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試合レポート 2018/10/20 J1第30節 浦和レッズ 3-1 鹿島アントラーズ

明治安田生命J1リーグ 第30節
2018年10月20日(土)16:04KO
埼玉スタジアム2002

浦和レッズ 3-1 鹿島アントラーズ

38'西 大伍(鹿島)
52'岩波 拓也(浦和)
60'武藤 雄樹(浦和)
90+3'武藤 雄樹(浦和)

Jリーグ公式はコチラ
浦和vs鹿島の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2018年10月20日):Jリーグ.jp

浦和レッズ

---武藤---興梠---
---柏木---長澤---
宇賀神---青木---森脇
-槙野-マウリシオ-岩波-
------西川-----
控え
福島、茂木、武富、阿部、柴戸、アンドリュー・ナバウト、李

鹿島アントラーズ

--土居-セルジーニョ-
-安在------遠藤-
--小笠原--永木---
山本-昌子-チョン-西-
---クォンスンテ---
控え
曽ヶ端、小田、犬飼、久保田、鈴木、金森、山口




武藤が2得点。どちらも素晴らしいゴールでした
(今年の初め頃、左ウイングという謎起用で持て余していたころが懐かしい。)
ので、武藤がMVPという意見に異論はありません。

ですが、内容的にも浦和が鹿島を圧倒したこのゲームのキーマンは、右ストッパーの岩波でした。

浦和はいつものアンカー型3-5-2。
U代表で不在の橋岡の位置には森脇。
そして鹿島も、いつもの4-4-2でした。

試合開始直後ですぐにわかる。
浦和の左ストッパー槙野や右ストッパー岩波に対する鹿島のプレッシャーが弱い。

鹿島2トップが浦和のアンカー青木の辺りでステイすることが多かったです。
センターを硬く抑えるプランだったと思うのですが、
浦和の両ストッパーを、あえて捨てたことが、そのまま結果に直結してしまう。

特に印象的だったのが岩波でした。
序盤から、右に張り出してボールを受けると、
攻撃のスイッチを入れる選択肢を、3つ作れました。
右ウイングバックの森脇へのパス、
インサイドハーフの長澤へのパス、
そして、逆サイド奥への対角線ロングフィード。

岩波がフリーでルックアップできる余裕が時間的にも空間的にもありました。
そして、対面となる鹿島の安在を、森脇+長澤で囲むようにトライアングルを形成。

安在からすると、出し手の岩波へアプローチすれば裏を取られる、
受け手の森脇か長澤に寄るともう一方の空いたほうへ出されてしまう。
足りないのであればと鹿島が人数をかけると、
空いた逆サイドへ岩波得意の高精度ロングフィードが通る。

3バック系ビルドアップに対して構造的な劣勢を抱えると、
プレーエリア的にも押し込まれてしまい
ハーフコートゲームで流れを持っていかれがちですが
この試合はそんな典型的な展開になりました。



それでも先制点は鹿島でした。
中央で浦和DFをひきつけてから、
岩波側のサイド、つまり鹿島から見た左サイド裏にパスが通る。
受けた山本は、ワンタッチでクロス、ゴール前をふんわり越えて右サイドを狙う。

3バックの浦和は、こういう振られ方の流れでは、どうしても逆サイドが大きく空いてしまう。
宇賀神はすでに絞って中央ゴール前のDFと化していました。

駆け上がってきたフリーの西が、ダイレクトシュートで得点。
ワンチャンスをものにします。

劣勢でも先制点を奪う鹿島は流石でしたが、
そこからも流れは変わらず、
浦和の攻撃を防ぐことが出来ませんでした。

この日の鹿島は、はっきり言って攻守共にイマイチで、
内田と中村を怪我で書き、
日本代表の三竿も出場停止という
苦しい事情は影響していたと思います。

そういった点も遠因にはあると思いますが、
この試合で起点となり続けて
攻撃を成立させていた岩波のところを
鹿島は最後まで対応できなかったことに
直接的な要因があると言って良いと思います。

鹿島は後半途中投入の鈴木優磨に
浦和両ストッパーへのプレスを課したのかと思ったら
そうでもなかったっぽいので
その辺の意図とかはちょっと気になる。



岩波はこの日コーナーキックからのヘッドで同点弾を決めています。
ゲーム展開からすると非常に貴重でしたし、
岩波自信にとっても得点力を証明した価値のあるゴールですが、
それすらもおまけでしかないレベルで、岩波からの攻撃が効果的でした。

出場機会に恵まれない前半戦から一転、
海外に旅立っていった遠藤航とは違う形で、
浦和レッズの一員として存在感を示したゲームでした。


仲川輝人への期待。

ちょうどその日は外出していたのだけど、
マリノスと長崎の試合、スコアを見るよりも先に、
仲川輝人の活躍がタイムラインに流れてきた。

すでに多くの場所で仲川輝人の話が語られている。
何番煎じか分からないけれど、
それでも自分なりに文字にしたいと思った。

大学サッカーを見に行っている。
と言うと、やっぱり珍しがられる。
普通はそれで終わりだが、
結構なサッカー好きに限ってはそこからさらに、
どの選手が注目ですかと聞かれることが多い。

ある時期の数年間、返事はいつも同じだった。
「専修大学の、仲川輝人と北爪健吾を、覚えておいてください。」

最初に見たのは、西が丘での関東大学サッカーリーグだった。
2011年の専修大学。
前年に二部リーグを優勝して昇格した勢いのままに
一部リーグでも圧倒的な強さを見せていた。

