2022年11月一覧

作りたい女と食べたい女 1話 感想|「女」というだけで

 

 

以前「王様のブランチ」の漫画コーナーで紹介されて、題材に興味を持ったものの、

結局読んでいないままだった原作が実写化されるとの事で、

視聴してみようと決めておりました。

「夜ドラ」枠の作品は、話数も多い上に毎日あるし、すぐ溜まっちゃうし…

おまけに録画も被り被りで断念した作品が多かったんですが、

(視聴は「カナカナ」「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」のみ)

本作の場合は10話と短く、秋ドラマも終わりに差し掛かっている時期での放送だったのも

視聴理由に繋がったのかもしれません。

 

初回の内容は、2人が抱えている背景と、2人が出会うまでが描かれました。

基本的に日常に沿って物語が進んでいくので、その時彼女はどう感じているのか?を

視聴者が読み解きながら見る形となります。

適度な"余白"を作ってくれたお陰で、

いっぱい作れば作るほどやり甲斐があって楽しいけど、自分は少食だからと諦める…

でも「いつも少食にしていてお上品」「家庭的」な女性になりたくてなっている

訳じゃないという、野本(比嘉愛未)の内心やきもきした気持ちと。

外食だとまあまあコスパよく収まるけど、容姿もあってか偏見がつきまとうから

家でチキンバーレルみたいな量の多い物を買って食べた方が気が楽…でも値段が高い…という

春日(西野恵未)の日々の葛藤がよく伝わってくる内容になっていました。

 

そして、2人に共通しているのは、「女だから」ってだけで自分を評価されてしまうという事。

説明台詞でもなくモノローグでもなく、映像を通して人物を紹介し、

さらに15分間でコンパクトにまとめた作りになっていたため、

これは次回以降も期待出来そうだと思わせてくれた初回でした。

 

比嘉愛未さんはつい最近まで、おどろおどろしい役を演じられていましたが(笑)

その分、周囲から一目置かれるキャリアウーマンっぽい役には

安心感と安定感を感じさせます。

一方で、西野恵未さんは初めてお見かけするお方ですね。

…というのも、本業は女優さんではなくキーボーディストなんだそう。

しかし、食べるのが好きな春日という女性にはぴったりの佇まいで、

背が高いのも影響しているのか、一緒にいて心が落ち着くような、

重い荷物を背負って相手をほぐしてくれるような、

そんな包容力が滲み出ているんですよねぇ。

 

最後は、本作のタイトルにもなっている「作りたい女と食べたい女」にかけているのか、

野本が一緒に食べない所はちょっと意外でしたが、

大口で黙々と食べる春日の様子を見て、うっかり目頭が熱くなってしまいました…。

目の前で自分の手料理を美味しそうに食べてくれるという事が、

インスタでの「見えているつもりが見えにくい」反響や、

社員が良かれと思ってかけてくれる言葉以上の

最高の"褒め言葉"だったんだなぁと実感するラストシーンだったと思います。

 

月〜木と毎日あるため、感想は今後も書くかどうかは不明ですし、

明日以降は録画視聴になってしまいますが、引き続き見ていくつもりです。

 

 

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拾われた男 8話 感想|親子それぞれ遺伝してる!

 

 

武志(草彅剛)、とんだ大嘘つきだった(笑)

調べたらすぐ分かるような嘘から、聞いただけでもあり得ないだろうと思う嘘まで…

次から次へと重ねていくあのシーンにはもう、じわじわと笑いが止まりませんでしたよ…w

 

武志はアメリカの多くの人からは「ユーモアに溢れた人」「気さくな人」という

イメージを持たれていた一方で、

幼い頃から共に過ごしてきた諭(仲野太賀)だけは彼を

「何を考えているのか分からない人」「翻弄させて困らせる人」だと捉えていた。

でもそれは、相手が今立たされている状況や年齢、

出会った時期によって与える印象が異なっているだけで、

彼は現在まで「相手を想って、突飛な発想・発言で喜ばせようとする」

人である事は一貫しているし。

その性格は、スタッフに差し入れを配り歩く平造(風間杜夫)から

遺伝しているんだろうなぁ…とも思わされます。

 

