろなものをトータルで考えた中で、これが一番勝つ確率が高いのではないかと判断しました。コーチングスタッフやメディカルスタッフなど、いろいろな方の知恵を集めて決めたことなので、あの3枚替えは予定どおりです」(秋葉監督)

予定どおり。前半のうちから決まっていた、ということです。

上原力也も、入ってきた3人についてこう言っています。

「後半に入った選手たちは、僕と似たような感覚を持っている選手たちなので、非常にやりやすかったですし、楽しかったです」

楽しかった、という言葉が出てくる0-1ビハインドの後半も、なかなかありません。

63分、いわきが一番やられている形で

60分に、いわきが2人替えました。高橋勇利也と木吹翔太を下げて、加藤大晟と久永瑠音。先制点をアシストした高橋がピッチを出て、3分後です。

63分でした。

Jリーグ公式の記述を、そのまま載せます。

「左サイドからのCKを獲得。キッカーの上原がボールを蹴り込むも、道脇にクリアされてしまう。こぼれ球に反応した乾がペナルティエリア左から右足で枠内にシュートを放つ。最後はイアゴ テレスがペナルティエリア中央からヘディングでゴール右上に決める」

現地では「乾のシュートにイアゴ テレスがコースを変えた」ように見えました。記述と合わせると、そのとおりです。枠内に飛んでいた乾のシュートに、イアゴ テレスが頭で触って、ゴール右上に行った。

公式記録の得点者はイアゴ テレス、アシストは乾貴士です。オウンゴールでも、乾のゴールでもありません。

ここで、数字をふたつ置かせてください。第12節終了時点のFootball LABのデータです。

最も多いパターン 本数(割合)
磐田の得点 セットプレーから 4点(30.8%)
いわきの失点 セットプレーから/クロスから 各6点(各33.3%)

磐田がいちばん点を取っている形で、いわきがいちばん点を取られている形です。

「セットプレーからでしたけど同点に追いつきました」と秋葉監督は言いましたが、「でしたけど」ではないと思います。そこを狙うのが、いちばん確率が高かったはずです。

イアゴ テレスはこれで今季5点目。チーム得点王です。

76分、乾貴士

そして、76分でした。

乾貴士が、一発退場です。

公式記録には「退場 乾 貴士 76’」とあるだけで、理由は書かれていません。この日の乾に警告はありませんから、2枚目の警告ではなく、一発です。

現地でも何が起きたかははっきり見えました。やってはいけないことでした。

同点にしたのが63分、そのきっかけを作ったのも乾でした。13分後です。

秋葉監督のコメントを、ほぼ全部そのまま載せます。ここは要約したくありませんでした。

「さあ、これからというときに、乾貴士はやってはいけないことをしました。あれは今後、クラブとしてもチームとしても、そして個人としても絶対にあってはいけないことです。それは厳しく話しましたし、本人も分かっていると思います」

「あそこで感情をコントロールできるように、あれだけのキャリアがある選手だからこそ、チームの模範となるような振る舞いをしてほしかったということは厳しく伝えました。きっと今後、彼がまたチームに良い影響をもたらしてくれると信じています」

「厳しく」が2回出てきます。

乾貴士は、第12節終了時点で磐田の攻撃ポイント(Chance Building Point)チーム1位の選手です。21.02ポイント。2位以下を引き離しています。この試合でも、同点ゴールの起点になりました。

その選手が、自分でピッチを去りました。

出場停止の試合数は、本稿執筆時点(10月26日0時)でまだ発表されていません。Jリーグの「出場停止のお知らせ」は10月22日付が最新です。一発退場なので次節・鳥栖戦の欠場は確定ですが、何試合になるかは規律委員会の決定待ちです。

リーグ戦13試合を見てきて、磐田の選手が退場になったのを見たのは、これが初めてでした。

残り14分+アディショナルタイム

10人になりました。1-1です。

82分に上原力也を下げて、西久保駿介。守りに人を足す交代です。いわきも69分に熊田直紀を下げて今野息吹、90分に藤井海和を下げて永木亮太と、前に重心をかけてきました。

ここからの時間は、現地だとすごく長く感じます。

秋葉監督の言葉です。

「その後の選手たちは、25分、30分ほど10人で戦う苦しい状況でも、絶対に勝点だけは持って帰るんだという思いを見せてくれました。もちろん勝点3を取りにいきながらも、最後のアディショナルタイムに入ってからは、何が何でも勝点を持って帰る。相手のパワープレーにも屈することなく、全員で跳ね返し続けました」

GKの牲川歩見は、こう言っています。

「攻撃のところでは、ペイ(ペイショット)やイアゴ(テレス)がピッチにいたので、一発で仕留めるところは狙いつつ、失点しないことが一番重要でしたし、勝点を持ち帰ることが大事だったと思います」

10人になっても、前に残した2人で殴り返す準備はしていた。でも、優先順位は失点しないこと。はっきりしています。

結果、いわきの枠内シュートは4本のままで終わりました。

数字で見る90分

この試合のスタッツです。

いわき 磐田
シュート 11本 10本
枠内シュート 4本 4本
ボール保持率 44% 56%
パス(成功率) 328本(62.8%) 494本(75.3%)
CK 4本 5本
FK 19本 17本

10人で14分+アディショナルタイムを戦って、保持率56%、パス494本です。

いわきは第12節終了時点で被チャンス構築率リーグ2位(9.2%)、被シュート3位(1試合11.9本)。つまり「打たせない」チームです。そこから10本打って、枠内に4本。数字としては悪くありません。

いわきのパス成功率62.8%というのも、このチームらしい数字です。つなぐより、前に速く送る。攻撃回数リーグ2位の裏側がこれです。

9試合続けて、1点以下

ただ、いちばん気になっている数字は、今回も変わりませんでした。

試合結果|いわき 1-1 磐田

試合結果|いわき 1-1 磐田

節 相手 磐田の得点
第4節 栃木シティ(A) 3
第5節 富山(H) 0
第6節 甲府(A) 1
第7節 新潟(A) 1
第8節 八戸(H) 1
第9節 仙台(A) 1
第10節 札幌(H) 1
第11節 宮崎(A) 1
第12節 大分(H) 0
第13節 いわき(A) 1

8月29日の栃木シティ戦(3-1)を最後に、9試合続けて1点以下です。リーグ戦13試合で14得点。複数得点はいまだに2試合(第3節の2点、第4節の3点)だけです。

第12節終了時点のFootball LABの数字では、磐田のゴール期待値は1試合1.604に対して、実際のゴールは1.08。差分は-0.524です。シュート成功率7.9%はリーグ15位。

チャンス構築率は11.1%で10位。チャンスは平均的に作れていて、決まっていない。この形がずっと続いています。

一方で、守備の数字は上位です

悪い話ばかりではありません。

第12節終了時点で、磐田のKAGI(守備の指標)は53.4でリーグ3位です。AGI(攻撃の指標)が51.9の8位ですから、はっきり守備のチームになっています。

この日、10人で守り切れたのは、気持ちだけではないと思います。牲川歩見の話が、それを裏づけています。

「秋葉さんも身体を張るということはよく言っていますけど、GKとの連係も意識しながら、どのコースを切るのかというところを、みんながすごく理解してきていると思います。どうやってコースに入っていけばいいのかというところも、お互いに声を掛け合いながらやってきたことで、うまく詰められるようになってきたからこそ、身体にボールが当たっていると思います」

「勇気が必要なプレーですけど、身体を張って対応してくれていることには感謝しかありません」

キーパーがここまで言うので、相当だったんだと思います。

ハワイアンズスタジアムいわきで、初めての勝点

それと、小さいけれど、ひとつ。

磐田はこのスタジアムで、これまで勝点を取ったことがありませんでした。2025年8月のJ2で1-3、2026年3月の百年構想リーグで0-1。2試合2敗です。

この1-1が、ハワイアンズスタジアムいわきでの初めての勝点1になりました。

いわきはこのスタジアムで、今季まだ負けていません。その無敗は続いたままですが、少なくとも勝たせませんでした。

5連戦が、終わりました

秋葉監督が言っていた「5連戦」は、10月10日から数えた5試合です。

日付 大会 H/A 相手 結果
10/10(土) J2第10節 H 札幌 1-0 ○
10/14(水) ルヴァン H 川崎F 0-4 ●
10/17(土) J2第11節 A 宮崎 1-1 △
10/21(火) J2第12節 H 大分 0-0 △
10/25(日) J2第13節 A いわき 1-1 △

16日間で5試合。そのうち移動は、川崎・宮崎・いわき。宮崎からいわきまで、だいたい日本の端から端です(1点が遠い。宮崎と1-1で、これで3試合負けなし|宮崎 1-1 磐田)。

リーグ戦に絞れば4試合で1勝3分、無敗。失点は1-0、1-1、0-0、1-1で合計2です。勝点は6。

この日程で無敗は、評価していい数字だと思います(大分のGKに前半だけで4本。これで3試合連続無得点|磐田 0-0 大分)。

3試合連続ドロー、4試合負けなし

宮崎、大分、いわき。3試合連続のドローです。今季最長になりました。

札幌戦の勝利を入れると4試合負けなし(1勝3分)。でも、4試合で勝点6です。4連勝なら12ですから、半分。

牲川歩見が、そこを正面から言っています。

「これまでホームでは良い戦いができている中で、この4試合の価値をより高めるのは勝利だと思います。勝たないとみんな笑顔になってくれないと思いますし、スタジアムにも足を運んでもらえないと思うので、次はホームで勝ちたいと思います」

