2023年冬ドラマ-星降る夜に一覧

星降る夜に 9話(最終回) 感想|同じ空の下、日常は続いていく

 

 

まず、惜しかったな…という点を1つだけ。

どうしても、伴(ムロツヨシ)のエピソードが消化不良だったのは否めなかったかなぁ…と、

そこだけちょっぴり複雑な気持ちにもなりましたね。

鈴(吉高由里子)や深夜(ディーン・フジオカ)、春(千葉雄大)など

皆それぞれ辛い過去や深い傷を追っていた者が、

固定観念に囚われず伸び伸びと生きる一星(北村匠海)との関わりによって

前を向いて歩いて行くまでを描く物語。

そこに伴の心情変化を含む事自体は否定しませんが、

やっぱり罪を犯してしまっている以上は、自分の過去の過ちに目を向ける描写もあった方が

伴のこれからの人生を応援出来たのかな?というのが私の考えです…。

 

彼が働き出した職場に鈴と一星と偶然会ってからのシーンにしても、

私がもし鈴だったら、「雪宮先生は人殺し」と言いふらしてクリニック内を暴れられ、

自宅にレンガを投げられるといった恐怖が真っ先に蘇ってきて、

笑顔で「また来ます!」なんて言えないかもしれません。

2人との再会はなしにして、どこか少し離れた場所で

伴は娘と一緒にやり直そうとしている…という落とし所にしても良かった気がしました。

 

ただ、そこを除けば、"らしい"感じにまとまった最終回だったのではないんじゃないかなぁと。

鈴が1人で星空を見上げてから今までの回想が盛り込まれる流れで

ああ、なるほどな…と思ったのは、「みんな同じ空の下で繋がっている」

本作が送るメッセージだったのだ…という事。

例えば、鈴と一星の出会いは星空の下。

佐々木夫婦が安産祈願にと、神社に参拝しに行った際に見つけたのは一番星。

"雪"宮鈴、柊一"星"、佐々木"深夜"、佐藤"春"、"北斗"千明と、

主要人物の名前の共通点に、気象に関するワードが入っていたのが印象に残っていたんですが、

そのネーミングも、エピソードを広げてきたのも最終回のためのだと気づかされました。

 

挿入歌を流すタイミングも良くてね…。

"始まり"を象徴する夜空をLINEの背景に見立てて

2人の現在進行形でのトークが繰り広げられた後で、

今度は、向こう側に一星が立っていたシーンを彷彿とさせる踏切をチラ見せする形で、

「空の下で続いていく日常」を表現した所で流れた歌詞が

「♪何度でもね これからも 思い出 重ねよう」だったのには、刺さらずにはいられず…。

いやはや、あまりにもバッチリ過ぎる演出でした。

 

キスシーンの頻度はもちろん、それをロマンチックに見せようと

画面を切り替えてはいろんな角度から映したり、

今回で言えばタイミング良くイルミネーションを点灯させたりと、

何かと"若者向けのドラマ"を意識した胸キュン演出が多かったですが。

内容そのものは胸キュンとは一転して、骨太なヒューマンドラマ仕立てで、

最後まで登場人物に愛着を持ちながら

彼らの幸せを願いたくなるような温かい作品でした。

 

最後に、間を挟まずの放送なのもあり、どうしても比較されるだろうと分かっていて

あえて言及してこなかった某静寂についても、最終回なので少し触れながら書くとすると…

静寂が"陰"なら本作は"陽"で、どちらが「あり得る」「あり得ない」って訳ではなく、

どちらも1つの世界に存在し得る作品だったのではないでしょうか。

また、2クール連続でその順番だったからこそ、

放送される意味もより深く感じられたと言いますか。

寒さが増して、空気がひんやり感じてくる秋〜冬の季節に、

静寂では「"伝わらない"苦しみは、中途失聴者だけでなくろう者も聴者も誰もが抱えている」

「それでも、一歩でも踏み出してみれば優しい世界は徐々に広がって行くのかもしれない」

を描いてから、

寒さから春の陽気へと変わり、もうすぐ新生活が始まる冬〜春の季節に、

本作では「"音のない世界"にいる人だって普通に恋愛するし、下ネタだって言う」

そして、「皆それぞれが新たな道へと進み始める」ラストを描く…

苦悩から、"普通"と言われている日常へとグラデーションがかかっているようで、

通しで見る意義のあった2作品だった気がします。

 