他にも、どうしようもない人だから「けだもの」と呼ばれる所は、諭と平造で似ていたり。

いつも物を片付けるのは自分だと文句を垂れながらも、

結局また旦那の食べた痕跡をついつい拾ってしまったり。

今回はそんな、自分の心の中に"家族と過ごした時間"が

確実に存在している事を示す「遺伝」と、思い出や出来事が蓄積されればされるほど

縁を切れそうにない「家族」が描かれた回だった気がします。

 

諭にとっての"もう1つの家族"である福子(永尾柚乃)も

徐々に「ポスト結」になりつつありますね。肝の据わった感じがママそっくりです(笑)

特に、福子が先に「まずは冷静になれ!」って肩に手をぶつけてきて頼もしさを見せた後で、

結(伊藤沙莉)も無意識に同じ行為をとるというのが…

ああ、親子だなぁと感じられてほっこり。

内容自体は、武志がアメリカに残留すると決めた理由や、

その時武志はどうしていたか?を紐解いていく展開になっていて、

前回以上にシリアスさが増した分、今回は福子のキャラクターに癒されました。

 

諭が「2年後来れたら来るわ」と言って去ってからの、武志のまばたきの動きもね…

本当、なんて事ない動作なんですけど、

ゆっくりと閉じられていく間に、諭への想いとか、家族の事とか、後悔とか、

いろんな気持ちが込められているようで、ちょっとだけジーンと来ちゃいましたね。

そのシーンがあった上でのあの「もしもの世界」。

アメリカで1人、大切な人を長年考え続けていたのだというのが分かります。

 

15年間バラバラになっていた家族は、再び1つになれるのか?

そして、もちろん…1000万円をどうするのか?

(映画の脇役出演って、給料いくらなんでしょ??)

役者業の事もあるので、どんな結末に落ち着くのかが読めませんね。

 

 

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エルピスー希望、あるいは災いー 6話 感想|相克の関係。言い得て妙!

 

 

「相克の関係」か…面白い事言うなぁ、正一(鈴木亮平)。

 

恵那(長澤まさみ)にとって、正一が手強い相手である事、

彼との色恋に溺れたら中々抜け出せないという事は以前でも語られていたけれども、

今回のあの冷静な声のトーンからは、

彼を俯瞰的に見る形で、あえて意識の外に追いやろうとしている

ささやかな対抗心みたいなものを感じさせました。

一方で正一は、指輪という名の"呪い"で、恵那の滾る感情を一旦封じ込めようとはした。

でもそれは今の彼女には通用せず、自身の思惑に気づいていると察した上で

別れを切り出したんでしょう。

 

「俺とお前は、いつの間にか相克の関係にある。」

「生半可な情理などでそれは埋められないものだ。近い将来君は俺を憎む事になるだろう。」

「そういう君だからこそ俺は好きだった。それはこれからも変わらない。」

敵か味方か、ここまでず〜っと得体の知れない存在感を放ってきた正一ですが、

少なからず、彼女に愛情を抱いていたのは事実なんだろう…とは

この言葉から伝わってきます。

「人生から押し流す大事なもの」で恵那が正一を押し流したように、

正一も恵那を押し流す選択をとったんですよね。

 

正一が退職届を出してからメインテーマがかかるまでの、一連の流れはとても清々しくて。

ああ…彼は、権力がものを言う世界に飛び込む形で

"独り"で戦いに挑もうとしているのだと思わされるシーンでした。

そして、独りになっても彼の背後には、思わず視線を感じるほど

恵那が大々的に映ったポスターが貼られているという構図もシビれます。

返り咲いてもなお、政界が絡んでいる冤罪事件に立ち向かおうとする恵那と、

溢れ出る才能を止められないまま次のフィールドへと移った正一…

離れたとしても、これからも2人の「相克の関係」は続いていくという事を示した点では、

次章への良いバトンタッチ回になったんじゃないでしょうか。

 

恵那と正一の関係性とは別に、

人を駒にして遊んでいるかのようなメディア業界の人事の闇も興味深く視聴。

冤罪事件で魂に火をつけた村井(岡部たかし)は、

「フライデーボンボン」での最初で最後の反抗を見せてくれましたが、

左遷されたという事は、視点を変えれば

今までくすぶっていた自分自身の変化を認められたとも解釈出来る訳で…

そういう意味では爪痕は残せているし、本人も悔いはなかったんだろうと思います。

 

報道生活がスタートする当初は意気込んでいたのが、

時間が経つにつれて、初回で自分が言ったまんま

「誰も自分たちが報道した事の責任なんて振り返りたくない」

「報道って時間ないふりして、いつも必要以上に忙しい」状態に陥ってしまっていた恵那が、

果たして、拓朗(眞栄田郷敦)と共に政界に踏み入れ、真相を見つけ出す事は出来るのか?

