「イアゴテレス」一覧

【現地観戦】乾貴士が一発退場。10人で守り切った勝点1|いわき 1-1 磐田

勝たなきゃいけない試合でした。

雨のハワイアンズスタジアムいわきへ

2026年10月25日(日)、ハワイアンズスタジアムいわき。明治安田J2リーグ第13節、いわきFC対ジュビロ磐田です。

遠征してきました。

ハワイアンスタジアムいわき|いわき vs. 磐田

ハワイアンスタジアムいわき|いわき vs. 磐田

常磐線の湯本駅から、スタジアムまでは歩いて30分、シャトルバスで10分。駅を降りた時点で、もう降っていました。

傘よりカッパのほうがいい日です。実際、スタジアムの前は赤いポンチョだらけでした。

ここで、先に書いておきます。Jリーグの公式記録では、この日の天候は「曇」です。気温19.3℃、湿度90%。でも、湿度90%という数字が全部を語っていると思います。試合中も、終盤はしっかり降っていました。

秋葉忠宏監督も、試合後にこう言っています。

「さらに、この雨のいわきまで300人近いジュビロを愛するファン・サポーターが来てくれて、最後にはゴール裏から我々に力強いエールを送ってくれました」

記録は「曇」。でも、降っていました。両方書いておきます。

3,680人。いわきの今季ホーム最少

この日の入場者数は3,680人でした。

ハワイアンズスタジアムいわきは、芝生席を含めて5,000人規模のスタジアムです。そこに3,680人なので、スカスカという感じはまったくしません。むしろ、距離が近い。

いわき vs. 磐田|ハワイアンズスタジアムいわき

いわき vs. 磐田|ハワイアンズスタジアムいわき

ただ、いわきの今季ホームゲームの中では、いちばん少ない数字です。雨と、中3日の日曜開催(湘南戦から中3日)が重なりました。

そのうち300人近くが、磐田から来ていた人たちです。秋葉監督が試合後にわざわざ触れたのは、たぶんそのへんが見えていたからだと思います。

アウェイのゴール裏は芝生席でした。雨の芝生席で90分立っている人たちが、300人。

先発は3-4-2-1。上原力也が今季初先発

磐田の先発です。

先発メンバー|いわき vs. 磐田

先発メンバー|いわき vs. 磐田

Pos No 選手
GK 16 牲川歩見
DF 29 桑原航太
DF 15 ユーリ ララ
DF 2 ダニーロ
MF 8 為田大貴
MF 7 上原力也
MF 6 金子大毅
MF 14 小原基樹
MF 77 藤原健介
MF 47 佐藤大樹
FW 32 太田龍之介

システムは3-4-2-1。為田大貴が左のウイングバック、小原基樹が右。藤原健介と佐藤大樹がシャドーで、前は太田龍之介ひとりです。

そして上原力也が今季初先発でした。前節の大分戦で途中出場して、そのまま先発を勝ち取った形です。

ベンチには川島永嗣、松原后、西久保駿介、川﨑一輝、増田大空、井上潮音、乾貴士、イアゴ テレス、マテウス ペイショット。前節スタメンだった3人が、そろってベンチスタートです。

いわきは3-1-4-2。GK佐々木雅士、3バックが桒田大誠・中野陽斗・深港壮一郎、アンカーに藤井海和、前に高橋勇利也・木吹翔太・山口大輝、そして道脇豊・西谷亮・熊田直紀。監督は田坂和昭さんです。

6分、熊田直紀

そして、始まって6分でした。

Jリーグ公式の記述はこうです。

「ペナルティエリア内からの高橋のクロスに反応した熊田がペナルティエリア中央から右足でゴール左下に決める」

高橋勇利也のクロスに、熊田直紀。現地で見ていても、あっという間でした。「あ」と言っているうちにネットが揺れていた感じです。

秋葉監督は、この失点をこう振り返っています。

「試合の入りに気をつけようと言っていた中で、選手たちはウォーミングアップから非常に集中していました。ただ、あの早い時間帯に、スカウティングしていたクイックのプレーからやられたというのは、良い入りをしなければいけないと必死にやっている中でも、どこかに隙があったのかなと思います」

スカウティングしていた。つまり知っていた形で、やられたということです。

熊田直紀はこれが今季5点目。第12節終了時点でいわきのチーム得点王(4点)だった選手が、きっちり1点増やしました。

24分、藤原健介が倒れた

24分です。

藤原健介が倒れて、一度は立ち上がってプレーを続けようとしました。でも、続けられませんでした。

交代で入ったのは松原后。DFです。シャドーが抜けた穴に、DFが入りました。

この交代の意味は、たぶん「同じポジションの選手を入れる余裕がなかった」のではなく、「ここでシステムをいじってでも、後半の3枚替えのカードを残した」ということだと思います。実際、後半開始から3枚替えが来ます。

秋葉監督は、藤原の状態についてこう話しました。

「前半で交代するくらいですから、おそらく軽いものではないと思っています。これから病院に行って検査をしなければ分からないと思いますけど、あれだけ強気でキャプテンシーのある選手が、あの時間帯で一度プレーを続けようとして、それでも交代するということは、簡単なトラブルではないと思っています」

検査結果を待ちます。

なお、入ったばかりの松原后は31分に警告を受けています。慣れないポジションでの31分だったのか、単に厳しいプレーだったのかは、見ていて判断がつきませんでした。

前半のことは、上原力也が全部説明してくれた

前半は0-1で折り返しました。

正直、前半は「重いな」と思って見ていました。いわきが前から来て、磐田が引っかかる。そういう時間が続いていました。

これ、上原力也が試合後にそのまま説明してくれています。

「前から来る相手で、そこに自分たちも引っかかるシーンや、うまくいかないシーンもありました。ただ、相手もパワーを出してボールを奪いに来なければいけない中で、前半のラスト10分くらいはかなりきつそうでした」