ちなみに当時の専修大学のスタメンはこんな感じ。
ー長澤ーーー大西ーーー仲川ー
ーーーーーー町田ーーーーーー
ーーーー下田ーー庄司ーーーー
松本ーー鈴木ーー栗山ーー北爪
ーーーーーーパクーーーーーー

タレント揃いの専修大学だったが、特に右サイドは強かった、
その中でも一際目を引く、14番の小柄な右のウイングアタッカー。
テクニックとスピードに優れ、小柄ながらも競り負けない。
一人や二人なら、簡単に剥がしていける。
得点力が高く、フィニッシャーにもなれる。

仲川輝人。
まだ一年生だった。
それでも既に、大学サッカーの枠の中ではトップクラスの選手だった。

ボールを持ったとき、スプリントを開始するとき、
大げさではなくて、これまで見てきたどの選手よりも、期待した。
そして、その期待に、いつも応えてくれた。

後方に構える同じく一年の右サイドバック北爪健吾も凄かった。
誰よりも速く、強く、サイドを駆け上がった。
専修大学の右サイドは完全に敵無しだった。

風間さんが作ったパスサッカーの筑波大学も、
ロングボールで徹底して押し込んでくる駒澤大学も、
スマートかつ勝負強いサッカーをする明治大学も、
僕はとても好きだったのだけれど、
僕が大学サッカーを見に行っていた理由のひとつに
あの頃の専修大学が、仲川輝人と北爪健吾が、間違いなくあった。

仲川輝人が在籍した2011年から2014年の4年間で
専修大学は関東大学リーグ1部で4連覇を達成する。
自身は2013年には得点王にも輝く。

間違いなくプロに行く、通用する、
Jクラブからの内定発表はまだ無かったが、
その先の道を、信じて疑わなかった。
僕も、おそらく他の人も。

2014年10月19日、いつもと変わらず、西が丘にサッカーを見に行った。
関東大学リーグ1部、第18節、専修大学対駒澤大学。
専修大学の右サイドはこの日も例外ではなく駒澤大学に脅威を与え続けていた。

しかし、その試合終盤、仲川輝人は相手のタックルを受けて負傷してしまう。

重症でないことを祈りながらも、
残念ながら相当な重症であることも同時に理解できてしまった。

なにかにすがりたい、信じたい思いもあったけれど、
目の前で起こってしまった事象はわりとすぐに受け入れられて、
この先で待っている苦難を
勝手ながら考えるほうが強かったような記憶がある。

診断結果は、前十字靭帯と内側側副靭帯断裂、右膝半月板損傷。

それでも、そのあとすぐの2014年10月28日、
横浜Fマリノスが仲川輝人の加入を発表した。
まだ先が続いている、開けていることを再認識できて、嬉しかった。

その後は省略しちゃうけど、ケガや二度のレンタル移籍を経て、
今年、ついにマリノスでコンスタントに出場機会を得るようになった。

プロの舞台での出場を、ずっと気にしてみていた。
ボールを持ったとき、スプリントを開始するとき、
あの頃と同じように、期待して、その姿を追う。
たぶん、これからも変わらない。

町田や福岡でも試合には出ていて、決して悪くなかったけれど。
J1で、ついに、試合を決定付けるプレーをして見せてくれた。
ひとつ結果を残した。
おめでとう。

ただ、翌日、DAZNで試合を見て、思ったのは。
ゴールシーンはあくまで結実に過ぎないかなーと。
長崎戦の、特に後半、ドリブルで仕掛けるプレーを、
「あの頃」と同じような感覚を持って見ていた。

過去と比べられて迷惑な話だと思うけど。
それでも僕は、ずっとずっと期待し続ける。

コンディションは、はっきりと上がってきている。
結果を残して、出場機会も増えるはず。

あれからずっと続いて辿り着いた今だから、
まだまだ、こんなもんじゃ、ないでしょ?
勝手に期待して、その姿を追うよ。


大分のビルドアップとGK高木駿から想う、Jリーグのトレンド。

水戸を破った大分の、最後尾に構えるGK高木駿

J2第4節、大分トリニータ×水戸ホーリーホックの試合を見ました。

三連勝中の水戸がどんなか見たかったからなんですが、
この試合は大分が水戸に勝利します。
大分は結果だけでなく内容も充実していました。

その中で目に付いたのが、GKの高木駿。
積極的にビルドアップに関与していくスタイルで
チームに大きく貢献していました。

プロ入り後ももちろん頑張っていますが
東京Vユースから進んだ明治大学で
1年からレギュラーポジションを掴み活躍していた姿が印象的です。

元々足元だって器用だったので驚きは無いんですが
こうして特長を生かしてポジションを掴んでいる姿に、
結構久しぶりに見たんですが、勝手に嬉しくなりました。

マリノスと大分の、後方からの攻撃スタイル

GKが積極的にビルドアップに参加したり
極端なハイラインにあわせてスイーパー的に立ち回る姿は
今のJリーグのいくつかのチームで目に付きます。

真っ先に思い浮かぶのが、横浜Fマリノスと、ジェフ千葉です。

マリノスの飯倉は攻守問わずとても楽しそうというか
水を得た魚のように(?)プレーしていますし、
千葉のGK達は昨年就任したエスナイデル監督のサッカーに合わせて
今年もチャレンジを続けています。