まだまだ楽しみです。

 

 

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silent 7話 感想|紬の真っ直ぐさが2人をつなぐ

 

 

今回は「想が声を出さない理由」と「想と奈々の関係性」にじっくり向き合う、

1つのターニングポイントを迎えるお話になっていました。

そして、核心へと迫る中、紬(川口春奈)は2人を取り持つ存在として描かれました。

 

紬はどこまでも真っ直ぐな人でしたねぇ…。

奈々(夏帆)に事前に用意してきた手話を伝えるシーンは、

世間の評判だと「身勝手」と思う方が多くいたらしいんですが、

私は特に嫌な気分にはなりませんでしたね。

奈々は想をずっと好きでいたけれども、想からしたら"彼女"ではないし、付き合ってもいない。

それは、「佐倉くん」と呼んでいる辺り、まだ正式な関係にはなれていない紬も同じで。

だから、この曖昧な状態が続いている以上は、どこかでケジメをつける必要があった…

そう思っています。

手話は下手くそと言われながらも…いや、下手だったからこそ?

紬が時折感情を顔に出しながら伝える姿には嘘がなくて、

ああ、本当に感謝しているんだなぁ…っていうのが奈々目線で伝わってきて

ちょっと涙してしまいましたし。

想ではなく紬が行動に出ようとしたのも、

想が「聴者とろう者と中途失聴者は違う」と言われたのを知った所から始まって、

奈々なら全て分かってくれるであろう想の早い手話が、自分では分からない時がある→

8年間何もしてあげられなかった自分の代わりに、長年受け止めてくれていた奈々に

想本人が伝えづらい感謝の気持ちを伝えたくなったし、誤解を解きたくなった…と

段階を踏むようにして動機が描かれていたので、

今回のは"らしい"判断だったし、ああなるのも自然だった気がします。

 

あとは…演者によっては、偉そう…ってなりそうな役柄を、

川口春奈さんが演じられたというのが大きかったですかね。

以前、本作の裏側に迫る記事で、川口春奈さんを起用した理由として、確か

「女性の共感を得やすい」「女性のリアルな部分を演じても嫌われにくいだろう」って

書かれていたのを読んでいて。

川口さんの純粋さと等身大さが最も活きたシーンにもなっていたと思います。

 

で、想の気持ちが奈々に届くシーンの他に、

個人的に嬉し泣き(一部は切な泣き?)してしまったのは、

好きな人の心の中に"大切な人との時間"が刻まれているのが、想や紬から感じられた事。

 

まず想に関しては…奈々が、自分だけが憧れていた夢を想も同じように見てくれていて、

さらには、自分では想像出来なかった声を、想の夢の中では出していたと知れて

何よりもの救いになった事でしょう。

前回では「絶対叶う事のない夢」として描かれていた分、

たとえ夢ではあっても想いは通じ合っていたと分かった途端、

心揺さぶられるものがありました。

 

そして、今度は紬について。

終盤で紬が話していた「声、好きだったけど。それは本当だけど。」…

この後付けしていくような言い回しだったせいか、

湊斗(鈴鹿央士)の声で再生されたんですよね。

これが脚本家が意図して描いた台詞なのかどうかは分かりませんが、

このたった一言を聞いただけで、別れてはしまったものの、言い回しが移ってしまうほど

彼女の中では湊斗の存在が大きな支柱になっていたし、

1人心をすり減らす生活を送っていた彼女を救い出してくれたのが

彼であるという事実はこれからも揺らぐ事はないんだろうな…なんて、

馴れ初めや付き合っていた頃の記憶がぶわっと蘇ってきて。

ちょっぴり切なくもあり、8年間という長い思い出を

今でも無意識に、心に大切にしまってくれている事に、

嬉しさを噛み締めたくもなるシーンでした。

 

