2021年春ドラマ-珈琲いかがでしょう一覧

珈琲いかがでしょう 8話(最終回) 感想|コーヒーで受け継がれる無償の愛

 

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暴力珈琲

 

みんな青山(中村倫也)の事好き過ぎか!(笑)

最終的には、彼をめぐる仁義なき争奪戦に。

でも…そうなるまでに、3人はそれぞれ青山から、

ぼっちゃん(宮世琉弥)は更に二代目(内田朝陽)や夕張(鶴見辰吾)から

思いやりという名の愛をもらっていた。

そんな過去が描かれました。

 

青山が去ってしまったのには、やはり、二代目が渡したボーナスと、

その固い意志を受け継いだ夕張が関係していましたね。

せめて二代目が遺書として残してくれれば…

夕張が早い段階で伝えていたら騒ぎにはならなかっただろうに…とは思う部分もあるけれど、

どちらにせよ「自分を好きでいてくれた人が突然いなくなってしまった」という事実は変わらず、

頼れる人がいないまま一人で組を継がなければならない重圧や孤独感は

感じてしまっていた事でしょう。

 

子供の時には分からなかった会話の内容や、自分の知らない所で命がけで守っていてくれた事に

青年になってから気づかせる…

三代目として組を築き上げながら成長したぼっちゃんに委ねてみるのも、父としての"愛"ですし。

二代目の遺志や、日々満たされない想いでいたぼっちゃんの気持ち、

青山が去ってしまった真相全てを知りながらも、

「最適なタイミング」が訪れるまで胸にそっとしまいながら近くで見守り続けてきたのも

パートナーとしての"愛"。

 

愛が何も、表面上の分かりやすい形として示されたものばかりではなく、

ゆっくり時間をかけるからこそ出来るものだってあるんですよね。

それは、美味しいコーヒーになるまで待ち続ける状態と似ています。

 

ぺい(磯村勇斗)が"親に捨てられた者同士一緒に暮らしてきた兄貴"への愛を語り、

その流れで今度は垣根(夏帆)が"コーヒーに一途な青山さん"への愛を語った途端、

ぼっちゃんは「あんな女に取られたらたまるか!」という、

子供の頃から強い人になろうと努力してきた負けず嫌いな性格を覗かせる。

このやりとりだけで少なからず、

自身が組の三代目である自覚を持って生きる決心はしたのだろう…といった

希望は感じられました。

 

一緒にコーヒー牛乳を飲んでくれる人はいないし、

自分のために毒入りコーヒーを飲んでくれる人もいない

彼の更生を描くエピソードでもありました。

 

ポップ珈琲

 

たこ(光石研)と幸子(市毛良枝)の若年期のお話。

でそのキャスティングが…どことなく懐かしい香りが漂ってくる、

良い所を持ってきますよねぇ。

森迫永依さんは23歳かぁ。私の記憶では「ちびまる子ちゃん」で止まっているよ…(笑)

前田旺志郎さんは歳を重ねたら、そのうち寅さん役を演じそう。

 

子供を産み、元々体の弱かった幸子を悪化させてしまったたこは、

自力で養ってあげられない事に責任を感じて、彼女の両親に療養費をせびったまま

姿を消してしまったらしい。

自分がいなくなれば親とも仲直り出来るかもしれない…

もっと財産のある良い人と結婚したら幸せになるのかもしれない…

そんな想いで行動をとったんでしょうけど、それは逆に、若いからこそ出来る"愛"でしょ。

三者から見たら無責任過ぎる…(泣)

でも、彼女も彼の気持ちが大人になってから分かったのか、

過去を話す時も嫌な顔1つもしない優しい人で良かったです。

おじいちゃんの所に嫁がせるより、ずっと素敵な出会いでしたよ。

 

幸子がたこの遺骨を砕いてカップに入れ、そのコーヒーを飲む姿には

最初はギョッとしましたが、

心で繋がり、互いを求め合っていた2人が、コーヒーを通じてようやく1つに繋がる…

この、一見突飛でも、場面を明るく照らしてくれる流れこそが、

本作で伝えたかった"ポップ"なのかもしれませんね。

 