「勝たないとみんな笑顔になってくれない」。雨の芝生席に300人いたことを思うと、この一文はけっこう効きます。

勝点16で14位。順位は3つ下がりました

この引き分けで磐田は4勝4分5敗、勝点16。順位は11位から14位になりました(※10月25日20時35分時点の暫定)。

負けていないのに3つ落ちたのは、同じ日に周りが勝ったからです。この日のJ2は、秋田が今治に1-0、宮崎が山形に2-0、札幌が富山に1-0、鳥栖が八戸に2-0。引き分けた磐田と大分以外、上位が順当に勝ちました。

順位 クラブ 試合 勝点 得点 失点 得失
9 いわきFC 13 17 20 19 +1
10 サガン鳥栖 13 17 14 15 -1
11 徳島ヴォルティス 13 17 11 13 -2
12 北海道コンサドーレ札幌 13 17 16 19 -3
13 ブラウブリッツ秋田 13 16 14 14 0
14 ジュビロ磐田 13 16 14 15 -1
15 藤枝MYFC 13 15 15 14 +1

9位から14位まで、勝点差はわずか1です。1勝で9位まで行けます。本当に、1勝だけの話です。

いわきは勝点17で9位。ハワスタ無敗を守って、順位をひとつ上げました。

次は中5日、ホームでサガン鳥栖

次節は10月31日(土)14時、ヤマハスタジアムでサガン鳥栖戦。中5日です。この連戦のあとに5日空くのは、かなり大きいと思います。

その鳥栖が、ちょっと不思議な相手です。

試合 勝点 得点 失点 得失
サガン鳥栖(10位) 13 17 14 15 -1
ジュビロ磐田(14位) 13 16 14 15 -1

得点も失点も得失点差も、完全に同じです。違うのは勝点1だけ。ここまで似ている2チームが当たるのも珍しい。

鳥栖は監督が小菊昭雄さんで、この日は八戸に2-0。ホームでは強いチームですが、ヤマハに来ます。磐田は鳥栖に直近2連勝中です。

そして、乾貴士はいません。藤原健介も、検査結果次第です。

ここまで磐田を引っ張ってきた2人を欠いて、ホームで勝点3を取りにいく。難しい試合になります。

でも、上原力也がいます。イアゴ テレスがいます。マテウス ペイショットがいます。そして、10人でも崩れなかった守備があります。

最後に、秋葉監督がこの日いちばん強く言っていたことを。

「あとはいつも言っていますけど、監督である僕がどう勝点3を持ってくるのかということだと思います。本当に選手たちは毎試合90分間、常に100%ファイトしながら勝利を目指してやってくれています。あとは僕自身がもっともっと必死に知恵を絞り、勉強しながら、いろいろなことを考えて、しっかりと勝点3を取れるチームにしたいと思っています」

この日の勝点1について、正直に書きます。

負けなかった。それ以上でも、以下でもありません。

いや、少しだけ「以上」はありました。このスタジアムで初めての勝点で、10人になっても守り切れることを証明した90分でした。

でも「以上」はそこまでです。勝たないと、順位は上がりません。

湯本の駅まで戻る道も、まだ降っていました。それでも、来てよかったと思っています。前に遠征した仙台では、最後の最後に沈みました(シュートは3本だけ。90+4分、首位仙台に力尽きる|仙台 2-1 磐田)。今回は、沈みませんでした。

土曜、ヤマハで。

(今季の全日程と結果はこちらのページにまとめています)


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。Jリーグ公式の試合記録(data.j-league.or.jp)ではシュートが9対9、CKが4対5、FKが19対17と記録されています。
※「第12節終了時点」として引用したシーズン平均の数字(ゴール期待値、チャンス構築率、AGI/KAGI、得点・失点パターン、チャンスビルディングポイント)は、すべてFootball LABの2026年10月23日更新ぶんです。第13節ぶんのタイムライン・シュート・チャンスビルディングポイントは、本稿執筆時点で未公開です。
※この試合の天候は、Jリーグ公式記録では「曇」、気温19.3℃、湿度90%、ピッチは全面良芝と記録されています。本文中の「雨」は、現地での見え方と、秋葉忠宏監督の試合後コメント(「この雨のいわきまで」)に基づく記述です。
※オフサイドの数は、Jリーグ公式記録(いわき4・磐田1)とJ.Leagueサイトのスタッツ(いわき1・磐田4)でホームとアウェイが逆に表示されています。どちらが正しいか確認できないため、本文には記載していません。
※乾貴士の退場の理由は、Jリーグ公式記録には記載されていません。本人に警告がないため、2枚目の警告ではなく一発退場です。出場停止の試合数は、本稿執筆時点(2026年10月26日0時)で未発表です。
※藤原健介の負傷の程度は、本稿執筆時点でクラブから発表されていません。
※2026/27シーズンのJ2リーグにVARは導入されていません。この試合もVAR・AVARは配置されていません。
※磐田のハワイアンズスタジアムいわきでの過去2試合(2025年8月のJ2、2026年3月の百年構想リーグ)は、いずれも敗戦です。
※順位は2026年10月25日20時35分時点の暫定です。J2の公式順位表は公式記録の確定後に確定します。
※写真に写っているお客さまについては、顔が識別できないようぼかし処理をしています。

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【DAZN観戦】大分のGKに前半だけで4本。これで3試合連続無得点|磐田 0-0 大分

崩せていなかった、わけではありませんでした。

創立55周年記念マッチのヤマハで

2026年10月21日(水)19時、ヤマハスタジアム(磐田)。明治安田J2リーグ第12節、大分トリニータ戦です。

この日はクラブ創立55周年記念「セキスイハイム東海マッチ」。主審は窪田陽輔さんで、キックオフは19時03分でした。

相手の大分は、前節まで3連勝。しかもそれだけではありません。

節 日付 H/A 相手 結果
第8節 9/26 H 藤枝 1-1
第9節 10/3 H 山形 2-1 ○
第10節 10/10 A 横浜FC 2-1 ○
第11節 10/17 H 新潟 5-1 ○

前節は新潟に5-1です。そして第5節からリーグ戦7試合負けなしという状態で、ヤマハに乗り込んできました。

監督は四方田修平さん。失点はここまで9で、これは首位・仙台と並ぶJ2最少タイです。得点16に対して失点9。守備の上に立っているチーム、ということになります。

ここで叩いて大分のリズムを崩したい。そういう試合でした。

先発は前節から4人変更。山﨑浩介はメンバー外

磐田の先発は、前節の宮崎戦(1-1)から4人変更です(天皇杯の借りは返せず。宮崎には公式戦3試合で未勝利|宮崎 1-1 磐田)。

山﨑浩介、佐藤大樹、乾貴士、ジョアン ヴィクトルが外れて、金子大毅、小原基樹、藤原健介、マテウス ペイショットが入りました。

布陣は3-4-2-1。GK牲川歩見、3バックはダニーロ・ユーリ ララ・桑原航太。中盤に金子大毅、為田大貴、小原基樹、井上潮音。シャドーにイアゴ テレスと藤原健介。前線にマテウス ペイショット。

ここで、ひとつ書いておきたいことがあります。

山﨑浩介が、先発からもベンチからも外れていました。

前節の宮崎戦で54分にアクシデントで交代した選手です。第6節の甲府戦から第11節まで6試合続けてフル先発していた、ここ1か月の不動のセンターバックでした。クラブからの発表はありません。この日、山﨑が入っていた場所には桑原航太が入っています。

対する大分も3-4-2-1。前節の新潟戦(5-1)から、先発は1人も動かしませんでした。GKムン キョンゴン、3バックは宮川歩己・三竿雄斗・戸根一誓。前線にマテウス レイリア、パトリッキ ヴェロン、有馬幸太郎。

2分、15分、23分、24分

前半は、はっきり磐田の時間でした。

数字でいうと、こうです。

前半 磐田 大分
シュート 8本 4本
枠内シュート 4本 0本
ゴール期待値(xG) 0.64 0.28

そして、この「枠内4本」が、この試合のすべてだと思っています。

時間と選手を並べます。

時間 選手 形 結果
2分 為田大貴 小原のクロスにPA左から右足 ムン キョンゴンがセーブ
15分 藤原健介 Mペイショットのパスから右足 ムン キョンゴンがセーブ
23分 マテウス ペイショット こぼれ球にPA中央から右足 ムン キョンゴンがセーブ
24分 井上潮音 ドリブルで進入してPA手前から左足 ムン キョンゴンがセーブ

前半だけで、4本。全部、大分のGKに止められています。

「崩しきれない」の正体は、GKだった

見ていて「3連勝中の大分、守備もしっかりしていて固い。なかなか崩しきれない」という感覚になりました。

でも、記録を並べると、少し違う絵が出てきます。

崩してはいたんです。45分で枠内に4本も入れている。大分は同じ45分で枠内ゼロです。

崩せていなかったのではなく、崩したあとで止められていた。「固い」の中身は、フィールドプレーヤーの壁というより、まずGKでした。

ブロックされた回数も多かったです。3分にマテウス ペイショットのシュートを戸根一誓が、4分にダニーロのシュートを戸根が、11分に小原基樹のシュートを三竿雄斗が。体を投げ出す守備と、最後のGK。その2段構えでした。

