2017年夏以前のドラマ一覧

Dr.コトー診療所2004 特別編 4話(最終回) 感想|放送してくれた事に感謝。

 

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※本作のシリーズは去年夏の再放送で視聴済みですが、特別編「2004」は未見です。

※本作への愛は足りない頭で1話の記事にしたためたので、

2話以降は純粋な感想として書き残しています。

 

とうとう終わってしまった…。

今後始まるドラマの番宣も特に関係ないのに、なぜ本作が再放送されたのかは分かりませんが、

今の憂鬱なこのご時世に本作を選んでくださってありがとうと言いたいです。

 

Believeのくだり、恐らくノーカットですよね。

歌と共に子供達と星野夫婦の様子を交互に映し出す演出でしたが、

歌詞とシーンごとに映る人物のリンクのさせ方が自然だったからか、

台詞はなくとも剛洋(富岡涼)にはその曲が別れを惜しむ曲に聞こえて、

星野夫婦にはきっと自分たちに希望をもたらしてくれる"かもしれない"励ましの曲に

聞こえたのだろう…という受け手の感じ取り方が伝わって来るようでした。

ここが最大の見せ場だ、ここはじっくり見せないとっていうのがよく分かってる。

 

澄み渡るロケーションの素晴らしさにも勿論魅了されましたけども、

島で流れる時間がゆっくりなように、コトー先生演ずる吉岡秀隆さんの柔らかな話し方も、

"その場の日常"を見せてくれる台詞と台詞の間のテンポ感も、

個性豊かな島の人々の表情や賑やかさも…

全てが心地よく、時に医療業界の現状に打ちのめされて切なく、

でも見終わった後は優しい気持ちにさせてくれる作りが大好きでした。

月並みな感想にはなってしまいますが、直感で「ああ、これは名作だな」と感じた作品は

時間が経ってもやはり色褪せません。

それと同時に、自然な風景に癒されて、こんなに人と人との会話ややり取りを

良い意味でドラマチックじゃなく魅せる作品も最近はあまり見かけなくなったとも

痛感させられる機会でもありました。

 

個人的に気になっていたED映像も、2004バージョンのものが作られていたんですね。

大サビで夕焼けを崖から見上げるコトー先生のシーンがあるのですが、

無印では体育座りで座っていて、2004では自転車を漕ぐ姿勢で立ち止まっていて、

2006では体を夕陽の方に向けて立っているという流れが

「小さなこの島の医者であり続ける"決意"の固さ」の変化を表しているように感じられて

これもまた印象的。

 

剛洋くんが島を旅立ってから16年経つ。

まだ20代となると、プロの下で学んでいるのかな。

コロナ禍だけど、島のみんなは元気にしてるかな。

コトー先生はみんなの命を守ろうと、またあの診療所で新たな挑戦を続けているかな。

時間が経ち過ぎているから気になってしょうがない…けど、

漫画は事実上完結してますし、芸能界引退した子もいるので想像するしかないですね。

 

毎年夏になったらまた「会いたい」作品です。

暇あらば前後のシーズンも見返したいなぁ。

来週から「アンサング・シンデレラ」が始まりますが、

良いバトンタッチになる事を期待しています。

 

 

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Dr.コトー診療所2004 特別編 3話 感想|主題歌だけが不足(泣)

 

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※本作のシリーズは去年夏の再放送で視聴済みですが、特別編「2004」は未見です。

※本作への愛は足りない頭で1話の記事にしたためたので、

前回から純粋な感想として書き残しています。

 

私がドラマを名作だと感じる理由の1つとして「"間"がきちんととれているか」

挙げているんですが、やはりその考えは外れていないようです。

当時も思いましたが、台詞の量も、劇伴のかかるタイミングも絶妙なんですよねぇ…

 

島の人たちでどんちゃん騒ぎする時は思いっきり騒ぐ一方で、

大切な人の命と向き合う時は、やりきれなさと後悔の気持ちを

噛みしめるかのように沈黙の時間が続く。

ここで悲しげな曲調の劇伴を流せば山場として大いに盛り上がるだろうけど、

本作の場合は「あくまでも"添え物"だ」と言わんばかりに

劇伴がかかる頻度がとにかく少ない。

だから、どんな想いで話しているのか、その人にどんな思い出があったのか…

島で交わされている会話の内容にどんどん聞き入ってしまうし、

私たちは画面の外で無関係なはずなのに、

まるでその場にいる人々の間に流れる時間や空気感までダイレクトに伝わって来る

感覚にさえ襲われます。

 

物語は正一(小林薫)と剛洋(富岡涼)の試練のお話。

まずは正一のターン。昌代(朝加真由美)の看病をしながら足を踏み外し、

夫婦共々倒れてしまった時の「自分が"いつもの彼女"を奪ってしまった現実」に

ハッと目が覚めたような表情が切なくて…。

ノートの隅っこの「死にたい」という文字を見た時の彼の心情を表した

小刻みに揺れるカメラワークも、

奥さんとの馴れ初め話を聞いたコトー先生(吉岡秀隆)のシーンも

静かに募る絶望感を覚え、胸がキュッとせずにはいられませんでした。

剛洋の方も、ひな(尾崎千瑛)を危険な場に連れて喘息を起こさせてしまった事に対して

こんな自分が医者になって良いんだろうかという葛藤が最初はあったかもしれません。

 