たこの遺骨が青山にとっては"魂"に変わり、

その魂には青山の想いが、今度は垣根、ぺい、ぼっちゃんと様々な人の想いが混じり、

また新しい誰かに受け継がれていく…。

未来を感じさせる、爽やかなラストでした。

 

***

 

「人は"ひとり"ではない」を一貫して描いた作品でした。

癒される時間になりそうだなぁ…と思っていた初回の頃とは違った形になりましたが、

3話での一人で生きて行く覚悟を決めた「金魚珈琲」だったり、

4話での奥さんに今でも未練が残り、後悔の念を抱えている「ガソリン珈琲」だったりと

決してストレートにハッピーエンドとは言えないような話もあった事から、

本作は一杯のコーヒーを通して、

それぞれにしかない"人生"を映し出す物語なのだと思えば納得の出来でした。

 

評判を見てみると、中盤からずっと描かれてきた暴力的な描写が好みではない人、

「もっとほんわかした作品になると思っていたのに」と言う人も散見されましたが、

私は全然アリだと思っていました。

青山の"人生"でもあるから。

 

たこの入れたコーヒーが好きだからと、たくさんの住人に慕われていたように、

青山も暴力団の世界では「兄貴」と慕ってくれるぺいがいて、懐いてくれるぼっちゃんがいて、

仕事が出来る事から上司にも期待の目を寄せられていた。

それらの信頼を全て裏切り、全く住む世界の違う移動珈琲屋へと転向したら

引き止めてしまいたくなるのも仕方がないでしょう。

で…その手段が、彼らは頭脳でも誠実さでもなく、

暴力でしか表せなかっただけなんですよ…きっと。

 

垣根も移動珈琲屋の店主に…という事にはならなかったですが、

ぺいはアルバイトとして働くみたいなので、

私の思い描いていた理想はほぼほぼ叶った感じですね。良かったです。

まぁ、あのラストを見れば、垣根がお客さんのままなのも自然かな?

いつか自分で店を作る日を夢見て…

 

ゲストはいくらでも呼べそうな内容ですし、

SPドラマとして、青山&ぺい+垣根の今後を描く続編を定期的に見てみたいです。

 

そして来週からはもう次のドラマが。

また飯テロだ!

西島さんだとどうしても、ただの名探偵には思えなくてですね…(笑)

 

 

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珈琲いかがでしょう 7話 感想|ぼっちゃんとはいつ出会えたら良かったのか…

 

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今回のエピソードは「ぼっちゃん珈琲」。

過去の話は、青山(中村倫也)が清掃屋として全盛期だった頃か、

コーヒーに揺らぎ始めていた頃か…いつの状態でぼっちゃん(長野蒼大)と出会ったのか

はっきりと分からない感じで始まりましたが、

「逆上がりなんて出来なくても生きていける」と言ったり、

ぼっちゃんの抱える心境をしっかり受け止めたりする描写があった辺り、

後者寄りの、たこ(光石研)に人生のいろはから教えてもらっていた所で

出会ったのだろうというのは、何となく読み取れました。

 

父にも相手にされず、家でも学校でも孤独だったぼっちゃんが

青山と交流するようになった時点で、

きっとこの人がお父さん代わりだったのだと早くに察してしまいましたし。

そこからの展開も想像しやすく、エピソード自体は凄い衝撃的ではなかったものの、

10代の頃のぼっちゃんにも、現在のぼっちゃん(宮世琉弥)にも共通して醸し出る佇まいに、

彼がいなくなった数年間でどれだけ絶望した日々を送っていたのか…という余白を感じさせ、

最終的には切ない気持ちで見終えたお話でした。

 

父のいる暴力団を反面教師にして、誰にも頼らず強くあろうと意気込むその徹底っぷりは、

服装や話し方に反映され、真面目な性格が伺えた10代の頃のぼっちゃん。

時に子供っぽい一面はあれど、

土を薄めたコーヒーもどきを飲ませるという歪んだ部分も秘めていたぼっちゃん。

(「見て見て、これコーヒー!」って言う所までは子供あるあるだとは思うけども)

それが現在、ボタンをしめた学ラン、内面を中々掴み切れなさそうな話し方、

ロシアンルーレットと、大人になっても染み付いていて、

ふと見せる微笑みの表情にも子供の時のあどけなさが残っているよう。

こうした演技やキャスティングのお陰もあって、

ずっと会えなかった青山に依存したくなるのも理解出来てしまうんですよね…。

 