何だか2作品の総括になっちゃいましたが(苦笑)

本作"も"素敵な作品だったと思います。

 

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星降る夜に 8話 感想|犯した罪はビッグラブでは帳消しにできないよ…

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前回の感想で「あ、もちろん、営業妨害や名誉毀損に値する行為をしてしまったのは

事実ではあるので、そこを認めた上で。ちゃんと救われて欲しいです。」と書きましたけど…

いざ蓋を開けてみたら、優しい結末で終わりましたね。

しかし、あまりにも優しい人ばかりで、優しい空間で溢れ過ぎていて。

私としてはいろんな意味で、どうも煮え切らない印象が残ってしまいました…(汗)

 

感情をぶつけられないまま長年抱えてきた伴(ムロツヨシ)の孤独も、

憎い相手が良い人であればあるほど、

人を恨む事でしか生きられない自分が情けなくなる気持ちも分かるんですよ。

ただ…だからと言って、それが罪を犯して良い理由にはならない。

これはあくまでも個人的な考えですが、人情劇は好きでも、

過去の罪や悪事には向き合おうとせず、

人の繊細な部分だけに触れて美しい話に持っていこうとするのは

ちょっと冷めた目で見てしまうと言いますか。

器物損壊に営業妨害、名誉毀損に脅迫罪、傷害罪、さらには育児放棄

散々周りに迷惑をかけておいて、警察や児相に通報する考えが誰も浮かばないのが

不思議に思えてしまいますし…。

そもそも、蓄積されたストレスは、一星(北村匠海)のたった1回のハグでは

治らないんじゃないかなぁという気がしました。

 

せめて、一星のハグを受けてからの"その後"も今回の中で描かれて、

自分を冷静に見つめ直す機会が出来た伴が、

今までの事を反省して、警察に自首をし逮捕される…

で、次回の終盤辺りで数年経って、鈴(吉高由里子)や一星の前に再び現れて

打ち解け始める…といった流れだったら

あのシーンも受け入れられたかもしれませんが。

次回予告を見る限り、どうやら普通に過ごしているようなので、

自分の意思で罪を償う行為は描かれないのでしょうね…。

 

うーん…ここまで柔らかい終わり方にするんだったら、

あんなに"悪"や"因縁"を強調したキャラにしなくても…

いや、伴を登場させなくても……という、なんとも複雑な気持ちです。

前回も彼の破壊力は凄まじかったものの、それに対抗するように、

「なんじゃそりゃ!(笑)」なカップルエピソードを筆頭に

コミカルな要素が挟まれていたので、まだ本作"らしさ"は健在でしたが。

今回に関しては、設定と残り話数の都合上、伴により焦点を当てた内容になったために、

本作が今までで築いてきた温かみやほわっとした癒しの雰囲気が

かき消されてしまったような感覚を受けましたから。

 

最終章で盛り上げるために用意された人物だったのだと思いますが、

その分、もっと鈴と一星の日常生活や、今後の人生について真剣に考え始める姿を

掘り下げて描いて欲しかったかな…と。

そして、前回と今回で伴に時間を割いた所で、深夜(ディーン・フジオカ)の件も含めて

どうやってまとめに入るんでしょうかね。

(基本好意的には見ておりますが)もう、終わり良ければ全て良しと捉える事にします。

 

 

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星降る夜に 7話 感想|恐ろしいけど、切ない…

 

 

深夜(ディーン・フジオカ)の設定的に、

キーパーソンにはなるんだろうなぁ…と思っていたら、やっぱり。

今回は深夜と判(ムロツヨシ)でガッツリ対比させた回になっていましたね。

 

2人には「(新人か主治医かで違いはあれど)妻の出産に鈴が関わっていた」

「妻を亡くしている」という、2つの共通点があります。

なので、深夜も一歩間違えれば、判と同じく相手を恨む事に生き甲斐を見出す生活を

過ごしていた可能性もあり得た訳ですが…

ただ、大きく違うのは「感情を受け止めてくれる人がいたかどうか」。

 

