2023年09月一覧

パリピ孔明 1話 感想|アヴちゃんのキャスティングは天才!

 

 

本作の初回放送日までに秋ドラマの「視聴リスト&期待度」の投稿が間に合わなかったので、

視聴前に感じた事を絡めながら、感想を書いていこうと思います。ではでは…

 

原作は未読、アニメも未視聴。

でも、アニメを普段あまり見ない私でも、本作の名前は知っておりました。

そんな有名作の実写化の脚本を担当されたのは、根本ノンジさん。

「監察医 朝顔」「ハコヅメ」「サ道」「正直不動産」など、

もはやその道の専門家と呼べるほど

数多くの原作の実写化を任されている脚本家ではありますが、

個人的には作品の良し悪しが激しいイメージが強くて…。

特に最近だと「祈りのカルテ」「合理的にあり得ない」と

コメディパートが空回りしている作品が続いたので、

本作も出オチで終わってしまうんじゃないか?という心配を抱きながら

初回を視聴する事となりました。

 

で、初回を見た感想は…「なるほどね」といった所でしょうか。

変な感想ですけど(笑)

正直、私としてはイマイチ掴みどころがなくて、面白い!までは行かなかったんですよねぇ。

それは多分、現代の渋谷に中国の偉人が現れるというトンデモ設定なら

突飛な描写をしてくれるだろうと期待していた節があったのかもしれませんし、

序盤のテンポの悪さと、コメディとシリアスの緩急の鈍さも

関係しているのかもしれません。

まぁ要するに…予想よりもしっとりした作風に面を食らったんだと思います。

 

じゃあなぜ「なるほどね」と感じたのかと言えば、

初回で、本作が何を描こうとして、どんな方向性で行くのか

スッと理解出来る内容になっていたからなんですね。

分析力に長け、ずる賢いやり口をする孔明向井理)が、

ダイヤモンドの原石である英子(上白石萌歌)を一人前の歌手にするまでサポートする。

キャラクターの立たせ方が意外とちゃんとしていたのはもちろん、

三国志での技が回収される形で、英子の集客作戦に取り入れられていたので

三国志を全然知らない私でも勉強になりつつ楽しめました。

 

先ほどは面を食らったとは書きましたが…内容全体を通して見れば、

当時とのギャップに戸惑うコミカルなくだりを長々とやらず、

手を組んでから孔明の優秀さを示すまでの流れをスムーズに描き切ったのも英断でしたし。

毎回孔明が、現代人の想像斜め上を行く策を披露する展開が用意されているんだとしたら、

今度はどうするんだろう?なんて

次の話にちょっとだけ興味が持てる仕上がりになっていた気がします。

 

肝心の音楽方面も、力の入りようが凄かったですね。

アニメ版は見た事はないので分かりませんが…

恐らくそっちでは曲自体を作り込んでいる代わりに、

本作では、例えば今回だったら「アヴちゃんが歌ってる!」

「菅原小春さんがパフォーマンスしてる!」「関口メンディーさんって歌も歌えるんだ!」など、

実際にアーティストとして活躍されている方をキャスティングする事で

サプライズを生み出しているのが特徴的です。

バックダンサーも本格的で、まるでライブを見ているかのような錯覚にも陥ります。

これらの手法はテレビだからこそ実現出来る訳で、

テレビならではの持ち味を分かって、存分に活かしている所は流石だなぁと思わされました。

 

そして、音楽パートの演出も何気に良くて…

誰かが歌を披露する際に歌詞が表示されるんですけど、毎回ではないんですよね。

表示されたのは、孔明が聞き惚れたらしい英子の最初のシーンと、

英子が歌手の道を改めて目指すきっかけとなった

マリア(アヴちゃん)のシーンと(高音の響きが素晴らし過ぎた…惚れ惚れ)、

英子にとって後のライバルとなるミア(菅原小春)のシーンと、

重要人物になる事を示唆している前園(関口メンディー)のラストシーンの4回。

どれも誰かのターニングポイントとして意味のあるものになっていて、

視聴者には「ここは重要だからしっかり見た方が良いよ」と

教えてくれているかのようでした。

 

前作に続き、「自分には才能がない」と悩み苦しむ英子だったけれども、

彼女の歌を聴いた孔明は、彼女の歌なら間違いなくお客さんを引き止めてくれると信じて

あの作戦をとった。

争い事を起こさない、全ての人に光が当たるような穏やかな世界を現代で作ろうとする

孔明の誠実さと優しさが滲み出た結末も、さり気ない人情味を感じさせてほっこりしました。

本作が9月スタートなのも、

12月上旬と中旬に放送される「FNS歌謡祭」に合わせての事でしょうから…

もしこのまま好評だったら、役のまま飛天でパフォーマンスを披露するなどして

ぜひともコラボして欲しい限りです。

 

という訳で、とりあえず、裏のドラマが始まるまで(3話まで)は感想を投稿すると思います。

4話以降は…裏と相談しながら継続するか決めようかな?

あっちは金子脚本ですからねぇ…

両方は中々最後まで書けないのもあって、ドラマ被り、本当に困ったもんです(笑)

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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トリリオンゲーム 10話(最終回) 感想|2人のワガママはまだまだ止まらない!

 

 

放送から1週間以上経ってから書くんかい…遅っ!!今更!?