ちなみに大分のこの日の枠内シュートがいつ生まれたかというと——後半の話になるので、あとで書きます。

前半のxGは0.64対0.28

時間ごとの推移も残しておきます。J2はJ3と違って、ゴール期待値(xG)が公開されています。

時点 磐田 本(枠内)/xG 大分 本(枠内)/xG
20分 6(2)/0.43 1(0)/0.03
40分 8(4)/0.64 4(0)/0.28
前半終了 8(4)/0.64 4(0)/0.28
65分 10(4)/0.78 6(0)/0.46
85分 12(4)/0.95 10(0)/0.66
試合終了 14(5)/1.46 11(1)/0.70

20分の時点で6本対1本。立ち上がりから押し込めていました。

大分の最初のシュートは13分、パトリッキ ヴェロンのPA手前からの右足で、これは藤原健介がブロックしています。

前半は0-0のまま折り返しました。

後半開始、大分がすぐ動いた

そして後半。ハーフタイムで交代カードを切ってきたのは大分でした。

茂平に代えて小田逸稀。前節から11人を動かさなかったチームが、0-0のハーフタイムで最初の1枚を使ってきた形です。

「さすがは大分、しっかり修正してきて、前半のように簡単に攻めはさせてくれない」という感覚。そのとおりでした。

52分から53分、大分が左サイドの宇津元伸弥を起点に連続攻撃。53分にこの試合初めてのコーナーキックを取っています。前半はコーナーすら取れていなかったわけです。

その53分、小田逸稀に警告。入ってきた選手がすぐカードをもらうくらい、球際が上がっていました。

磐田は54分、イアゴ テレスに代えて乾貴士を投入します。

65分、大分が一度に3人替えた

そして65分。大分が一度に3人を代えました。

時間 OUT IN
HT 茂平 小田逸稀
65分 西村恭史 榊原彗悟
65分 パトリッキ ヴェロン 木本真翔
65分 有馬幸太郎 古川大悟
90分 宇津元伸弥 森山公弥

前線とシャドーをまるごと入れ替えています。0-0の65分で、3連勝中のチームがここまで動く。勝ちに来ていたということだと思います。

磐田も応戦しました。67分にマテウス ペイショットと為田大貴を下げて太田龍之介と川﨑一輝。76分に井上潮音と小原基樹を下げて上原力也と佐藤大樹。5枚を使い切っています。

この時間帯、磐田のシュートは65分で10本、85分で12本。20分で2本しか増えていません。大分の修正は、確かに効いていました。

82分、取り消されたゴール

82分でした。

カウンターから、完全に崩し切った形。太田龍之介がゴールに押し込みました。

——と思ったら、オフサイドの判定。

崩し切っていただけに、これは本当に悔しかったです。

ここで、正直に書いておきます。

この「ゴールの取り消し」は、公式の記録には残っていません。J.Leagueサイトのライブコメンタリーの82分にあるのは、この1行だけです。

川崎がオフサイドを取られ、相手ボールとなる

川﨑一輝は67分から入っていた選手です。オフサイドの位置にいたのが川﨑一輝で、押し込んだのが太田龍之介、という形なら、見たものと記録の両方が成り立ちます。ただし、そこまでは記録に書かれていません。

もうひとつ、気になる食い違いがあります。同じJ.Leagueサイトのチームスタッツでは、磐田のオフサイドは「0」と出ているんです。コメンタリーには82分に磐田のオフサイドが記録されているのに、チーム合計はゼロ。ゴールが取り消されたときのオフサイドは、別扱いで集計されることがあります。そう考えると、この食い違いの説明はつきます。

なお、2026/27シーズンのJ2にVARは導入されていません。この試合もVAR・AVARは置かれていないので、この判定は副審のオンフィールドのものです。

見たものを消す必要はないと思うので、本文では見たままを書きました。記録との食い違いは、末尾に注記してあります。

85分まで、大分の枠内シュートはゼロ

さっきの続きです。

大分の枠内シュートは、85分の時点でもゼロでした。

シュートは10本打っていたんです。でも、枠に飛んでいない。28分に有馬幸太郎のシュートをユーリ ララが、36分に戸根一誓のシュートをダニーロが、37分に林田滉也のシュートを金子大毅がブロック。70分には木本真翔のシュートをダニーロが、77分にも木本のシュートを桑原航太が止めています。

そして大分のこの試合唯一の枠内シュートが生まれたのが、90+3分。

左サイドで得たフリーキックを、榊原彗悟が直接狙った1本です。これを牲川歩見がセーブしました。

つまり、牲川歩見のこの日のセーブは1本。それが90+3分のフリーキックでした。前半のうちに4本止められた側と、93分間で1本だけ止めれば済んだ側。その差が、スコアに出なかっただけの試合です。

最後の10分は、殴り合いだった

「最後はかなりオープンな打ち合い。両チーム、勝ち点3を取りに、ゴールを奪いに行っている姿がよくわかりました」

この感覚も、記録に残っています。

時間 できごと
85分 上原力也のシュートを林田滉也がブロック
85分 乾貴士のクロスに佐藤大樹が合わせるも、ゴール左へ
89分 川﨑一輝のPA中央からの右足を三竿雄斗がブロック
90分 ユーリ ララのPA手前からの右足もブロック
90+2分 太田龍之介に警告
90+3分 榊原彗悟の直接FKを牲川歩見がセーブ
90+4分 大分が右コーナーキック
90+5分 大分が左コーナーキック

85分の佐藤大樹の1本が、いちばん惜しかったと思います。乾貴士のクロスに合わせて、ゴールの左。

そして最後は大分がコーナーを2本続けて取って、終了。0-0でした。

数字で見る90分

試合全体のスタッツです。

項目 磐田 大分
シュート 14本 11本
枠内シュート 5本 1本
ゴール期待値(xG) 1.46 0.70
ボール支配率 59% 41%
パス成功率 85% 78%
コーナーキック 5本 4本
フリーキック 11本 15本
ファウル 14 10

xGが1.46対0.70。ゴール期待値でいえば、磐田は1点以上を取っていておかしくない試合でした。実際に取れた点は、ゼロです。

磐田はこの試合でパス650本を記録しています。支配率59%、パス成功率85%。持てていたし、つなげてもいました。

警告は53分に小田逸稀、80分に木本真翔、90+2分に太田龍之介。大分の2枚は、どちらも交代で入った選手でした。

大分からは、3試合連続で無得点

ここから少し、重たい数字が続きます。

大分との直近3試合を並べます。

日付 会場 スコア
2025/4/25 ヤマハ 磐田 0-3 大分
2025/8/31 クラサスドーム大分 大分 0-0 磐田
2026/10/21 ヤマハ 磐田 0-0 大分

3試合、270分。磐田は大分から1点も取れていません。

2025年の4月にヤマハで0-3、8月にアウェイで0-0、そして今回も0-0。2年連続で、計3試合。

ヤマハでは4試合勝てていない

対戦成績も、正直に書きます。

磐田と大分の通算は、磐田から見て15勝9分9敗(全大会33試合)。長い目で見れば勝ち越しています。

でも、近年はこうです。

  • 直近6試合、勝ちなし(0勝3分3敗)。最後に勝ったのは2019年9月28日のアウェイ2-1で、7年以上前
  • ヤマハスタジアムでは4試合勝ちなし(0勝2分2敗)。ヤマハでの大分戦の最後の勝利は2015年3月29日

相性、という言葉で片づけたくはないのですが、数字としてはそう出ています。

第4節から、8試合続けて1点以下

そして、いまの磐田でいちばん気になるのがこれです。

節 相手 磐田の得点
第4節 栃木シティ(A) 3
第5節 富山(H) 0
第6節 甲府(A) 1
第7節 新潟(A) 1
第8節 八戸(H) 1
第9節 仙台(A) 1
第10節 札幌(H) 1
第11節 宮崎(A) 1
第12節 大分(H) 0

8月29日の栃木シティ戦(3-1)を最後に、8試合続けて1点以下です。今季のリーグ戦12試合のうち、複数得点はたった2試合(第3節の2点、第4節の3点)しかありません。

リーグ戦13得点。これが、いまの磐田の攻撃の現在地です。

ホームに絞ると、もっと厳しい数字になります。

試合 勝 分 敗 得点 失点
ホーム(ヤマハ) 6 2 2 2 5 5
アウェイ 6 2 1 3 8 9

ホーム6試合で5得点。1試合あたり0.83です。ヤマハでの内訳は 1-1、2-1、0-1、1-2、1-0、0-0。

3試合負けなし。でも、2得点だけ

悪い話ばかりではありません。

この引き分けで、磐田は3試合負けなし(1勝2分)になりました。その前が第7〜9節の3連敗だったことを考えると、流れは止まっています。

節 相手 結果 失点
第10節 札幌(H) 1-0 ○ 0
第11節 宮崎(A) 1-1 △ 1
第12節 大分(H) 0-0 △ 0

そしてこの3試合で2度目の完封です(後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌)。リーグ戦では今季3度目の無失点になりました。