奈々が憧れていた夢、図書館での可愛らしいエピソード、

そして、衝撃だった「プレゼントを使い回された気持ち」…

奈々と想の間に入ったヒビを治していく過程や、

奈々の気持ちの変化、前向きになっていく様を、

前回の要素を取り入れながら、前回と今回で対になるようにして

表現していった手法も素晴らしかったです。

特に、図書館で子供にシーッってされたエピソードが刺さりましたね。

手話での会話が盛り上がって、思わず笑いが吹き出てしまったのが

子供にとっては「喋っている」と捉えられた事が、

奈々の「声で喋っている」夢を叶えられたようにも思えて、こちらも微笑んでしまいました。

 

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アトムの童 7話 感想|興津、寝返るもまだ胡散臭い。

 

 

社員も増え、以前の活気ある状態に戻れた「アトムの童」…

あれ?私、1話分見逃してた??と思うくらいのペースの速さですね。

興津(オダギリジョー)が猫みたいにシャーっと吠えていた

前々回のラストが嘘のようです(苦笑)

 

裏切ったり寝返ったりの繰り返しに、「組織vs組織」の構図、

官僚・銀行・株主といった"お金""権力"にまつわる設定を盛り込んでのマネーゲーム的展開と、

回を重ねるごとにゲーム版「半沢直樹」になっている本作ですが、

(いや、もうゲームもアクセサリー代わりにしか使われていないかな…(汗))

逆に大ヒット作の足跡を追う作風にすればするほど

作り手と視聴者の求めているものに大きなズレを生じてしまっている気がするんですよねぇ。

もっと簡潔に言えば、アップダウンの展開で面白い"風"に見せているだけで、

それに描写が釣り合っていないというのか。

 

中でも、個人的に違和感を覚えてしまったのは、那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)が

ゲーム開発者の勤めるシアトルの会社に転職を決めた件。

え〜っと…この前までは、5000万円でかつてのアトム玩具の土地を買い戻すほど

「アトム玩具のみんなで作るゲーム・おもちゃ」に強い思い入れのある2人だったのに?

イベントで会って間もない相手の所で一緒に働こうってなるの??

そう感じる理由は単純で、"過程"が圧倒的に不足しているから…なんでしょうね。

 

話の前後が繋がるように物語を進めていない限り、

残念ながら、「そろそろ次のステージに進むべきなんじゃないか?」という台詞だけでは

とても補う事は出来ません。

「次のステージ」って言うけど、今はどんなステージに立っているのか?

そういった"過去と比較した現段階での""ゲーム業界においての"会社の地位が

明確化されていないのが、あのシーンを見て、腑に落ちない気持ちにさせたのだと思っています。

 

そして、急に助けを求める側になった興津(オダギリジョー)も同じです。

口約束じゃなくてきちんと契約書を交わして!はもちろん、

切羽詰まっている割には、髪型がほぼ乱れてないのもどうなのかな…

というツッコミもそうですが(苦笑)

「納得行かない」「まだ胡散臭い」と視聴者に思わせた件も、

"数年間"が端折られたが故に起こった弊害な気がします。

ゲーム制作をしていく上で、「会社を守るため」と言いながら

汚いやり方で技術を横取りしてしまった後悔や罪悪感みたいなものが

興津から時折垣間見えるように描かれていれば、

彼の人間臭さも増して、頼み込んでくるのにもちょっとだけ同情出来たんじゃないかと

思えてなりませんでした。

 

本当に、那由他の考えが「ゲームの未来と発展のため」から来ているのにブレがない所に、

何とか救われている感じです…。

口がポカーンとしてしまう物語でも、山﨑賢人さんの純真な佇まいで、

やっぱり、那由他の進む道を、那由他の見る景色を一緒に見てみたくはなるんです。

社内に興津が入ってくるシーンの演出も、その瞬間をスローモーションで撮った事で、

乾いた土地(=アトム)に水(=興津)という異なる性質が混ざり込む…という

ゾワッとした感覚を作り出していて洒落ているとは思いますし。

黒い傘を差していたのが興津から隼人に変わったのも、那由他との関係性の変化を

感じさせて、そこも上手いなぁとも思うんですよね。

 

演出や役者さんにはまだまだ良い所が見えるだけに、脚本の粗さが目立つのが残念です。

那由他と隼人が興津のせいで()別れたラストシーンにしても…

仲間割れ、買収…と、第1章での内容をなぞるような話が続いている作風からするに、

どうせまた時間経過させて、また数年間をやんわりと描いた上で

「eスポーツ制作で幅を広げた那由他」と「新技術を学んだ隼人」が合流して

感動展開をやるんだろうなぁというのが読めるので、あまり衝撃もありません。

 