ってツッコミがあちこちから聞こえてきそうですし、どうせ読まれないかもしれませんが(苦笑)

最終回なので、日付をいじらずに感想を投稿する事にしました。

ではでは、内容の方をば…

 

最終回もまぁ〜、良くも悪くもサクッと終わりましたね。

ハル(目黒蓮)のトレードマークである青いスーツが、ドラゴンバンクに寝返って以降

徐々に黒いスーツや黒いネクタイへ…最終的にはシャツも黒く染まる事で

彼の心境の変化を仄めかす見せ方にはゾクゾクさせられたんですけど、

「実はこうで…」と手の内を明かし始めたのが放送開始から約17分だったのが

いくらなんでも早過ぎました。

前にも書いた通り、私たち視聴者はハルがハッタリをかますのを知っていて、

今の発言もどうせ作戦なんでしょ?あとでひっくり返すんでしょ?と思いながら見ているので…

ギリギリまで引っ張って欲しかったですし、もっと動揺したかったです。

これが、緊迫感をイマイチ演出出来ていないと感じた1つ目の原因ですかね。

 

もう1つは、黒龍國村隼)をギャフンと言わせるまでの過程です。

馬の置物の目に監視カメラを仕掛けていた所は

やはり一枚上手の人物はこうでなくっちゃ…と感心したんですが、

自分のパソコンのカメラがいつの間にかハッキングされていたって、

大ボスとしてはチョロくないですか?(笑)

大体、ガク(佐野勇斗)が作業員の格好で社内の機密情報を盗んだついでに、

パソコンを2台使ってハッキング作業もしていたんなら、

その様子も馬の目のカメラに収められているはず。

黒い大企業らしく不正献金疑惑の方は隠蔽し、

不法侵入&情報窃盗をしたトリリオンゲームの行為を世に晒すと脅迫する形をとっていたら、

優勢だった2人が窮地に追い込まれていたと思うんですけど…

そこはスルーして、まんまと言いくるめられてしまった辺りに、

ちょっとした都合の良さは感じてしまいましたね。

 

全体を通して言えば…黒龍の脅威の描写にしても、

國村さんの威圧感漂わせる佇まいは、ベテラン役者ならではの説得力を感じさせたのですが、

「パクッといただく」具体例でやっている事は

ライバル会社のアイデアのパクリばっかりだったのがワンパターンで、

悪役としては魅力的に映りにくかったと言いますか。

むしろ、秘書・長瀬(竹財輝之助)がトリリオンゲームの社員に協力してもらって

やった行為の方が恐ろしく見えちゃって(笑)

ハルもハルで…最終回にしてようやく罪を問われていましたけど、

それよりも前に詐欺や偽造といろいろ悪事を働いていた訳で。

世間の流行に流されていく中で、会社が様々な事業に踏み込んでは

急スピードで大出世している事に

不信感を覚える人がどこかしらにはいただろうし、

有名になればなるほど注目度が上がって、記者に実態を目撃されるなんて事もあっただろうに…。

そういったリアリティはなく、「そんなに上手く行くのか?」という不安をよそに

トントン拍子で成功していったのが、

個人的にはあまりハマれなかったんだと思います。

 

仮に成功するのは良いとしても。

例えば、後半戦に突入して以降、

記者のパパラッチでハルの行為が記事で暴露されそうになるとか、

ハルの暴走を止める描写を強めるなどして

社内での衝突や葛藤が色濃く描かれていたら、また作品への印象も違っていたのかもしれません。

 

じゃあ、ここまで物足りない部分を書いておいて、

なぜ最後まで感想を書き続けたのか?と聞かれたら、

本作の描く「友情」「信頼」に惹かれたからなんですよね。

ハルがガクにも活躍の場をしっかり設けてくれたり、

ガクが何か成果を成し遂げた際には、ハルが笑顔を浮かべていたり…

ビジネス面は微妙でも、「相手に託す」姿が一貫して描かれている所がお気に入りで

見ているようなものでした。

凛々(福本莉子)も含めて、人間関係が苦手で口下手だからと言って、

社会で通用しない訳じゃない。その人の良さを見てくれている人は必ずいると。

2人と同い年くらいの時に就活に苦労して、

自分に自信が持てなくなった時期があった私が強く共感したように、

そんな不器用な人々にエールを送ってくれているかのような作りに

心を突き動かされた視聴者もいたんじゃないかな…と思うのです。

 

未完の原作を実写化するとなると、最後の方は大抵惜しい作りになってしまいがちですが、

本作の場合は若者らしい勢いはそのままで、小気味良さ溢れるラストになっていましたね。

未来パートについても、ちゃんと納得いく形で収まりましたし。

「終わり良ければすべて良し」とはまさにこの事で、

2人は今度はどんな作戦を仕掛けてくれるんだろう?とワクワクしながら

見終える事が出来たのは良かったです。

 

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PS.ここからは超個人的な事を。

後半は遅れ投稿になりつつ…金曜日のドラマの感想、久しぶりに最終回まで書いたぞ!!

金曜日と土曜日は次の日が休みなのを良い事に、疲れがドッと溜まって寝落ちして、

時間が経ってから書こうとしても面倒臭くなって

つい途中で諦めてしまいがちなので(汗)←言い訳ですみません^^;

来期は「何食べ」がありますし、土10も悪くなさそうな感じなので、

金土どっちも書きたいなぁ。

 


この素晴らしき世界 特別編 感想|カオスなままで終わったw

 

 

最終回の感想も結局書かなかったので(一言で言うなら、あのシーンを見せたかったのなら

大女優になりすました妙子が芸能界で引き起こすドタバタ劇を

もっと描いて欲しかった…って所かな)

特別編も見るだけで良いや〜と思っていたんですけど、

割と面白くて、書きたい!って気持ちになっちゃいました。

なんなら、本編よりも楽しめたかもしれません(笑)

本編もあれくらいテンポが良ければねぇ…

妙子(若村麻由美)と直接関係のないサイドストーリーばっかり広げたから

物語の停滞感も招いてしまう訳で…色々やりようはあったのに勿体なかったですね。

まぁ、残念な部分への言及はもう終わりにしておいて。

 