深夜の場合は、後ろの方で奥さんや生まれるはずだった子供のため、

そして自分の代わりに泣いてくれる鈴がいて、

それが救われた心地になって、今では自ら産婦人科医になるほど前を向けたのだけれど。

伴の場合は、突然死を告げられて裁判を起こして、

その手続きや対応に追われる日々が続いて、

感情を吐き出せる余裕もないまま、いつしか孤独になってしまった…って所なのでしょう。

 

鈴(吉高由里子)や一星(北村匠海)という仲間がいて、

すぐ近くではキラキラとまぶしく光る線香花火の火が映っている。

一方で、判と娘は暗闇にいて、遠くの方で微かに光る月を見ている…

この終盤の映像での対比は、劇中で北斗(水野美紀)が言っていた

「天と地の差がある」を具現化しているようで、余計に切ない気持ちにさせられました。

 

麻里奈中村里帆)が妊娠している事を知ったら

危害を加えるのを止めた辺り、根は優しい人だと思うんです。

じゃなかったら、なんで俺だけがこんな苦しい目に遭わなきゃならないんだ!!なんて

ますます暴走していたでしょうからね。

ただただ…自分の気持ちを聞いてくれる人がいて欲しいだけ。

娘はそばにいるけど、やっぱり我が子だから恨み節を言ったら申し訳なくなるだろうし、

まだ幼いから想いが完全に伝わるかどうかも分からない。

 

次回予告を見る限り、スカッと展開が訪れるようですが…

個人的には、火に油を注ぎそうでちょっと心配です。

最初は、大きな目で見つめる様子から、

彼の抱える絶望や闇に吸い込まれそうな感じがしてゾッとしていても、

今は充実している深夜が描かれれば描かれるほど、同情の目で彼を見てしまっただけに、

泣ける日が来ると良いな…と思います。

あ、もちろん、営業妨害や名誉毀損に値する行為をしてしまったのは事実ではあるので、

そこを認めた上で。

ちゃんと救われて欲しいです。

 

いや〜それにしても…今回も、鈴と一斉のパートや不良ごっこのシーン、

麻里奈に関する良い意味で軽いエピソードで

コミカル要素が散りばめられていて、"らしさ"が健在の作りにはなっていましたが…

伴の置かれた状況が状況なだけに、さすがに終始ソワソワした感覚は残りましたね。

特殊清掃のエピソードもきっとその1つに含まれていたんでしょうけど、

伴が憎しみを募らせた結果、刺すなんて事も…っていうのが脳裏に過ぎってしまって、

あまり笑いには消化出来ませんでした(泣)

 

 

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星降る夜に 6話 感想|"いつも通り"の日常が送れるという奇跡

 

 

じわっと温かい気持ちにさせられるお話でした。

 

一星(北村匠海)の言っていた「生と死はあまり変わらないのかも」

「人は、明日は当たり前に来ると思うから、近しい人の死に戸惑ってしまう事も多い」

それは、赤ちゃんが無事に生まれるのも、死産も

日常的に目の当たりにしている、鈴(吉高由里子)の産婦人科としての仕事にも、

"生きた証"を伝え続ける一星の遺品整理士としての仕事にも言える事ではあるけれど。

生と死…もっと言えば、出会いと別れが繰り返される日々の中で、

大切にしたい人とごく当たり前の日常を毎日送れるというのも

また"奇跡"ではあるんですよね。

今回はその"奇跡"が、北斗(水野美紀)と桜(吉柳咲良)、

鶴子(猫背椿)と正憲(駒木根葵汰)の2組の母子を通して描かれた回だったと思います。

正憲に関しては…完全にコメディリリーフ(深刻な場面において緊迫感を和らげる存在)

のつもりで見ていたので、彼の背景にも触れるのは意外でした。

 

2組のエピソード自体、それぞれ違った形で子供から親への愛が伝わってきて

印象に残るものでしたが、個人的に「良いなぁ」と思ったのは、

柊家で展開されていくシーンのメインとの絡ませ方。

一星とカネ(五十嵐由美子)と鈴の3人で朝ごはんを食べる(作る)シーンの直後に、

同じく北斗と桜で食卓を共にするシーンが描かれていたのが良かったです。

一見何気ない流れなんですが、何品ものお洒落な朝ごはんをずらっと映した上で、

いつも一星が作ってくれるんだと鈴に嬉しそうに話すカネの描写が挟まれたからこそ、

その後の、残り物のご飯を雑炊にアレンジしたり、とっておいたコロッケを用意したりで

忙しい朝を柔軟にこなし、雑談をしながら食べる2人の"日常感"が際立つというか。

私たちが見たのはほんの少しでも、長い間このやり取りが行われて、

そうして家族が作られていったんだろうな…という余白を感じさせました。

 