前後編で何とか盛り返して欲しい所ですが…もう難しいのかな。

 

 

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クロサギ(2022) 6話 感想|神志名の過去、ようやく明かされる。

 

 

氷柱(黒島結菜)が裏バイトの実態を単独で調べる件に、警察との絡みに、

神志名(井之脇海)の過去に、桂木(三浦友和)との対立に、鷹宮(時任勇気)の本性に…

とにかく、いろんな方面のエピソードを詰め込んできた前半。

お陰で、テンポが悪くなっている上に、

本作のメインが何なのかが霞んでしまっていますね。

「シロサギを喰う」部分なんて、仕切り直しと言わんばかりに

CM明けの22:33分頃からようやく動き始めたくらいで…

あまりの遅さに、エピソードをあちこち膨らませたために

黒崎(平野紫耀)の"クロサギ"らしい活躍を描くのを途中まで忘れていた事に気づいて、

慌てて描き始めたんじゃないか?とすら思えてしまいました(汗)

 

縦軸を盛り込む事自体は別に良いんですが、それが魅力的な内容に仕上がっていなければ、

本筋の足を引っ張るだけな気がするんです。

近年のドラマは、縦軸で惹きつけるのを意識した結果

「二兎を追う者は一兎をも得ず」状態になってしまったものもよく見かけますが、

本作もまさにそんな感じ。

 

例えば…神志名の絡め方だってそう。

彼が詐欺師にこだわる動機が明かされたのにはホッとしたものの、

御木本(坂東彌十郎)の復讐を終えてからの新章で…っていうのは

今更過ぎるんじゃないでしょうか。

前回の感想でも書いた通り、黒崎と"同年代"である事に意味を持たせ、

黒崎と敵対する関係性を描いていくためには、

「神志名はどんな過去を抱えているのか?」が重要になってくるはずなのに、

どうも優先順位のつけ方が間違っているように思えてなりません。

カミングアウトにしても、回想を織り交ぜながら掘り下げる形ではなく、

(後で本人の口から告げられるシーンがあったにしろ)

黒崎へ向けた早瀬(中村ゆり)の説明台詞で済ませて終わりなのも味気ないです…。

僭越ながら「もしこうだったら…」を考えさせていただくとするなら、

3,4話辺りの冒頭で、神志名の幼少期にスポットを当てるエピソードにガッツリ尺を割いて、

そこで背景を提示した上で、現在は警察官として働く姿を

シームレスに繋げていくという魅せ方をしたら、

彼が物語で欠かせない存在になるのにも説得力が増したかと思います。

 

あとは…もう1つの原作「クロサギ再起動」の設定を

踏襲している所もあるんでしょうけど。

新章スタートの今回を見る限りは、大まかに捉えれば

御木本の代わりに新たな"黒幕""因縁"を作った…って感じなので、

そこも個人的には(物語に)ワクワクしない理由になるのかなぁと。

章立て構成ではなく「御木本を倒す」をゴールにして、

セミファイナルまでは「黒崎はなぜ"クロサギ"であり続けるのか?」

「黒崎がいかに頭の切れたクロサギか?」…

つまり、主人公を描く事に専念した構成になっていれば、

本作への印象もガラッと変わったかもしれません。

 

最後に、唯一良かった点を挙げるとするなら、

黒崎の"クロサギ"らしさが久々に見られた事でしょうか。

どんな手口を使ってシロサギを喰ったかが、比較的分かりやすかったです。

まぁ…若干駆け足だったので、コンパクトにまとめた…とも言えるんですけども(笑)

 

12/11追記:

既に7,8話は視聴しているのですが、言いたい事は6話の感想で大体言っていますし、

他の感想が溜まっていて執筆が追いつきそうにない状態なので、

視聴のみにする事にしました。

待っていてくださった方には、申し訳ございません^^;

 

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ザ・トラベルナース 6話 感想|部長の為ではなく自分の為のストライキ

 

 

女性同士による爆弾発言、大声で怒鳴り散らす愛川(寺島しのぶ)、

天乃(松平健)への「私の方が真面目に仕事やってます」マウント…

女性キャラを"強い女"に仕立てようとしている描写が、

いかにも中園ミホさんらしい作風だなぁって思います。

 