青山といつ出会っていたら"裏切り"にはならなかったのか…

移動珈琲屋に訪れるお客さんとしてだったら

あそこまでの感情になる事はなかったかもしれませんが、

それでも置かれた境遇からして、「なんで?」「どうして?」と、

コーヒーを飲んでいくうちに心の拠り所として縋ってしまいそうですし。

かと言って、何の迷いもなかった頃に出会っていても

青山がコーヒーに目覚める未来を変えられる可能性は低い。

どちらにせよいつかは離れ離れになる運命なのか…うーん…。

 

ぼっちゃんが子供の時からいた側近・夕張(鶴見辰吾)も、

彼を孤独にしてしまって後悔している部分もあるんじゃないかなぁと思ってます。

毒入りのコーヒーは多分運ぶ前に捨てているし、

青山がお金を持って逃げた件も、自分が足を洗わせたからなのでは?という気もしてきました。

 

次回予告では、垣根(夏帆)がお客さんとしてコーヒーを飲みに来る場面があったので、

確実にハッピーエンドにはなるのは目に見えていますが、

あの件が終わったらまたぺい(磯村勇斗)とも別れてしまうんでしょうかねぇ。

今度は経験を積んだコーヒーを飲んでみません?

そしてやっぱり…みんなで店開きません?

 

 

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珈琲いかがでしょう 6話 感想|人を大事に思うということ

 

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今回のエピソードは「たこ珈琲」の1本のみ。

 

コーヒーを飲みに訪れたお客さんから語られる事情や思い出を身を任せながら聞いて、

何か助言を送りたくなったら直接的な表現ではなく、

コーヒーに絡めて、的確かつささやかなエールを贈る

青山(中村倫也)のスタイルが好きで本作を見ていましたが、

そうなったルーツはたこ(光石研)の人柄にあったのか…というのがよく分かった回でした。

 

朝食で何を食べたのか覚えていないほど大した物を食べていない、

今のままじゃ心の余裕なんて持てないと言う青山に対して

いつもどんな仕事してるんだ?と聞くのでもなく、

顔に怪我を負っても何があってそうなったのかを聞くのでもない。

あくまでも、美味しいコーヒーを作りたいという彼の意志を尊重し、指導し、

彼が本音を漏らすまでゆっくり待つ。

そして、本音を漏らしたと気づいたら、自分の意見や考えをコーヒーに絡めつつ、

徐々に語り始める形で支えていく。

「私はこんな生活だけど、自分が大事だ。仲間も大事。」

「(省略)でもね、私。あんたの事…今、大切に思ってるよ。」

コーヒーを時間をかけて味わうように、1つ1つ言葉を選びながら

柔らかな表情で想いを伝える役が、光石研さんに合い過ぎて泣けてきます…。

 

でも、今まで誰かに大切にされる事を知らなかった青山にとっては、

その言葉は自分の中に異物が混り込んだように衝撃的なもので、

どう受け止めれば良いのかが分からなくなった結果、

たこに暴言を吐いたまま去ってしまいます。これが最期の会話でした。

人を大切にしろと言われながら、目の前の人を大切に出来なかった。

あの時の出来事は背負うべき十字架にもなり、人生のおいての教訓にもなった。

後悔を抱えた青山は、特に継いでくれとも頼まれていない

たこの微かな夢であった移動珈琲屋を開き、

彼から教えてもらったコーヒーをいろんな人に届ける人生を選んだのは言うまでもない…。

 

今回のエピソードを知るまでは、過去と現在のあまりにも大きな変貌に

なんでここまで別人になっちゃたの!?という驚きがありましたが、

青山の話を聞いてからは、お客さんに対して優しく接しようとするのも

当時の"決意"から来ているんだろう…と頷けました。

 

