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【観戦記】今季初のクリーンシートは、リーグ戦に出られない11人が獲った|相模原 0-3 磐田

前半だけで、3点。
9月2日、ルヴァンカップの1回戦。アウェイの相模原ギオンスタジアムに乗り込んだジュビロ磐田は、35分に渡邉りょう、39分に山﨑浩介、45+3分に川﨑一輝と前半のうちに3点を奪い、そのまま0-3で勝利しました。
正直に書くと、試合の内容は決して盤石ではありませんでした。それでも前半で3点取れてしまったので、後半は安心して観ていられた——そんな夜でした。
……なのですが。帰ってから数字を調べてみたら、その「盤石ではない」という感覚の正体が、はっきり見えてきたんです。それは後半に書きます。

強いんだか、弱いんだか

ここまでの今季を振り返ると、ジュビロは不思議なチームです。

リーグ戦は8月22日の徳島戦、8月29日の栃木シティ戦と2連勝。これが今季初の連勝でした。ところがカップ戦のほうは、8月26日の天皇杯2回戦で、ホーム・ヤマハにJ3のテゲバジャーロ宮崎を迎えて0-1。延長後半5分に土信田悠生に決められて、8月のうちに初戦敗退が決まってしまいました。

強いんだか、弱いんだか。よくわからない今年のジュビロです(苦笑)

そして今日からルヴァンカップが開幕。しかも相手は、またJ3のクラブ。1週間前と同じ構図です。「今度こそ」という気持ちで、ギオンスに向かいました。

秋の気配のギオンス

会場は相模原ギオンスタジアム。正式には相模原麻溝公園競技場という名前で、JR相模線の原当麻駅から歩いて20分ほどの、公園の中にあるスタジアムです。

相模原ギオンスタジアム|相模原 vs. 磐田

相模原ギオンスタジアム|相模原 vs. 磐田


スタジアムに着いた頃には、もう夕暮れ。空が高い
着いた頃には、もう空が焼けていました。数週間前までの、あの暴力的な暑さがない。空が高くて、雲の筋が細い。ああ、秋が来たんだな、と思いました。
相模原 vs.磐田|相模原ギオンスタジアム

相模原 vs.磐田|相模原ギオンスタジアム


大型ビジョンにキックオフ告知。18:30、水曜のナイトゲーム
気温は27℃、湿度84%。数字だけ見ればまだ夏なのですが、体感はまったく違いました。

ウォーミングアップ。ゴール裏には、もうサックスブルーが集まりはじめていた
そしてスタンドには、ジュビロサポーターが多数、集結。水曜日の18:30キックオフ、しかもカップ戦の1回戦です。それでもこれだけ集まるんだなあ、と。

バックスタンドから|相模原 vs. 磐田

バックスタンドから|相模原 vs. 磐田


この日の入場者数は2,297人。決して大きな数字ではありませんが、ギオンスの規模を考えると、スタンドはしっかり埋まって見えました。

スタメン|11人、総入れ替えでした

大型ビジョンに映し出された磐田の先発11人

先発メンバー|相模原 vs. 磐田

先発メンバー|相模原 vs. 磐田


この日の磐田の先発は——
GKは三浦龍輝。最終ラインに松原后、加藤大育、山﨑浩介、川﨑一輝。中盤は上原力也、西岡健斗、井上潮音、佐藤大樹。前線にマテウス・ペイショットと渡邉りょうという11人でした。

スタンドで見た瞬間、「リーグ戦にあまり出ていない選手が多いな」と思ったのですが——調べてみたら、そんなレベルではありませんでした。
3日前の栃木シティ戦(J2第4節)の先発と、重複はゼロ。11人、まるごと総入れ替えです。
牲川、ダニーロ、桑原、吉村、金子、小原、ユーリ・ララ、乾、イアゴ・テレス、藤原、ジョアン・ヴィクトル。栃木で戦った11人は、この日ひとりもピッチに立っていません。

一方で、1週間前の天皇杯・宮崎戦の先発とは6人が重複しています。松原后、山﨑浩介、川﨑一輝、上原力也、井上潮音、そしてマテウス・ペイショット。GKだけが川島永嗣から三浦龍輝に代わりました。

つまり秋葉監督は、「リーグ戦組」と「カップ戦組」をはっきり分けているということです。そしてこのカップ戦組は、1週間前にJ3相手に負けた、まさにその11人に近い顔ぶれでした。