守備は、確かに戻ってきています。J2最少タイの得点力を持つ相手を、無失点で抑えたわけですから。

ただし、この3試合の得点は合計2です。守れるようになったぶん、点が取れなくなった。そういう形で勝点が積み上がっていません。

そして、今季初めてのスコアレスドローでもありました。無得点はリーグ戦では今季2試合目です。

10月の4連戦、残りは1つ

ここまでの日程も、頭に入れておきたいところです。

日付 大会 H/A 相手 結果 間隔
10/14(水) ルヴァン3回戦 H 川崎F 0-4 ● 中3日
10/17(土) 第11節 A 宮崎 1-1 △ 中2日
10/21(水) 第12節 H 大分 0-0 △ 中3日
10/25(日) 第13節 A いわきFC — 中3日

10月14日のルヴァンカップから数えて、12日間で4試合(枠内シュートは2対8。ゴール前だけが、違った|磐田 0-4 川崎)。しかも中2日で九州(宮崎)、次は福島(いわき)と、移動も重なります。

10月10日の札幌戦から数えると16日間で5試合。この日程の中で、2試合を無失点で乗り切ったのは、評価していいところだと思います。

勝点15で11位。次は中3日、アウェイでいわき

この引き分けで磐田は4勝3分5敗、勝点15。順位は11位です(※10月21日22時時点の暫定)。

大分は勝点18で7位。3連勝は止まりましたが、リーグ戦8試合負けなしに伸ばしました。今季3度目の完封で、それが3つともアウェイの0-0というのも、このチームらしいところです。

順位 クラブ 試合 勝点 得失点
7 大分トリニータ 12 18 +7
8 テゲバジャーロ宮崎 12 17 +1
9 いわきFC 12 16 +1
10 藤枝MYFC 12 15 +2
11 ジュビロ磐田 12 15 -1
12 サガン鳥栖 12 14 -3

10位の藤枝とは勝点で並んでいて、得失点差の差だけです。1勝で順位は大きく動きます。

次節は10月25日(日)15時、ハワイアンズスタジアムいわきでいわきFC戦。中3日のアウェイです。

いわきは9位、勝点16。第10節で秋田に1-0、第11節で甲府に5-0、そしてこの日は湘南と1-1で、3試合負けなし。しかも甲府戦の5-0は今季最多得点です。

監督は田坂和昭さん。今年9月に就任したばかりで、大分トリニータで監督を務めた経験がある方です。大分戦の次がその田坂さんのチーム、という巡り合わせになりました。

そして、ここも正直に。

磐田はハワイアンズスタジアムいわきで、2戦2敗。まだ勝っていません(2025年8月に1-3、2026年3月の百年構想リーグで0-1)。いわきとの直近3試合も勝ててません。

崩せていないわけじゃない。xGは1.46ありました。枠内にも5本飛ばしています。

足りないのは、最後のひと押しだけです。

日曜、いわきで。

(今季の全日程と結果はこちらのページにまとめています)


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。J.League公式の試合記録(data.j-league.or.jp)はJ2の場合、試合の2日後に公開されます。公開後に数値が変わる可能性があります。
※入場者数・天候・気温・湿度は、本稿執筆時点で公表されていません。
※82分の「太田龍之介のゴールがオフサイドで取り消された」という記述は、中継映像からのものです。J.League公式の記録にも、J.Leagueサイトのライブコメンタリーにも、ゴールの取り消しに関する記載はありません。同コメンタリーの82分にあるのは「川崎がオフサイドを取られ、相手ボールとなる」という1行のみです。なお同サイトのチームスタッツでは磐田のオフサイドは0と表示されており、コメンタリーの記述と食い違っています。
※2026/27シーズンのJ2リーグにVARは導入されていません。この試合もVAR・AVARは配置されていません。
※山﨑浩介が先発・ベンチともメンバー外となった理由は、クラブから発表されていません。
※交代の時間は、J.League/Opta表記とクラブ公式表記で1分ずれる場合があります(マテウス ペイショットと為田大貴の交代は、クラブ公式が67分、Optaが68分)。本稿はクラブ公式の表記に合わせました。
※順位は2026年10月21日22時時点の暫定です。J2の公式順位表は公式記録の公開後に確定します。

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【DAZN観戦】天皇杯の借りは返せず。宮崎には公式戦3試合で未勝利|宮崎 1-1 磐田

耐えた90分でした。

勝点13で並ぶ相手と、アウェイで

2026年10月17日(土)19時、いちご宮崎新富サッカー場。明治安田J2リーグ第11節、テゲバジャーロ宮崎戦です。

この試合前、宮崎が10位、磐田が11位。勝点はどちらも13でした。直接並んでいる相手との、アウェイでの一戦です。

磐田は3日前、ルヴァンカップでJ1の川崎フロンターレに0-4(枠内シュートは2対8。ゴール前だけが、違った|磐田 0-4 川崎)。あれは先発11人を全員入れ替えた試合でしたが、それでも0-4という数字は残ります。切り替えて臨みたい試合でした。

天候は晴れ、気温21.9℃、湿度71%。主審は中井敏博さん。キックオフは19時03分でした。

入場者数は3,293人。宮崎の今季ホーム平均(2,985人)を上回り、開幕戦に次ぐ今季2番目の数字です。この日は「星山設計サンクスマッチ」で、「ピンクリボン活動みやざき」の賛同試合でもありました。

そして秋葉忠宏監督が試合後、2度も口にしていたのがこれです。

我々の身体を動かしてくれたのは、300人以上のジュビロを愛するファン・サポーターの皆さんのおかげです

宮崎まで、300人以上。これはすごいことだと思います。

天皇杯で2回やって、2回とも負けている

この対戦、リーグ戦では初めてでした。J2で初めて同じカテゴリーに並んだので、当然といえば当然です。

ただし、公式戦では過去に2回やっています。どちらも天皇杯で、どちらも磐田が負けています。

日付 大会 会場 スコア
2024/6/12 天皇杯2回戦 ヤマハ 磐田 1-2 宮崎
2026/8/26 天皇杯2回戦 ヤマハ 磐田 0-1 宮崎(延長)

今年8月の試合は、延長110分に土信田悠生に決められて0-1。ホームで、延長戦の末の敗退です。

つまりこの日は、借りを返しにいく試合でもありました。

結果から言うと、返せていません。1-1なので、磐田は宮崎相手に公式戦3試合で0勝1分2敗。まだ勝てていない相手です。

先発は札幌戦から、1人だけ変更

ルヴァンで11人全員を入れ替えた磐田ですが、この日はきっちり戻してきました。

10月10日の札幌戦(1-0)と比べて、先発の変更は1人だけ。吉村瑠晟が外れて、為田大貴が左サイドバックに入りました(後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌)。

布陣は4-2-3-1。GK牲川歩見、最終ラインは桑原航太・ダニーロ・山﨑浩介・為田大貴。中盤にユーリ ララと井上潮音。前に佐藤大樹、乾貴士、イアゴ テレス。1トップにジョアン ヴィクトル。

ルヴァンの先発11人のうち、この日も先発したのは為田だけ。「川崎戦の11人は、土曜にはほぼ戻ってきます」と書いたとおりになりました。

対する宮崎も4-2-3-1。監督は大熊裕司さん。前節の富山戦から2人変更で、黒木謙吾と安部崇士が入っています。

8分、桑原航太のJリーグ初ゴール

試合は、磐田が先に動かしました。

8分、この試合1本目のコーナーキック。左CKのキッカーは井上潮音。右足で入れたボールに桑原航太が反応してシュートを放ちましたが、これはゴールの上へ。

ところがそのこぼれ球に、もう一度桑原が反応しました。ペナルティエリア左から左足でゴール右上へ。

1本目を外して、こぼれ球を自分で押し込む。8分、1-0です。

そしてこれが──桑原航太のJリーグ初ゴールでした。

桑原は2004年7月生まれの22歳。帝京長岡高から関西大学に進み、2025年7月にJFA・Jリーグ特別指定選手として磐田に。8月16日の横浜FC戦でJリーグデビューして、この日がリーグ戦8試合目です。右サイドバックが本職の選手です。

試合後、本人がセットプレーについて話していました。

セットプレーでは藤本主税さんから良い役割を与えてもらっていますし、その役割の中で結果を出さなきゃいけないとずっと感じていました

藤本主税コーチの仕込みが、きっちり形になった1点でした。

この時点でOptaが出していた数字も、悪くないものでした。

今季のリーグ戦、先制に成功した試合は5試合。4勝1分け0敗で勝率は80.0%

先制すれば、負けていない。そういうチームだったはずでした。

23分、追いつかれた

ところが15分後です。

左サイドから奥村晃司がニアへ鋭いクロス。これに橋本啓吾が合わせましたが、牲川歩見がセーブ。しかしこぼれ球をもう一度橋本が拾って中央へ折り返し、走り込んだ家坂葉光が右足で流し込みました。

23分、1-1。

家坂本人のコメントが、この場面をよく表しています。

(奥村)晃司くんがクロスを上げたタイミングで、ハッシー(橋本 啓吾)がつぶれてくれたので、マイナスのところに自分が入っていった。本当に良いボールが来たので、流し込むだけだった

これが家坂葉光の宮崎加入後初ゴール。磐田の初ゴールと、宮崎の初ゴールが、同じ試合で出ました。

宮崎の黒木謙吾は、磐田の先制点について「後ろのコミュニケーションミスで簡単に相手ボールにしてしまい、そこから失点してしまった」と話していました。つまり磐田のCKも、もとは宮崎のミスから。お互いにミスで1点ずつ、という前半でした。