しかし、ぺい(磯村勇斗)との確執が生まれた原因も明らかになって

ここで過去編は完結!と思いきや、まだまだヤクザ達が絡んでくるみたいです。

3代目ってあんな可愛らしかったんですね。いや、逆に可愛らしいから怖いのか。

ぺいもやっぱり良い人らしいのが、3代目・ぼっちゃん(宮世琉弥)の台詞

「あいつの事大好きだから、寝返りでもするんじゃないか心配してたんだよ」で判明しましたが、

彼も自分の想いに正直になって、コーヒーに救われて

いつか垣根(夏帆)も入れてみんなで珈琲屋でも開けたら良いのにな…と

思ってしまいますね。

さすがにこの妄想は甘いのかもしれませんけど。でも、ハッピーエンドであって欲しい。

 

で、この間調べ物していて分かったんですが、本作って残り2話なんですねぇ。

てっきり、深夜の時間帯に放送=全12話だと思い込んでいたので、

なんか…凄い急な感じ(笑)

元々月曜22時の「ドラマプレミア10」が時間移動して本枠になったから、

それだけ話数が少ないのもおかしくはないのか。

その前の「ドラマBiz」枠も含めると、基本的に7話か8話で終わりでしたからね。

 

 

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珈琲いかがでしょう 5話 感想|どっぷり浸かったきっかけはホームレス

 

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「ほるもん珈琲」と「初恋珈琲」の2本。

今回に関しては一緒くたにした方が書きやすいと判断したため、

いつもの1エピソードずつ書く方式はやめます。

 

ぺい(磯村勇斗)から語られる、青山(中村倫也)が移動珈琲屋を始めたきっかけ…

確かに聞いてみれば、やっている事は違法だし、

宗教呼ばわりする理由も何となく理解出来ますね。

まぁ、師匠・たこ(光石研)の格好からモンゴ◯アンみたいな

異国風の雰囲気が漂っていたから…w

この人に触れちゃいけないっていう警戒心が無意識にでもあったんでしょう。

 

ワゴンを買うために横領した清掃道具の持ち主が、

多分、連れてこいと執拗に言ってくるボスが慕っているらしい"3代目"で。

パシリに使われたのがぺいだった。

ケリをつけるためには、最終的にその人に会いに行くしかないんだろうけど、

ぺいは青山に行かせる事をあえて拒んだ…ように見えました。

だって、純粋なパシリならわざわざ膝を刺すよう誘導して逃がしたり、

ここにGPSが仕込まれてますよ〜と言わんばかりに

別に触る必要のないタコのキーホルダーを触ったりはしないと思う。

もちろん、たこの居場所が書かれたメモだって渡さない。

彼は今、裏切られたのが悔しい、

信頼していた兄貴が別の世界に行って欲しくないという気持ちと、

本人が選んだ道を全うしたいと心から望んでいるのであれば邪魔したくはないという

わずかな気持ちがせめぎ合っている状態なのではないか?と踏んでいます。

子供っぽい自分と、大人でありたい自分が対立していると言いますか。

 

そして、あそこまでコーヒーを嫌うようになったきっかけは…

小学生の時に出会った初恋相手だったんですね。

初めて食べたコーヒーゼリーは苦かった。

大人になって再会した彼女はブラックコーヒーと更にグレードアップしていて、

自分と相手がいかに住む世界が違うかという"現実"を突きつけられた。

コーヒーの良さが分からないお前は下僕の世界に住むべき人間だと、

そこで自分を否定された感覚を覚えて、今に至ったのかも…。

 

でも、そんな彼にもいつかはコーヒーで癒される展開が来る気がしています。

その相手が青山でも良いけど、入れたコーヒーがまずいと言っていたので改心する可能性は低い。

逆に「特別が顔が良いわけでもない」「典型的な学級委員長」呼ばわりされていた

垣根(夏帆)が担ったら、内容的には面白そう。

「コーヒーは高嶺の花」だと捉えている偏見の払拭にも繋がるし。

初恋相手が背負っていた赤いランドセルにちなんで、どこかに"赤"が取り入れられていると

彼女に少しだけ近づけた喜びも味わえて、

ハートフルストーリーとしては洒落たものになるのかもしれません。

 

青山については今回で完全には明かされなかったものの、その代わりに

ぺいの過去(幼少期)もじっくり描く事で登場人物に奥行きを感じさせ、

2人の人生がどんなものになるかにますます興味の持てた内容だったと思います。

 

個人的には、青山の過去だけが描かれると思い込んでいた分、

まるでコーヒーを割引サービスしてもらえたお得感がありました。

次回はたこと出会う前の2人の関係に迫るとの事で、そちらも楽しみです。

 