リーグ戦に出られない悔しさと、天皇杯で負けた悔しさ。両方を背負った11人が、この日のピッチに立っていたわけです。

対する相模原も、J3リーグで4試合連続先発だった攻撃陣が軒並みベンチスタート。お互いにメンバーを入れ替えての一戦でした。

35分|何が起きたのか、わからなかった

試合が動いたのは35分でした。
正直に告白します。この1点目、私にはまったく見えませんでした。ゴール前が混戦になって、人が何人も重なって、ボールがどこにあるのかもわからない。

「え!? 何? 入った?? 誰???」

スタンドで、こんな声が出ました。周りのジュビサポも似たような感じで、歓声と困惑が半々みたいな、不思議な盛り上がり方をしていたのを覚えています。

あとで確認したら、渡邉りょうでした。背番号9です。

渡邉りょうは今夏で加入から2年。2023年にはJ2で唯一の二桁得点を挙げた選手で、「9番」を自ら志願して背負っていると聞いています。この日のゴールが、今季の公式戦初ゴールになりました。

39分|FKのこぼれ球を、山﨑浩介

先制から5分も経たないうちに、2点目が入ります。

これもフリーキックからの流れで、また混戦でした。ボールが上がって、誰かが打って、跳ね返って、また誰かが押し込んで。

スタンドからは「ペイショットが決めた」ように見えたのですが、正確には最初にシュートを打ったのがマテウス・ペイショット、最後に押し込んだのが山﨑浩介でした。

この山﨑浩介のゴール、実はかなり価値のあるものでした。

彼は昨年12月に横浜FCから完全移籍で加入した30歳のセンターバック。これが磐田加入後、初ゴールです。しかも通算で見ても、直近の得点は2024年、サガン鳥栖時代のJ1リーグまで遡ります。

約2年ぶりのゴール。混戦の中の1点でしたが、本人にとっては大きな1点だったはずです。

45+3分|川﨑一輝、ペナルティエリアの外から

そして前半のアディショナルタイム。

この3点目だけは、はっきり見えました。ペナルティエリアの外、少し左寄りの位置から、川﨑一輝が右足を振り抜く。ボールはゴール左下へ、きれいに飛んでいきました。

前半終了間際の3点目です。スタンドの空気が、ここで完全に緩みました。「あ、これは今日、大丈夫だ」と。

川﨑一輝は28歳のサイドバック。実はこの日の先発11人の中で唯一、今季のリーグ戦4試合すべてに出場している選手です。それでもこの日がリーグ戦・カップ戦を通じて今季初ゴールでした。

前半だけで3-0。ハーフタイムのスタンドは、ちょっとした祝勝会みたいな雰囲気でした。

後半|ゴールの臭いは、あったのに

後半、磐田はハーフタイムに2枚替え。松原后に代えて増田大空、西岡健斗に代えて野澤零温を送り出します。その後も63分に渡邉りょうから佐藤凌我、78分に佐藤大樹から奥田悠真、80分にペイショットから石塚蓮歩と、5人すべてを使い切りました。

後半も、ゴールの臭いがするシーンは何度かありました。「あ、これ入るかも」という場面が。

でも、追加点は生まれませんでした。

4点目、5点目が欲しかったかと言われると、正直そこまで欲張る気持ちはありませんでした。それより大事なものが、この日はもうひとつあったので。

相模原 0-3 磐田|スタッツで見ると

項目 相模原 磐田
シュート 6 13
コーナーキック 3 12
フリーキック 10 12
ボール支配率 42% 58%
警告 1 0

……あれ?と思いませんか。私は思いました。

シュートは13対6で磐田。コーナーキックは12対3で磐田。支配率も58%対42%で磐田。数字だけ見れば、押していたのは完全に磐田なんです。

相模原のシュートはわずか6本。守備が破綻していたわけでは、まったくありませんでした。

でも私は、スタンドで「盤石ではないな」と感じていた。この差は何なのか。

「盤石ではない」の正体

答えは、たぶんここにあります。

この日の3ゴール、どれもアシストが記録されていません

35分の渡邉りょうはゴール前の混戦から。39分の山﨑浩介はセットプレーのこぼれ球から。45+3分の川﨑一輝はペナルティエリアの外からのミドル。

つまり、3点とも「崩し切って取った点」ではないということです。混戦、こぼれ球、ミドル。どれも価値あるゴールですが、パスをつないで相手を動かして、最後にきれいに崩す——という形は、この日ひとつもありませんでした。