「これを続けていれば絶対に点を取れるし、後半は相手も落ちてくると思っていました」

いわきは、第12節終了時点で攻撃回数がリーグ2位(1試合126.9回)のチームです。前から行って、たくさん仕掛ける。その代わり、後半は落ちる。

上原は、重く見えていた前半の中で、相手の息が上がっていくのを見ていました。こういう選手がいると違うんだな、と思いました。

後半開始、3枚替え。「予定どおりです」

ハーフタイムで、磐田は一気に3人替えました。

OUT IN
佐藤大樹 乾貴士
為田大貴 イアゴ テレス
太田龍之介 マテウス ペイショット

前線が総入れ替えです。

これ、ビハインドだから慌てて替えたのかな、と思って見ていました。違いました。

「もちろん5連戦の最後だったことや、相手との兼ね合い、コンディションなど、いろいろなものをトータルで考えた中で、これが一番勝つ確率が高いのではないかと判断しました。コーチングスタッフやメディカルスタッフなど、いろいろな方の知恵を集めて決めたことなので、あの3枚替えは予定どおりです」(秋葉監督)

予定どおり。前半のうちから決まっていた、ということです。

上原力也も、入ってきた3人についてこう言っています。

「後半に入った選手たちは、僕と似たような感覚を持っている選手たちなので、非常にやりやすかったですし、楽しかったです」

楽しかった、という言葉が出てくる0-1ビハインドの後半も、なかなかありません。

63分、いわきが一番やられている形で

60分に、いわきが2人替えました。高橋勇利也と木吹翔太を下げて、加藤大晟と久永瑠音。先制点をアシストした高橋がピッチを出て、3分後です。

63分でした。

Jリーグ公式の記述を、そのまま載せます。

「左サイドからのCKを獲得。キッカーの上原がボールを蹴り込むも、道脇にクリアされてしまう。こぼれ球に反応した乾がペナルティエリア左から右足で枠内にシュートを放つ。最後はイアゴ テレスがペナルティエリア中央からヘディングでゴール右上に決める」

現地では「乾のシュートにイアゴ テレスがコースを変えた」ように見えました。記述と合わせると、そのとおりです。枠内に飛んでいた乾のシュートに、イアゴ テレスが頭で触って、ゴール右上に行った。

公式記録の得点者はイアゴ テレス、アシストは乾貴士です。オウンゴールでも、乾のゴールでもありません。

ここで、数字をふたつ置かせてください。第12節終了時点のFootball LABのデータです。

最も多いパターン 本数(割合)
磐田の得点 セットプレーから 4点(30.8%)
いわきの失点 セットプレーから/クロスから 各6点(各33.3%)

磐田がいちばん点を取っている形で、いわきがいちばん点を取られている形です。

「セットプレーからでしたけど同点に追いつきました」と秋葉監督は言いましたが、「でしたけど」ではないと思います。そこを狙うのが、いちばん確率が高かったはずです。

イアゴ テレスはこれで今季5点目。チーム得点王です。

76分、乾貴士

そして、76分でした。

乾貴士が、一発退場です。

公式記録には「退場 乾 貴士 76’」とあるだけで、理由は書かれていません。この日の乾に警告はありませんから、2枚目の警告ではなく、一発です。

現地でも何が起きたかははっきり見えました。やってはいけないことでした。

同点にしたのが63分、そのきっかけを作ったのも乾でした。13分後です。

秋葉監督のコメントを、ほぼ全部そのまま載せます。ここは要約したくありませんでした。

「さあ、これからというときに、乾貴士はやってはいけないことをしました。あれは今後、クラブとしてもチームとしても、そして個人としても絶対にあってはいけないことです。それは厳しく話しましたし、本人も分かっていると思います」

「あそこで感情をコントロールできるように、あれだけのキャリアがある選手だからこそ、チームの模範となるような振る舞いをしてほしかったということは厳しく伝えました。きっと今後、彼がまたチームに良い影響をもたらしてくれると信じています」

「厳しく」が2回出てきます。

乾貴士は、第12節終了時点で磐田の攻撃ポイント(Chance Building Point)チーム1位の選手です。21.02ポイント。2位以下を引き離しています。この試合でも、同点ゴールの起点になりました。

その選手が、自分でピッチを去りました。

出場停止の試合数は、本稿執筆時点(10月26日0時)でまだ発表されていません。Jリーグの「出場停止のお知らせ」は10月22日付が最新です。一発退場なので次節・鳥栖戦の欠場は確定ですが、何試合になるかは規律委員会の決定待ちです。

リーグ戦13試合を見てきて、磐田の選手が退場になったのを見たのは、これが初めてでした。

残り14分+アディショナルタイム

10人になりました。1-1です。

82分に上原力也を下げて、西久保駿介。守りに人を足す交代です。いわきも69分に熊田直紀を下げて今野息吹、90分に藤井海和を下げて永木亮太と、前に重心をかけてきました。

ここからの時間は、現地だとすごく長く感じます。

秋葉監督の言葉です。

「その後の選手たちは、25分、30分ほど10人で戦う苦しい状況でも、絶対に勝点だけは持って帰るんだという思いを見せてくれました。もちろん勝点3を取りにいきながらも、最後のアディショナルタイムに入ってからは、何が何でも勝点を持って帰る。相手のパワープレーにも屈することなく、全員で跳ね返し続けました」

