2024年春ドラマ-9ボーダー一覧

9ボーダー 1話 感想|金10の皮を被った火10だった。

 

 

※「川口春奈ちゃん可愛い!」「松下洸平くんやばい!!」「キュンキュンした!」など、

本作の初回を好意的に視聴出来た方は、この感想を読まない事をお勧めします。

もし読んで下さる方がいらっしゃいましたら、

こんな意見もあるんだな〜と捉えていただいて…自己責任で、お願いいたします。

 

記憶喪失……また!?

コウタロウ(松下洸平)が記憶喪失の設定だと分かった時、

一緒に見ていた母と「また!?」って笑っちゃいましたよw

月曜10時には、今日の出来事を明日には忘れてしまう記憶障がいの医者がいて、

火曜10時には、好きな人に指輪を渡す前に事故に遭い記憶障がいになったヒロインがいる。

もっと関連させるなら…月曜9時には、事故で意識不明の状態になってしまった彼氏がいて、

火曜9時も同じく、12年前に事故に遭って以降消息不明だった元彼がいて、

木曜10時には、何者かに襲われて5ヶ月も眠らされていた元記者がいる今期の春ドラマ。

↑こうして箇条書きにすると、事故ばっかりで頭がおかしくなりそう(笑)

 

いろんなドラマを見てきて数年間、今期は弁護士モノ多いなぁとか、医療モノ多いなぁとか、

最近はタイムスリップモノも増えてきたよねぇとか

そういったジャンルの偏りを感じる事は時々あったけれども、

「主人公(主要人物)が不幸な出来事に見舞われる」という設定だけで

ここまで被る事も中々ないですよね。

何なら、初回を見ていて一番面白かったのって、設定被りだったかもしれません(苦笑)

 

内容自体は…まぁそうですね。

「やっぱりね」どころか、「なんでそうなっちゃうのか…」といった感じでしょうか。

予告映像の時点で、松下洸平さんや木戸大聖さんを

やたらかっこよく撮ろうとするカメラワークを見て(実際かっこいいんですけども)、

胸キュン路線に走るんじゃないか?なんて嫌な予感がしていたんですが。

いざ蓋を開けてみたら、父の失踪と言い、先ほど書いたコウタロウの記憶喪失と言い、

なぜかミステリー要素も盛り込んでいて、

で、結局本作って何を描きたいんだろう?とモヤモヤしたまま見終えてしまいました。

 

…コウタロウの設定の必要性について、物凄〜〜〜く好意的に解釈してみれば、

年齢や固定観念に囚われない

生き方をしている点で(「記憶を失ったのに幸せそう」と言われていた事から)、

結婚で悩む七苗(川口春奈)にとっては憧れの存在になるのかもしれない…という意味合いで

加えたんじゃないかとも考えられるんですが、

何か過去に秘密を抱えてそうな描写をチラつかせているため、

現時点では、なくても良いなぁって思っちゃいますし。

父親の失踪についても、自分がいなくなる事で三姉妹が現在や将来に向き合うようになる

きっかけに繋がったとしても、それなら大怪我を負って3ヶ月の間入院…でも

成立出来そうだなぁと思えてしまいます。

19歳、29歳、39歳の女性が自分の生きる道を模索している物語という事で、

実質、主人公が3人の状態になる訳で。

それぞれの日常や人間関係を描くだけで

ただでさえ話が散漫になってしまいそうな可能性を孕んでいるのに、

なぜそこまでして考察好きな視聴者も取り込みたいのか、よく分かりませんでした…。

 

演出面で言えば…何だか、プロモーションビデオっぽい印象も残りましたね。

気のせいかもしれませんが、役者さんをアップで撮る頻度が多かったような?

放送開始56分過ぎからの映像は、挿入歌をバックに主人公たちの動向は

無音で展開されていて、アスペクト比の変更込みでMVみたいな作りでしたし。

七苗とコウタロウがバスに乗って、一緒に桜の木を見たり、

コウタロウがいつの間にか七苗の肩を借りて寝ちゃったりしているシーンなんかは、

バラエティ番組内のコーナーだかで、視聴者投稿の再現ドラマを見ては

ワイプで芸能人がキャーキャー喜んでいる図が容易に浮かび上がってきました(苦笑)

「じゃあ、俺の事好きになって良いよ。俺もきっと、君を好きになる。」

歌詞にありそうなこんな台詞、自分に自信がなければ言えないでしょう。

…キュンキュンされている方をSNSでお見かけする度、

私はお客さんじゃないんだな…というのを痛感してしまって。

捻くれ者の私としては、七苗が勇気出して本音を吐露しているんだから

寝ないで話を聞いてあげてよ〜とか、

手が届きそうなくらいの距離で桜が見られて、しかも満開なら、

予約客で埋まりそうなのになんであんなにバスがガラ空きなんだとか、

胸キュンよりもツッコミの方が勝ってしまいましたとさ…(汗)

 

「歳とるごとにどんどん1年が早くなるっていうの、あれマジだな」

「なんか、歳重ねて自由にやれると思ってたけど、どんどんやりたい事が遠くなる感じ」

「昔は29なんて、立派な大人だと思ってた。もしかして、結婚もしたりしてるかなぁって。」

上記のように、時々グサッとくる台詞もあっただけに、

ミステリー要素や恋愛要素が本筋を食ってしまっている事が実に勿体ないですね。

恋愛や結婚の選択肢も、生きていく上で避けられないのは分かっているので、

「恋愛を盛り込むな!」とは言いません。

ですが、何も三姉妹全員、恋愛を絡めて、姉妹内と幼馴染で三角関係の展開をやらなくても。

特に19歳の八海(畑芽育)に関しては、結婚よりかは就職や進路で悩む描写を優先した方が、

共感出来るキャラクターになったのではないでしょうか。

 

あと、TBSのドラマの特徴の1つとして、今時っぽさを取り入れた、

「こんな会社で働きたい!」って思えるような企業の作り込みの高さは、

良い所もあれば良くない所もあると思っていて。

これからすんごい惨めな事を言いますが…

オシャレな会社に就職していて、オシャレな服を着ていて、

オシャレなご飯を食べていて、オシャレな家に住んでいる七苗を見ていたら、

「いや、リア充じゃない?」っていう気持ちになってしまって、

彼女が将来に悩んでいる姿も伝わりづらかったです。

現実世界では、あんな風に規模大きめで、福利厚生充実してそうな会社に勤めている

彼女と同じくらいの年齢の人って、そう多くない気がするんですよ。

 

「着飾る恋には理由があって」スタッフによる新作が金10枠で放送されるという事で、

何となくお察しはしていましたが(ちなみに当時、その作品は最終的に好んで見てました)。

もうちょっと、現実味のある設定、世界観にして欲しかったです…。

そして、本作の感想は次回以降書くつもりはありませんので、最後にもう1つオマケで本音を。

若手社員が常識ないみたいなステレオタイプな描き方も、もう終わりにしませんか?

 

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