少し前まで、少なくとも国内サッカーシーンにおいては
ペトロヴィッチ監督が広島や浦和で表現していたサッカーが
GKが積極的にビルドアップに関わるスタイルの代名詞でした。
もちろん足元技術とキック精度に優れる
西川の存在は無関係ではないと思いますが。
他だと、風間さんの川崎も、
就任当初はわりとGKも使っていった記憶があります。
(というか、そう考えると西部はよく頑張ったな…)

ただ、ペナルティエリアの外まで出て行くというよりは
相手のプレスを剥がしていくようなイメージです。
枚数増による量的な優位性の為だったり、
あるいは、自陣低い位置から、
両ワイドに開くセンターバック間にポジション取って
相手陣形を縦横に広げてスペースを作るような。

今の千葉は、ハイラインの裏をカバーする側面が強いので
内実や目的が若干異なっていそうですが。

今年のマリノスと、そしてこの前見た大分は、
過去見てきたそれとは少し違っていました。

攻撃面だけを切り取っても、
3バックの一角かのようにプレーし、
ショート~ミドルのパスの、受け手と出し手となって、
最終ラインを押し上げる。

マリノスと大分は、戦術面で似ているわけではありません。

マリノスは、ビルドアップの段階で数的優位を取り続けて、
後方基点で選手とボールのトライアングルごと
相手陣地側に押し込んでしまいたい。
(ちなみに今年のマリノスの特異点は
押し込んでいるのにプレースペースが作れることだと思ってます)
センターバックやサイドバックへのコースを切られたら、
中央にいるアンカーが空くので、そこに直接入れてしまう。

とにかくプレーエリアを前にもって行きたい横浜に対して、
大分は、重心自体は結構後ろに残す。
そこに食いつかせて相手陣側にスペースを作ることで、
空いたサイドに高速展開したり、
一列飛ばして2列目あたりにロビングでいれていく。
食いつかせる対象を
センターバック+ゴールキーパーにしちゃうイメージです。

GKの仕事が多い新しいサッカーが出てきた

これくらい積極果敢に攻撃に絡み
かつ明確な意図を感じられるGKの使い方は、
Jリーグばかり見る僕からするとちょっと新鮮です。

たまーに育成年代では見ますし
プロレベルでも全く無かったとまではさすがに言いませんが。
瞬間、そんなサッカーも見られたものの
トレンドの中にある一つのスタイルまでには昇華しなかった。

特にGKってのは、フィールドプレーヤーと違って
見る側の知識の都合もあって
外から見ていても良さが分かりにくい側面を持つと思っています。
そして戦術論とかシステム論としても
GKがその議論の外にいることは体感として多かった。

が、最も重要なゴールを守る仕事に加え、
GKが攻撃面で目立つチームが出てきています。

そう、ここ1~2年でも、Jリーグで、
少し新しいサッカーが見られるようになりました。

以前のサイドバックの話と同じになりますが、
特に今年に入って、ポジショナルプレーだとか5レーンモデルとか
新しい「キーワード」を、よく聞くようになりました。

語弊を恐れずに言うならば。
Jリーグクラシック系の頂点とも言える鹿島がいて、
そこに風間八宏サッカーとミシャ式サッカーがある形が
直近続いた国内シーンでした。

そういうトレンドみたいなものが、
昨年くらいに、明らかに一つの区切りを迎えました。
それは、その瞬間の当時よりも、今、より強く感じます。

まだまだ、Jリーグは楽しめる。
新しいサッカーが見れる。
そんなことを、高木駿を見ながら思ったのでした。


試合レポート/2018年J1第4節 浦和レッズ 0-1 横浜Fマリノス

明治安田生命J1リーグ第4節
2018年3月18日(日)16:04KO 埼玉
浦和レッズ 0-1 横浜F・マリノス
81' ウーゴ ヴィエイラ

公式はこちら

浦和レッズ

フォーメーション

ーーーーーー興梠ーーーーーー
ーー武藤ーーーーーー武富ーー
ーーーー柏木ーー長澤ーーーー
ーーーーーー青木ーーーーーー
宇賀神ー槙野ーマウリシオー菊池
ーーーーーー西川ーーーーーー

スターティングメンバー

GK 1 西川 周作
DF 38 菊池 大介
DF 2 マウリシオ
DF 5 槙野 智章
DF 3 宇賀神 友弥
MF 16 青木 拓矢
MF 15 長澤 和輝 63'
MF 10 柏木 陽介
FW 9 武藤 雄樹
FW 30 興梠 慎三 86'
FW 7 武富 孝介 79'
控えメンバー
GK 28 福島 春樹
DF 26 荻原 拓也 86'
DF 31 岩波 拓也
MF 11 マルティノス
MF 18 山田 直輝 63'
MF 22 阿部 勇樹
FW 21 ズラタン 79'
監督
堀 孝史

横浜F・マリノス

フォーメーション

ーーーウーゴヴィエイラーーー
ーユンーーーーーーーー遠藤ー
ーーバブンスキーー天野ーーー
ーーーーーー扇原ーーーーーー
山中ーデゲネクー中澤ーー松原
ーーーーーー飯倉ーーーーーー

スターティングメンバー

GK 21 飯倉 大樹
DF 27 松原 健
DF 22 中澤 佑二
DF 2 ミロシュ デゲネク
DF 24 山中 亮輔
MF 6 扇原 貴宏
MF 33 ダビド バブンスキー 77'
MF 14 天野 純
FW 11 遠藤 渓太
FW 7 ウーゴ ヴィエイラ 90+3'
FW 25 ユン イルロク 84'
控えメンバー
GK 31 杉本 大地
DF 13 金井 貢史
DF 23 下平 匠
MF 35 吉尾 海夏 77'
MF 8 中町 公祐
FW 16 伊藤 翔 90+3'
FW 26 イッペイ シノヅカ 84'
監督
アンジェ ポステコグルー