GKの牲川歩見は、こう言っています。

「攻撃のところでは、ペイ(ペイショット)やイアゴ(テレス)がピッチにいたので、一発で仕留めるところは狙いつつ、失点しないことが一番重要でしたし、勝点を持ち帰ることが大事だったと思います」

10人になっても、前に残した2人で殴り返す準備はしていた。でも、優先順位は失点しないこと。はっきりしています。

結果、いわきの枠内シュートは4本のままで終わりました。

数字で見る90分

この試合のスタッツです。

いわき 磐田
シュート 11本 10本
枠内シュート 4本 4本
ボール保持率 44% 56%
パス(成功率) 328本(62.8%) 494本(75.3%)
CK 4本 5本
FK 19本 17本

10人で14分+アディショナルタイムを戦って、保持率56%、パス494本です。

いわきは第12節終了時点で被チャンス構築率リーグ2位(9.2%)、被シュート3位(1試合11.9本)。つまり「打たせない」チームです。そこから10本打って、枠内に4本。数字としては悪くありません。

いわきのパス成功率62.8%というのも、このチームらしい数字です。つなぐより、前に速く送る。攻撃回数リーグ2位の裏側がこれです。

9試合続けて、1点以下

ただ、いちばん気になっている数字は、今回も変わりませんでした。

試合結果|いわき 1-1 磐田

試合結果|いわき 1-1 磐田

節 相手 磐田の得点
第4節 栃木シティ(A) 3
第5節 富山(H) 0
第6節 甲府(A) 1
第7節 新潟(A) 1
第8節 八戸(H) 1
第9節 仙台(A) 1
第10節 札幌(H) 1
第11節 宮崎(A) 1
第12節 大分(H) 0
第13節 いわき(A) 1

8月29日の栃木シティ戦(3-1)を最後に、9試合続けて1点以下です。リーグ戦13試合で14得点。複数得点はいまだに2試合(第3節の2点、第4節の3点)だけです。

第12節終了時点のFootball LABの数字では、磐田のゴール期待値は1試合1.604に対して、実際のゴールは1.08。差分は-0.524です。シュート成功率7.9%はリーグ15位。

チャンス構築率は11.1%で10位。チャンスは平均的に作れていて、決まっていない。この形がずっと続いています。

一方で、守備の数字は上位です

悪い話ばかりではありません。

第12節終了時点で、磐田のKAGI(守備の指標)は53.4でリーグ3位です。AGI(攻撃の指標)が51.9の8位ですから、はっきり守備のチームになっています。

この日、10人で守り切れたのは、気持ちだけではないと思います。牲川歩見の話が、それを裏づけています。

「秋葉さんも身体を張るということはよく言っていますけど、GKとの連係も意識しながら、どのコースを切るのかというところを、みんながすごく理解してきていると思います。どうやってコースに入っていけばいいのかというところも、お互いに声を掛け合いながらやってきたことで、うまく詰められるようになってきたからこそ、身体にボールが当たっていると思います」

「勇気が必要なプレーですけど、身体を張って対応してくれていることには感謝しかありません」

キーパーがここまで言うので、相当だったんだと思います。

ハワイアンズスタジアムいわきで、初めての勝点

それと、小さいけれど、ひとつ。

磐田はこのスタジアムで、これまで勝点を取ったことがありませんでした。2025年8月のJ2で1-3、2026年3月の百年構想リーグで0-1。2試合2敗です。

この1-1が、ハワイアンズスタジアムいわきでの初めての勝点1になりました。

いわきはこのスタジアムで、今季まだ負けていません。その無敗は続いたままですが、少なくとも勝たせませんでした。

5連戦が、終わりました

秋葉監督が言っていた「5連戦」は、10月10日から数えた5試合です。

日付 大会 H/A 相手 結果
10/10(土) J2第10節 H 札幌 1-0 ○
10/14(水) ルヴァン H 川崎F 0-4 ●
10/17(土) J2第11節 A 宮崎 1-1 △
10/21(火) J2第12節 H 大分 0-0 △
10/25(日) J2第13節 A いわき 1-1 △

16日間で5試合。そのうち移動は、川崎・宮崎・いわき。宮崎からいわきまで、だいたい日本の端から端です(1点が遠い。宮崎と1-1で、これで3試合負けなし|宮崎 1-1 磐田)。

リーグ戦に絞れば4試合で1勝3分、無敗。失点は1-0、1-1、0-0、1-1で合計2です。勝点は6。

この日程で無敗は、評価していい数字だと思います(大分のGKに前半だけで4本。これで3試合連続無得点|磐田 0-0 大分)。

3試合連続ドロー、4試合負けなし

宮崎、大分、いわき。3試合連続のドローです。今季最長になりました。

札幌戦の勝利を入れると4試合負けなし(1勝3分)。でも、4試合で勝点6です。4連勝なら12ですから、半分。

牲川歩見が、そこを正面から言っています。

「これまでホームでは良い戦いができている中で、この4試合の価値をより高めるのは勝利だと思います。勝たないとみんな笑顔になってくれないと思いますし、スタジアムにも足を運んでもらえないと思うので、次はホームで勝ちたいと思います」

「勝たないとみんな笑顔になってくれない」。雨の芝生席に300人いたことを思うと、この一文はけっこう効きます。

勝点16で14位。順位は3つ下がりました

この引き分けで磐田は4勝4分5敗、勝点16。順位は11位から14位になりました(※10月25日20時35分時点の暫定)。

負けていないのに3つ落ちたのは、同じ日に周りが勝ったからです。この日のJ2は、秋田が今治に1-0、宮崎が山形に2-0、札幌が富山に1-0、鳥栖が八戸に2-0。引き分けた磐田と大分以外、上位が順当に勝ちました。