フジテレビの制作する「特別編」となると、

大抵、新撮エピソードは"おまけ"程度で、今までの振り返りが多い

どちらかと言うと「総集編」の作りになっているものがよく見受けられたんですけど、

本作の場合はまず、妙子の事情を唯一全く知らない真由美(猫背椿)視点で

話を進めているのがナイスアイデアだなぁと思わされました。

だからか、妙子が誘拐された!と慌てる所から始まって、

裏社会と繋がってるんじゃないかとか、もしかしてあの旦那が殺したんじゃないかとか…

事情を知っている立場からしたら、真由美の妄想が大爆発して

どんどん飛躍していっているのが面白くて面白くてw

猫背椿さんの巧みなコミカルな演技が大きいんだと思いますが、

特に序盤の、妙子の自宅に押しかけて、陽一(マキタスポーツ)やあきら(中川大輔)と

やり取りをするシーンなんかは、まるでコントを見ているようで一々笑えました。

 

今までの振り返りも、回想が続けばそれはそれで

「総集編」気味にはなってしまうんですけど、工夫されているなぁと。

順を追ってではなく、登場人物に合わせて再構築されていて、

基本的に、真由美の推測や人物紹介の補完の意味合いで

回想が挿入されていっているので、そこまで退屈には感じませんでしたね。

 

そして、「陰謀論なんか大好物」と言われてしまう

真由美の暴走を見るだけでも十分楽しめたんですが…

何と言っても驚いたのが、妙子似のイタリア人まで登場してきた所でしょうか(笑)

まさかのなりすまし3人目!!!

パッと見た時、妙子ではないなぁ…とは分かったんですけど、

若菜が演じているんだとしたら、やけににこやかだし、挙動不審だし、

喋れない設定にする必要はないよなぁ…と妙に感じていたので、最終的に納得しましたw

キャストをほぼ大集結させる事に加えて、大胆な設定まで盛り込むという充実っぷり。

まさしく「特別編」という名にふさわしい内容だったと思います。

 

最後は脱線して…これまた感想は書けずじまいだったので、

この間放送されていた「ミステリと言う勿れ 特別編」にもちょっとだけ触れますが、

その作品も単なる振り返りではなく、

連続ドラマ時代の初回+新撮エピソードの二部構成になっていて。

以前見ていた視聴者にとってはおさらいにもなるし、

初見or最初の方は見ていなかった視聴者にとっては、どんな作品なのかが理解出来るし、

新たな登場人物が劇場版にも絡んでいるって事はなく、

特別編は特別編でしっかり物語を完結させていた所が潔いなぁと思っていたんですよね。

月9が一番原因を作っているのでまだ分かりませんが…

世間から散々「総集編じゃないか!」とツッコまれた事で

「特別編」への意識が少しずつ変わってきているのかな?

短い期間で2作連続で好印象を覚えたので、書いてみた次第です。

 

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ばらかもん 11話(最終回) 感想|"ともに"生きていくんだね。

 

 

なる(宮崎莉里沙)はやっと「お父さん」と呼べたけれども、

正式に"親子"の関係になってからは

父・優一郎(岡田義徳)とは再会出来ないままでしたし、

美和(豊嶋花)もお酒や経営の勉強をするシーンはなし。

そして、調理師を目指しに東京へ行った浩志(綱啓永)もまだまだ駆け出しの状態で…と、

それぞれの未来を描き切らないまま終わった最終回。

最後だからと何年後の世界もガッツリ描かない所が、

島ならではの伸びやかさも感じられつつ、余韻が残っていて良かったです。

 

もしかしたら続編があるのでは?って期待するよりかは、

このドラマの世界で生きる人々の日常は、私たちの見えない所でも

今後ずっとずーっと続いていくんだろうなぁ…と想像出来る、

そんな内容に仕上がっていました。

 

ただ1つ惜しい所を挙げるとするなら、

「田舎は温かい」「田舎の人は優しい」といった先入観を持つYouTuberが

清舟(杉野遥亮)との関わりを通して変わっていく前半のエピソードは、

別に最終回に持ってこなくても…とは思いましたね。

「先入観の払拭」を描いた前半と、「離れていても繋がっている」を共通項に

清舟と清明遠藤憲一)、なると優一郎、美和と巌(宍戸開)の

3組の親子の強固な関係性を描いた後半のエピソードはテーマが違い過ぎて、

個人的には、同じ1話内での話なのに全然噛み合っていない印象を受けたのです。

実際、CMが明けてからYouTuberはしれっといなくなっちゃってましたし(笑)

清舟が島の人として認められる回は以前にありましたし、

YouTuberと対になるようにして描かれた、郷長(飯尾和樹)の

"田舎の人だから"優しいって訳じゃなく、

1つ1つの行動にもちゃんと理由があるのだととれる発言はタメになっただけに、

清舟と、過去の自分を彷彿とさせる彼らの交流は

丸々1話分で見たかった気がします。

 

本作、「今回の話はこの段階で描かない方が…」とか

「単独の話でも行けたんじゃ…」とかっていうツッコミはもちろん、

堂々巡りな話も何回かあって、

全体構成において、気になる部分がちょいちょい見受けられたのは勿体なかったですね。

 

でも、そこを含めても、好きな作品として記憶に残り続けると思います。

島が舞台で、書道が取り入れられていて、ハートフルで、主人公の成長物語で…って

私の好みの要素が全部詰まっている時点で間違いなし!ではあったんですけど、

明確な答えのない芸術の世界で「自分らしさ」を模索していく姿を

コツコツと描いている所に心動かされる作品でした。

分野も次元も違いますが…私もこうしてドラマ感想ブロガーをやっている身で、

誰かの素晴らしい感想を読んだ時に、自分の語彙力と文章力のなさに落ち込んだり、

感受性豊かな人が時々羨ましく思えたり、

プレッシャーに押し潰されて、どうやって言葉に起こせば良いのか分からなくなったりする事が

何度も、今もあります。

だからこそ、「俺は父さんみたいにはなれない」

「島にいるからこの作品が書けた」と言いながら

繊細な一面を見せる様子には強く共感させられましたし、

成功と挫折を繰り返した結果、書道教室を開くという新たな夢を見つける清舟の成長には

元気づけられた気がして、どことなく自分と重ねながら見てしまってました。

 