サイドバック軸の旋回性で結果を出したマリノス。浦和は光が見えず

攻守の切り替わりが多くて早い、激しいゲームになりました。

そうなった要因の一つは、やはりマリノスのサッカーによるもので、
ハイラインかつ狭い距離感の位置取りによって、
常に小さなトライアングルを作って数的優位を取り
ボールと選手を早く前に動かしていく。

相変わらずセンターバックからの次のポイント、
ボランチやサイドバックにボールが渡る時の
数的有利の作り方が上手かったです。
浦和のワイドの武藤・武富の周囲に、
サイドバックと中盤がポジションを取る。
そしてサイドラインには幅を取るユンイルロクと遠藤。
ビルドアップが破綻することはありませんでした。

この試合の唯一の得点となったウーゴヴィエイラのゴールは、
マリノスらしさが出たシーンです。

ペナルティエリア幅の高い位置でボールを持った
左サイドバック山中が、中央にボールを運ぶ。
それに連動して、中盤の選手たちが、
マリノスから見た右サイド側にスペースを作るように、
押し込んだ浦和DFラインを混乱させながら
左奥に斜めに抜ける。

バイタル中央まで侵入した山中の、
右へのショートパスを受けたウーゴヴィエイラ。
これに遅れて対応するのが、浦和のフォワード興梠。
後追いで対応しようとしますが、間に合いません。
押し込まれる中で、マリノスの囮の動きによって
本来山中がいる側の浦和右サイド側に順番に剥がされる。
マークもカバーもありませんでした。

マリノスは、このシーンは良かった。
とはいえ、全体を通してみると、
高いボール支配率、人数をかけて押し込む、主導権を握る、
それを、決定機に還元するところにまだ課題がありそうです。

個人的には、ディティールはまだまだ理解しきれてないのですが
過去のゴールシーンや決定機から、
いくつかポイントは見えてきたような気がしています。

その中の一つが、アタッキングサードでのサイドバック中心の「旋回性」。
ボールを回してとにかく一度ウイングまで持って行く。
中央気味にポジションを取るサイドバックが
前向きでボールを受けると、ゴールに向かって直線的に進む。
それに呼応して、各選手が旋回する。

山中・松原を中心にした旋回性を高めることと、
そもそもそのシーンをもっと多く作ることが、
次のステップになりそうです。

対する浦和は、まだ光が見えません。
この日は西川のセーブに結構助けられました。

遠藤の負傷もあり、
右ウイングのマルティノスを武富に、
右サイドバックの遠藤を菊池に
この日は変えてきました。

幅を取るマルティノスに対して、
武富は中に入って2トップ気味にプレーする。
菊池はサイドのオープンスペースで受けると
基本はアーリークロスでGKとDFラインの間を狙う。
割り切ってダイレクトでクロスを上げるシーンもよく見られました。

マルティノス次第だったこれまでよりも
流動性が多少は生まれて良くなった感じがあったのも事実ですが
正直言ってマリノスが攻め込んでくることに対応した結果であって
浦和が大きく改善したと見てしまうのは
ちょっとポジティブすぎる感じがしました。

結果も内容も伴わない状況なだけに、
「いつも通り」では通用しないことを、
どれだけ理解できているか。
勝つための貪欲さや気迫や姿勢が見えないことが気になります。
第三者として、そういう強さを、浦和レッズには求めたい。
過去の強かった浦和レッズには、それがあったように思うのです。


試合レポート/J2第4節 徳島ヴォルティス 4-1 ジェフ千葉

明治安田生命J2リーグ 第4節 2018年3月17日(土)14:03KO 鳴門大塚
徳島ヴォルティス 4-1 ジェフユナイテッド千葉 16' 呉屋 大翔(徳島)
30' 指宿 洋史(千葉)
45' 杉本 太郎(徳島)
74' シシーニョ(徳島)
89' 島屋 八徳(徳島)

公式はこちら

徳島ヴォルティス

フォーメーション

ーーーー呉屋ーー島屋ーーーー
ーーーーーー杉本ーーーーーー
ーー前川ー岩尾ーシシーニョー
内田ーー大崎ーーブエノーキム
ーーーーカルバハルーーーーー
中盤の並びに自信が無い…合ってますかね?

スターティングメンバー

GK 1 カルバハル
DF 20 キム ジョンピル
DF 2 ブエノ
DF 3 大﨑 玲央
DF 7 内田 裕斗
MF 8 岩尾 憲
MF 6 シシーニョ
MF 23 前川 大河
MF 10 杉本 太郎 84'
FW 11 島屋 八徳 90'
FW 13 呉屋 大翔 71'
控えメンバー
GK 23 佐藤 優也
DF 16 鳥海 晃司
DF 32 杉山 弾斗 46*'
MF 13 為田 大貴
MF 7 佐藤 勇人
FW 11 船山 貴之 61'
FW 9 ラリベイ 65'
監督
リカルド ロドリゲス