順位 クラブ 試合 勝点 得点 失点 得失
9 いわきFC 13 17 20 19 +1
10 サガン鳥栖 13 17 14 15 -1
11 徳島ヴォルティス 13 17 11 13 -2
12 北海道コンサドーレ札幌 13 17 16 19 -3
13 ブラウブリッツ秋田 13 16 14 14 0
14 ジュビロ磐田 13 16 14 15 -1
15 藤枝MYFC 13 15 15 14 +1

9位から14位まで、勝点差はわずか1です。1勝で9位まで行けます。本当に、1勝だけの話です。

いわきは勝点17で9位。ハワスタ無敗を守って、順位をひとつ上げました。

次は中5日、ホームでサガン鳥栖

次節は10月31日(土)14時、ヤマハスタジアムでサガン鳥栖戦。中5日です。この連戦のあとに5日空くのは、かなり大きいと思います。

その鳥栖が、ちょっと不思議な相手です。

試合 勝点 得点 失点 得失
サガン鳥栖(10位) 13 17 14 15 -1
ジュビロ磐田(14位) 13 16 14 15 -1

得点も失点も得失点差も、完全に同じです。違うのは勝点1だけ。ここまで似ている2チームが当たるのも珍しい。

鳥栖は監督が小菊昭雄さんで、この日は八戸に2-0。ホームでは強いチームですが、ヤマハに来ます。磐田は鳥栖に直近2連勝中です。

そして、乾貴士はいません。藤原健介も、検査結果次第です。

ここまで磐田を引っ張ってきた2人を欠いて、ホームで勝点3を取りにいく。難しい試合になります。

でも、上原力也がいます。イアゴ テレスがいます。マテウス ペイショットがいます。そして、10人でも崩れなかった守備があります。

最後に、秋葉監督がこの日いちばん強く言っていたことを。

「あとはいつも言っていますけど、監督である僕がどう勝点3を持ってくるのかということだと思います。本当に選手たちは毎試合90分間、常に100%ファイトしながら勝利を目指してやってくれています。あとは僕自身がもっともっと必死に知恵を絞り、勉強しながら、いろいろなことを考えて、しっかりと勝点3を取れるチームにしたいと思っています」

この日の勝点1について、正直に書きます。

負けなかった。それ以上でも、以下でもありません。

いや、少しだけ「以上」はありました。このスタジアムで初めての勝点で、10人になっても守り切れることを証明した90分でした。

でも「以上」はそこまでです。勝たないと、順位は上がりません。

湯本の駅まで戻る道も、まだ降っていました。それでも、来てよかったと思っています。前に遠征した仙台では、最後の最後に沈みました(シュートは3本だけ。90+4分、首位仙台に力尽きる|仙台 2-1 磐田)。今回は、沈みませんでした。

土曜、ヤマハで。

(今季の全日程と結果はこちらのページにまとめています)


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。Jリーグ公式の試合記録(data.j-league.or.jp)ではシュートが9対9、CKが4対5、FKが19対17と記録されています。
※「第12節終了時点」として引用したシーズン平均の数字(ゴール期待値、チャンス構築率、AGI/KAGI、得点・失点パターン、チャンスビルディングポイント)は、すべてFootball LABの2026年10月23日更新ぶんです。第13節ぶんのタイムライン・シュート・チャンスビルディングポイントは、本稿執筆時点で未公開です。
※この試合の天候は、Jリーグ公式記録では「曇」、気温19.3℃、湿度90%、ピッチは全面良芝と記録されています。本文中の「雨」は、現地での見え方と、秋葉忠宏監督の試合後コメント(「この雨のいわきまで」)に基づく記述です。
※オフサイドの数は、Jリーグ公式記録(いわき4・磐田1)とJ.Leagueサイトのスタッツ(いわき1・磐田4)でホームとアウェイが逆に表示されています。どちらが正しいか確認できないため、本文には記載していません。
※乾貴士の退場の理由は、Jリーグ公式記録には記載されていません。本人に警告がないため、2枚目の警告ではなく一発退場です。出場停止の試合数は、本稿執筆時点(2026年10月26日0時)で未発表です。
※藤原健介の負傷の程度は、本稿執筆時点でクラブから発表されていません。
※2026/27シーズンのJ2リーグにVARは導入されていません。この試合もVAR・AVARは配置されていません。
※磐田のハワイアンズスタジアムいわきでの過去2試合(2025年8月のJ2、2026年3月の百年構想リーグ)は、いずれも敗戦です。
※順位は2026年10月25日20時35分時点の暫定です。J2の公式順位表は公式記録の確定後に確定します。
※写真に写っているお客さまについては、顔が識別できないようぼかし処理をしています。

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【DAZN観戦】後半のシュートは1本。クリア34本で守り切った|磐田 1-0 札幌

やっと、勝てました。

秋葉監督は、試合前に「ゼロで抑える」と言っていた

2026年10月10日(土)18時、ヤマハスタジアム(磐田)。明治安田J2リーグ第10節、北海道コンサドーレ札幌戦です。

磐田はリーグ戦で3連敗中。新潟に1-2、八戸に1-2、仙台に1-2。3試合すべて1点差で、3試合すべて同じスコアでした(シュートは3本だけ。90+4分、首位仙台に力尽きる|仙台 2-1 磐田)。