清舟が最後に書いた字は、初回と同じ「楽」。

初回では1人で書いていたのが、最終回ではなるを初めとした子供たちにも

サポートしてもらいながら書いている辺りに、

島に来てからの清舟の変化と「こんな書道家でありたい」という決心を感じさせましたね。

道教室の先生になって以降は、"書道家"として書に向き合う事から遠ざかっていた彼が

久しぶりに書いた字が「楽」っていうのが良いなぁと。

今後また壁にぶち当たる時が来たとしても、みんなで作り上げた「楽」の思い出があれば

きっとまた乗り越えられるだろう…そう思わせてくれるだけでなく、

ラストでは、もう1つ初回の象徴的なシーンだった夕陽を重ねて、

なるとこれからも共に生きていく事が示されていて、希望の持てる締めだったと思います。

 

 

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VIVANT 10話(最終回) 感想|ごめんなさい…私は苦手だったかな。

 

 

※最終回を見て「面白かった!」「続編希望!」と絶賛された方は

ブラウザバック(1つ前のページに戻る)する事をオススメします。

悪口にならないように気をつけましたが、全体的にネガティブな感想です…。

 

長いテーブルを2台用意して、そこに乃木(堺雅人)たちと政府それぞれ一列に並んで座って

対話を重ねて、「味方のつもりが実は敵でした!」という逆転劇も描いたシーン…

ドラゴン桜2」の最終回でも見た!って気持ちになっちゃいましたよ。

そのシーンだけでなく、金利だとか、売却だとか、

ビジネス用語がちらほら飛び交う所も相変わらずです。

結局、モンゴルでも日本でも、いくら予算をかけようがやる事は同じなんだと…

あのスタッフなので元々期待はしていませんでしたが、

テントの内部が描かれ始めて以降、最後までワンパターンな作りだったのには

正直、落胆してしまいました。

 

構図はなんちゃってビジネスドラマの割には、

"お飾り"程度に日本への愛国心を訴える台詞も盛り込むもんだから、

それが物語の整合性の取れなさと、軸のブレを加速させてしまっているんですよね。

最終回で最も気になったのは…ベキ(役所広司)の

「ニッポンでは古くから、ありとあらゆるものに神が宿っていると考えられてきた」

「ニッポンには、考えの違う相手を尊重する美徳がある」という台詞。

今に始まった事じゃないですが、昨今のニュースを見てみれば分かる通り

日本には歪な部分も持ち合わせているので、

日本ってそんなに崇拝されるような美しい国か?それって価値観の押しつけではないのか?

と違和感を覚えてしまうのはもちろん。

この台詞を、目的達成のためにテロ行為や殺害などで、

多くの命を犠牲にしてきたベキ自らが発している辺りに矛盾が生じてしまうのです。

簡単に言えば、言ってる事とやってる事、全然違くない?って。

 

それは乃木率いる別班も同じで。

彼らも法に則って犯罪を取り締まる警察とは違い、

目的や手段のためなら犯罪まがいの行為をするグレーな組織なので、

別班に所属している乃木が「美しい我が国を汚すのは許せない」と

正義感を振りかざして言ってしまう所に変な印象を受けてしまいます。

彼らだって、過去に山本(迫田孝也)を吊し上げたり、

不法侵入罪や情報窃盗を犯したりしていますが、そこは完全にスルーなんでしょうか?

私としては…悪役として描いたのならば、変に情も入れず

最後まで悪役に徹して欲しいんですよね。

 

仮に、日本を美徳としている描写も、「この国がこうあって欲しい」みたいな

作り手自身の小さい頃からの"願い"の意味合いが込められているのが伝わってくれば

取り入れるのもまだ理解は出来たかもしれませんが…。

それとは裏腹に、各組織の陰謀論やお仕事描写、愛の物語と

作風がバラバラの要素を盛り込むから、かえって薄っぺらく感じてしまうんだと思います。

 

気になった部分は、豪華出演者の一部の扱いの雑さにもあります。

例えば、ただ不倫問題を起こしただけの役を演じられた小日向文世さんとか、

また同じような役を演じさせられた馬場徹さんとか、

「妻を殺した復讐のターゲット」として、急に日本ではなく個人に矛先が変わり、

構想を練っているらしいシーズン2の主要人物になるんだとしても、

ぽっと出のご出演で終わってしまった橋爪功さんとか。

どの方もそれぞれ、ご本人の持ち味がイマイチ活かされていないような役回りばかりなんです。

特に橋爪さんに関しては、今年の冬に放送された「6秒間の軌跡」では

せっかくベテラン俳優ならではの存在感を見せていただけに…

たった数分でいきなり不憫な目に遭わされる役だったのが

勿体なくて仕方なかったですし、

むしろ、なぜ起用したんだろう…?っていう憤りすら覚えました。

 

あとは…今まで思っていて、最終回なので初めて書きますが、

女性の役者さん方やドラムの描写にも言えますかね。

前者でいえば、また列挙になっちゃいますが…結局裏がある訳でもなく

ただ恋愛模様を描くための人物で終わった薫(二階堂ふみ)や、

不倫をし、さらにはモニターに脅迫されぞんざいに扱われた太田(飯沼愛)、

病弱であるジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)と、

勇敢に動く男性キャラに対して、女性キャラは総じて「健気・か弱い」イメージに

偏って描かれている所に、女性へのリスペクトの欠如と配慮のなさを感じるんです。

そして後者は…富栄ドラムさん自身の、喋らなくても愛くるしい気持ちにさせるような

動きや表情作りは良かったですし、

途中までは、スマホを使ってコミュニケーションをとる設定も可愛いとは思ったんですが、

彼が話せなくなったきっかけや幼少期の背景についての描写は最後までなかったので、

回を重ねるにつれてどんどん「癒しキャラ」「マスコット」として

消費されて終わってしまったのが、なんだかなぁ…と。

特番だけでなく、某グルメ番組での番宣や

番組ラインナップ紹介のCMでもあのキャラで通してましたけど。

世界観を壊したくなかったんでしょうし、ご本人のご意向ならまた話は変わりますが、

個人的には、ここも演じている役者本人そのものは見ておらず、

このキャラを通す事で"おもちゃ"として面白がってるように感じられて、

あまり良い気はしなかったです。

 