 

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珈琲いかがでしょう 4話 感想|相当ヤバい奴だったらしい青山の過去

 

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ガソリン珈琲

 

一瞬、小林薫さん?かと思ったけど、よくよく見たら野間口徹さんだった。

確認するために後で画像検索してみましたが、特に目は違うし…

短い前髪がきっとそうさせたんでしょうね(笑)

しかし、メガネ有り無しでかなり印象変わるんですねぇ。

もっと年齢を重ねたら、自立する年頃の娘を持つ、

多くは語らないけど不器用な優しさはある…みたいな、

そんな父親役のオファーも増えそうな感じがしました。

 

コーヒーを飲んでからはずっと柔らかい表情が続いていて、

ああ、この人は、妻が入れてくれていたのも含めて

根っからのコーヒー好きなんだろうなぁ…というのが頷けます。

 

妻が亡くなっていた事は早い段階からうっすら気づいていましたが、

なんの病気だったのか、なぜそこからコーヒーを断つ決意に至ったのか?は特に言及されず。

でも、それでも十分だと思えました。

あんなに好きだったコーヒーをやめるほど、妻を一途に愛してくれていたという事。

そして、心が傷ついていると察した青山(中村倫也)が

徐々に元気づけさせる"きっかけ作り"をした事が分かったから。

本作はあくまでも青山目線でお客さんの人生に触れる様子を描くドラマだから、

細かい背景は視聴者が想像するくらいで丁度良いんですよね。

 

それにしても、松本若菜さん×幸薄役の組み合わせ、やっぱり似合いますなぁ…。

 

ファッション珈琲

 

こっちはこっちで、光浦靖子さんの役がしっくり来ます。

演技をお見かけするのは初めてでしたが、全然違和感なかったですね。

ここだけは誰にも譲れないという強いこだわりを持つモタエ…

彼女の性格がファッションにも内装にも反映されているのが伝わってきました。

朝食はいつもパスコのイングリッシュマフィンを食べていそう。←ただの偏見w

 

ファッションと言えば、「箔をつける」をファッション感覚と捉える

主婦友達にも少し共感する部分が。

同じコーヒーでも、高級なカップに入れたら

不思議と凄く美味しく感じてしまうのはちょっと分かります(笑)

まぁでも、「見た目」「評価」に振り回されている人達への皮肉とも言えますね。

 

1話ゲストの垣根(夏帆)はこのエピソードで再登場。

ドラマらしく、ある日青山とばったり会う形ではなく、

彼がいなくなってからその人の味に近づけるために鍛錬を重ねてきた…という

「その後の日常」を思わせる形で登場させたのが粋でした。

 

強いて言うなら、青山の過去エピソードが途中で挟み込まれたお陰か、

モタエが主婦友達にガツンと本音を言うまでの動機付けがもう少し欲しかった気がしますが、

真面目な垣根だけが残ってくれたオチで痛快感は残ったので、それで良いかな。

 

***

 

今回の2つのエピソードで割と明らかになった青山の過去。

当時は金髪でヤクザ。

「ガソリン珈琲」でのゴンザ(一ノ瀬ワタル)が彼の変貌っぷりに

気持ち悪いと言葉を漏らしたくらいなので、相当なワルだったのでしょう。

ビビりっぷりが可笑しかったです(笑)

 

あと分かったのは、そんな青山が「美味しいコーヒーを入れたい。それだけです」と、

見た目からは到底出なそうな発言をするほどの"師匠"に出会ったという事。

ぺい(磯村勇斗)も大人達に振り回されているだけで、

そこまで悪い人ではなさそうだという事…ですかね。

 

本作が全部で何話あるのかは不明ですが、

次回の5話では中間地点らしく、青山の過去に大きく触れるみたいです。

ぺいとの関わりも気になります。

 

 

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珈琲いかがでしょう 3話 感想|自分らしく生きる…がテーマかな。

 

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男子珈琲

 

ごめんだけど、個人的には森(小手伸也)が

珈琲で救われていく話を見たかったかも(笑)

だって…上司のなだめ役でしょ?頭のてっぺんが赤い(抜け毛?)でしょ?