ジェフユナイテッド千葉

フォーメーション

ーーーーーー指宿ーーーーーー
町田ーー小島ーー茶島ーー矢田
ーーーーーー熊谷ーーーーーー
高木ーエベルトーー増島ー溝渕
ーーーーーロドリゲスーーーー

スターティングメンバー

GK 1 ロドリゲス
DF 15 溝渕 雄志
DF 5 増嶋 竜也
DF 4 エベルト
DF 27 高木 利弥
MF 18 熊谷 アンドリュー
MF 14 小島 秀仁
MF 25 茶島 雄介 46*'
MF 20 矢田 旭 61'
MF 10 町田 也真人
FW 50 指宿 洋史 65'
控えメンバー
GK 21 梶川 裕嗣
DF 15 井筒 陸也
MF 14 杉本 竜士 90'
MF 32 小西 雄大
MF 33 藤原 志龍 84'
FW 17 山﨑 凌吾 71'
FW 18 佐藤 晃大
監督
フアン エスナイデル

数的差の使い方。徳島が、千葉の愚直さを上回る

前半13分、徳島の攻撃。
右サイドからのクロスを中で合わせた決定的なシュートを、
千葉の溝渕がハンドで防いだ判定でレッドカード。
これで得たPKが決まり、
前半15分というタイミングで
徳島が一点リード、そして千葉は一人少ない状況になりました。

ここからの前半残り30分が、すごく面白かったです。

ーーーー指宿ーー矢田ーーーー
茶島ーーーー小島ーーーー町田
ーーーーーー熊谷ーーーーーー
ーー高木ーエベルトー増島ーー
ーーーーーロドリゲスーーーー
千葉の溝渕退場直後の布陣はこんな感じ

千葉は、3-4-2というか、3-1-3-2かな。
一枚失った分のカバーは必要なので
選手の並びや役割は多少は変えたものの、
中盤から前の圧力を決して弱めず、
本来やりたかったことを、そのままやろうとします。

そして徳島の選択・判断も興味深い。
手に入れた数的有利を、ビルドアップやボール保持に生かさない。
アタッキングサードまで、大事に取っておく。

ボールを回して押し込んでを、やろうと思えばできたはずです。
でも、そうじゃない。それを承知で、受けて立つ。

千葉はサイドの自陣側深い位置がどうしても空いてしまう。
徳島はハーフラインを越えたら対角線にサイド裏を狙い
そこで初めて数的有利という武器を使ってくる。

そのシチュエーションでは、千葉は基本、守れません。
徳島は決定機をとても多く作れていました。
が、千葉はボックス内でギリギリしのぎ続ける。

そして、リスクを取る千葉は、それと引き換えに、
数的不利であっても攻撃力を落とさない。
去年からの積み重ねの攻撃的なサッカーで
徳島に決して劣らない。
前半30分、コーナーキックからの流れですが
指宿のゴールで同点に追いつきます。

しかし、前半終了間際、杉本のゴールで徳島が追加点。
このシーンは、サイド脇で仕掛けた杉本に
中に切り返されてしまい ファーサイドへのシュートがネットを揺らしました。

ここまで徳島は、サイドを取ったら
縦に仕掛けてグラウンダークロスのパターンが多かったです。
が、杉本は中に切り返した。
数的不利な千葉はサイド深い位置を取られ、
対応者がセンターバックのエベルトです。
中に切り返されてのカバーが全く間に合わず
シュートのコースと時間的余裕を容易に与えてしまった。

基本的にはこのゴールで大勢が決してしまう。

徳島からは、ゲームや相手をよく見て考えて、
無条件で優位に立てるところを、
どこでどうやって生み出して使うのか、
そういう意図を感じました。

2-1で折り返せた徳島は、リードする後半、
数的優位を、今度はボール保持とそれによる陣地押し込みに利用する。

千葉も簡単には押し込まれまいとしますが
前半15分から一人失って、結局一点差という状況で
体力面でもメンタル面でも少しずつ落ちていくのが見えました。

後半、徳島は2点を追加し、4-1に。
終盤は前半の展開とは違って徳島が押し込んでセカンドボールも回収する展開で
ゲームをクローズさせました。

千葉に退場者が出てから、スコアも動きながらですが
その事象の捉え方や使い方に
2チームの違いが見えたゲームでした。
勝利に結びつけようとした徳島と、
ブレずに愚直に遂行することを選んだあった千葉。

千葉が押し切れれば違った感想になっちゃいますし
そのスタイルの行く先には興味がありますが、
それでも、そういう意味で、この試合の結果は妥当だった気がします。


試合レポート/2018年J1第3節 ベガルタ仙台 1-1 ヴィッセル神戸

明治安田生命J1リーグ第3節
2018年3月10日(土)14:02KO ユアスタ
ベガルタ仙台 1-1 ヴィッセル神戸
27' 三原 雅俊(神戸)
86' 石原 直樹(仙台)

公式はコチラ

ベガルタ仙台

フォーメーション

ーーーー阿部ーー石原ーーーー
ーーーー奥埜ーー野津田ーーー
永戸ーーーー富田ーーーー古林
ーー板倉ーー大岩ーー平岡ーー
ーーーーーー 関 ーーーーーー

スターティングメンバー

GK 21 関 憲太郎
DF 13 平岡 康裕
DF 27 大岩 一貴
DF 6 板倉 滉
MF 17 富田 晋伍 64'
MF 7 奥埜 博亮
MF 29 古林 将太 73'
MF 2 永戸 勝也
FW 16 野津田 岳人
FW 20 阿部 拓馬 73'
FW 11 石原 直樹
控え
GK 22 川浪 吾郎
DF 39 金 正也
MF 25 菅井 直樹 73'
MF 31 茂木 駿佑
MF 34 椎橋 慧也
FW 19 ジャーメイン 良 73'
FW 30 西村 拓真 64'
監督
渡邉 晋