それだけに、肝心のナースたちのストライキ行為が、

自分たちの意見を貫き通すたくましさを見せる訳でも、言動の未熟さを反省する訳でもなく

中途半端で終わってしまったのが残念です。

 

愛川の退職を機に、菊子(安達祐実)を筆頭にナースがそれぞれ仕事を手分けするようになり、

くたくたになった所で「部長は何も言えないんじゃなくて、私たちがこうならないようにと

少しでも自分に負担をかけてくれていたんだ」と気づく女性ナースたちの"成長"が

盛り込まれていたなら、ストライキのシーンもちょっと感動的に見えたかもしれませんが。

あの感じだと、改善点すら考えずにぶつくさ文句を言い、結局全ての仕事を愛川に押し付ける…

要は「やっぱり部長の存在が必要」じゃなくて「自分の仕事を減らして楽になりたい」がために

愛川の復帰を求めたようにしか映らなかったんですよね。

 

せめて、愛人の噂が数年前から広まっているのを利用して、

本人に直接脅すくらいしてやったら痛快感で魅せる話にもなったでしょうに、

それもないので…。(だって、理不尽な理由でクビにしたのは事実なんだし…。)

愛川が本音を初めてぶちまけた前半と対にして、

後半では、今度は部下たちがグイグイ核心に迫る…という構成をとっていたら、

「愛川に長年指導してもらった立場」として、"成長"が見えて

面白味が増したんじゃないかとも思えてしまいました。

 

そして、これは今まで本作を見てきた上で感じた疑問なんですけど…

全9話だと想定して(14:00追記:確認してみた所、全8話でした)

もう2/3である6話に到達しているというのに、

歩(岡田将生)の成長があまり実感出来ていないのは私だけでしょうか?

静(中井貴一)の影響を受けている事が伝わったのは

4話での患者に嘘をつくくだりくらいで、

あとは基本的に、毎回振り出しに戻っている気がするんですよね。

日本の医療体制の愚痴を言う→偏見に囚われる→静の言葉で考えを改める→行動に移す

のローテーションといった感じ。

今回なんかは…着実に成長しているのなら、

少なからず、愛川があの日突然声を荒げた事に違和感は覚えるだろうし、

数ヶ月間彼女と関わっている以上は

「患者の事ももう少し考えてくれたら良かったのに」なんて考えには至らないはず。

最近は、メインエピソードに歩が時々首を突っ込む形になってしまっているのも含めて、

このままだと、"成長の集大成"とも言える最終回にちゃんと繋がるのかが不安です…。

 

当初は「ああ、『ドクターX』が長編シリーズになったのも分かるなぁ」

と思える出来だっただけに、

回を重ねるごとに、展開や設定に粗が出始めている感は否めませんね。

 

 

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自転車屋さんの高橋くん 3話 感想|「ぷりちー」の破壊力

 

 

※3話(11/18放送分)の感想ですm(_ _)m

 

父からいつも言われる言葉「誰からも愛される良い子でいなさい」を

守り続けてきた子供時代かぁ…。

一回なら分かるけど、幼さ故に気持ちをまだ上手く言語化出来ない、

周りを観察して学んでいる段階で何度も言われるとなると、

そんなつもりはないと理解しつつも、お父さんも中々罪な人だなぁ…と思っちゃいますね。

「自分が跳び箱失敗して笑われたらどうしよう」じゃなくて

「先生が悪いって笑われたらどうしよう」という考えが

先に来ちゃうのが朋子(内田理央)らしいというか。

笑われた事でいずれ責めてきそうな先生も、いつも怒っている母親も、

子供の頃の朋子にとっては大人がみんな怖い存在に映って、

そんなある種の"トラウマ"を今でも抱えて生きているんだろう…

というのが伝わるアバンから、今回の物語は始まりました。

 

叱られそうだから「大人が怖い」と何となく思い続けてきた中での、

貴美子(長井短)との出会いだったのでしょう。

彼女は誰に対しても飾らないし、良い意味でサバッとした性格。

意見をちゃんと言えない事に対して注意するんではなく、

むしろ、自分を尊重する言葉をかけてくれたのが、

朋子にとっては救われた心地だったんだと思います。

そして今ではもう1人…遼平(鈴木伸之)という、一緒にいてハッとさせられる人がいます。

 