すぐ自分の容姿を自虐ネタに変えて笑いを取る性格でしょ?

褒められた資料だって薀蓄だって、多分本人のお陰で、

良いように利用されている日々を送っていると思うんですよねぇ…。

そんな中マレーシアに転勤するって言うんだから、余計ストレスが溜まりそうで心配よ。

無理してポジティブ思考にならなくて良いんだよ…

辛かったら吐き出しても良いんだよ…って労ってあげて欲しかったです。

 

と言うのも、このエピソードの主要人物である飯田(戸次重幸)に

完全に同情出来なくてですね。

自分が空っぽな人間だと気づいた途端、分かりやすくしょんぼりする姿に

途中まではちょっと可愛らしいなんて思っていたけど、

店主に対して「良いよねー、気楽な商売で」ですからね。

気楽な商売……………?

女性社員たち、もっと彼の痛い所をズバズバ言ってやってくれ!!ってなもんですw

商売繁盛してなかろうが、コスパは悪かろうが、

こういうサービスの提供がしたいという理想や目標を持って

オリジナルの店を経営している青山(中村倫也)なんて、自分らしく生きるプロでしょうに。

そこが分かっていない辺り、まだまだ甘ちゃんなんですなぁ。

 

まぁ、"おじさんらしさ"を認めてくれる奥さんがいる限り、

たとえどんなに傷つくような事を社内で言われたとしても

上手くやっていけそうな気はしますけどね。

 

 

金魚珈琲

 

早過ぎる探偵、すぐ飛ばされるタクシー乗客、クレープ屋経営の元極道の次は女装と、

クセが強い役をどんどんこなされていく滝藤さん。

でも、こっちのエピソードにも可笑しさはあれど、

明るくて活発的な言動の中に、誰にも気づかれたくない過去の傷や

強がりな部分を抱えているようにも思えて…魅力的なキャラクターでした。

 

アケミ(滝藤賢一)の外見、歌手を夢見ていた過去、

そして周囲の目を気にする母親の様子からするに、

親子共に苦味の残る人生を送ってきたんだろうなぁ…というのは、

金魚を眺めるシーンや青山との会話で自然と想像出来ます。

と同時に、これからも全ての人に肯定されなくたって良いから

自分が生きたいように生きて行く、そんな"芯の強さ"も感じさせました。

中でも、遠藤(丸山智己)に心の声を勝手に読まれるのに対して

反抗心を見せるアケミが印象に残って…

また傷つくのを恐れて、強い人を演じる事で

自分を守りながら生きてきたんじゃないかとも思えました。

 

助けてもらった恩人との再会。

偶然ではあったけれど、あれから長年(?)の月日が経って、自身の店も経営し始めて、

きっと「へこたれないで!」って応援してくれるための

必然の出会いだったのかもしれませんね。

 

 

***

 

今回のテーマは「自分らしく生きる」でも、

これから模索していく新人くんと、酸いも甘いも噛み分けるプロの2つの話を

対比的に見せて行ったという感じでしょうか。

 

「男子珈琲」は冴えない中年男性の悲哀をコミカルに描き、

「金魚珈琲」は青山を少し脇に回したポジションにして、

アケミの人生観を覗き見する作りに重点を置く。

どちらも以前と比べて異色ではありましたが、これはこれで楽しめました。

 

ただ、私としては、前者の作りも悪くないですが、

所々にクスッと笑える要素を入れてエピソードを充実させるよりかは、

やはり、思わず寄り添いたくなってしまうほろ苦い作りの方が、

1人でゆっくり見られそうな時間帯の本作に合っているのかな?という気もします。

 

青山を「兄貴」と呼んでいたぺい(磯村勇斗)との関係…

次回で明らかになるんでしょうかね。

そして、垣根(夏帆)の話に続きがあると知って、これまた嬉しい!

 

 

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珈琲いかがでしょう 2話 感想|夢を持つ者と、夢を取り戻す者

 

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キラキラ珈琲

 

ロサ・メヒカーノ…ウィンナーコーヒーみたいなもんかな?