前半は、押されすぎた

「せめて前半はリードして折り返したかった」という感覚、そのとおりだと思います。

ただ、数字を見ると、1-1で折り返せただけでも御の字でした。

前半終了時点 磐田 宮崎
シュート 3本 9本
枠内シュート 1本 3本
ゴール期待値(xG) 0.17 0.77
ボール支配率 43% 57%

シュート3対9、xGは0.17対0.77。しかも磐田の枠内1本は、8分のゴールそのものです。つまり前半、磐田は得点以外に枠内シュートがゼロでした。

秋葉監督も、試合後にそのまま認めています。

前半はあまりにも押されすぎました。なかなかプレッシングがはまらず、ボールを奪った後もミスがかなり多かったです。そうした苦しい前半の中で、セットプレーから先制できたのは狙い通りでした。だからこそ、あの失点は防がなければいけなかったと思います

井上潮音は、押された理由をもっと具体的に話していました。

相手のSBが高い位置を取ってビルドアップしてくることが分かっていた中で、自分たちのサイドハーフが気にし過ぎてしまい、下がり過ぎてしまったことが自分たちに勢いが出なかった1つの要因だと思います

後半、少しだけ流れが来た

秋葉監督はハーフタイムに手を打ちます。後半開始からジョアン ヴィクトルに代えて太田龍之介を投入。

ハーフタイムに修正するためのアイデアを伝えたところ、選手たちがすぐに反応してくれました。特に前半は、宮崎さんの勢いに惑わされているように我々からは見えていました

実際、15分ごとのポゼッションを見ると、1区間だけ磐田が上回っています。

時間帯 磐田 宮崎
0〜15分 40% 60%
15〜30分 42% 58%
45〜60分 40% 60%
60〜75分 54% 46%

69分に乾貴士と為田大貴を下げて、小原基樹と川﨑一輝を同時投入。ここから磐田の時間が来ました。

70分に小原のシュート、71分に小原のクロスから太田龍之介、78分に川﨑一輝が枠内へ。J.Leagueの戦評は、小原について「クロスバーに嫌われるなどゴールには至らない」と書いています。

あと一歩でした。

54分、山﨑浩介がアクシデントで

その前に、ひとつ気になる交代がありました。

54分、山﨑浩介がアクシデントで金子大毅と交代しています。クラブ公式も「アクシデント」と表現していて、負傷の程度は発表されていません。

急遽入った金子大毅のコメントです。

ダニーロと初めてセンターバックを組んだ中で、コミュニケーションを取りながらやれた部分もあったので、その点では手応えもあります

ダニーロと金子のセンターバックは、この日が初めて。それで無失点に抑えています。

中3日で大分戦が来るので、山﨑の状態は気になるところです。

後半、宮崎は10本打って枠内ゼロ

ここが、この試合でいちばん伝えたいところです。

後半のスタッツ(試合全体から前半を引いた数字)を見てください。

後半のみ 磐田 宮崎
シュート 3本 10本
枠内シュート 0本 0本
ゴール期待値(xG) 0.31 0.88

宮崎は後半に10本打って、枠内はゼロです。

そして、これは「宮崎が外しただけ」ではありません。Optaの記録を追うと、枠に向かった宮崎のシュートは、ことごとく磐田の選手に止められています。

時間 場面
51分 阿野真拓が枠内へ → 山﨑浩介がブロック
59分 家坂葉光が枠内へ → ユーリ ララがブロック
65分 宮脇茂夫が枠内へ → ダニーロがブロック
85分 松本雄真が枠内へ → 金子大毅がブロック
90+5分 松本ケン チザンガが枠内へ → ユーリ ララがブロック

5本。全部、体で止めています。

牲川歩見のセーブは、23分と29分の前半2本だけ。後半はGKが触る前に止めていたということです。

これ、札幌戦とまったく同じ構図です。あの試合も牲川のセーブは前半の2本だけで、後半はクリアとブロックで守り切りました。

クリア49本、ブロック21本

その証拠が、この数字です。

項目 磐田 宮崎
クリア 49回 14回
ブロック 21回 16回
タックル 21回 9回
1対1勝利数 13回 12回

クリア49本。札幌戦が34本でしたから、それを大きく上回っています。

ここ数試合、磐田はずっと「クリアの数」の話をしています。

試合 磐田のクリア 結果
八戸戦(9/26) 相手が42本 1-2 ●
仙台戦(10/4) 48本 1-2 ●
札幌戦(10/10) 34本 1-0 ○
宮崎戦(10/17) 49本 1-1 △

秋葉監督も、そこを聞かれて答えています。

あれだけ身体を張って、自分たちが絶対に崩れず、最後の最後まで集中し続けたところは本当に素晴らしかったです

守る力は、確実についてきています。問題は、そこではない。

数字で見る90分

試合全体のスタッツです。

項目 磐田 宮崎
シュート 6本 19本
枠内シュート 1本 3本
ゴール期待値(xG) 0.48 1.65
ボール支配率 45% 55%
チャンスクリエイト 5回 16回
クロス 11本 31本
アタッキングサードプレー 169回 302回
コーナーキック 4本 6本

ここでいちばん重たいのが、磐田の枠内シュート1本です。

90分で、枠に飛んだのは8分の1本だけ。そしてその1本が、ゴールになっています。

言い方を変えれば、打ったシュートが枠に飛んだのは1回きりで、それは入った。決定力の問題ではありません。枠に飛ばすところまで行けていない。

シュートの推移を追うと、もっとはっきりします。

時間 磐田(枠内) 宮崎(枠内)
20分 3本(1) 4本(0)
40分 3本(1) 9本(3)
前半終了 3本(1) 9本(3)
65分 3本(1) 15本(3)
85分 6本(1) 16本(3)
試合終了 6本(1) 19本(3)

磐田は20分から65分まで、シュート3本のまま止まっています。45分間、1本も打てていない。

「きちんとやりたいことをやれているのは宮崎で、磐田は大苦戦」という感覚は、この表のとおりです。

なおシュート数は、J.League公式の試合記録では宮崎13本・磐田5本と、Opta集計(19対6)とかなり違います。数え方が違うので、本稿はOpta集計でそろえました。どちらを取っても、差の方向は変わりません。

桑原航太「勝ち切れなかった悔しさの方が大きい」

初ゴールを決めた桑原航太のコメントが、いいんです。

練習からやってきたことをそのまま試合で出すことができて、結果としてゴールにつながったのは良かったです。でも、勝ち切れなかった悔しさの方が大きいですね

Jリーグ初ゴールの日に、これです。

守備についても、こう話しています。

ゴール前の守備は札幌戦から続けて粘り強くできていますし、トレーニングしてきた成果を出せていると思います。ただ、1-0で守り切れなかったことは課題だと思います

そして最後が、いちばん刺さりました。

僕は優勝も昇格も経験がないですけど、周りの選手から話を聞いていても、そういうチームはこういうゲームもしっかり勝ち切っていくんだと感じています。そのために、自分たちがここから改善していかなきゃいけないと思っています

22歳が、自分の初ゴールの話をほとんどしていません。

井上潮音「最低限の勝点1」

井上潮音のコメントには、天皇杯の話が出てきます。

最低限の勝点1だと思います。アウェイで、あのように手ごわい宮崎を相手に勝点を持って帰れたことは悪くないですけど、優勝を目指す上では勝点3が必要だったと思います。でも、いまのチーム状況や天皇杯で宮崎に負けたことを考えると、アウェイで勝点を持ち帰れたことは次につながると思います

選手のほうから、天皇杯の名前が出ました。やはり、あの敗戦は残っているんだと思います。

イアゴ テレスも、同じことを別の言い方で話していました。

もちろん勝ちに来ていたので、勝点3を取れなかったフラストレーションはある。でもリーグ戦は長いので、負けないことも大事です。耐えて勝点1を取れたことは大きいと思っている

そして秋葉監督の総括が、この試合のすべてだと思います。

この勝点1が今後大きなものになるのか、無駄になるのかは自分たち次第です

勝点14に5クラブ。宮崎9位、磐田10位

この引き分けで、磐田は4勝2分5敗、勝点14。順位は10位です。

順位 クラブ 勝点 得失点
1 ベガルタ仙台 24 +10
2 RB大宮アルディージャ 20 +10
3 アルビレックス新潟 20 -4
… … … …
8 藤枝MYFC 14 +2
9 テゲバジャーロ宮崎 14 0
10 ジュビロ磐田 14 -1
11 サガン鳥栖 14 -2
12 徳島ヴォルティス 14 -2