しかし、どんな状況でも人を支えてくれるのは、自然いっぱいの大らかな島の風景の存在。

崖から見上げる夕陽。辺りいっぱいに咲くひまわり畑。

エメラルドグリーンの透き通った海。そして大海原の中照らされる朝日まで…

風景をメインに人物を引きで撮る映像が多くて、

それが島で懸命に生きる人たちを細やかながら見守ってくれているようで。

どのエピソードもウルッと来てしまいました。

途中でかかった「Believe」も、これからの未来に幸あれ!という

さり気ない鼓舞の気持ちを込めた上での選曲ですよね。

(合唱で歌ったわ。懐かしいねぇ…)

 

剛洋の行為に対して良い所に気づいてくれた親御さんも素敵だけど、

真正面からしっかり叱ってくれる父の存在もまた頼もしく。

人間性が良い人ばかりだから、コミュニティの輪が深まっていくのも頷けます。

富岡涼くんの寝ぼけ眼な演技も、作られた感じがなくて上手かったなぁ。

急に叩き起こされて父の船に乗った不思議な真夜中のこと、

大人になってもふと思い出す時が来るのでしょう。

 

来週で最終回。

お話自体は何も言う事ないし、もう十分満足なのですが…

銀の龍の背に乗って」成分が足りなさ過ぎる。

提供バックで流れただけじゃ満たされん!!(笑)

最後こそあの崖と海のシーンと共に、ガッツリ流してくれますように。

 

 

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Dr.コトー診療所2004 特別編 2話 感想|絶望と希望の狭間で

 

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※本作のシリーズは去年夏の再放送で視聴済みですが、特別編「2004」は未見です。

※本作への愛は足りない頭で前回の記事にしたためたので、

今回からは純粋な感想として書き残していこうと思います。

 

次回予告もエンディング映像もないまま、突然シャットダウンしたかのように

ぷっつりと幕を閉じる。

こんなにも登場人物に未来の兆しを感じさせない

スペシャルはあっただろうか…と驚かされました。

 

連ドラから1年経ったスペシャルとなると、主人公達にまた会えて嬉しいという

懐古的な気分に浸れて、何か話が出てくるたびに「そんな事あったよな〜」と笑えて、

イベントがあるにしてもなんだかんだで解決出来る(?)内容が多いイメージなのですが、

本作の場合は連ドラと変わらないくらいの重い話を持ってくるので容赦ないです。

連ドラなら本数が多いから、ぐったりとさせられる回は続くものの

最終的にはホッとする終わり方になるのだろうというある程度の安心感がありますが、

今回に関しては「これはスペシャル内で解決出来るのか!?」という不安の方が大きいのです。

 

日常を忘れるかの如くお祭り騒ぎを夢中で楽しむ人々の一方で、

頭が病気で蝕まれていく昌代(朝加真由美)のカウントダウンを思わせる対比。

自分が母の異変に気付けなかった事に目を向けたくないからって

「同じ立場」だった父を責めてしまう彩佳(柴咲コウ)と、

悲しい後ろ背中を見せる正一(小林薫)の姿。

そのシーン、2人の様子を延々と映す。

人によってはもしかしたらこれがクドイ演出だと受け取られるのかもしれませんが、

いざ自分が重症の親の子供の立場になって考えてみれば

「あの時ああしていれば」「こうしていたら」のタラレバばっかり

頭の中で反芻してしまうものであって…

それを具現化してみせたようなリアルな長さだったと思います。

うちの母も、歳を取っても全然ボケてないし、週に何回も運動しに行ったりしているけど、

「ピンピンしてる人が病気にかからないとは限らない」んですよね…。

 

コトー先生(吉岡秀隆)は彩佳に

「辛いだろうから、今回は休んでて良いよ」なんて優しい言葉はかけないけれど、

彼女のやりたい事に対しては否定的な発言はせず、素直に受け入れる。

あの騒ぎを見て怒鳴ったり、説教したりする訳ではなく、いつも見守ってくれている。

しかし時に、医者とはどうあるべきか?というプロの厳しさを教えてもくれるから

作品の中心にしっかりと存在感を残す。

医療ドラマでは珍しい"見守り型"の医者でも、人間性や信念は確かに伝わる…

このさじ加減は中々出来ません。

 

絶望に追いやられている人もいれば、

絶望した人の姿を見ても「医者になりたい」という強い夢を持つ人もいる。

生きていくとはどういう事か。人生とは何なのか。

そんな事を考えさせられる回でした。

手術シーンに剛洋の作文音読を重ねる演出は、多様性をも表しているようで

ジーンときてしまったなぁ…。

 

 

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Dr.コトー診療所2004 特別編 1話 感想|名作は最初だけでも泣けるよね…。