ヴィッセル神戸

フォーメーション

ーーーハーフナーマイクーーー
田中ーーポドルスキーーー増山
ーーーー三原ーー三田ーーーー
ティーラトンー渡部ーウヨンー伊野波
ーーーーーーキムーーーーーー

スターティングメンバー

GK 18 キム スンギュ
DF 39 伊野波 雅彦
DF 5 チョン ウヨン
DF 3 渡部 博文
DF 30 ティーラトン
MF 24 三原 雅俊
MF 8 三田 啓貴
MF 10 ルーカス ポドルスキ 87'
FW 20 増山 朝陽 59'
FW 9 ハーフナー マイク 63'
FW 21 田中 順也
控え
GK 1 前川 黛也
DF 2 那須 大亮
DF 22 橋本 和
MF 23 松下 佳貴
FW 13 小川 慶治朗 59'
FW 17 ウェリントン 87'
FW 19 渡邉 千真 63'
監督
吉田 孝行

受けようとする神戸を、前に出る仙台が上回る

ヴィッセル神戸がディフェンシブに入ったというのは事実だと思うものの、
それでも、主導権を握っていたのはベガルタ仙台と言って良いと思います。

ワイドに開く3バックをベースに、
センターラインの流動性を担保し、
最終的にはサイドバックがクロスを入れる形。

仙台は、とにかく前や対角線へ進んでいく意識が高かったです。
ボールを下げないというのもあるんですが、
選手が安易に低い位置まで下りない。
ボールを預けたら、パス角度を作ってあげることよりも
前に抜けていくことを優先する。

結果的に、ボールも選手も相手陣地に持っていく。
詰まったタイミングで、サイドに張るウイングバックを使う。

実際問題、3バック+アンカーのシステム
(奥埜が気を利かせてボランチの位置で貢献してましたが)で
リアクション志向サッカーをやると、
主導権を相手に握らせてしまい、
押し込まれ、押し切られるという懸念もあるのでしょう。

3バックが高い位置を保ち、ウイングバックやボランチを、前に押し出す。
中央の大岩と右の平岡に、左が板倉。
左に絶対的な存在がいない中、板倉を置くのは
ボランチに目処が立つなら十分理解できるチョイスです。
板倉は逆サイドへの対角線ロングボールでも貢献していました。

対するヴィッセル神戸は、仙台と違って、前線を起点にしたい。
フリーマンとして動くポドルスキと、ポストになるハーフナーマイク。
両サイドの田中順也・増山朝陽と絡みながら攻撃したかったんだと思いますが
仙台がハイラインで押し込んできて、トップが孤立してしまう。
なかなかチャンスを作れない。

それでも、先に結果を出したのは神戸でした。
ポドルスキが仙台の3バック脇に侵入する。
からのセカンドボールを、
必然的に空いてしまうバイタルで三原が回収すると、
きれいなミドルシュートで先制。
3バック攻略のお手本のような流れで、劣勢の神戸が先制します。

後半の神戸は、4-4-2ゾーン維持の意識が強かった前半の戦い方を変えてきます。
守備では対面のボールマンにはトラップ際を必ず詰めるように出ていくこと、
攻撃では、後列の選手が、前列の選手を追い越していくこと。

愚直に同じことを続ける仙台が
前半同様押し込むシーンも引き続き多かったのですが
神戸もプレーエリアを仙台側に押し返すことが出来るようになって
ゲーム展開は多少激しくなります。

前線の個人能力が高い神戸ですが
特に今日のメンバーならスピードのある選手が増山くらいなので
チャンスエリアでのプレー回数を増やすような発想のほうが良さそう。

実ったのは、終始ぶれなかった仙台でした。
終盤、サイドをゴールラインまで抉ってからの、
マイナスのグラウンダークロスから同点弾。

仙台は、似た形を多く作っていましたが
とはいえウイングバックが単騎で横から浮き球クロスが多かった。

同点のシーンは違いました。
サイドライン際で3人が関与したこと、
それによってゴールラインまで侵入できたこと、
そして必然的にマイナスのクロスになって、
それがグラウンダーだったこと。

質的優位性があるならまだしも、
高さのある前線構成ではない仙台にとっては
こういうほうがチャンスにはなりそうだと思います。

仙台の積極的な戦い方は面白かったですし
プランを遂行する覚悟や決意を感じました。
一方の神戸は、このままだと正直怪しいかなーという感じ。

そして、どちらのチームにも、
もう一つ二つ上のレベルになるためのヒントが
あった試合だったと思います。

個人的には見どころの多い試合でした。



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鹿島アントラーズの日常。ゴール直後の小笠原満男。

明治安田生命J1リーグの第2節、
鹿島アントラーズ対ガンバ大阪の、得点シーン。

www.youtube.com 

スローインを受ける鈴木優磨が、
マークに付くファビオの一瞬の隙を逃さずに
反転しボックス内に侵入。
折り返しを金崎夢生が押し込む。

この得点は決勝点になり、鹿島がガンバに勝利しました。

この試合、見ていないのですが、
スポーツニュースのハイライトで見ている中で、
とても印象的だったのが、
ゴールシーン後の鹿島の歓喜の輪で、
小笠原満男が、金崎に声をかけていること。