この試合の前、クラブ公式に秋葉忠宏監督の言葉が載っていました。

ここで連敗を止めなければ、本当に負のスパイラルに入ってしまう

そして、もうひとつ。

今一度、全員で「ゼロで抑える」という強烈な守備の意識にマインドを変えていきたい

ここまで9試合で13失点。優勝するチームは失点が少ない、という話をしたうえでの言葉だそうです。

仙台戦のあと、チームは約2時間かけて試合映像をフルで見返すミーティングをやったとのこと。佐藤大樹は「ダメなところはダメ、いいところは続けるという話し合いがあって、いい緊張感があった」、主将の藤原健介は「全員が思っていることを話した」と話しています。

その結果がどうだったか、という試合です。

ヤマハに12,349人

この日の入場者数は12,349人。天候は晴れ、気温23.5℃、湿度55%、無風。ピッチは全面良芝。主審は清水勇人さん。キックオフは18時03分でした。

この日は「ヤマハ・ヤマハ発動機マッチ」。EXILE/三代目J SOUL BROTHERSの小林直己さんが来場して花束贈呈とハーフタイムの挨拶、ヤマハ野球部のストラックアウト、ブラスアンサンブルの演奏、電動車椅子サッカーの体験とエキシビション。キックオフ前にはジュビレーションのペンライト演出で、スタンドがサックスブルー一色になりました。

先発は3人変更。牲川歩見が2試合ぶりに戻ってきた

先発は、前節の仙台戦から3人変更です。

OUT(仙台戦) IN(札幌戦)
GK 三浦龍輝 GK 牲川歩見
MF 金子大毅 MF ユーリ ララ
MF 川合徳孟 MF イアゴ テレス

最終ラインの4人(ダニーロ・桑原航太・山﨑浩介・吉村瑠晟)は据え置き。布陣も4-2-3-1のままです。

ここで目を引いたのがGKでした。第1節から第7節まで全試合に先発していた牲川歩見が、八戸戦と仙台戦では外れていました。それが2試合ぶりに戻ってきた。今季の磐田は、これでGKが3人目です。

対する札幌は3-4-2-1。監督は川井健太さん。前節から1人だけの変更で、白井陽斗が外れて長谷川竜也が入りました。札幌は前節、いわきに2-1で勝って開幕戦以来8試合ぶりの白星。今季初の連勝を狙って乗り込んできています。

前半、磐田は10本打っていた

「押し気味の前半」という印象でしたが、数字で見ると、思っていた以上に押していました。

前半終了時点 磐田 札幌
シュート 10本 3本
枠内シュート 2本 2本
ゴール期待値(xG) 1.48 0.10
コーナーキック 2本 0本

シュート10対3。ゴール期待値にいたっては1.48対0.10です。15倍近い差がついています。

20分の時点で、磐田6本に対して札幌は0本。Optaも10分の時点で札幌について「10分が経過するも、まだシュートに至るシーンを作り出せない」と出していました。

でも、枠内は2本だった

ただ、「なかなかシュートまで持っていけない、もどかしい展開」という感覚も、間違っていません。

10本打って、枠に飛んだのは2本だけです。

しかも20分時点の枠内は1本、40分時点でも1本。つまり前半の大半、打ってはいるけれど枠には行っていないという時間が続いていました。

ポゼッションの推移も、途中で入れ替わっています。

時間帯 磐田 札幌
0〜15分 57% 43%
15〜30分 31% 69%
前半トータル 50% 50%

最初の15分は磐田のものでしたが、15分から30分は札幌が69%。この時間帯に札幌も出てきて、29分と34分に長谷川竜也のシュートがありました。どちらも牲川歩見がセーブしています。

押していたけれど、決めきれない。そして相手も出てくる。もどかしい、というのはそういう前半でした。

40分、佐藤大樹が倒された

そして40分でした。

桑原航太のパスがペナルティエリア内の吉村瑠晟につながり、そこから佐藤大樹が西野奨太にファウルを受けてPK獲得。西野には同時に警告が出ています。

ここに、小さいけれど大事な話があります。

佐藤大樹は、北海道出身で、札幌のアカデミー育ちなんです。つまりこの日は古巣との一戦でした。

試合前、本人はこう話していました。

すごく思い入れのある相手からゴールを決めてアピールしたい

結果から言うと、佐藤大樹はこの日ゴールを決めていません。

でも、決勝点を生んだのは彼でした。古巣から奪ったのは、ゴールではなくPKだった。これはこれで、十分に「アピール」だったと思います。

もうひとつ皮肉だったのが、ファウルをした西野奨太のほうです。この選手、Jリーグ公式の試合前の見どころで札幌の「キーマン」として名指しされていた選手でした。「今季はチーム最多のデュエル勝利総数を記録し、前節はセットプレーから先制点を奪うなど、攻守両面でチームを支えている」と。

その守備の要が、PKを与えて警告を受けました。

42分、イアゴ テレスが右下へ

キッカーはイアゴ テレス。

右足で、ゴール右下。落ち着いたものでした。42分、1-0。

イアゴ テレスは26歳のブラジル人で、今年7月9日にロンドリーナEC(ブラジル)から期限付き移籍で加入した選手です。8月8日の秋田戦でJ初出場、8月22日の徳島戦でJ初ゴール。そこから栃木シティ戦で2点を決めて、この日が今季リーグ戦4点目になります。