 

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えっと…1話感想とは書きましたけど、再び会えて感動したのか

途中まで「2004」とはあまり関係のない懐古話ばっかり書いちゃってます(汗)

どうしても書き残したかったので…すみません…(苦笑)

 

去年の夏頃、夕方の時間に再放送されていた「無印」「2006」を見てました。

無印の1年後を描いたSP「2004」がすっ飛ばされた形の編成だった為あちこちの変化に驚き、

地元のレンタルショップで借りて補完しようにも、在庫がどこもなくて、生活環境も変わって

結局見られず仕舞い…という思いでいた中での今回の特別編放送。嬉しかったです。

 

率直に書いてしまうと、本作は、去年生まれた数々の新作では

太刀打ち出来ないほどの名作でした。

昔の作品でなければ確実に年間ランキング1位にしていました。

先週フジテレビで放送されていた「名場面アワード」の「3分で泣けるコーナー」で、

2006の最終回の、入院中の彩夏(柴咲コウ)にコトー先生(吉岡秀隆)が会いに行く

シーンが紹介されていましたが、それ以上にもっと涙腺抉られるエピソードはいっぱいあるよ!!

と言いたくなるほど、毎回泣かずにはいられない作品だったと思います。

 

特に私が印象に残っているのは、無印の8話のあきおじの回と、

最終回で剛利(時任三郎)が、過去の問題が取り上げられて島を出ようとする

コトー先生を止めに行くシーン。

2006の方だと「来年はお祭り行けると良いね」と心に決めた星野夫婦の回かなぁ。

 

静かに包み込んでくれるような柔らかさがあって、その性格が故にいじられやすくて、

でも時折儚さや哀愁も覗かせるコトー先生のキャラクターは勿論好きだったけれど、

それと同時に剛利の変化の描写にも惹かれて見てしまってました。

最初は誰とも口を聞かなそうな堅物な人が、関わりを通して徐々に心を打ち解けていく…

っていう流れに弱いんですよねぇ…。

「みんなが、俺が、どれだけ…待ってるのか…」

初めて本心がだだ漏れになりかけたこの台詞、今でも覚えてる。

 

確かに「泣ける」作品ではあったけど、それは流れ行く日常の中で経験する

過ちとか、弱さとか、ズルさとか、繋がりの貴重さとか、

そんな人間臭さがしっかり描けていた上でのものだったから。

医療ドラマというよりかはガッツリ人間ドラマだし、

全然縁もゆかりもないのに、島の人々に対してまるで実家に帰省してきた"地元感"さえ感じる。

こんな経験は、今まで見てきた作品の中では初めて。

私の母の実家も小さな島で、毎年夏になるとそこに出かけるのが恒例だった分、

当時(再放送時)は「もうすぐあの島に行けるんだなぁ、泳ぎに行けるんだなぁ」とウキウキして

本作と重ねながら見ていた…のもあったのかもしれませんが。

 

話だけじゃなく、キャッチーでかつ緊迫した雰囲気を生み出す劇伴も、

青と緑いっぱいのロケーションを画面いっぱいに映すシーンと

小刻みにカメラを切り替える手術シーンの演出の対比も、静かにイントロが流れる

主題歌の入れ方、あの目の前にぶわっと広がる海と崖のEDまで、何もかもお気に入りで。

個人的には、脚本が良いと演者も良い、演者が良いと演出も良い、

演出が良いと音楽も良い…と、1つ素晴らしい所があると何もかも素晴らしく見えてくるのが

名作だと思っていて、本作を通して、やはりその法則は間違ってないのだろう…と

確信させられました。

 

ああ…ここまで「2004」じゃなくて本作"自体"の話になってしまった…

それに書きたい事あり過ぎて、いつもよりまとまりのない文章になってしまった…(滝汗)

って事で、ようやく「2004」の話を…w

そうですね。もう、まだ何も始まってないのにロケーションを見てるだけで

泣けてきちゃいましたよね。

剛洋、ちっちゃいね…。恋に落ちたとは台詞で分からせなくとも、

ひな(尾崎千瑛)を映した時の、汗でちょっとベタついた髪と

涼しげでサラサラしてそうな肌のアップで初々しささえ感じさせる演出、堪らなかったです。

 

前後編・計4時間を1時間ごとに分けているので、物語はまだまだ序盤といった所。

けれども、「2006」の内容を知ってるだけに、昌代(朝加真由美)さんや原親子が

今後どうなってしまうかは察しがついていて、"きっかけ"を見るのはとても辛くはありますが、

残り3話もじっくり噛みしめながら見守っていきたいと思います…。

(感想は次回以降も書くかどうかは未定です。)

 

そうそう、主題歌のかけ方の件。

前編の前半なら流れないだろうと予想していたので少し驚きましたが、

えっと…次回予告と同時に…じゃない方が良かったかな(笑)

大音量で「銀の龍の背に乗って〜♪」を堪能した余韻のまま行って欲しかったかなぁ。

 

 

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