コーナーキック12本という数字も、裏返せば「最後まで持ち込めずに終わった攻撃が12回あった」ということでもあります。

だから、押していたのに盤石には見えなかった。ボールも場所も持っていたのに、崩し切る形がなかった。私がスタンドで感じていた違和感は、たぶんこれです。

もっとも、それでも3点入ったというのは、それはそれで力なんですよね。混戦を押し込める選手がいて、こぼれ球に詰められる選手がいて、外から打てる選手がいる。天皇杯で0-1に終わったチームと、同じ顔ぶれに近いメンバーで、です。

そして、今季初のクリーンシート

0-3。1st 0-3、2nd 0-0。前半で決まった試合でした

試合結果|相模原 0-3 磐田

試合結果|相模原 0-3 磐田


この日いちばん大きかったのは、実は3点より、こちらかもしれません。
ジュビロ磐田、今季の公式戦で初めての無失点です。

2026/27シーズンの公式戦を並べてみると、こうなります。

日付 大会 対戦 結果 失点
8/8 J2第1節(H) 秋田 1-1 1
8/16 J2第2節(A) 横浜FC 1-3 3
8/22 J2第3節(H) 徳島 2-1 1
8/26 天皇杯2回戦(H) 宮崎 0-1 1
8/29 J2第4節(A) 栃木C 3-1 1
9/2 ルヴァン1回戦(A) 相模原 3-0 0

開幕から5試合、ずっと失点していました。6試合目にして、ようやくゼロです。
しかもこれを達成したのが、リーグ戦にほとんど出ていない、天皇杯で負けた組だというのが、いいじゃないですか。

三浦龍輝、加藤大育、山﨑浩介、川﨑一輝、松原后。この日の最終ラインとGKは、リーグ戦ではなかなか見られない顔ぶれです。その5人が、今季初めてゼロで抑えた。

「悔しさをぶつけてほしい」と思いながら観に行きましたが、いちばんぶつかっていたのは、たぶん守備陣だったんだと思います。

試合後、選手たちがゴール裏へ

試合終了後、選手たちがアウェイのゴール裏まで挨拶に来てくれました。その様子を撮ってきたので、置いておきます。

かなり走りまわって疲れはあるものの、笑顔も観られました。平日の夜にも関わらずスタジアムに集結したサポーターとかわす笑顔、やっぱり素敵ですよね。

次は9月29日、アウェイの熊本

今季のルヴァンカップは大会方式が変わりました。1stラウンド(1〜4回戦)とプライムラウンドの2部構成で、1回戦はJ2・J3勢が中心。J1のクラブは2回戦から参戦してきます。

発表されている日程によれば、磐田の2回戦は9月29日(火)、アウェイでロアッソ熊本。熊本は1回戦で大分に2-0で勝っての勝ち上がりです。

天皇杯は8月に終わってしまいました。だからこそ、このルヴァンカップは長く戦いたい。今日の3点と、今日のゼロが、その最初の一歩になってくれたら嬉しいです。

それにしても、秋の空の下でサッカーを観るのは、やっぱりいいものですね。

次も、勝ちましょう。VAMOS、ジュビロ磐田!🔵

この日の記録

項目 内容
大会 JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド1回戦
日時 2026年9月2日(水)18:30キックオフ
会場 相模原ギオンスタジアム(相模原麻溝公園競技場)
スコア SC相模原 0-3 ジュビロ磐田(前半 0-3/後半 0-0)
得点 35分 渡邉りょう/39分 山﨑浩介/45+3分 川﨑一輝
入場者数 2,297人
天候 曇のち晴 気温27.0℃ 湿度84%
主審 窪田陽輔
磐田先発 GK三浦龍輝/DF松原后・加藤大育・山﨑浩介・川﨑一輝/MF上原力也・西岡健斗・井上潮音・佐藤大樹/FWマテウス・ペイショット・渡邉りょう
磐田交代 46分 松原后→増田大空/46分 西岡健斗→野澤零温/63分 渡邉りょう→佐藤凌我/78分 佐藤大樹→奥田悠真/80分 ペイショット→石塚蓮歩
次戦 9月29日(火)ルヴァンカップ2回戦 vs ロアッソ熊本(アウェイ)
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