ラストのどんでん返しにしても、前半は半沢直樹もどきの話を散々繰り広げて、

それも行間なんて存在しないかのような説明台詞と解説続きで

視聴者に難解さを覚えさせた後でのあの展開だったので、

驚きよりも置いてけぼりにされた感が強かったですね。

ふ〜ん…衝撃を与えたかったのね…

考察好きの人にとにかく考察させたかったのね…って冷めた目で見ておりました。

唯一驚いたのといえば、どこぞの世界の田舎()⇄東京よりも

バルカ共和国⇄東京の方が、サクッと帰れるほど距離が近かった事くらいかな(失笑)

 

動画やネット配信などでテレビ離れが加速していく中で、

約3ヶ月での海外ロケに力を注ぎ、豪華キャストを大勢揃える形で

テレビ業界を盛り上げようという意気込みは画面上からも伝わってきましたし、

テレビドラマ好きの私からしたら、視聴者にワクワクを届けようと

時間をかけて準備して下さったスタッフへの敬意は決して否定したくはないんです。

役者さんも、この作品に熱を注いでいらっしゃるのが伝わってきて、

他の仕事やロケで多忙に追われる日々の中で

役を細部まで作り込んで下さった事にも感謝しておりますし。

役者同士の演技合戦を地上波で堪能出来ただけでも、見る価値はあったと思っています。

素敵な部分もあったからこそ、壮大な物語にするならするで、

何を視聴者に訴えたいのか、どんな題材を扱うのか

もっと絞り込んで欲しかった…そう思います。

 

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転職の魔王様 10話 感想|今回に関しては千晴が不憫(汗)

 

 

千晴(小芝風花)の独り立ちと、来栖(成田凌)が希望を持てたきっかけとなった

数年前の出会いが描かれた回。

数年前の彼女は「もしかしたら、自分の仕事が誰かの役に立つかもしれない。

誰かを幸せに出来るかもしれない。そう考えるだけで頑張ろうって思える。」と言っていて、

彼女がいかに頼もしい存在になったかを示す上で、

ああ、この人にとっては元々、転職エージェントが天職みたいなものだったんだろうな…

というのが知れたのは良かったのですが…

今回のメインエピソードはそんな千晴の青臭さを応援したくなるよりかは、

矢吹夫婦にモヤモヤする気持ちの方が強くて、微妙に感じてしまいましたね。

 

健一(高橋光臣)は妻の江美里(大西礼芳)には内緒で転職活動をして、

しかも、面接予定の企業が決まった所でカミングアウトするし。

江美里は江美里で「察して」という態度をとっていて、

まぁ…自分に相談せず勝手に物事を進めていた所に腹が立っていたんでしょうけど、

理由をはっきり言わないまま、一方的に不機嫌になっているんです。

つまり、お互い話し合いが足りていなかった訳で、

そうなるともう"夫婦の問題"になってくるのに、

転職エージェントが家族に隠された事情まで深読みして、仲介もしないといけないのかと…

ただただ、何も落ち度はないのに自分の力不足だと謝罪して、

余分な仕事までやらされる千晴が不憫でしょうがなかったです。

 

で、夫婦にモヤモヤ…とは描きましたけど、

どちらかと言うと、江美里の方が面倒臭い人物ではありましたかね。

それも冒頭の食卓シーンでは、〇〇のお宅は毎年2回は家族旅行に行ってて〜とか、

〇〇の所は私立受験するらしくて、今から塾に通わせてて〜とか

娘の友達の家族の話題ばかりしていて、

「子供たちにはなるべくいろんな経験させてあげたいなって思うけど、お金がね…」

という発言もあって。

その話を聞いていたら、周りと比べて娘たちを十分に育てられていない所に

焦りを感じているんだろうな…

お金に苦しんでいるんだろうな(だから旦那にはもっと頑張って稼いで欲しいのかも)…

って考える方が自然だと思うのです。

なのに、実際の悩みは「育児の苦労を知ってもらいたかったし、

もう少し手伝ってもらって、再び働きにも出たかった」。

いや…だとしたらあの言い回しはややこしいわ!とツッコミたくもなりますよね(笑)

言わなきゃ伝わらない事を、第三者の千晴が分かるはずがない…

だからこそ、今回の内容は腑に落ちないのでした。

 

一方で来栖の方は、大阪に転勤しない事が判明したと思ったら、

今度は元同僚からアフリカ企業への転職の話が。

最終回のために用意しました!感があってちょっと唐突ですし、

また似たようなシチュエーションを作るんですねぇ。

それなら、今回はわざわざ転勤を匂わせなくとも、

純粋に、大阪支社の方で準備要請が入って、

しばらく千晴の元を離れる事になった…でも成立した気がするんですけどね。

 

まぁでも、次回予告を見る限りは、転職希望者となった来栖と

一対一で面談する千晴の様子が描かれるみたいなので。

集大成らしく、彼女の成長を存分に見られるのは楽しみです。

 

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ハヤブサ消防団 9話(最終回) 感想|思う所はありつつ…緊張感たっぷりの最終回

 

 

最終回なので、本音を言ってしまうと…

ミステリー作品で最後まで満足させるのって、中々難しいんだろうなぁという感想が

先に出てきてしまったかな?