鈴と一星がすっかり恋人関係になり、心の距離が縮まってきているからなのか、

今回はコミカルとシリアスの緩急のつけ方も絶妙でしたね。

その2人だけでなく、「マロニエ産婦人科医院」や「遺品整理のポラリス」には

基本的に陽気で明るい人ばかりだというのを、本編を邪魔しない程度に強調した事で

コミカル要素へと繋がり、それが物語の中で良いアクセントを生んでいました。

だから、陰湿な行動をとり続ける伴の異様さが増す訳で…。

中々執念深そうな感じではありますが、今回の雰囲気が丁度良い塩梅だったので、

最終章に向けて、あまり重苦しい方向に寄らないよう願いたいです。

 

 

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星降る夜に 5話 感想|一星の存在が誰かにとっての"支え"になってるんだな…と知る

 

 

今回は大分エピソードがてんこ盛りでしたね。

前回からの春(千葉雄大)とうた(若月佑美)の育児についてだけでなく、

一星(北村匠海)と春の喧嘩もあるし、

その上、鈴(吉高由里子)につきまとう5年前のトラウマも描かれる。

で…根本はやはり恋愛モノだからか、

深夜(ディーン・フジオカ)との三角関係"風"の話も欠かせません。

 

エピソードだけを見れば明らかに盛り込み過ぎではありますし、

普段の感想だったらただツッコんで終わりなんですけど、

本作に関してはなぜかそんな気持ちにはならないのです。

過去を交えつつ、登場人物の抱える苦悩をじっくり描いているのが大きいんでしょうね。

そして、春が勇気を振り絞ってうたと今後の話をするためには一星の後押しが必要で、

目に見えない恐怖に怯えている鈴にも一星の存在が必要…というように、

全てのエピソードに「大切な人がそばにいてくれるからこそ、

"心の支え"になって、人は前を向ける。」

という共通点を設ける事で、1本の物語に見せていく。

散漫になりそうな内容を、よく繋ぎ合わせたな…と思わされました。

 

一星の設定も物語にしっかり活かされています。

彼でなければ今回の話は成立出来なかった…と思えるほど

キーパーソンとしての役割を全うしていました。

「年下で」「世界旅行の経験があるからこそ感情が豊かな人で」というのもありますけど、

何と言っても「手話」でしょう。

特に…外の世界との接触を絶っていた春が、一星に手話を教わってからは

コミュニケーションを積極的にとるようになった理由として

「本当の気持ちも手話でなら言えた」と語るシーンが印象的でした。

 

確かに、実際に声に出して伝えようとすると中々勇気がいるもので。

手話だったら身振り1つで相手に"意味"は届くし、相手にだけ見せる言語ではあるので、

春にとってはそれが気持ちを楽にさせてくれたのかもしれませんね。

うたに本音を伝える前に、自分を落ち着かせるお守りとして

一旦手話を挟んでから話したのも、

一星と手話で話して救われてきた友情の深さを感じさせて、ジーンと来ました…。

本作で見せる千葉雄大さんの繊細な演技も良かったです。

 

鈴のストーカーの正体はまだ引っ張るようで。

まぁ…今回でそこまで描いたら、さすがに内容がボリューミーになる可能性は高いので

次回以降に持ち越したのは英断だったかと思います。

声を聞いて確信したんですけど…ム◯さんの方ですよね??

