2023年冬ドラマ-罠の戦争一覧

罠の戦争 11話(最終回) 感想|竹は枯れて終わりではなかった

 

 

仲間を次々と失う享(草彅剛)の孤独が描かれた前半と、

泰生(白鳥晴都)の発していた言葉や

今でも父の教えを守っている様子を目の当たりにしたのを機に、

自身のこれまでの過ちと向き合い覚醒する姿が描かれた後半で、

ある意味2部構成になっていた最終回。

この構成が、最終回を上手く盛り上げてくれていたんじゃないでしょうか。

奥底に眠っていた良心を取り戻し、原点回帰していく…

思わず「あの頃の享が帰ってきた!」と喜びたくなるような、

高揚感溢れる内容に仕上がっていました。

 

ただ、闇堕ちするにしても、目を覚ますにしても駆け足気味で、

そうなるまでの"間"の描写が不足している所だけが、本当に勿体なかったなぁとも思います。

前回の感想と似たような事を書きますが…例えば、復讐計画の実行と並行しつつ、

本来の政治活動を通して権力で人を助ける事のやり甲斐を感じる様子に尺を割いていれば、

鶴巻(岸部一徳)の「気持ち良いだろう」という言葉の持つ

おぞましさも増したのかもしれませんし。

目を覚ます過程も、妻から聞かされた息子の言葉で急にハッとさせられる…というよりかは、

ターゲットを潰すごとに仲間を徐々に失っていき、妻にもとうとう家を出て行かれ、

このまま「上へ上へ」志向を変えずに進むべきか?

それとも後悔する前に一旦立ち止まるべきなのか?と葛藤する享の心境に

焦点を当ててみてもアリだったのかもしれません。

まぁ何にせよ、8話からの話の進め方にムラがあった…そこに尽きますね。

 

他にも、そんなに上手く行くもんなの!?という描写も

多い気はしましたが(笑)←今回で言えば、2人ともよく当選出来たね…とか

でも、善から悪、「当初の顔つきに戻りかけ」など

様々な表情を見せて下さった草彅剛さんの演技を筆頭に、

毎回挟み込まれる眞人(杉野遥亮)の植物うんちくが物語のアクセントになっていたり、

それぞれで複雑な心情を見せる登場人物の奥行きだったり、

政治の闇と、それに飲み込まれそうになる様を引き立たせるライティングだったり。

諸々のセンスの良さが、本作の持つ魅力に繋がる作品だったと思っています。

 

最後に…犬飼(本田博太郎)の久々の登場は嬉しかったですねぇ。

出番があるだけでなく、(恐らく)台本にわざわざ「わしづっ」と書かれていた辺り、

想像以上に好評で、急遽最終回も出演する事になったのかもしれませんねw

前作同様、主人公を固める人物たちにもきちんと見せ場が用意されている所も好きでした。

役者さんも含めて、毎話毎話キャラに愛着を持ちながら見ておりました!

 

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罠の戦争 10話 感想|幹事長に図星を突かれる鷲津(泣)

 

 

「同じだろ?君だって。気持ち良いだろ?力を使って誰かを助けるの。」

「誰かのために善をなす。でもそのためには、もっと力が必要になる。

いくつかの善を重ねるうちに、いつしか悪になる。」

「君も、すっかり囚われているんじゃないのかな?」

長い間、誰よりも権力を利用してきた者だからこその説得力ってやつですよね…。

享(草彅剛)の現在のありさまを的確に言語化し、彼に図星を突かせるこのシーンは、

鶴巻(岸部一徳)にとっては、享の企みがかすり傷程度にしかならないのを

表しているようでゾクゾクさせられました。

 

しかし、それと同時に、今までで不足している部分を、

この簡潔な台詞で全て補おうとしている感じも否めなかったかな?という気もしています。

前回の感想にも書いた通り、闇堕ちするまでの過程を全く描いていないとも言い切れないので、

いろいろ思い返して、そこに繋がる要素を探しては好意的に解釈はしていたのですが…

今回の別人っぷりを見ると、やっぱり変化が早かったな…とは思えてしまうんですね。

 