これはちょっと飲んでみたいわぁ。

牛乳多め、砂糖が入っていないと飲めない私でも飲めそうだわ。

コーヒーの知識が得られるのも楽しい。

 

東京に小さい頃から憧れ、そこで活躍する事を理想としていた人にとって、

売春行為をされてしまう所は「闇」を見たようで、

これをきっかけに東京に対してトラウマを抱えてしまうのではないか…と心配していたけれど、

雅(山田杏奈)みたいな自由奔放な子は、案外タフでいられるのかもしれませんね。

繊細な性格だと…多分立ち直りは難しいでしょう。

 

「さらばクソど田舎」とSNSに投稿しながらも、

載せているのはペットボトル製の風車の写真なのにはホッコリ。

東京で働き出した時に、実家で面倒見てくれた父親に有り難みを感じて

親孝行してくれるタイプだと思ってます。

 

そして…山田杏奈ちゃんにピンク髪が似合い過ぎる件ね。

幻想的な映像美が特徴の深夜ドラマに、

派手髪で何かの依存症を患っていて、絶望的な状況に陥っているメンヘラ役として

出演して欲しいな〜…っていう気持ちが芽生えてしまいました(笑)

 

だめになった珈琲

 

2話の真の主人公とも言える、礼(臼田あさ美)の話。

 

売春はもちろん犯罪ですし、夢を諦めないと決めたのなら

雅にもちゃんと罪を償ってからにして欲しいとは思うけれど、

徐々に自暴自棄になっていく過程には思い当たる部分もあり…

こっちのエピソードの方に心打たれてしまいました。

 

専門分野は違うし、流石に誹謗中傷はしていないけど、

小さい頃から「絵上手いね」「凄いね」って先生からも友達からも褒められて、ちやほやされて、

それが何年も続いたら「自分は絵の才能がある」って勘違いして、

いざ芸術の業界に飛び込んだら周りにもっとセンスのある人がいて。

「自分だって頑張ってるのに」「なんで見てくれないの」って

そのうち相手を嫉妬するようになるの…

なんかすんごい人間味を感じて、分かりみが深かった。

 

礼の行為は大体は"悪者"の印象で終わってしまうものですが、

青山(中村倫也)にとっては誰が良い悪いとかでもなく、

どの女性に対しても平等に気にかける描写になっているのが好きです。

かと言って、肩入れもし過ぎない。

ほどほどに遠くから見守って、ここぞという時に的確なアドバイスをくれる。

エスプレッソマシンの修理方法に絡めた励ましの言葉…印象的でした。

 

こっちの方がブランクもある分、再起出来るまでの壁は高いかもしれないけど、

マイペースにでも絵を描き続けていれば、いつかは友達とも和解出来る時が来るはず。

 

***

 

(前後編になりがちな最終回を除いては)

それぞれ舞台も人物も違うオムニバス形式で描かれるのかと思っていたけど、

今回のような2つのエピソードが交差する話もあるんですねぇ。

そして、今回の方が内容をじっくり味わえる充実感があるし、単純に見やすい。

 

2人に共通していたテーマは「夢」で、

東京への理想と現実のギャップに直面する姿は同じでも、

最終的には雅は確固たる夢を持とうと決心し、礼は再び前向きになるという

結末が2パターンに分かれていた所に"今を生きる若者"群像劇らしさが出ていて、

見終わった後に少し元気になれる作りになっていたのが良かったです。

 

で、次回は…かなり豪華ですなぁ。

滝藤賢一さんは最早、テレ東深夜ドラマでお馴染みのイメージがあります(笑)

男性側を癒す話も書いていくんですね。

 

 

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珈琲いかがでしょう 1話 感想|今日一日頑張った人への"おもてなし"

 

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人情珈琲

 

丁寧で誠実な暮らし。

垣根(夏帆)は…起業した方が向いているのかもなぁ。

机の乱れは心の乱れじゃないけど、その暮らしが心身を整えるのに大事だっていうのは分かる。

でも、会社勤めとなると「効率性」「時間厳守」が重視されてくるから、

遅いと言われたんだったらもう会社の方針に従うしかないんですよね。

 

珈琲好きのお客さんにプチ情報を与えて喜ばせたいなら、どうしても手書きである必要はないし。

世間の"普通"に順応していきながらも、自分なりのこだわりは残す形で

新たな仕事法を模索していけば、この会社にいるのも居心地が良くなるんじゃないかな…

というオチを予想していましたが、

「見ていてくれる人がいる」の落とし方がね…

仕事に関係ない依頼でっていう所にはちょっとモヤる(笑)

 

 

会社がどのくらいの規模か分かりませんが、全体的に上がダメダメですね。

効率性を重視って言ったって、お客さんも案外、

梱包が雑か丁寧かはちゃんと見ている気がしますよ?