我が道を貫く・"気づき"をくれる・頼り甲斐がある・でも実は繊細な面も持ち合わせている

(貴美子の場合、会社を辞めると事前に決めていた辺り、

誰も知らない所でストレスを溜めていたんだろうなと)。

貴美子と「キミちゃん」「パン子」と呼び合える関係になるまでの過程を描いたお陰で、

貴美子と遼平の共通点も見えてきましたし、

その上で、なぜ朋子が、自分とは正反対の立ち位置にいる遼平を好きになってしまうのか?も

同時に描かれていて。

回想をミルフィーユ状に重ねながら、

心情変化をじっくり追おうとしている作りには、大変好感が持てました。

 

栄養満点でもどことなく食べた気はしないカロリーメイトを昼ご飯にしていた貴美子に、

見た目も食べ応えも満点のポテサラサンドを渡す。

遼平が通っている中華屋さんを「汚い」とは全く言わず、

気持ち良いくらいに料理を平らげる。

そんな朋子の大らかさが、誰かにとっては"癒し"になる変化にも触れているからか、

今回は2人の関係が一気に進展したのには驚きつつも、遼平にとって朋子の存在が

いつしか心の拠り所になってるんだろうなぁ…っていうのが見て取れます。

 

ただ、現時点は朋子視点で話が紡がれていっていますが、

遼平視点での話も見たい気もしています。

親父と2人暮らしとか、自転車屋になるきっかけとか、まだまだ謎な部分がありますしね。

まぁでも…「自転車屋さんの高橋くん」というタイトルが、

"相手から見た主人公"という体でつけられているようにも思えるのを踏まえると、

基本的には、彼女主体の話を描く姿勢を貫き通すのかもしれません。

 

職場の唯一の同期である貴美子がいなくなると知って心細くなり、

どんどん孤独を感じていく彼女に対して、

「うちで働くか?」「その方がともちゃんのためになるやろ」

とか言って引き抜いて転職…という流れにもなりそうですが、

それは"ドラマ"でしか起こりえない奇跡であって。

多分朋子は、職場を辞めたいと思いつつも、結局辞めはしないんだろうなぁと想像しています。

本作は日常生活での出来事がベースになっていて、奇を衒う展開はほとんどしてこないので。

遼平の支えもあって、ノーと言えない朋子がちょっとだけ強くなる…

現時点でのバックボーンの積み重ねを見ていると、

心の成長も描いてくれそうだとつい期待してしまいますね。

 

で、最後に余談…可愛いを「ぷりちー」って言う遼平の方がぷりちーな件について(笑)

朋子もそうですが、彼の発言も中々聞き逃せなくて、

そういう意味でも惹かれてしまう作品ですw

 

 

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親愛なる僕へ殺意をこめて 8話 感想|父さんが犯人でした!←それはそう

 

 

かなりの急展開。

恐らくほとんどの視聴者が予想されていると踏んで、ネタバレしちゃいますけど…

登場人物が少ない以上、犯人が亀一(遠藤憲一)だという事実は揺らがないでしょうから、

残り2話で、犯人が彼だと想定し、有利な証拠を見つけるまでの過程を

どう描いていくのかは最も気になる部分ではあったんですよね。

 

しかし、今回の内容を見ると…放送前から全9話である事が決まっていたにもかかわらず、

正直、間をちょっと端折り過ぎだったかな?感は否めません。

「なぜ亀一が犯人だと決めつけたのか?」については、京花の姉・白菱凜(工藤美桜)が

当時スナックで働いていた様子を撮った写真を店主が見せてくれたから、

そこに記載されていた日付が決め手となったのだろうとは解釈出来るのですが。

肝心の「いつから亀一を疑っていたのか?」については、

視聴者の考察が先行しているだけで、

B一(山田涼介)視点では特に描かれていなかったのです。

 

北海道旅行の家族写真には、以前確かに触れてはいたけれども…

B一自身があの写真を見て何か違和感を覚え始めたり、

頭のどこかでずっと引っかかったりしている素振りもない

(そういう演出にしていなかった)のが、

「いつの間に!?」という戸惑いに繋がったのかなぁと。

手の怪我も、"確認"の意味合いで、

亀一に会う時にアップにする頻度を増やしても良かったのかもしれません。

 