8位から12位まで、5クラブが勝点14で並んでいます。宮崎と磐田の差は、得失点差の1だけ。

首位の仙台とは勝点10差。「J1昇格を目指すチームが、こんなところで足踏みをしている場合ではない」というのは、そのとおりです。

ただ、この混戦は裏を返せば、2連勝すれば一気に景色が変わる位置でもあります。

次は中3日、ホームで大分

次節は10月21日(水)19時、ヤマハスタジアム(磐田)で大分トリニータ戦です。

相手は7位、勝点17。16得点9失点という、失点の少ないチームです。簡単な相手ではありません。

しかも中3日。宮崎からの移動もあって、秋葉監督は「ほとんどトレーニングはできません」と話していました。

みんなでしっかりと回復してホームに帰り、良い勝点3を取れるように、またしっかりとやっていきたいと思います

守る力はついてきました。クリア49本は、そういうことです。

足りないのは、枠に飛ばす力のほう。90分で1本では、勝てません。

でも、その1本が入ったのが、デビュー8試合目の22歳だったというのは、悪くない話だと思います。

次はヤマハで。


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。J.League公式の試合記録ではシュート数が宮崎13本・磐田5本と異なります。数え方の統一を優先して、本稿は全項目をOpta集計でそろえました。後日修正が入る可能性があります。
※Optaの「セーブ数」欄は両チームとも0で、実際の記録(牲川歩見が前半に2本)と合っていません。本稿ではこの項目を使っていません。
※後半のスタッツは、試合全体から前半を差し引いた算出値です。走行距離・スプリント数は未公開です。
※54分の山﨑浩介の交代は、クラブ公式が「アクシデント」と表現しています。負傷の部位・程度は本稿執筆時点で発表されていません。

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【ひかりTV観戦】枠内シュートは2対8。ゴール前だけが、違った|磐田 0-4 川崎

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ゴール前だけが、違いました。

ルヴァンカップ3回戦。一発勝負で、J1川崎と

2026年10月14日(水)19時、ヤマハスタジアム(磐田)。2026/27 Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ 1stラウンド3回戦、川崎フロンターレ戦です。

この大会、2024年からグループステージがなくなって、1stラウンドから完全なトーナメントになりました。つまり一発勝負。90分で決まらなければ延長30分、それでもダメならPK戦です。

磐田はここまで、1回戦で相模原に3-0(アウェイ)、2回戦でJ1のジェフ千葉に4-2(J1千葉に4ゴール、この勢いをリーグに!|磐田 4-2 千葉)。2回戦ではJ1相手にジャイアントキリングを成し遂げています。

そして今日の相手も、またJ1。川崎フロンターレです。

サックスブルーと、フロンターレブルー。水色対決でした。

天候は晴れ、気温22.6℃、湿度48%。主審は福島孝一郎さん。なお、ルヴァンカップのVARはプライムラウンドのみの導入なので、この試合にVARはありません。

先発11人を、全員入れ替えた

そして、スタメン発表を見て驚きました。

4日前の札幌戦から、先発11人が全員入れ替わっていました(後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌)。

札幌戦の先発で、この日ピッチに立っていた選手はゼロ。ダニーロ、桑原航太、ユーリ ララ、イアゴ テレス、ジョアン ヴィクトルの5人はベンチに回り、牲川歩見、山﨑浩介、吉村瑠晟、井上潮音、佐藤大樹、乾貴士の6人はメンバー外でした。

この日の先発は4-4-2。

ポジション 選手
GK 三浦龍輝
DF 西久保駿介/西野陽向/金子大毅/増田大空
MF 小原基樹/上原力也/藤原健介/為田大貴
FW マテウス ペイショット/太田龍之介

土曜日には中2日でアウェイの宮崎戦が控えています。リーグ戦が最優先という判断は、順位を考えれば当然だと思います。

ちなみに川崎も、3日前のリーグ戦(名古屋戦)から先発10人を入れ替えていました。連続先発は山原怜音だけ。向こうも中2日で、次のC大阪戦もまた中2日です。

つまり、お互いに「控え組」をぶつけ合った試合でした。

17歳の西野陽向が、トップチームデビュー

そして、この日のいちばんのニュースがこれです。

背番号58、西野陽向。磐田U-18所属の17歳で、2種登録の選手です。この日がトップチームデビュー。しかもセンターバックで先発フル出場でした。

磐田は2026年に、U-18からFW奥田悠真、MF西岡健斗、DF西野陽向の3人を2種登録しています。その1人目が、J1相手の公式戦でいきなり90分です。

結果は0-4。数字だけ見れば厳しいデビュー戦です。

ただ、Optaの記録を追うと、32分・76分・77分と、川崎のクロスや折り返しを3度クリア/ブロックしています。17歳がJ1の攻撃を浴び続けて、最後まで立っていた。それは記録に残しておきたいと思います。

前半4分、3本連続で打った

「入りは悪くなかった」という印象、これは数字がはっきり裏付けています。

というより、前半4分だけで3本打っています。

時間 場面
4分 マテウス ペイショットがエリア手前から右足で枠内へ → 丸山祐市がブロック
4分 小原基樹がエリア中央から右足で枠内へ → 山口瑠伊がセーブ
4分 こぼれ球に反応した藤原健介が中央から右足で枠内へ → 丸山祐市がブロック

立ち上がりの4分で、枠内シュートを3本。ここで1本でも入っていたら、まったく違う試合になっていたはずです。

そして、この3本のうち2本を止めたのが丸山祐市でした。この名前は、このあともう一度出てきます。

17分、丸山祐市のコーナーキック

先制したのは川崎でした。

17分、左コーナーキック。キッカーの山原怜音が右足で上げたボールが磐田のDFに当たってこぼれ、そこに詰めていた丸山祐市が左足で流し込みました。0-1。

Optaの記録は「こぼれ球に反応した丸山がペナルティエリア中央から左足でゴール下に決める」。こぼれ球だったため、公式のアシスト記録はありません。

そして、ここが川崎の憎いところで──丸山祐市は2024年に加入して以来、これが川崎での初ゴールだったそうです。

前半4分に磐田のシュートを2本止めた人が、17分に初ゴールを決める。試合後、川崎公式の「アウェイで大賞」も丸山が受賞していました。完全に持っていかれた格好です。

Optaがこの直後に出していた数字が、また嫌なものでした。

今季のリーグ戦、先制に成功した試合は5試合。3勝1分け1敗で勝率は60.0%

19分、秋葉監督に警告

先制の2分後、秋葉忠宏監督に警告が出ています。理由コードはC3、異議でした。

何があったのかは記録からは分かりません。ただ、ベンチがそれだけ熱くなっていた、ということは伝わってきます。

このあと、38分に河原創(川崎)、40分に藤原健介(磐田)、71分に金子大毅(磐田)と警告が続きました。退場はありません。

13分の為田大貴と、52分の西久保駿介

磐田にも、決定機はありました。

13分、右サイドから小原基樹のクロス。ペナルティエリア内で為田大貴が頭で合わせましたが、わずかにゴール右へ外れました。

そして52分。0-2になった直後です。西久保駿介がペナルティエリア右から放ったシュートが、ゴールの枠を直撃しました。

この日、磐田がいちばんゴールに近づいたのが、この52分だったと思います。入っていれば1-2。まだ40分近く残っていました。

そういう日でした。

50分、河原創のミドル

その西久保のシュートの、2分前です。

後半開始から5分(50分)、左サイドで長璃喜から由井航太とつながり、パスを受けた河原創がペナルティエリア手前から右足。ゴール左に突き刺さりました。0-2。

Optaの記録は「河原がペナルティエリア手前から右足でゴール左上に決める」。アシストは由井航太です。

後半の立ち上がり、わずか5分での失点です。

ハーフタイムで整えて、さあここから、という時間に決められる。仙台戦の90+4分もそうでしたが、いちばん切り替えたいタイミングで失点するという形が、また出てしまいました。

72分と84分、どちらもセットプレーとクロスから

3点目と4点目は、形がよく似ています。

72分、右サイドの直接フリーキック。キッカーは、また山原怜音。右足で入れたボールに、ペナルティエリア内のペドロ ホマーノがヘディングで合わせました。0-3。

84分、左サイドからペドロ ホマーノが右足のインスイングでクロス。ファーサイドの山市秀翔が頭で叩き込みました。0-4。

整理すると、川崎の4得点はこうなります。

時間 得点者 形
17分 丸山祐市 左CK(山原怜音)からのこぼれ球を左足
50分 河原創 崩しからエリア手前の右足ミドル
72分 ペドロ ホマーノ 右直接FK(山原怜音)をヘディング
84分 山市秀翔 左クロス(ペドロ ホマーノ)をヘディング

4点のうち3点が、セットプレーかクロスから。そしてそのうち2点が山原怜音のキックです。

さらにペドロ ホマーノは46分からの出場で、1ゴール1アシスト。公式記録でのシュートは、その得点の1本だけでした。

数字で見る90分

ここからが、この試合のいちばん伝えたいところです。

試合全体のスタッツを並べます。

項目 磐田 川崎
シュート 11本 22本
枠内シュート 2本 8本
チャンスクリエイト 10回 22回
ボール支配率 47% 53%
パス成功率 80% 87%
ボールタッチ 837 1,059
タックル 14回 8回
ブロック 16回 8回
こぼれ球奪取 25回 21回
クロス 16本 12本
1対1勝利数 13回 11回
クリア 17回 20回
セーブ 4回 4回

よく見てください。太字は磐田が上回っている項目です。

タックル、ブロック、こぼれ球奪取、クロス、1対1勝利数。全部、磐田が上です。ボール支配率も47対53で、極端な差ではありません。

15分ごとのポゼッションを見ると、もっとはっきりします。

時間帯 磐田 川崎
0〜15分 40% 60%
15〜30分 53% 47%
45〜60分 44% 56%
60〜75分 59% 41%

60分から75分は、磐田が59%持っていました。そしてその直後の72分に失点しています。

「中盤のボールの動き自体は両チームそれほど変わらない」という感覚は、数字のとおりです。

ゴール前だけが、違った

では、何が違ったのか。

この2行です。

項目 磐田 川崎
シュート 11本 22本
枠内シュート 2本 8本

シュートが2倍、枠内が4倍。

シュートの推移を追うと、差がついた時間帯も見えます。

時間 磐田(枠内) 川崎(枠内)
20分 4本(1) 4本(2)
40分 6本(1) 8本(3)
前半終了 6本(1) 9本(3)
65分 7本(1) 13本(5)
85分 8本(1) 19本(7)
試合終了 11本(2) 22本(8)