前節の仙台戦は出場していません。その前日の10月3日にU-21Jリーグで先発フル出場していました。そこから中6日での先発復帰です。

Optaが42分にこんな数字も出していました。

イアゴテレスはここまでで5本以上のシュートを放っている

前半だけで5本以上。磐田の10本のうち半分がこの人です。相当に積極的でした。

流れの中からの得点ではありません。でも、前半のゴール期待値1.48という数字を見れば、入るべくして入った1点だったとも言えます。

後半、磐田のシュートは1本だけ

両チームとも、ハーフタイムの交代はゼロ。札幌ボールで後半が始まりました。

そして、ここからの45分が、この試合のすべてです。

後半、磐田のシュートは1本しかありません。

48分、桑原航太がペナルティエリア手前から右足で枠内へ。これは田川知樹にセーブされました。以上です。

後半のゴール期待値は、磐田が0.03。ほぼゼロです。

後半のみ(全体−前半) 磐田 札幌
シュート 1本 9本
枠内シュート 1本 1本
ゴール期待値(xG) 0.03 0.62

「一進一退」という感覚だったとのことですが、少なくともシュートの数では一方通行でした。磐田1本、札幌9本。

ただし、ここが重要なところで、札幌の9本のうち枠に飛んだのは1本だけです。

終盤、札幌の猛攻

札幌は64分にヴィニ ペイショットを投入します。この交代が、終盤の圧の中心になりました。

時間 場面
75分 Vペイショットのクロス → ダニーロがクリア
78分 Vペイショットがエリア中央からシュート → ゴール上に外れる
81分 Vペイショットがエリア手前からシュート → ゴール上に外れる
83分 Vペイショットのクロス → ダニーロがクリア
84分 Vペイショットが枠内へ → ブロック
85分 青木亮太がエリア手前からシュート → ゴール上に外れる
90+3分 内田瑞己が枠内へ → 野澤零温がブロック
90+4分 スパチョークが枠内へ → ブロック
90+5分 内田瑞己が枠内へ → 川﨑一輝がブロック

アディショナルタイムだけで、枠内シュートを3本ブロックしています。

75分から90分までのポゼッションは、磐田38%に対して札幌62%。ボールはずっと札幌が持っていました。

牲川歩見のセーブは2本。どちらも前半だった

ここが、この試合でいちばん面白かったところです。

牲川歩見のセーブ数は、90分を通じて2本。29分と34分の長谷川竜也のシュートです。

つまり後半のセーブは、記録上ゼロ。

札幌が9本打った後半、牲川がボールを触って止めた場面がない。枠に飛んだ1本も、ブロックや守備陣の対応で終わっています。

これは「GKが当たっていたから守り切れた」という試合ではありません。ゴールの前に行く前に止めていたという試合です。

クリア34本、ブロック16本

その証拠が、この数字です。

項目 磐田 札幌
クリア 34回 18回
ブロック 16回 11回
タックル 17回 22回
ボールタッチ 783 1,181
1対1勝利数 17 25

クリア34本、ブロック16本。ボールタッチ数では400近く下回り、1対1でも負けている。それでもゼロで抑えた。

八戸戦のとき、磐田はクリア43本の壁を崩せずに負けました(クリア42本の壁。24本打って、1点|磐田 1-2 八戸)。仙台戦では、自分たちがクリア48本の側に回って、90+4分に崩されました。

そして今回、クリア34本の側に回って、今度は崩されなかった。

3試合続けて、同じ構図を別の立場で見ています。そして3試合目で、ようやく守り切りました。

数字で見る90分

試合全体のスタッツです。

項目 磐田 札幌
シュート 11本 12本
枠内シュート 3本 3本
ゴール期待値(xG) 1.51 0.72
ボール支配率 45% 55%
パス成功率 78.2% 82.3%
チャンスクリエイト 10回 9回
クロス 15本 22本
コーナーキック 5本 3本
ファウル 8回 13回
警告 2枚 1枚

シュート数も枠内シュートもほぼ互角。支配率は札幌。でもゴール期待値は1.51対0.72で磐田が倍以上です。

この試合の磐田は、少ない機会をいい形で作っていたチームでした。そしてそのほとんどが、前半に集中していました。

個人で見ると、チャンスクリエイト数の最多は乾貴士の5回。69分に小原基樹と交代していますが、それまでの69分間でチームの半分を作っています。

「ゼロで抑える」は、実現した

試合終了。1-0。

この完封は、今季リーグ戦で2度目です。1度目は9月12日の甲府戦(1-0)。つまりホームでは今季初の無失点になります。

節 日付 対戦 結果
第5節 9/6 富山(H) 0-1 ●
第6節 9/12 甲府(A) 1-0 ○
第7節 9/19 新潟(A) 1-2 ●
第8節 9/26 八戸(H) 1-2 ●
第9節 10/4 仙台(A) 1-2 ●
第10節 10/10 札幌(H) 1-0 ○

3連敗を止めて、4試合ぶりの勝点3です。

秋葉監督が試合前に掲げた「ゼロで抑える」が、そのまま結果になりました。内容が美しかったかと言われると、後半のシュート1本というのは正直かなり苦しい。でも、宣言したことをやったという意味では、この試合には意味があります。

ちなみにヤマハスタジアムでの直近の札幌戦は、今年3月14日の百年構想リーグで0-1でした。同じ場所で、きっちり返しています。

ジョアン ヴィクトルが、9月度のベストゴールに

試合とは直接関係ありませんが、うれしいニュースがありました。

ジョアン ヴィクトルが、Jリーグの2026年9月度・J2月間ベストゴールを受賞しています。

磐田が9月のリーグ戦で挙げた得点は、甲府戦の川合徳孟、新潟戦の佐藤大樹、そして八戸戦のジョアン ヴィクトルの3つだけ。つまり受賞したのは、9月26日の八戸戦で決めた、あのゴールです。