サービス業として「開けたら一緒」はいかがなものかとも思う。

そんな訳で、垣根に対しても、会社側に対しても、

半分共感出来て半分「それは…」っていう気持ちで見ておりました。

 

でも、キラキラ女子のイメージがあった馬場(足立梨花)と

腹を割って話すシーンには、ほっこりさせられますね。

違う世界にいる人だと思っていたけれど、もしかしたら共通している部分があるのかも…などと、

お互いの心の距離が近くなっていく展開はやっぱり好きです。

 

死にたがり珈琲

 

布団も服も靴下もベージュだらけっていうのも…個性ですよねぇ。

でも、それは他人が見て良い解釈が出来るのであって、

本人にとってはコンプレックスであり、"殻に閉じこもっている象徴"でもある。

人に文句を言われたり、なりたい自分を否定されたりするのに怯えて、

保身のために生きている毎日。

変わりたいと決心して、何か新しい事を始めても

「どうせ自分なんか…」って思ってしまうタイプなんでしょう。

生活の根本的な所から職業病が染み付いちゃっている感じですね。

 

そんな美咲(貫地谷しほり)に青山(中村倫也)が提案したのは、

まずは身近な所から新しい事に挑戦してみる…というもの。

ここのカレーにハマったとか、カフェオレをプチアレンジするのが好きとかでも良いから、

挑戦の中で趣味に繋がるきっかけを見つけて、

そこから自分らしさを取り戻してみては?と伝えたかったのかもしれませんねぇ。

 

「人情珈琲」で移動式屋台がある日突然消えた時の

垣根の表情には胸がキュッとしましたけど、

美咲の場合は大らかそうなカレー屋の店主がいるので、

今後また心が折れる事があっても安心出来そう。

垣根の方は、本音で打ち解け合えそうな馬場と徐々に仲良くなるのでしょうが…

珈琲まるごと愛してくれる人だっただけに、ちょっと心配。

 

***

 

基本的に2話構成みたいなので、今後の感想もこんな形で。

 

月曜10時から11時6分に移動してからの第1弾。

いや〜、時間帯にかなり合っている作品なんじゃないでしょうか!

家事を終えて、小さい子供を寝かしつけて…やっと自分だけの時間がとれる。

今日も一日頑張った大人達のためのご褒美みたいな作り。

…まぁ、私はもう少し早い時間に録画を見たんですけどね(笑)

 

一息つく珈琲がテーマなので当然っちゃ当然なんですが、

台詞の間や雰囲気を壊さない、まるでカフェで流れているようなジャズ調(?)の劇伴に

センスの良さを感じさせます。

珈琲を淹れる過程もじっくり見せてくれる。

原作者の以前の作品「凪のお暇」でもそうでしたが…

フィクションの中で描く五感を現実世界で伝える事を

大切にされている方なんだろうなっていうのがよく分かる。

 

適度に微笑み、適度に頷き、適度に困り顔を…といった

静かな表情で魅せる中村倫也さんの演技も、本作の世界観にぴったり。

でもって、イケメンを武器に、少女漫画の王道系のSEで

遊び心を付け加えたりもしちゃう。

視聴者側に負荷のかからない、全体的に落ち着いた雰囲気だからこそ出来る"余裕"ですよね。

漫画原作ならではの持ち味とも言いますか。

 

1人だけ復讐ドラマでもするんか…?ってくらい場面が違う三平(磯村勇斗)が

どんな形で青山に関わっていくのかも楽しみです。

で、もう1つ気になるのは、頑なに外そうとしない右手の手袋。

度々考え込む姿があったので、そのうち主人公が珈琲屋を始めた理由を描く時が来るのかな?

 

「凪のお暇」も心満たされるほど好きだった作品だから

本作も多分好きだろうなぁ…と期待していましたが、これは完全に視聴継続決定ですね。

月曜日、本当に充実するかしら…どうかしら♪

 

 

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