その内容は、分からない。
けれど、この後どうするべきかを
イニシアチブを持ち
コミュニケーションしていること自体は、
動画からもはっきり分かる。

単にベテランだからとか冷静だからとかそういうんじゃなくて、
とにかく勝利のために最善を尽くし一喜一憂しない、
そんな「鹿島らしさ」は、
ゴールシーンハイライトの中のほんの2~3秒だけれど、感じます。

鹿島も在籍年数が長くなってきている選手であれば
「鹿島らしさ」をしっかりラーニングできていて
そこに異論はないのですが、
それでも、ああいうシーンは、 無かったことは無いのだろうけど、
なかなか見えにくかったのでは無いでしょうか。

昨年の悔しさを胸にする今シーズンですが
開幕の清水エスパルス戦ではスコアレスドロー。
内容的にも満足行くものではなかったです。

その上で迎えた第二節。
鹿島は、なんとも鹿島らしい「1-0」で、ガンバ大阪を破っています。
そこには、昨年大岩監督に代わってから出場機会を失い、
2017年8月26日のC大阪戦以来、
半年ぶりのリーグ戦出場だった
小笠原満男がいました。

どうやら個人スタッツも良かったようで、
タックル数とかもこのゲーム中では一位だった?とか。

繰り返しますが、ゲームを見ていないのですが。

こういうシーンは他の選手やゲームでもありますが、
それでもなお、あのシーンは、
なんだか懐かしさみたいなものがあったのと、
それから、鹿島らしいなぁというか。
小笠原満男らしい、というか。

なんだかんだで、少なくとも今、
「鹿島らしさ」を最も体現しているのは、小笠原満男だと。
改めて感じた、数秒でした。



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試合レポート/2018年J1第2節_浦和レッズ 1 – 2 サンフレッチェ広島

Jリーグ公式の詳細はこちら

浦和レッズ

フォーメーション

ーーーーーー興梠ーーーーーー
ー武藤ーーーーーーマルティノス
ーーーー長澤ーー青木ーーーー
ーーーーーー阿部ーーーーーー
宇賀神ー槙野ーマウリシオー遠藤
ーーーーーー西川ーーーーーー

メンバーリスト

GK 1 西川 周作
DF 6 遠藤 航
DF 2 マウリシオ
DF 5 槙野 智章
DF 3 宇賀神 友弥
MF 22 阿部 勇樹
MF 15 長澤 和輝 83'
MF 16 青木 拓矢
FW 11 マルティノス 74'
FW 30 興梠 慎三
FW 9 武藤 雄樹 79'
控え
GK 28 福島 春樹
DF 26 荻原 拓也
DF 31 岩波 拓也
MF 38 菊池 大介
MF 7 武富 孝介 79'
FW 20 李 忠成 83'
FW 21 ズラタン 74'
監督
堀 孝史

サンフレッチェ広島

フォーメーション

ーパトリックーティーラシンー
ーー柏ーーーーーーーー川辺ー
ーーーー青山ーー稲垣ーーーー
佐々木ー水本ーー野上ーー和田
ーーーーーー林ーーーーーーー

メンバーリスト

GK 1 林 卓人
DF 33 和田 拓也
DF 2 野上 結貴
DF 4 水本 裕貴
DF 19 佐々木 翔
MF 36 川辺 駿 88'
MF 6 青山 敏弘 71'
MF 15 稲垣 祥
MF 18 柏 好文
FW 39 パトリック
FW 31 ティーラシン 56'
控え
GK 34 中林 洋次
DF 28 丹羽 大輝
MF 23 吉野 恭平 71'
MF 27 馬渡 和彰
MF 30 柴﨑 晃誠 56'
FW 20 渡 大生
FW 9 工藤 壮人 88'
監督
城福 浩

単調すぎる浦和。ウィークポイント「アンカー脇」を広島が攻略

浦和は、コンディション不良の柏木をメンバー外にして
阿部をアンカーに、青木と長澤をインサイドハーフに置く布陣。

ビルドアップとチャンスメイクの両方をこなす柏木が不在。
広島は特別に強くプレッシャーをかけてきたり
奪いに来たりすることは無かったので
ビルドアップ面では影響ない。
が、結局は最後のマルティネス依存度合いがより高くなる。

青木を一列上げていたから
青木のヘディングゴールが生まれたという見方は
少しポジティブ過ぎるかなーと思いますが、
決して狙い通りの経過ではなかったものの
マルティノスの突破からの二次攻撃で先制します。

ただ、やはり全体的には上手くいっていない。
サイドに大きく張るマルティノスの内側を遠藤が使う形や
武藤が絞って中央での決定機関与を狙いながら
同時に宇賀神を高い位置に引き出す部分など、
開幕戦の反省を生かす意識は多少見えましたが、
それでもワンパターンで単調な攻撃が続きます。

広島は4-4-2。
2トップがパトリック+ティーラシンという
ディフェンス面での貢献が薄そうな外国人コンビであること、
そして右サイドハーフにボランチ適性が高い川辺を置くこともあり
4-4-2の「4-4」ゾーンで作るブロックはわりとしっかり構える。

そもそもゾーンを崩しに掛かろうとしない浦和の攻撃だったので、
マルティノスと対峙する左SB佐々木を
多少カバーしてあげるだけで十分に守りきれる。

浦和は、それに加えて、守備でもいまいち。
4-1-4-1の悪いところが出てしまう。

興梠・マルティノス・武藤のラインが
簡単に超えられてしまうのが気になりました。
その上プレスバックも弱い。
青木と長澤がカバーするエリアが広くなってしまうと
均等配置4-4-2システムの広島だからこそ
どのポジションでも余裕を持てる。