20分の時点では4対4で互角でした。それが65分に7対13、85分には8対19。

そして磐田の枠内シュートは、4分から85分まで、ずっと1本のままです。立ち上がりに3本枠に飛ばしたあと、80分間ゼロだったということになります。

「ゴール前でのシュートまで持っていく力は全然違う」という感覚は、ここに出ていました。中盤までは渡り合えている。でも、最後の30メートルが違う。

アタッキングサードでのプレー数も、磐田222に対して川崎303でした。

コーナーキックが、69分まで0本だった

もうひとつ、象徴的な数字があります。

磐田がこの試合で最初のコーナーキックを獲得したのは、69分でした。

対する川崎は、開始1分でコーナーキックを取っています。そして17分、そのコーナーキックから先制しました。

前半の磐田のコーナーキックは、公式記録でも0本。シュートは打てていたのに、相手ゴール前での「次の攻撃につながる形」は作れていなかった、ということだと思います。

なお、三浦龍輝は4セーブを記録しています。8分のカイキ ケイロス、29分の山市秀翔、50分の大関友翔、88分の持山匡佑。枠内8本に対して4本止めているので、GKの出来が悪かった試合ではありません。

4,656人のヤマハ

この日の入場者数は4,656人でした。

4日前の札幌戦が12,349人ですから、およそ3分の1。水曜の19時キックオフで、しかもカップ戦となると、どうしてもこうなります。

ただ、J.League公式の表示によると、ルヴァンカップの今季平均入場者数は3,774人。カップ戦の平均は上回っています。平日のナイターに4,656人が集まるというのは、磐田というクラブの地力だと思います。

この試合、DAZNでは見られませんでした

ここ、意外と知られていないので書いておきます。

2026/27シーズンのルヴァンカップは、DAZNでは配信されません。

放送・配信はフジテレビとスカパー!の体制で、全65試合がこの2社で分担されています。

この試合はフジテレビTWOでの生中継でした。フジテレビTWOを見る方法は、だいたいこのあたりになります。

方法 特徴
スカパー! 準決勝までの全試合。いちばん王道
ケーブルテレビ 地域のCATVがフジテレビTWOを扱っていれば
ひかりTV 光回線が必要。我が家はこれ
FOD/Amazonのチャンネル加入 テレビがなくても見られる

我が家はひかりTVに入っているので、そこからフジテレビTWOでリアルタイム視聴できました。リーグ戦はDAZN、ルヴァンはフジ・スカパー系。この使い分けは、覚えておくと取りこぼしがなくなります。

ちなみにAmazonプライムビデオでも、通常のプライム会員では見られません。「サッカーLIVEライト」か「FODチャンネル」のチャンネル加入が必要です。

ルヴァンは3回戦で敗退。次は土曜、アウェイで宮崎

一発勝負なので、磐田はここで敗退です。10月28日の4回戦には進めません。

今季のルヴァンカップを振り返ると、こうでした。

ラウンド 日付 対戦 結果
1回戦 9/2 相模原(A) 3-0 ○
2回戦 9/29 千葉(H・J1) 4-2 ○
3回戦 10/14 川崎(H・J1) 0-4 ●

J1クラブと2試合やって、1勝1敗。千葉には4点取って勝って、川崎には4点取られて負けました。

悔しいですが、この大会はここまでです。

次は10月17日(土)19時、いちご宮崎新富サッカー場でテゲバジャーロ宮崎戦。リーグ戦第11節です。

そして、ここが大事なところで──この日の先発11人は、土曜にはほぼ戻ってきます。11人全員を入れ替えたということは、そういうことです。

この0-4は痛い。でも、順位を上げるための試合は土曜のほうです。

切り替えて、宮崎へ。


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。なおJ.League公式の試合記録では磐田のシュート数が、川崎フロンターレ公式の掲載では7本、ジュビロ磐田公式の掲載では8本と食い違っています。本稿は数え方の統一を優先して、全項目をOpta集計でそろえました。後日修正が入る可能性があります。
※ルヴァンカップはゴール期待値(xG)・走行距離・スプリント数が公開されていません。
※監督・選手の試合後コメントは、本稿執筆時点で両クラブ公式・J.League公式とも未掲載です。公開され次第、追記します。
※西野陽向のトップチームデビューについて、クラブからの公式発表は本稿執筆時点で確認できていません。2種登録の経緯とこの試合の先発出場は、クラブ公式およびJ.League公式の記録に基づいています。

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【DAZN観戦】後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌

やっと、勝てました。

秋葉監督は、試合前に「ゼロで抑える」と言っていた

2026年10月10日(土)18時、ヤマハスタジアム(磐田)。明治安田J2リーグ第10節、北海道コンサドーレ札幌戦です。

磐田はリーグ戦で3連敗中。新潟に1-2、八戸に1-2、仙台に1-2。3試合すべて1点差で、3試合すべて同じスコアでした(シュートは3本だけ。90+4分、首位仙台に力尽きる|仙台 2-1 磐田)。

この試合の前、クラブ公式に秋葉忠宏監督の言葉が載っていました。

ここで連敗を止めなければ、本当に負のスパイラルに入ってしまう

そして、もうひとつ。

今一度、全員で「ゼロで抑える」という強烈な守備の意識にマインドを変えていきたい

ここまで9試合で13失点。優勝するチームは失点が少ない、という話をしたうえでの言葉だそうです。

仙台戦のあと、チームは約2時間かけて試合映像をフルで見返すミーティングをやったとのこと。佐藤大樹は「ダメなところはダメ、いいところは続けるという話し合いがあって、いい緊張感があった」、主将の藤原健介は「全員が思っていることを話した」と話しています。

その結果がどうだったか、という試合です。

ヤマハに12,349人

この日の入場者数は12,349人。天候は晴れ、気温23.5℃、湿度55%、無風。ピッチは全面良芝。主審は清水勇人さん。キックオフは18時03分でした。

この日は「ヤマハ・ヤマハ発動機マッチ」。EXILE/三代目J SOUL BROTHERSの小林直己さんが来場して花束贈呈とハーフタイムの挨拶、ヤマハ野球部のストラックアウト、ブラスアンサンブルの演奏、電動車椅子サッカーの体験とエキシビション。キックオフ前にはジュビレーションのペンライト演出で、スタンドがサックスブルー一色になりました。

先発は3人変更。牲川歩見が2試合ぶりに戻ってきた

先発は、前節の仙台戦から3人変更です。

OUT(仙台戦) IN(札幌戦)
GK 三浦龍輝 GK 牲川歩見
MF 金子大毅 MF ユーリ ララ
MF 川合徳孟 MF イアゴ テレス

最終ラインの4人(ダニーロ・桑原航太・山﨑浩介・吉村瑠晟)は据え置き。布陣も4-2-3-1のままです。

ここで目を引いたのがGKでした。第1節から第7節まで全試合に先発していた牲川歩見が、八戸戦と仙台戦では外れていました。それが2試合ぶりに戻ってきた。今季の磐田は、これでGKが3人目です。

対する札幌は3-4-2-1。監督は川井健太さん。前節から1人だけの変更で、白井陽斗が外れて長谷川竜也が入りました。札幌は前節、いわきに2-1で勝って開幕戦以来8試合ぶりの白星。今季初の連勝を狙って乗り込んできています。

前半、磐田は10本打っていた

「押し気味の前半」という印象でしたが、数字で見ると、思っていた以上に押していました。

前半終了時点 磐田 札幌
シュート 10本 3本
枠内シュート 2本 2本
ゴール期待値(xG) 1.48 0.10
コーナーキック 2本 0本

シュート10対3。ゴール期待値にいたっては1.48対0.10です。15倍近い差がついています。

20分の時点で、磐田6本に対して札幌は0本。Optaも10分の時点で札幌について「10分が経過するも、まだシュートに至るシーンを作り出せない」と出していました。

でも、枠内は2本だった

ただ、「なかなかシュートまで持っていけない、もどかしい展開」という感覚も、間違っていません。

10本打って、枠に飛んだのは2本だけです。

しかも20分時点の枠内は1本、40分時点でも1本。つまり前半の大半、打ってはいるけれど枠には行っていないという時間が続いていました。

ポゼッションの推移も、途中で入れ替わっています。

時間帯 磐田 札幌
0〜15分 57% 43%
15〜30分 31% 69%
前半トータル 50% 50%

最初の15分は磐田のものでしたが、15分から30分は札幌が69%。この時間帯に札幌も出てきて、29分と34分に長谷川竜也のシュートがありました。どちらも牲川歩見がセーブしています。