 

 

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星降る夜に 4話 感想|ロマンチックなキスの裏で不穏な影が…

 

 

鈴(吉高由里子)と千明(水野美紀)が手話友達でもあり飲み友達でもある事、

春の妻・うた(若月佑美)の存在を通して、

まさか鈴と一星(北村匠海)で別々にいた世界を一気にくっつけてしまうとは!(笑)

 

まぁでも、イッツアスモールワールド的な作りはドラマではよくある事ですが、

本作の内容が内容なだけに、後半戦に向けて物語が大きく進展しそうなタイミングで

「ドラマ内の世間はいかに狭いか」を潔く見せたのは正解だったと思いますし。

度々"偶然"を装ったすれ違い展開をやられるよりかは、今後集中して見られるのかもしれません。

…それに、ロケーションから考慮するに、そこまで都会でもないから

ばったり会う可能性もなくはないんだろうな…とも納得出来ますしね。

 

そして、潔く見せたお陰でもう1つ良い所もありました。

産婦人科パートと遺品整理士パートが、

以前みたいに分断しているように映らなかった所です。

例えば…前者のパートでは、中絶を望む春の想いを受けて

「子供を育てる生活」のネガティブな面をつい考えてしまう産婦人科医の苦悩や、

新人の深夜(ディーン・フジオカ)の成長物語が含まれていた訳ですが、

3人で考えている事は向こうでも同じだったのです。

目の前に苦しんでいる人がいるのに、何もしてあげられない"無力な自分"…

そこから来るやるせなさを、3人のシーン→一星と春のシーンで連続で描いていたためか、

等身大な人物たちの進む結末をより見届けたい気持ちにさせられました。

 

今回の春の過去に関しては…前回のエピソードも加えて、

冷静に考えてみればかなり重たい仕上がりになっているんですが、

個人的には視聴時だと、重た過ぎて引きずるまでは行かないんですよね。

それって多分、どの人に対しても基本中立の立場でいる鈴の存在が大きいんじゃないかなぁと。

本作の登場人物は、抱えている悩みも境遇も全然違っていて、

そこから来る考えや意見も当然バラバラなんだけれども、

どの考えが良いか悪いか…という、ハッキリとした"答え"は出てきません。

誰も否定しない良い意味での曖昧さが好きですし、

また、確か「わたし、定時で帰ります。」でもそうでしたが、

フラットに物事を捉える役を演じるならピカイチな吉高由里子さんが…って所も、

主人公の魅力度を上げている理由にもなっている気がします。

 

ラストは「ロマンチックな演出ならお任せあれ!」ってくらいの、

思わずうっとりしてしまうキスシーンで終わりましたが、

次回は悲劇の方向へと加速していきそうな感じですね。

で…あの目、どっちだったんでしょうねぇ。

私は◯之介さんか?と思ってたんですけど、

ム◯さん説を聞くと、あ…そうかも?とも思えてしまったり。

どちらも大石作品にご出演経験があるだけに、おかしくはないんですよね。

 

 

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星降る夜に 3話 感想|年下わんこ、ステイを覚える。

 

 

良いですね。回を重ねるごとにより"日常"らしさが増して、

本作への抵抗感が徐々になくなってきております。

「ステイ」と言われて不貞腐れた顔したり、ショックで熱を出したり、

「ステイ」の重要さを学んでからは、今度はそれを自分でアウトプットしてみたりと…

そんな一星(北村匠海)の素直さが、まるでわんこみたいで本当に可愛いんですよ(笑)

年の差による純愛モノで、2人が惹かれあっていく様に見惚れてしまうのは

個人的にかなり久しぶりかもしれません。

 

そう感じるようになった理由は、

ロマンチックな雰囲気作りへのこだわりが伝わる映像美も、もちろんそうなんですけど。

もう1つは、「自分にとって忘れられない"死"があって、今がある」というのを、

鈴(吉高由里子)と一星の2人の関係性を通して、過去エピソードを絡めながら

重点的に描いているのが大きいのかな?と思ってます。

 

例えば…今回の相手のように突き飛ばされたり、怒鳴られたりするのは、

一星が人情深い性格である以上、初めてではないんだろうな…という事が分かりましたが、

それでも彼は、遺品を届ける事を決して辞めようとはしませんでした。

それは、自分が両親を亡くした時に、お食い初めの食器や、

自分とお母さんを撮ってくれたお父さんのカメラといったたくさんの"思い出"を

遺品整理士が届けてくれたという記憶が、頭の片隅に残り続けているからなんですよね。

そして、世界旅行も含めて、今こうして"自分らしさ"を曲げずに生きていられるのは、

引き取って育ててくれたおばあちゃんの存在がいるからなのかも…とも察せられます。

柄物だらけの服装で、発想もかなりユニークな人でしたが、

あのおばあちゃんが育てていなかったら、今の一星はいなかったのかもしれません。

 