生まれる悪循環の中で、
勝敗に直結するウイークポイントになったのは
アンカー阿部の脇でした。

序盤こそマウリシオや槙野が猛チャージしてカバーしますが
後半、広島が明らかにそこを狙い始める。
阿部の脇をスプリントする川辺が
広島スローインを受けると
そのままの勢いでスピードを落とさず
ペナルティエリア内にドリブルで侵入する形で
同点弾が生まれました。

柴崎を入れて4-2-3-1系布陣で中盤を厚くしたのも、
浦和のアンカー周辺攻略がポイントだったのでしょう。

終盤、広島が2-1でリードする時間。
右のマルティノスをズラタンに、
左の武藤を武富に、
そしてインサイドハーフの長澤を李に、
浦和は選手を交代しますが、
ここからは、可能性を感じました。

アンカー阿部がはっきりとDFラインまで落ちる。
センターバックのマウリシオと槙野が開いて、
両サイドバックを高い位置に押し上げる。
そして、前線メンバーを
ボックスストライカータイプにチェンジしているので、
サイドにスペースが出来ていて、サイドバックが単騎で上がれる。

ここからクロスを単純に上げるのかと思いきや
そうではないのが、とても、浦和らしい。

サイドに2枚置く4-4-2の広島でしたが
リードしている試合展開、
疲労を隠せない終盤、
そしてボックス内の圧力を強められていることもあって
元々センター適正の高い和田・佐々木の両サイドバックが
センターのカバーに回らざるを得ない。
浦和サイドバックに時間と空間で余裕を与えてしまうと、
そこを起点にバイタル脇を攻略され、決定機を多く作られてしまう。

が、結局、なんとか広島が凌ぎきって2-1で逃げ切りました。

浦和はマルティノス経由攻撃に拘り過ぎている。
元々はスプリントに特徴がある選手です。
静止した一対一のシチュエーションは何度も作れましたが
残念ながら勝率は高く無い。
これが、2戦、続いてしまいました。

上手くいったときのMAX値は高いと思うのですが
それを表現するまで、サポーターも含めて辛抱できるか。
ただ、辿りつく為の方法論が余りにも見えてこなさ過ぎて、不安になる。

そして、その辛抱する期間という代償を払って得られるものと
今年浦和が目標にしているラインとは
結構大きい乖離があるような気がしてもいます。

一方の広島は、攻めの形がなかなか見えず。
そういう意味でも、開幕戦のFC東京×浦和に、似たゲームとなりました。

浦和の攻めが単調だったとはいえ、
今年はDFラインに並びそうな選手の
能力(特に守備力)が結構高いことも相まって
4-4-2や4-2-3-1系を成熟させていけば
ある意味で城福監督らしくない結構固いチームが出来そうです。
立て直しのベースが少しづつ出来上がっているように思います。

間違っていたらすみませんが
城副監督は、試合直後のピッチでのインタビューで、
ボールを支配できるという確信があったので
システムとメンバーを変えました、
というコメントを残しています。
結果を手繰り寄せたことに対する満足と自信とが混ざり合う
強い表情が印象的でした。



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J1の、V・ファーレン長崎。

長崎のサポーターには怒られてしまう記事かもしれませんが。

土曜日は外出していたので、ハイライト映像も見れてなくて。
日曜の昼、録画しておいたJリーグタイムを見た。

2-2の引き分けに終わった
Vファーレン長崎とサガン鳥栖の試合ダイジェストの中、
澤田の先制点、からの、鈴木武蔵の2点目までの、30秒とかの映像で。
僕はほんの少しだけ泣いてしまった。

自分でもびっくりした。
話題になる高田社長がどうとかも含め
いろんなバックストーリーを多少なりとも知ったうえで、
長崎には、良くも悪くもフラットで、特別な思い入れはありません。

僕は順位予想でも長崎を最下位においた。
戦力的にも相当厳しくなるという思いからで、その印象は今も変わらない。

長崎の下馬評がどうとかは関係なしに、
サッカー含むスポーツは、なにが起こるか、どんな結果になるか、分からない。
というかJリーグにはそもそも覆せないほどの絶対的なレベル差なんて無い。
長崎だって、J1で、勝ったり負けたりして、進んでいく。
開幕のaway湘南戦では2-1で負けているし、
この先まだ何十試合も残っているので
この一試合でどうかって話をするのはナンセンス。

タレントだってそうだ。
得点シーンで目立った澤田崇と鈴木武蔵は、J1クラスの力を持っている。

そう、他のJ1チームとなにも変わらないことを、 分かっているはずなのに、
そしてそんなJリーグが好きなのに。

それでも、僕は。
通用しないんじゃないかとかどこかで思っていたのだろう。
失礼なことに。

ダイジェスト映像だけ切り取っての話なので申し訳ないのですが。

この日の長崎は、今年もJ1上位を狙うサガン鳥栖に、
個人技で打開して先制点を決めて、なお突き放す。

「全然やれる、やるんだ」
澤田崇のドリブルが、鈴木武蔵のスプリントが、訴えかける。

あれだけ切り取ってこの先のシーズンの不安を払拭、なんて、
そんな単純には思わないけれど、
バックストーリーとかとは無関係に
一つ一つのプレーでその存在を示し
それが通用するという事実に、勝手に想いを巡らす。

長崎が、ちゃんと、J1で、戦っていました。
今年もJリーグは面白くなりそうです。



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