何だか、全体的に尺が足りてませんでしたよね。

もちろん、興味を惹かせる演出を得意とする本作だから、

今回も作り込みの高さが伺える部分はあったけれども…

個人的にはそれと同時に、はてなマークが浮かび上がる部分もいくつかありました。

良かった所は後述するとして、まずは、そこを1つずつ書き出していこうと思います。

 

私が最初に気になったのは…前回のラストシーンから、今回のアバンまでの繋げ方です。

前回、江西(麿赤兒)が「ハヤブサへようこそ」と、

まるでハヤブサを侵食しているアビゲイル騎士団の信者たちを

迎え入れるかのような衝撃発言をして、消防団の面々の背筋を凍りつかせた後、

大群の中をモーセ十戒のごとく掻き分けて現れる太郎(中村倫也)…で

終わったじゃないですか。

ここまで盛り上げてきたとなると、当然、冒頭で何が描かれるのか注目したくなる訳です。

しかし、その次には、寺の中で江西が団員たちに事情を語り出すシーンに切り替わって、

寺の前にゾロゾロと集まっていた信者たちはあっさりと引き返していくのを見て…

正直、あれ?と思えてしまったんですよね。

私としては、あの状態のまま、信者たちに危害を加えられる恐れも孕みながらも

太郎が江西にどんな言葉を投げかけ、信者たちとどう対抗していくのかが描かれる事を

期待していたので、この前後の流れには消化不良感が残ると言いますか。

あの場から生まれるヒリヒリした雰囲気をもっと味わってみたかったです。

 

「あっさり」関連で言えば…もう1つは、

信者たちが彩(川口春奈)の防災無線で語ったアビゲイル騎士団の真相を

すんなり受け入れたかのような描写も気になりましたね。

百歩譲って、彩が洗脳から解けたのは分かるんです。

だって、好意を抱いていた太郎から直接説得されて、

聖母と崇められてきた展子(小林涼子)の過去を知ってから出会った

"幻"の、言わば本来の展子に背中を押されて、考えを改めたのだと解釈出来るから。

だけど…彩だって最初は「侮辱です」と言って聞き入れなかったのに、

かつて12人殺された事件があっても残るほど信仰していた人たちが

放送を聴いただけで信者を辞めるっていうのは…ちょっと出来過ぎなのかなぁと。

それに、信者が宗教から抜け出せる可能性は低いと聞くので、

あれだけ無意識にのめり込んでしまう宗教の恐ろしさを描いたのなら、

彩の発言を聞いて、執念深く探し回る人が出てきた方がまだ自然だったのかもしれません。

 

まぁ、その1人となったのが真鍋(古川雄大)なんですけどね…(苦笑)

いや〜…ライフルで太郎を撃つシーン、怖さのベクトルが今までと違い過ぎて

一瞬困惑してしまいましたよ。

えっ…そんなの持ってたの?撃てるの??っていう。

あまりに唐突だったもので、終盤辺りに駆け足感を強く覚えてしまったのが残念。

最終回では展子や映子(村岡希美)の過去に焦点が当たっていましたが、

それでもまだアビゲイル騎士団の全貌を掴み切れず…って感じだったので、

中間管理職であろう真鍋や杉森(浜田信也)が入信したきっかけも見てみたかったですね。

 

あと気になったのは…太郎のアルバムになぜ展子の写真が挟まれていたのかが

明かされなかった事と(割と一番の謎!)、

前半で描かれていた、太郎が幼少期にハヤブサで過ごしていた頃の記憶がなかった件が

関係していなかった事くらいかな?

 

では、「?」と感じた部分への感想はここまでにしておいて…

今度はそろそろ、良かった所について書いてみようと思います。

 

まず、何と言っても、ミステリー作品の最終回でありがちな

「ばっかり」の描写・演出をやらなかった所です。

「ばっかり」が何かと言えば…例えば、説明台詞や独白、回想などが挙げられます。

ミステリー作品の場合だと、最終回は全ての謎を回収する"答え合わせ"回となり、

必然的に言葉や映像を通して説明する事が増えて、

結果、画面が単調になってしまいがちなんですが、

本作は、作家である太郎の設定も活かしながら

終始緊張感を漂わせた内容に仕上がっていたと思います。

 

特に目が離せなかったのは、序盤の方の

さんかくで行われた太郎と杉森による、"対峙"を表すカメラワークです。

最初に太郎が話している時は、話し手⇆聞き手側で交互にカメラを切り替えて

対等である事を示していたのに、

杉森が話し出し「強い絆で結ばれたハヤブサ消防団が、彼を救えましたか?」と

核心をつく発言をしてからは、

その時の太郎の反応を伺うような、覗き込むようなカメラワークになるんですね。

 

で、後ろから、前から、正面から…と、杉森だけ他方向から映す事で

杉森が優勢になりつつあるのを強調しているんですが、

それに対して太郎が話を返すと、太郎をいきなり正面で映すようになって、

次は目と目の応酬が始まって、中々引けを取らない彼の鋭さ・強さを表現しているんです。

(この説明で伝わるかな…?)

太郎は杉森の並々ならぬオーラにも対抗出来るのか?

どちらが言い負かせられるのか?

2人で繰り広げられる言論バトルにドキドキハラハラさせられっぱなしでした。

 

そして、「作家である太郎の設定も活かしながら」と書いたのは、

彩に江西や映子の証言をまとめた脚本を差し出したシーンについて。

太郎は探偵ではなく、あくまでもミステリー作家なので、

脚本を通して事件解決へと導く流れにしたのは適切な手法だったと思います。

終盤のシーンにしても…

さっきは真鍋がライフルを所持している件にツッコミは入れたけれども(笑)

ハッピーエンドかと思いきやバッドエンドになってしまうのかと、

最後まで結末が読めない展開を楽しむ事が出来ました。

 