井上潮音の浮き球を胸でコントロールして、そのままオーバーヘッド。負けた試合の中の、唯一の得点でした。

あのときは「1点しか取れなかった」という書き方をしましたが、その1点が、月間でいちばんのゴールだったわけです。

この日のジョアン ヴィクトルは先発フル出場とはいかず、69分に太田龍之介と交代しています。それでも、前半はよく体を張っていました。

15位から10位へ。次はアウェイで宮崎

この勝利で、磐田は4勝1分5敗、勝点13。順位は15位から10位へ、一気に5つ上がりました。

順位 クラブ 勝点 試合
1 RB大宮アルディージャ 20 10
2 ベガルタ仙台 20 9
3 アルビレックス新潟 19 9
… … … …
10 ジュビロ磐田 13 10
… … … …
20 北海道コンサドーレ札幌 8 10

勝点13は、8位の藤枝・9位の秋田と並んでいます。1勝で景色が変わる位置に戻ってきました。

秋葉監督が仙台戦のあとに言っていた「中断期間までに最低限、勝点5差まで持ってこられるように」。首位の大宮・仙台とは勝点7差です。まだ届いていませんが、10差から7差になりました。

一方の札幌は、これで最下位(20位)に転落。今季初の連勝を狙った試合でした。

次節は10月17日(土)19時、アウェイのいちご宮崎新富サッカー場でテゲバジャーロ宮崎戦です。

内容はまだ、胸を張れるものではありません。後半のシュート1本は、次も通用するやり方ではない。

でも、まずは止まりました。ここからです。


※スタッツはJ.Leagueサイトのスタッツ(Opta集計)に基づく、試合直後の数値です。本稿執筆時点でJ.League公式の試合記録がまだ発行されておらず、後日数値が修正される可能性があります。なお後半のスタッツは、試合全体から前半を差し引いた算出値です。走行距離・スプリント数は未公開です。
※本文中に引用した秋葉忠宏監督・佐藤大樹・藤原健介のコメントは、いずれも試合前にクラブ公式およびJ.League公式に掲載されたものです。試合後の監督・選手コメントは、本稿執筆時点で両クラブ公式・J.League公式とも未掲載です。公開され次第、追記します。
※PK獲得の場面について、Optaの記録は「佐藤が西野からファウルを受けてPKを獲得する」とのみ記しています。ファウルの種類は確認できていません。

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【観戦記】開始5分で2-0!ゴールは奪える時間帯に奪うべし|栃木C 1-3 磐田 

行って参りました、栃木。
正直に言うと、ちょっと遠いです。関西からだと、なかなかの距離。それでも行くことにしたのは——行かないで後悔したくなかったから。それだけです。
結果は栃木シティ 1-3 ジュビロ磐田。
やった~! 遠征した甲斐がありました。
……ただ、手放しで喜べる内容だったかというと、そこはまた別の話でして。

鈍行で3時間、両毛線に揺られて

我が家の最寄りは新川崎。そしてCITY FOOTBALL STATIONの最寄り駅は、両毛線の岩舟です。

今回は「のんびりホリデーSuicaパス」を使って、鈍行だけで向かうことにしました。新川崎から岩舟まで、実に3時間以上。小山駅で両毛線に乗り換えます。
ちなみに岩舟駅はフリーエリア内なので、今回の行程は往復すべてこの1枚でまかなえました。大人2,850円。CFSへの遠征を考えている首都圏在住のジュビロサポの方は、覚えておくと便利かもしれません。

【おトクなきっぷ】「のんびりホリデーSuicaパス」を使って甲府遠征してみました
↑切符に関して、こちらの記事もお読みいただければ幸いです。

小山駅で乗り換え。ここから両毛線で岩舟へ

両毛線|栃木C vs. 磐田

両毛線|栃木C vs. 磐田


オレンジと緑の帯をまとった車両。行先表示には「両毛線」の文字。

この電車を見た瞬間、「遠くまで来たなあ」という実感が、じわりと湧いてきました。新幹線でびゅんと行ってしまうのとは、やっぱり違うんですよね。車窓を眺めながら、だんだんとアウェイの空気に入っていく感じ。これはこれで、遠征の醍醐味だと思います。

心配していた雨は、思ったほどでもなく

この日いちばん気がかりだったのは、天気でした。

予報では雨。アウェイ遠征で雨となると、気持ちの重さが違います。ところが実際に着いてみると、思ったほど強くない。ぱらぱらと降る程度で、後半には止んでいました。

気温20.7℃。8月末とは思えない涼しさで、むしろ観戦しやすいくらいでした。

CITY FOOTBALL STATION|栃木C vs. 磐田

CITY FOOTBALL STATION|栃木C vs. 磐田


CITY FOOTBALL STATIONは、栃木シティの新しいホーム。今季からJ2に上がってきたクラブの、きれいで見やすいスタジアムでした。遠かったけれど、来てよかったと思える場所です。

キックオフ前のCITY FOOTBALL STATION。まだ小雨が残っていました

バックスタンドから|声が、聞こえる

この日はバックスタンドからの観戦でした。

これが、とても良かった。フィールドが近いんです。

試合の様子|栃木C vs. 磐田

試合の様子|栃木C vs. 磐田


どのくらい近いかというと、選手の声も、審判の声も、しっかり聞こえてくるくらい。コーチングの声、要求の声、笛の前後のやりとり。テレビ中継では絶対に届かないものが、ここにはありました。

