2020年冬ドラマ-病院の治しかた一覧

病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 7話(最終回) 感想|すべて救世主のおかげ。

 

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誰かが歩いてくるシーンを見た時点で、察したんですよね。

ああ…そんな展開になって終わるのかと。

 

去年同じ枠で放送されていた「スパイラル」の最終回の内容が、すぐ頭をよぎりました。

その作品はある役者さんのゲスっぷりを楽しんで見ていた部分もあったのでまだ良いのですが、

経営難を、今いるメンバーの努力じゃなくて、結局誰かを救世主として再登場させる形で

全て解決!みたいなのは、ビジネスを扱う「ドラマBiz」の作品としては

雑なのではないかな?と思ってしまうんですよね。

まぁ、再建モノならハッピーエンドにするのがお決まりな訳で、

放送回数が少ないから何とかまとめざるを得なかったのかもしれませんが…

今までの作品はみんな7話か8話で終わっているのだから、

それを参考にしてもうちょっと上手い描き方は出来たんじゃないかという気はします。

 

途中までは好意的に見ていました。

最近の本枠の特徴である「人情」は健在だったものの、

あくまでも前面に押し出す事なく、経営戦略を"主役"、人情論を"脇役"として

ささやかに描かれていて、これは他の作品とは頭一つ抜けた作品になりそうだという

期待も膨らんでいました。

なのに、回を増すごとに人情が主役の物語に…。

 

最初は頼もしく映った有原(小泉孝太郎)がだんだん、

何も後先を考えないでやりたい放題やるお坊ちゃんキャラになってしまったのも残念。

いつの間にか、江口(稲葉友)の成長と振り回される倉嶋(高嶋政伸)の方に

同情する気持ちで見てしまってました。

今思えば、この主人公も今期の迂闊ファミリーの一人だったのかもしれません(苦笑)

 

前回でも書きましたが、3ヶ月後、半年後といった過程すっとばし展開だったり、

反対意見しか言わなかったイメージの医者達が急に漂白されたりと、

「再建モノ」「連続ドラマ」らしい醍醐味があまり実感出来なかったのも

何だかなぁ…という感じで見終えた作品でした。

 

来期のこの枠はラーメン屋再建物語。

月9の某続編が、正直あまり気乗りしないので、

そっちが面白ければ良いな〜と思っているのですが…

「ラーメンハゲ」の主人公を女性に変えてしまった件がちょっと気になりますね。

"大人の事情"が強く出た作品にならない事を願いたいですけども。どうでしょうか?

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 6話 感想|最終回に合わせて副頭取がピンチ!

 

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今回は一人の患者・芳恵(市毛良枝)に焦点を当てたエピソード。

なので、患者が何に困っていて、その悩みをどうやって解決してあげたら良いか

医者達が向き合っていく流れは「ザ・医療ドラマ」といった感じですが、

ただの熱心で人想いな主人公…で終わらせない本作らしさもきちんと残せています。

そこから経営のヒントを得て、退院後とのギャップを埋める

「退院支援プラン」という発想も興味深く。

今までで一番、医療ドラマと再建ドラマのいいとこ取りが出来ていた回でした。

 

しかし、ここまで視聴してきて、ちょっと個人的に引っかかる部分もありました。

それは、有原病院の再生計画に"変化"や"復活の兆し"があまり感じられない…という点。

経営面ではまだ半人前なものの、有原(小泉孝太郎)に仕事の腕があるのは確か。

倉嶋(高嶋政伸)も江口(稲葉友)も頼りになる存在。

ですが、基本的に話の構成が、有原の暴走で「〇〇を取り入れよう!」と難題を提案→

他の医者や事務員と意見が合わなくて対立→改善案を考える→ハプニング→

ヒントを得る→上手くいきそう という多少堂々巡りな展開になっており。

肝心の計画の描写過程も、物語の終盤になって1ヶ月後、3ヶ月後…ですっ飛ばされてしまう所が

惜しかったのかな?と思いました。

つまり、駆け足気味だったんですよね。

話数が2、3話多ければもう少しゆとりがあったのかもしれません。

 

で、まるで、最終回に合わせて倒れてしまった!感の漂う米田(中村雅俊)。

ある意味衝撃的なラストでした。いや、予兆もなく急過ぎるやろ!って。

さすがにここは実話ベースじゃないですよね…?(笑)

まさか、某元教師の毒入り羊羹を食べさせられたとか…

 

次回で最終回。

「行く道が暗くとも恐れることはない」「手にした灯りを頼りに進んでいけ」

無事に灯りが消えないまま終われると良いですが…。

どんな着地点になるのか、半分不安で、半分楽しみです。

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 5話 感想|信頼関係が保てるかどうかは医者次第…

 