押していたけれど、決めきれない。そして相手も出てくる。もどかしい、というのはそういう前半でした。

40分、佐藤大樹が倒された

そして40分でした。

桑原航太のパスがペナルティエリア内の吉村瑠晟につながり、そこから佐藤大樹が西野奨太にファウルを受けてPK獲得。西野には同時に警告が出ています。

ここに、小さいけれど大事な話があります。

佐藤大樹は、北海道出身で、札幌のアカデミー育ちなんです。つまりこの日は古巣との一戦でした。

試合前、本人はこう話していました。

すごく思い入れのある相手からゴールを決めてアピールしたい

結果から言うと、佐藤大樹はこの日ゴールを決めていません。

でも、決勝点を生んだのは彼でした。古巣から奪ったのは、ゴールではなくPKだった。これはこれで、十分に「アピール」だったと思います。

もうひとつ皮肉だったのが、ファウルをした西野奨太のほうです。この選手、Jリーグ公式の試合前の見どころで札幌の「キーマン」として名指しされていた選手でした。「今季はチーム最多のデュエル勝利総数を記録し、前節はセットプレーから先制点を奪うなど、攻守両面でチームを支えている」と。

その守備の要が、PKを与えて警告を受けました。

42分、イアゴ テレスが右下へ

キッカーはイアゴ テレス。

右足で、ゴール右下。落ち着いたものでした。42分、1-0。

イアゴ テレスは26歳のブラジル人で、今年7月9日にロンドリーナEC(ブラジル)から期限付き移籍で加入した選手です。8月8日の秋田戦でJ初出場、8月22日の徳島戦でJ初ゴール。そこから栃木シティ戦で2点を決めて、この日が今季リーグ戦4点目になります。

前節の仙台戦は出場していません。その前日の10月3日にU-21Jリーグで先発フル出場していました。そこから中6日での先発復帰です。

Optaが42分にこんな数字も出していました。

イアゴテレスはここまでで5本以上のシュートを放っている

前半だけで5本以上。磐田の10本のうち半分がこの人です。相当に積極的でした。

流れの中からの得点ではありません。でも、前半のゴール期待値1.48という数字を見れば、入るべくして入った1点だったとも言えます。

後半、磐田のシュートは1本だけ

両チームとも、ハーフタイムの交代はゼロ。札幌ボールで後半が始まりました。

そして、ここからの45分が、この試合のすべてです。

後半、磐田のシュートは1本しかありません。

48分、桑原航太がペナルティエリア手前から右足で枠内へ。これは田川知樹にセーブされました。以上です。

後半のゴール期待値は、磐田が0.03。ほぼゼロです。

後半のみ(全体−前半) 磐田 札幌
シュート 1本 9本
枠内シュート 1本 1本
ゴール期待値(xG) 0.03 0.62

「一進一退」という感覚だったとのことですが、少なくともシュートの数では一方通行でした。磐田1本、札幌9本。

ただし、ここが重要なところで、札幌の9本のうち枠に飛んだのは1本だけです。

終盤、札幌の猛攻

札幌は64分にヴィニ ペイショットを投入します。この交代が、終盤の圧の中心になりました。

時間 場面
75分 Vペイショットのクロス → ダニーロがクリア
78分 Vペイショットがエリア中央からシュート → ゴール上に外れる
81分 Vペイショットがエリア手前からシュート → ゴール上に外れる
83分 Vペイショットのクロス → ダニーロがクリア
84分 Vペイショットが枠内へ → ブロック
85分 青木亮太がエリア手前からシュート → ゴール上に外れる
90+3分 内田瑞己が枠内へ → 野澤零温がブロック
90+4分 スパチョークが枠内へ → ブロック
90+5分 内田瑞己が枠内へ → 川﨑一輝がブロック

アディショナルタイムだけで、枠内シュートを3本ブロックしています。

75分から90分までのポゼッションは、磐田38%に対して札幌62%。ボールはずっと札幌が持っていました。

牲川歩見のセーブは2本。どちらも前半だった

ここが、この試合でいちばん面白かったところです。

牲川歩見のセーブ数は、90分を通じて2本。29分と34分の長谷川竜也のシュートです。

つまり後半のセーブは、記録上ゼロ。

札幌が9本打った後半、牲川がボールを触って止めた場面がない。枠に飛んだ1本も、ブロックや守備陣の対応で終わっています。

これは「GKが当たっていたから守り切れた」という試合ではありません。ゴールの前に行く前に止めていたという試合です。

クリア34本、ブロック16本

その証拠が、この数字です。

項目 磐田 札幌
クリア 34回 18回
ブロック 16回 11回
タックル 17回 22回
ボールタッチ 783 1,181
1対1勝利数 17 25

クリア34本、ブロック16本。ボールタッチ数では400近く下回り、1対1でも負けている。それでもゼロで抑えた。

八戸戦のとき、磐田はクリア43本の壁を崩せずに負けました(クリア42本の壁。24本打って、1点|磐田 1-2 八戸)。仙台戦では、自分たちがクリア48本の側に回って、90+4分に崩されました。

そして今回、クリア34本の側に回って、今度は崩されなかった。

3試合続けて、同じ構図を別の立場で見ています。そして3試合目で、ようやく守り切りました。

数字で見る90分

試合全体のスタッツです。

項目 磐田 札幌
シュート 11本 12本
枠内シュート 3本 3本
ゴール期待値(xG) 1.51 0.72
ボール支配率 45% 55%
パス成功率 78.2% 82.3%
チャンスクリエイト 10回 9回
クロス 15本 22本
コーナーキック 5本 3本
ファウル 8回 13回
警告 2枚 1枚

シュート数も枠内シュートもほぼ互角。支配率は札幌。でもゴール期待値は1.51対0.72で磐田が倍以上です。

この試合の磐田は、少ない機会をいい形で作っていたチームでした。そしてそのほとんどが、前半に集中していました。

個人で見ると、チャンスクリエイト数の最多は乾貴士の5回。69分に小原基樹と交代していますが、それまでの69分間でチームの半分を作っています。

「ゼロで抑える」は、実現した

試合終了。1-0。

この完封は、今季リーグ戦で2度目です。1度目は9月12日の甲府戦(1-0)。つまりホームでは今季初の無失点になります。

節 日付 対戦 結果
第5節 9/6 富山(H) 0-1 ●
第6節 9/12 甲府(A) 1-0 ○
第7節 9/19 新潟(A) 1-2 ●
第8節 9/26 八戸(H) 1-2 ●
第9節 10/4 仙台(A) 1-2 ●
第10節 10/10 札幌(H) 1-0 ○

3連敗を止めて、4試合ぶりの勝点3です。

秋葉監督が試合前に掲げた「ゼロで抑える」が、そのまま結果になりました。内容が美しかったかと言われると、後半のシュート1本というのは正直かなり苦しい。でも、宣言したことをやったという意味では、この試合には意味があります。

ちなみにヤマハスタジアムでの直近の札幌戦は、今年3月14日の百年構想リーグで0-1でした。同じ場所で、きっちり返しています。

ジョアン ヴィクトルが、9月度のベストゴールに

試合とは直接関係ありませんが、うれしいニュースがありました。

ジョアン ヴィクトルが、Jリーグの2026年9月度・J2月間ベストゴールを受賞しています。

磐田が9月のリーグ戦で挙げた得点は、甲府戦の川合徳孟、新潟戦の佐藤大樹、そして八戸戦のジョアン ヴィクトルの3つだけ。つまり受賞したのは、9月26日の八戸戦で決めた、あのゴールです。

井上潮音の浮き球を胸でコントロールして、そのままオーバーヘッド。負けた試合の中の、唯一の得点でした。

あのときは「1点しか取れなかった」という書き方をしましたが、その1点が、月間でいちばんのゴールだったわけです。

この日のジョアン ヴィクトルは先発フル出場とはいかず、69分に太田龍之介と交代しています。それでも、前半はよく体を張っていました。

15位から10位へ。次はアウェイで宮崎

この勝利で、磐田は4勝1分5敗、勝点13。順位は15位から10位へ、一気に5つ上がりました。

順位 クラブ 勝点 試合
1 RB大宮アルディージャ 20 10
2 ベガルタ仙台 20 9
3 アルビレックス新潟 19 9
… … … …
10 ジュビロ磐田 13 10
… … … …
20 北海道コンサドーレ札幌 8 10

勝点13は、8位の藤枝・9位の秋田と並んでいます。1勝で景色が変わる位置に戻ってきました。

秋葉監督が仙台戦のあとに言っていた「中断期間までに最低限、勝点5差まで持ってこられるように」。首位の大宮・仙台とは勝点7差です。まだ届いていませんが、10差から7差になりました。

一方の札幌は、これで最下位(20位)に転落。今季初の連勝を狙った試合でした。

次節は10月17日(土)19時、アウェイのいちご宮崎新富サッカー場でテゲバジャーロ宮崎戦です。

内容はまだ、胸を張れるものではありません。後半のシュート1本は、次も通用するやり方ではない。

でも、まずは止まりました。ここからです。


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。本稿執筆時点でJ.League公式の試合記録がまだ発行されておらず、後日数値が修正される可能性があります。なお後半のスタッツは、試合全体から前半を差し引いた算出値です。走行距離・スプリント数は未公開です。
※本文中に引用した秋葉忠宏監督・佐藤大樹・藤原健介のコメントは、いずれも試合前にクラブ公式およびJ.League公式に掲載されたものです。試合後の監督・選手コメントは、本稿執筆時点で両クラブ公式・J.League公式とも未掲載です。公開され次第、追記します。
※PK獲得の場面について、Optaの記録は「佐藤が西野からファウルを受けてPKを獲得する」とのみ記しています。ファウルの種類は確認できていません。

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