したがって、ミステリー作品に元々期待していなかった私からすると…

惜しい部分もあるけれども、全話を踏まえてみれば

謎めいた世界観に引き込まれるように見てしまったって所でしょうか。

新感覚でもありましたよね。

ミステリーとなると、洋館!密室!大勢キャストによる遺産相続!ある日突然容疑者に!?と

わりかし非現実な設定から来るものが多いイメージなんですけど、

本作の場合は、高齢化社会が加速する限界集落に潜む危険性や、

宗教に入信してしまう者の心理に、カルト宗教団体の実態、

人間が人間らしく生きられる場所は田舎にもあるのだ…というメッセージ性など、

ごく現実的で、自分自身考えさせられてしまうような要素がふんだんに盛り込まれていて、

その不思議さが、次回も見てみたい気持ちにさせてくれました。

 

初回の感想でも書きましたが、ミステリーなのに

おじさんたちによるわちゃわちゃシーンがあったのもかなり新鮮で。

省吾(岡部たかし)は悲しかったですが…もう見られなくなると思うと寂しいですね。

本作に出演された役者さん方がもっともっと好きになる作品でもありました。

中村倫也さんの、ふとドキッとさせられるような視線の鋭さとか、

今回初めて認知した浜田信也さんの

あの空気を掌握する目力はしばらく頭にこびりつきそう…とか、

役者さんの新たな収穫も得られて、総じて面白かったです。

 

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ばらかもん 10話 感想|時間は流れ続けるからこそ…

 

 

本来経営者である自分がやるべきお金の内訳作成を

川藤(中尾明慶)がやってくれてニヤリ…じゃないのよ、清舟(杉野遥亮)(笑)

でも分かる。付き合いが長ければ長いほど、相手の方が何だかんだで世話を焼いて、

面倒な事も結局1人で引き受けてしまうのってあるあるなんですよねぇ。

 

今回は、清舟のマネージャーで、どうやら"親友"で、酒癖が悪い以外に

あまり深く描かれる事はなかった川藤と2人の関係性に

やっとスポットライトが当たりました。

困ったらすぐに川藤に助けを求めるような目で見てくる清舟の様子も含めて、

清明遠藤憲一)とは別ベクトルで、長年支えてもらっていて、

マイペースに生きる彼を軌道修正してくれる人だったんだろうな…という

明かされない学生時代まで自然と想像させられました。

 

また、前回でなる(宮崎莉里沙)が清舟に対して

「半田先生は半田先生。それ以外思いつかないよ。」と返していたけれども、

今回では川藤が「半田先生は半田先生だろ」と言っていたのが、妙にジーンと来てしまって。

言葉を反復させる事で、清舟にとってはなるの他に、

川藤も特別な存在なのだと思わせる描写をしてきた所も良かったです。

で…なるはなるで、「仲直り」ではなく

「仲直し」って言い切っちゃう所が彼女らしいなぁ…と。

そこにはきっと、人付き合いが当たり前にある島で生きてきたからこその、

"日常"が消えないで欲しいという切実な願いが込められているんでしょうね。

川藤が経営方面でフォローする一方で、

なるは2人の人間関係を繋ぎ止める仲立ち的ポジションで徹底していて、

両者の優しさを感じさせる内容に仕上がっていたと思います。

 

他にも、美和の父・巌(宍戸開)が酒店を畳むという

サブエピソードが用意されていましたが、

これが何気に、今回の話の軸になっていたんじゃないでしょうか。

店を畳む理由が、市内に大きなスーパーが出来たから…との事でしたが、

地元の人々との交流重視でゆったりとした商売をやろうが、

利益重視で積極的に商売をやろうが、時間は流れ続けて、いつか終わりが訪れる訳で。

つまり、不変なんてものはないというのを示しているのです。

 

そんな酒店と対比させるように、清舟が書道教室を一から作ろうとしている過程だけでなく、

将来の夢が何なのかが分からなかった美和(豊嶋花)が

父の店を継ぐためにお酒や経営の勉強をしたいという夢を持ったり、

彼女に触発された珠子(近藤華)がコンクールに出す用の原稿を思い切って投函したり、

試験に落ちた浩志(綱啓永)に再びチャレンジするよう背中を押す清舟だったり…。

時間は待ってくれないからこそ、後悔する前にそれぞれが新たな一歩へと進み出す姿が

描かれていたのが印象的でした。

それと同時に、見た者がインスピレーションを受けて行動に移すのが

芸術の理想のあり方だと思っている私からすれば、

清舟の動きに次々と影響を受けていく様はまさしく、

彼がいつも言っている「字で人の心を動かす」を体現していたとも思います。

 

東京で挫折した清舟が島で一念発起…誰かに支えられている事を知る…

設定だけ見れば、やはり堂々巡りな感じではあるんですが。

ただ、前回とは違って、今回は島ならではの"人と人との繋がり"が

直に伝わってくる内容になっていたので、満足に見られましたね。

 

世間知らずだった清舟が独自の書道教室を開くというエピソード自体は、

ビジネスドラマとしても純粋に楽しめそうな気がしただけに、

いきなり半年後に飛んだのは驚きましたし、

正直、後半になってからお別れを仄めかす頻度が高くない?とも思わなくもありません。

でも、いろいろ言いつつ、最終回は寂しさで目頭が熱くなってしまいそう…。

余韻たっぷりのラストで終われる事を願います。

 

 

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18/40〜ふたりなら夢も恋も〜 10話(最終回) 雑感|恋愛要素はなくても良かったよ…

 

 

※本当は初回の感想のコメント欄に書き残して終わるつもりでいましたが、

割と長くなったので、雑感ですが記事にしました。ではでは…

 

思う所あり、「シッコウ!!」5話の感想で

本作の5話も内容が充実していた…という旨の雑感を書いたのですが。

恋愛要素を濃くして、強引に三角関係、五角関係の

構図を作り始めた6話以降から、また萎えながら見てしまってました…(汗)

 

赤ちゃんを通して出会った2人なのだから…

いや、有栖(福原遥)が子供を授かるという設定がなければ

瞳子深田恭子)と結びつく事はなかったのだから、

恋愛を絡めた多角関係ではなく、

有栖と瞳子、海の三角関係をもっと重点的に描くべきだったと思います。

じゃないと、子供を存在させる必要性がなくなってきてしまいますからね。

 