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難題を押し付けられた江口(稲葉友)が

第二の野林先生のようになってしまうのではないか…とハラハラしながら見続けた前半。

でも、こんな仕事向いてないと言っていた彼でも、最後までめげずに辞めなかったのは

倉嶋(高嶋政伸)の説得のお陰。

今回の内容は人情寄りに傾いている感じはしますが、「人情で片付けちゃったよ…」とは

全然思わないのは、励ます相手が主人公ではなく

あえて門外漢同士の倉嶋にした…という所が良かったからかもしれませんね。

 

長年経験を積んできた者から発せられる「富山の薬売り」作戦も興味深く聞けました。

以前にあった「5本の指の向き」論もそうでしたが、

ビジネスモノらしいゴリゴリの専門用語を全く使わずに、

視聴者にも身近に感じてもらえるようなテーマや出来事を取り入れて説明させる

台詞運びが、本当によく出来ているなぁとも思わされます。

 

江口くんのお仕事描写は、従来の「お仕事ドラマ」のベタさはあるものの、

誰かのために頑張り、やがてその努力が報われる…というエピソードにはやはり弱く、

突っぱねられる姿を散々見てきた分泣けてしまいました。

倉嶋さんがいてくれて助かった。田端さん(角野卓造)がツンデレで良かった。

有原先生(小泉孝太郎)には、どうか、時間外労働手当と特別業務手当を

しっかり出してあげて欲しい限りです(笑)

 

3ヶ月が過ぎて、地域医療ネットワークの登録者は70人を突破。

…ですが、開業医をバカにするような、相変わらずプライドがガチガチの医者達が

果たして信頼関係を保てるかどうか?は甚だ疑問です。

いくら江口くんが1人ずつ丁寧に接し続けて良い印象を持たせた所で、

紹介元の医者が有原病院の医者達の対応を見て「こんな病院、任せるんじゃなかった!」と

関係を切ってしまっては、元も子もないですからね。

 

有原や倉嶋には優秀さや仕事の腕前は確かに感じられますが、

一方で他の医者達はただ文句を言っているだけ…というイメージしかなく、

仕事はちゃんと出来る人なのか、その描写が不足しているんじゃないかとは

最近思っております。

そこが唯一惜しいポイントかなぁ。

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 4話 感想|今でしょ!な院長と慎重な事務長の対立…

 

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患者を救う事と改革で頭がいっぱいいっぱいになっていた有原(小泉孝太郎)が、

妻・志保(小西真奈美)との会話で思い出した「病気を診るな、病人を診ろ」や

病院に訪れた娘・彩名の母親(安藤玉恵)との関わりによって、

忘れかけていた"病院"の原点を取り戻す…といった、

例えるならば、「起承転結」の「転」のようなお話でした。

再建ドラマの印象があった本作ですが、今回は患者と向き合う点で

医療ドラマならではの要素が前面に押し出されてきたのにも珍しさがありましたね。

 

再び戻ってくるであろうと微かな期待を寄せていた野林は、

結局壊れたままで、病院に戻ってくる事はありませんでした。

有原の、リスクを拒まず、「今やらないでどうする!今でしょ!」な積極的な性格には

確かに頼もしさはありますし、将来的には看護師や医師からの人望を集める

存在にはなるのかもしれませんが、その"積極性""力強さ"が

誰かにとっては体に毒だったりする…というのを垣間見たエピソードでした。

 

けれども、気休めではなく、キャリアを重ねて調べ上げてきたデータに基づいて

彩名の母の自信を取り戻させる有原の姿にはやはり頼もしさがあって。

「経営も診察も出来るスーパーマン」ではなく、

「突っ走って行くが故に失敗もしてしまう"完璧そうで実は完璧ではない一人の人間"」

として主人公を描こうとしているんだというのがより伝わる内容となっており、

今後も安心して見られそうだ…と強く思わされました。

 

まず人員を確保しなければ、24時間365日体制も野林先生のように

精神的に追い詰められる人が増えて行く訳で、その点では有原の考え方には

多少賛同出来る所はありますが、金銭面に関してはまだまだ甘ちゃん。

倉嶋(高嶋政伸)の方が銀行に勤めていただけあって

戦略を見抜く力には長けているので、衝突してしまうのも仕方ないんですよねぇ…。

 

産科の復活までの過程が、半年後で飛ばされたのにはビックリしましたが、

前途多難な展開はこれからも続くようですね。

全8話だと考えると、あと数話分で復活の兆しは見えてくるのか?

駆け足にならないか?は若干心配ではありますが…果たして?