一方で、鈴は10年前、まだ新人だった頃の自分が関わった患者も、

その赤ちゃんも亡くしてしまうという、同じく辛い経験をしました。

しかし、一星と少し違うのは、数々の命と向き合いつつ、

それを全部、先輩の元で学びながら(恐らく)1人で乗り越えていった…という所。

彼と出会うまでは、身近で支えてくれる人はいなかったので、

吸収するので精一杯だったんだろうなぁと。そんな背景が読み取れます。

 

だからこそ、自分が当時上記のような経験をしたのとちょうど同じ年齢で、

両親の死が早くにあっても、傷1つ見せず

あんなに伸びやかに、たくましく生きている一星に惹かれたんでしょう。

(もちろん、鈴も鈴で十分たくましいですが。)

一星が遺品整理士になったきっかけエピソードをガッツリ描いたのが効いていて、

今を一生懸命に生きる2人を、思わず応援したくなってしまうお話でした。

 

今後も2人の関係性が上手くいくと良いな…

そう願える内容になっていただけに、終盤の「黒いコートの人物」が

何やら不穏な空気を醸し出していて気になりますねぇ。

役者名を隠す演出で、鬼が過ってしまったのは置いといて(笑)

今回で本作が好きになり始めただけに、

あまりサスペンスな方向には寄って欲しくはないのですが、

一星の支えとともに、被害者遺族に立ち向かう展開に繋がるのだとしたら…

これもきっと鈴にとっては"試練"で、避けては通れないエピソードなのかもしれませんね。

 

 

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星降る夜に 2話 感想|今回くらいならまだ見られるかも…

 

 

前回と今回を見て思うのは…

本作はあくまでも、日々"生"と向き合う鈴(吉高由里子)と、

日々"死"と向き合う一星(北村匠海)による

「出会い」や「全く違う仕事に携わっているからこそ惹かれ合う2人」を、

日常生活をベースに、フラットに描こうとしているんだな…という所でしょうか。

 

いや、もちろん、まだまだ引っかかる部分はあるんです。

下ネタの描写にしろ、上記の2つを描く割には

お仕事パートのウエイトが大き過ぎる事にしろ。

例えば…前者に関してだったら、前回より古典的な下ネタ演出は薄まったにしても、

遺品のAVで盛り上がっていたら、私が故人だったらやっぱり嫌な気持ちにはなりますし。

一星の手話の内容がAVだったと知った時に、

鈴が「私も興味ある!」って食い気味に描かれていたのも、

個人的には、えっ…最初に若干引いてから熱弁を聞く流れなら分かるけど…なんて

変な疑問は生まれてしまう訳で。

後者に関しても、妊娠の現実も描いて…深夜(ディーン・フジオカ)の成長物語も含ませて…と、

まるで1話完結型の、産婦人科が舞台の作品を見ているかのような錯覚を覚える

内容になっている辺りに、果たして"恋愛モノ"としてお仕事と恋愛のバランスは

これで良いのかどうか?と思ったりもするのです。

 

ただ…ポジティブに捉えれば、こうも考えられるのかなと。

ろう者関係なくAVだって普通に見るし、普通に下ネタだって喋る。

そんな「ろう者だから」で特別視しない描き方には好感は持てるんですよね。

(正直、もうちょっと下ネタは抑えて欲しい気持ちはありますが…)

お仕事パートも、妊婦に置き去りにされた赤ちゃんに対する「可哀想」と、

一星の境遇に対する「可哀想」という、マジョリティ側が囚われがちな"固定観念"を重ねて

考えさせられる結末になっていた点では、尺を割いて描くのにも

多少意味の感じられるエピソードに仕上がっていた気がしています。

 

まぁ…初回の出会いがある以上、一星の第一印象が変質者で、

それは今後も変わる事はないと思いますが(苦笑)

他に気になっていた下ネタ描写とお仕事パートが今回くらいの見せ方だったら、

まだ見続けられそうかな?って感じですね。

 