生観戦の良さって、結局こういうところなんだと思います。

コイントスの「異変」

そして、キックオフ前に小さな出来事がありました。

コイントスのあと、いつもと攻撃する陣地が逆になったんです。
サッカーではよくあることですし、そのときは「へえ」くらいの感覚でした。ただ——今にして思えば、あれは「今日は何かが起きるぞ」という予兆だったのかもしれません。

そして本当に、何かが起きるまでに2分もかかりませんでした。

開始2分。そして5分。

前半2分。
ゴールを決めたのはイアゴ・テレス。徳島戦で加入後初ゴールを決めたばかりのブラジル人が、いきなりネットを揺らしました。

スタンドは沸きました。沸いたのですが——正直、私の心境は半々でした。
「今日は行ける」と「まだ、わからない」。
だってこれまでのジュビロは、先制してもすぐ追いつかれる展開が何度もありましたから。開幕の秋田戦だって、開始18秒の先制点を守り切れずに1-1。徳島戦も、先に取って43分に追いつかれています。
喜びきれない自分がいました。

ところが、前半5分。
またイアゴ・テレス。この日2点目、5分で2-0です。
さすがに「いつもとは違う」と思いました。思いましたが、それでもまだ落ち着けなかった。2-0のあとの1点がどちらに入るかで、試合の流れは大きく変わりますから。ここで返されたら、逆に苦しくなる。

サポーターというのは、勝手なものです(笑)

43分、3点目

前半43分。
今度はジョアン・ヴィクトル。3-0。
ここでようやく、スタンドの空気が変わりました。「さすがに今日は行けそう」——そんな、ふっと肩の力が抜けるような空気感です。

3点リードでハーフタイム。
御の字です。ハーフタイムのアウェイ側スタンドは、明るかった。

しっかり修正してきた栃木シティ

しかし、後半は違いました。
栃木シティが、明らかに修正してきたんです。

後半12分(57分)、セットプレーの流れからキャプテンの奥井諒に決められて1-3。
「あぁ、やっぱり」。
スタンドにも、そういう空気が流れました。3-0からの1失点は、点差以上に嫌なものです。ここからもう1点入れば、本当に分からなくなる。

秋葉監督は後半17分、イアゴ・テレスとジョアン・ヴィクトルを同時に下げて太田龍之介と角昂志郎を投入。その後も小池直矢、加藤大育、川﨑一輝と、5人の交代枠を使い切って試合を締めにいきました。

そして、逃げ切り。
今節も「やったー!」と「ヤレヤレ」が、両方ありました。

ナイターのCFS。バックスタンドからはフィールドがこの近さ

栃木C 1-3 磐田|スタッツで見ると

項目 栃木C 磐田
シュート 12 14
枠内シュート 2 5
支配率 62% 38%
コーナーキック 3 7
警告 3 0

見ていただきたいのは支配率です。

栃木シティ62%に対して、磐田は38%。3点を取って勝ったチームのほうが、ボールを持てていなかったということです。

現地で観ていた実感とも、ぴったり重なります。後半のジュビロは、ボールを持てていませんでした。そして——正直に書きますが、後半はほとんどゴールの臭いがしませんでした。

一方で、枠内シュートは磐田5本、栃木シティ2本。少ないチャンスをきっちり決め切った、とも言えます。

入場者数は3,566人。曇り時々雨、気温20.7℃、湿度90%でした(主審は田邉裕樹さん)。

試合後の選手は、笑顔ではなかった

試合終了後、選手たちが挨拶に来てくれました。

勝ったのだから、さぞ晴れやかな顔をしているだろう——そう思って見ていたのですが。

試合終了後、アウェイスタンドへ挨拶に来た選手たち

試合結果|栃木C 1-3 磐田

試合結果|栃木C 1-3 磐田


違いました。疲労困憊、という表情だったんです。

もちろん勝った安堵はあったと思います。でも、あの表情は「やりきった」というより「耐えきった」に近いものでした。
それだけ、特に後半は厳しい戦いだったということなのでしょう。スコアは3-1でも、ピッチの上で起きていたことは、数字ほど楽な試合ではなかった。選手の表情が、それを物語っていました。

だからこその、教訓

この試合、振り返るとはっきりしています。

勝因は、ジュビロが流れを掴んでいた立ち上がりの時間帯に、しっかり2点を取れたこと。これに尽きます。

もしあの2分と5分を決めきれていなかったら。もし1点止まりだったら。後半のあの展開で、結果はどうなっていたか分かりません。押し込まれた45分を、リードの貯金なしで戦うことになっていたわけですから。

サッカーには、流れというものがあります。押している時間帯は、必ず終わります。
だから——

ゴールは、奪える時間帯に奪っておくべし!
今日いちばんの教訓は、これでした。

後半の内容には反省点が多い試合です。それでもアウェイで勝点3。天皇杯で宮崎に敗れた悔しさから中2日で、しっかり結果を出したことは評価したいと思います。
これで磐田は2勝1分1敗の勝点7で7位。上位が見えてくる位置まで戻ってきました。

次はホーム、ヤマハスタジアムです。

我らがジュビロ、この勢いのままヤマハで連勝といきましょう!

この日の記録

項目 内容
大会 2026/27 明治安田J2リーグ 第4節
日時 2026年8月29日(土)18:00キックオフ
会場 CITY FOOTBALL STATION
結果 栃木シティ 1-3 ジュビロ磐田
得点 2分 イアゴ・テレス(磐田)/5分 イアゴ・テレス(磐田)/43分 ジョアン・ヴィクトル(磐田)/57分 奥井諒(栃木C)
入場者数 3,566人
天候 曇り時々雨、気温20.7℃、湿度90%
主審 田邉裕樹
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