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 3話 感想|同じ方向を向けない人が一人…

 

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デザイナーの奥さんには後で報酬を払ったんだよね?とか、

再建モノだから、採用試験の様子をチラッとでも見たかったような…とか

少し気になる所はあるのですが、

磯野貴理子さんを始めとした看護師達を、後になって人情で連れ戻す…なんてしない

主人公がとにかく良いですね。

5本の指の話もスッと腑に落ちる。

また一歩前へ前へと踏み出そうとするチームの姿を見た回でした。

 

そんな有原(小泉孝太郎)が提案したのは、24時間365日の病院体制。

平日は会社勤め、昼間は育児や家事に追われていて…で、中々行ける機会のない人にとっては

これはかなり有り難いでしょう。

コンビニのような感覚で、ちょっと困った事があっても

すぐに立ち寄れる安心感があります。(コンビニに例えるのもなんですが。)

 

けれども、その「行きやすさ」が原因で病院側の混乱を招いてしまうのも事実…。

夜中の時間帯の方が、風邪やインフルにかかっている子供とその親が多く来ている状況から、

子供が早くよくなって欲しいと願っていても、病院がどこも閉まっているから

「助けて」と声をあげられないまま苦しんできた母親がいっぱいいたのだな…という

現代社会の問題をも彷彿とさせられ、

病院自体、特に24時間体制の病院が如何に不足しているかを考えさせられてしまいました。

 

救える命が増えるのであれば、病院にとっては嬉しい事。

ですが、いきなり条件が変わって、医師や看護師もずっと前を向いてはいられないでしょう。

「根性とやる気だけで片付けられる話ではない」

次回、その点を踏まえて、精神的に参りそうな予感の小児科の先生のエピソードも

しっかり描写してくれる事を期待しています。

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 2話 感想|来る者拒まず、去る者追わずの精神。

 

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これは脚本の力が大きいでしょう。

主人公が魅力的に映るように、設定や見せ所が堅実に構築されています。

 

有原(小泉孝太郎)が発する言葉1つ1つに考えさせられるし、腑に落ちる…

それも、思い込みをせず客観的に物事が見られる奥さんの存在がいるからなんですよね。

お仕事ドラマでは話の腰を折りがちな家庭パートですが、

主人公が行う改革のヒントに繋がるキーポイントとして重要なものだと

思わされる絡め方が上手いです。

 

どんな対策を考えたか、何に疑問を持ったのか…といった

人事制度について話し合う様や、

倉嶋(高嶋政伸)が本来の職とは全く無関係の場所に出向させられ

改革案を任される様は、ちょっと「先に生まれただけの僕」を彷彿とさせられてしまったり。

やはり、企業のビジネスには必要不可欠な「戦略」が見えるドラマは、

そうも考えられるのか!という色んな意見が出て来て興味深いですし、面白い。

 

有原が「2・6・2の法則」とうたっていたように、

後は付いてきてくれる仲間が増えてくれれば良いのですが…

何かあったら集団で反対運動!プライドは高し!な

頭カチカチの医者や看護師だらけなので、ここはまだまだ道のりは長そう。

 

早く「"先生"と"さん"の線引きって何だろうね?」と言われないくらいの

プロになっていただきたいですね。

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 1話 感想|ちゃんとしたドラマで安心した。

 

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人情で片付けない。やんわりとした結末じゃない。主人公の腕前が具体的に分かる。

 

ここ最近の「ドラマBiz」の作品は、お仕事ドラマの醍醐味だと思っている上の3つを

満たしてくれない物続きでリタイアも多かったのですが、

本作は久々にちゃんとした作品で安心した…

というのが、初回を見ての第一印象。

実話ベースなのが、やはり強いんでしょうね。

 

リスクを背負う事から逃げる保守的な役員と、"変化"よりも"安定"のままでいたいという

ぬるま湯に浸かる医者や看護師のいる病院に、

事情を深く知らない経営者・有原(小泉孝太郎)がやって来る。

初回はざっくり言えばこんな話。

 

確かに有原の「切り捨てる」行為は、彼の真意を理解していない者からしたら

冷酷で薄情者だ!と思われるのも仕方ないのかもしれません。

けれども、視聴者には、なぜその改革をしたのか、

改革をする事でなんのメリットが生まれるのか、

病院に携わる人々にどうしてもらいたいのか…が台詞や動きを通して伝わるから、

最後で叔父の健次郎(光石研)の解任を求めたのだって

「思いやりがない」じゃなくて「ちゃんと考えてやっているんだ」という信頼を

主人公に寄せる事が出来ました。

 

経営では最初にやりがちな人員削減ではなく、医療器具や文房具のコストから…

という目の付け所が面白かったですし、

何より、スナイプおじさんではない誠実な小泉孝太郎さんと

善人な高嶋政伸さんが見られるのは新鮮。

また、この手のドラマの銀行サイドに悪人ばかりではないというのも珍しい。

(会食での陰謀シーンは、日曜劇場の池井戸作品らしかったけど(笑))

 

患者に向き合う医療パートの方はベタな感じはするので、

次回以降も「病院を舞台とした再建ドラマ」として、本作を見てみたいです。

という訳で…久しぶりに視聴継続決定!

 

 

(ちなみに、月曜日は0時からあるバラエティ番組を見る都合で、

月9と月10の感想をどちらに絞ろうか…の件に関しては、まだ保留で。)

 

 

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