っていうか…今回は2人の馴れ初めも、一星の強引さを除けばほぼまともに見られただけに、

なんで初回はあんなに強引にキスさせたり、人のキャンプ場に乗り込んだりさせたんだろうって

勿体なく思っちゃいましたねぇ。

前回と今回の内容を借りるとするなら…斎場に一星が遺品整理士として訪れて、

コミュニケーションをとった事でお互いどことなく相手の顔を覚えていて、

映画を見ていたら、自分は全然泣けないのに隣で号泣している人がいるから気になって、

顔を覗き込んでみたら以前会っていた鈴だった…

で…一星が近くのカフェに誘って会話を…という、

ベタはベタでもごく自然な展開で魅せていれば、脱落者も少なかったでしょうに…(笑)

 

 

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星降る夜に 1話 感想|美男美女ではカバーし切れない「運命の出会い」

 

 

テレビから流れる音は劇伴のみで、環境音や

一星(北村匠海)から見た鈴(吉高由里子)の独り言、2人のやりとりなどは

数秒間無音の処理をするという、「おや?」とちょっと目を引くアバンから始まった初回。

その時の夜空が、CGで付け足したんじゃないかと思えるくらい星で埋め尽くされていた上に、

画面いっぱいに映されていたので、

一星がどんな人かを映像だけで分からせるのも含めて、

ああこれは、視聴後に余韻が残る良い作品になりそう…と期待が持てたんですが。

話が進んでいくごとに、"美しさ"の魔法にかけられただけだったのか…

目が覚めるような内容になってしまっていた気がします。

 

肝心の「運命の出会い」ですが、これがまた、火10ドラマを彷彿とさせる

強引な見せ方だったんですよね。

ルッキズムに引っかかりそうなので、容姿についてはあまり言及したくなかったのですが…

吉高由里子さんと北村匠海さんという美男美女のコンビでも

さすがに受け入れがたいものがありました。

具体的に挙げるとするなら…出会って間もないのに、他人を勝手に撮りまくる。

人のキャンプ場に勝手に侵入して、勝手にお湯をもらって飲む。

許可も取らずに他人の首にマフラーを巻く。

何度もキスを交わす。

率直に言うと、イケメンだからドキドキするものなんですか?

これらの行為が、仮に不潔なおじさんだったら気持ち悪いって話になるんですか?

いやいや。その人自身にも場所にもグイグイ入り込んでくる時点で、

大多数の人は不審者扱いするはずで…(汗)

でも鈴は、至近距離でカメラに映されても、キスされても、

抵抗感をそこまで覚えていない様子で。

(耳が聞こえないのもあって)相手の声を無視、そして声を発さないとなると

余計に不気味な存在に映るでしょうに、それを「惹かれ合っている」風に魅せている所に

胸がゾワッとする感覚が残ってしまいました…。

 

内容自体も、鈴と一星の初期設定である"職業"をきっちり描き過ぎていて、

かえって軸のブレた作りになっていた気がします。

夜空をバックにし、「エモい」の象徴とも言えるレトロカメラでお届けする

ロマンチックなラブストーリー。

深夜(ディーン・フジオカ)を筆頭に、すっ転んで検査用の尿を思いっきり浴びるシーンや

マフラーに○ロ付いたんですけど…といった"ドジっ子"描写によるベタなコミカル要素。

産婦人科を舞台に、母の死を受けて命の尊さに改めて気づかされる、鈴の医療パート。

遺品からその人の"生きた証"や真実が見えてくる、一星の遺品整備士パート。

特に後者の2つなんかは、それぞれメインで、1本のドラマとして見たいと思えるくらいには

テイストが異なっているのも相まって、全部が全部、チグハグなんですよね。

そのためか、初回の時点では、手話を扱う意義があまり感じられないのも残念でした。

 

本作が「金曜ナイトドラマ」枠で放送されていたら、

「奪い愛、冬」「ホリデイラブ」の流れで(ドロドロ不倫なので、系統は違うんですけど…)

ツッコミドラマとして消化出来たかもしれませんが、

あくまでも正統派な「ロマンチック×胸キュン」で見せたいようなので…(汗)

う〜ん…「大奥」の最新話を見て、

そっちに専念したいかな?という気持ちが芽生え始めてきたので、

次回次第では視聴のみに切り替えるかもしれません。

 

 

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