個人的には、どうせだったら今回は、もういっその事最終回に回して

90分スペシャルで見たかったな〜という気持ちですね。

無駄な引き延ばしをせずに、新情報を躊躇せず投下していく

本作のスタイルには好印象を抱いていて、

今回の畳み掛け方にしても、今まで「?」と思っていたいくつものピースが

次々とハマっていく所に快感を得られていただけに、

"真相探し"の過程ももっと上手く絡められていたら…と勿体なく思えてしまいました。

まぁでも、真犯人が他にいるそうなので、

やむを得ず最終回前1時間に収めた…という事なんでしょうね。

 

最近「強面なのに良い人」ではなく

「強面で悪い人」の役を演じる事も増えてきた遠藤憲一さん。

キリッと鋭い目で睨んでくる山田涼介さんと、

B一を憐れむかのような目で見てくる遠藤憲一さんの対比は絵になりましたねぇ。

サイコパスな一面は…手にナイフが刺さっても痛みを感じないよりかは、

冷蔵庫からお茶を取り出すという、日常的な動作をその後も平然とやってのけるのが

何気に一番怖いです(笑)

 

ここまで楽しんできたのは間違いないので、

あとは、どんな衝撃の展開が訪れるのか?を待つのみですね。

 

 

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拾われた男 7話 感想|兄も"拾われた男"だった…。

 

 

"兄弟"をあらゆる角度から描いた回でしたね…。

 

いつも「一枚上手な兄に負ける」人生を送ってきた諭(仲野太賀)。

それは15年以来のアメリカでの再会でも健在でした。

脳卒中による後遺症、諭と同じく仲間に恵まれた人生、活躍する弟への想い、不法滞在…

自分の知らない兄の顔を一気に吸収しなければならない上に、

介護をしながら兄が遠のいて行くのを覚悟せざるを得ない状況に立たされる。

結局、武志(草彅剛)に追いつく事は一度もなさそうで…。

夢で見た自転車のエピソードの挿入が、

武志との縁を切り、役者業が軌道に乗り出したからと言って、

「先に行こうとする兄」と「兄に追いつけない弟」の関係性は

一生涯揺らがないのだというのを物語っているようにも映りました。

 

諭が山村社長(薬師丸ひろ子)にスカウトされ、今ではすっかり有名俳優になったように、

武志もカラマズーの人々に愛され、雇ってくれたカフェでコメディアン的人気を博していた。

節々で共通している所はやっぱり、

子供の頃から行動を共にする事も多かった、血の繋がった"兄弟"らしいなぁと思わされます。

しかし…唯一違っていたのは「落し物に気づいたかどうか」。

諭は飛行機のチケットを拾い、武志は学費の入った封筒を拾い忘れたのを機に

運命を大きく変えてしまう。

回想も交えながら、初回からずっと"兄との確執"を描いてきたのがここで効いていて、

2人は表裏一体なのだと思わせるには十分に説得力のある内容だった気がします。

 

舞台も内容の方向性も変わるとなると、別ドラマに見えがちではありますが、

序盤での「おばあちゃんからもらった外国のお土産」が

今回のフックとして描かれていたので違和感も覚えません。

そして…武志のためにアメリカに行ったつもりが、結(伊藤沙莉)の予言の通り

内心では浮かれてしまっている諭の"変わらなさ"にもちゃんと触れていたのが、

シリアスな雰囲気が続く中で安心材料にもなっていました。

美人の看護師に飛びつく素振りを見せたり、

看護師にはそのまま握らせておいて、竹村(黒田大輔)が手を握ろうとしたら避けたり…

分かりやすい彼の様子に、今回も「おいおい!w」ってツッコませていただきました(笑)

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンとの共同制作だからか、

アメリカの街並みも存分に見せてきて、外国人のキャスト陣もしっかり用意して…で

流石のスケール感でしたね。

そして…草彅剛さん、やっぱり素敵な役者さんだなぁと改めて。

本当に臭いが画面越しに伝わってくるような、気力の抜けた現在の姿と、

ムードメーカーとして活き活きしていた過去の姿の演じ分けが、

武志の人生において最も尊かったであろう"あの頃"を浮き上がらせているようで、

人物像を構築する丁寧な演技に、自然と涙してしまいました。

草彅さんの演技って何と言うか…

「役を演じる」じゃなくて「登場人物に命を吹き込む」感じなんですよね。

久々に堪能出来た事が嬉しいです。

 

 

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