どちらにも恋愛を盛り込んだお陰で、

正直、2人が支え合っているようでそう見えにくい(支え合っていたとしても記号的で)

主人公が別々のオムニバスに映ってしまったのが残念でした。

一応、最後は有栖がイベントを成功させ、学芸員の資格を取るくだりも描かれていましたが…

残り2話でバタバタ片付けていった感じだったので、

「ふたりなら夢も恋も」よりかは「ふたりなら恋だって」状態に見えてしまったのは

言うまでもありません。

 

最終回の結末にしても、仕事・学業のやり甲斐やら、アセクシュアルやら、妊活やら、

現代的な要素をいろいろ取り入れた割には、

2人とも「恋愛・結婚=幸せのゴール」ととれる

型にハマった着地になってしまったのも…ちょっとモヤモヤしましたねぇ。

っていうか、妊活の話ってどこに行ったんだろう?

台詞でサラッとでも良いから、触れて欲しかったです。

 

そして、もう1つ最終回関連で気になったのは…

有栖の母・真理(美村里江)と瞳子がスクールに通っていた頃に知り合いだった事。

個人的には、最終回で明かされるには、「出会うべくして出会った2人」といった

感動ムードを押し売りしているようで、ここも素直に受け入れられず…(汗)

初回の感想でも、まだ初対面なのにも関わらず

瞳子が人のプライベートに介入する件について書きましたが。

むしろ、この設定を初回に持ってきて、

瞳子が一方的に真理の娘が有栖だと知っていたから

彼女の面倒を見る事に決めた…という流れにしてみせた方が、まだ納得出来た気がします。

 

まだ子供を育てる覚悟が足りていない有栖の葛藤…

6話か7話だったか、康介(八木勇征)は有栖や海と別れる事を決心しつつも、

海のために買ってきたキリンのおもちゃには

いつまでも父の想いや、康介が父であるという記憶は

残り続けるよ…といった切ない余韻を残したラストは印象的だったんです。

主題歌との相性の良さも時々感じさせられただけに、

恋愛を無理に盛り込んでいなかったら純粋に好きな作品になっていたかもしれない訳で…

つくづく、勿体ない事をしたなぁと思います。

 

仮に本作が火10ではなく金10での放送だったら、

またアプローチも違っていたのかな…とか考えちゃいます。

来期は、再び王道ラブコメディに戻るようですね。

果たして、火10枠が本当の意味でイメチェンを図る日は来るのかどうか…。

 

↓一応…初回の感想はこちら↓

 

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シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 9話(最終回) 感想|いつか執行官になる日を夢見て

 

 

これまで関わってきた債務者の回想を挿入しながらの…

「私、執行官になって、もっと人間を知りたいんです。」

元々犬が好きで、犬と関わる仕事がしたくて上京してきたひかり(伊藤沙莉)から

この言葉が出てくるのも面白かったですが、

同時に、この展開のための全体構成だったんだろうな…と思いました。

 

物語の前半は、視聴者にはあまり馴染みのない執行官の仕事を説明・紹介するために

どうしても小原(織田裕二)の描写を増やす必要があり、

一方で、主人公であるひかりの存在感が薄めになってしまっていました。

ですが、彼を前面に出し、世間からの評価に耐え、

いかに苦悩や葛藤を抱えながら仕事に取り組んできたかをコツコツと描き続けた事で、

「執行官とは何ぞや?」というのもしっかり形づくってきたのも確かで。

今回はそんな今までの描写の積み重ねが活かされていて、

小原をあえて一歩後ろに引かせた状態で仕事を描くだけでなく、

執行補助者として関わってきた彼女の気持ちも序盤に描いた事で、

集大成らしく、主人公の成長が直に伝わる内容に仕上がっていた気がします。

 

ひかりは以前、人に同情しやすい、少し不思議ちゃんの性格に描かれていたので、

最初はあんな状態だった彼女がここまで頼もしい存在になるなんて…

という意外性を持たせようとして、今回の見せ方になったのかもしれませんし。

執行官のお仕事がどういうものかを視聴者に理解してもらうには、

この構成が最も実現しやすかったのかもしれません。

前半の方は時々、解決方法に腑に落ちない回もあったものの、

"連続ドラマ"である事を踏まえれば、ユーモアもありつつ、かなり緻密に計算された作品でした。

…最終回で唯一惜しかったのと言えば、「こども六法」が出てこなかった事くらいかな?

 

私自身も、ひかりの言う「泥棒」ではないですが、

本作を見る前と全話見た後とでは、執行官に親しみやすさを覚えるほどには

イメージがガラッと変わりましたし、

執行の仕事も「こんな仕事もあるのか〜」と新鮮に感じる事も多く、

最後まで楽しませていただきました。

 

そして思うのは、脚本家・大森美香さんの紡ぐ作品が改めて好きだな…と。

等身大な部分、優れている部分、逆に、完璧になりきれない部分といった

人の様々な一面を引き出すキャラクター造形に長けているからこそ、

ひかりも、小原も、おじさんずも、愛しい人物に映ったんだと思います。

特に、執行関係者みんなで一列になって歩くシーンなんかは、

繊細さや苦しみを悟られないように、自信を持って強く立ち向かおうとする

人間味が感じられて毎回好きでした。

そして、織田裕二さんが可愛らしいと思えたのは初めてでした(笑)

コミカルなお姿がしばらく見られないとなると、寂しいですねぇ…。

 

事務員になったひかりが夢見るのは、

おじさんずとお揃いのベージュのコートをまとった執行官の自分の姿…

そう遠くない未来の話をした所で、物語は幕を閉じる。

いや、何度でも書きますが、ドラマインターバル期で放送されるSPドラマでも良いので

ぜひぜひ"続き"を見たいです!

 

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