というのも、享が議員として仕事をしていて、

真正面から悩みに向き合うが故に壁にぶち当たったり、

その苦しみを乗り越えてやり甲斐を感じたりする描写はほとんどなかったんです。

だから、「上へ上へ」の思考になるのが唐突過ぎると言いますか。

それに、元はと言えば、息子を突き落とした犯人を明らかにするために

政界入りを決意して議員になっているので、当然「どうやって復讐するか」を考えてばかり。

本来の職務である議員活動を疎かにしてきた新人が

たった半年で副大臣のポストを要求してくるのも、ちょっと疑問でした。

 

元々は"復讐劇"がベースの物語だったのが、

途中から政界でのパワーゲームを盛り込んだ事が、

ここ最近の展開のグラつきを生んだ原因でしょうね。

せめて、鶴巻の言っていた言葉を映像化してじっくり見せて行っていれば、

享の急な変わりようも腑に落ちたのかもしれません。

 

そんな感じで、引っかかる所は多々見受けられたものの、

ここまで見てきた以上は、結末がどうなるかは気になりますねぇ。

享が落ちぶれたとなると…ハッピーエンドというよりかは

"原点回帰"エンドを望みたいです。

享が失脚してから数年が経ち、今度は可南子(井川遥)が議員になって、

同じく議員として返り咲いた鴨井(片平なぎさ)と一緒に女性のための活動を…

そして享は秘書として2人を静かに支えていく…とか?

こんな結末もアリなんじゃないかと思っております。

 

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罠の戦争 9話 感想|黒鷲津の誕生と敵の再集結。犬飼もそのうち復活します?

 

 

辰吉(岩谷健司)の件に関しては、いつもの如く

鷲津(草彅剛)の煽り文句に押されて思わず口を滑らせてしまう流れだったので、

そこはあっさり気味ではありましたが。

ただ、そのエピソードを除けば今回は、掴み所のないミステリアスさや

クレバーな人々による"駆け引き""探り合い"が強まった内容になっていて、

少し盛り返したような気がします。

 

中でも、個人的に面白いなぁと感じたのは、

竜崎(高橋克典)と鷹野(小澤征悦)の、最近の鷲津の活躍を見ての発言。

時系列に沿って具体的に書くとするなら…

まず、鷲津の声を聞きたいと国会議事堂に押しかけてきたマスコミへの取材をきっかけに、

彼の株がうなぎ登りに上がっていっているのを示す記事を読んで、竜崎がこう言うんですね。

「ふふふっ、良いんじゃない?庶民の代弁者。権力に立ち向かう正義の味方。

どんどん書いてもらうと良いよ。彼の記事。」

そして…後半になって、鷲津が内閣総理大臣補佐にまで出世した一方で、

自分たちの手柄はとられてしまっている旨を言及した秘書に対して、

鷹野がこんな言葉で返すんです。

「ふっ…まぁ、良いんじゃないの?鷲津先生にはどんどん出世してもらおうよ。」

この「良いんじゃない」「どんどん」というワードと、高みの見物をしながらも

鷲津を自分の計画の"コマ"として利用するタイミングを伺っているかのような言い回しの

絶妙な被り具合にワクワクさせられました。

 

実際、竜崎はあの発言をした後、鷲津と鶴巻(岸部一徳)の2人を呼び、

鷲津には議員としての仕事を全うする事、

鶴巻には幹事長を辞職してもらうよう"提案"をするんです。

なぜわざわざ同時に呼んだのか?は…

この件を鷲津が、鶴巻を落とすためのネタとして使う事まで読めていたからなんでしょうねぇ。

で…自分の思い通りに動いてくれた後は、支持率維持のためにも補佐に任命して、

好き勝手に扱いやすい位置に留めさせます。

 

鷹野の発言が竜崎と被っていたのには恐らく意図があり、

いずれ鷹野も、彼のように鷲津を利用する立場に回るのかもしれないよ?…という

暗示にもなっていて。

残り2話でどんな展開を繰り広げていくのかが未知数な中で、

彼が敵か味方なのかどうかに自然と注目が行くようになる構成の仕方は

中々よく出来ていました。

 

あと印象に残っているのは、鴨井(片平なぎさ)のエピソード。

内容というよりかは、挟み込まれたタイミングでしょうか。

先程の会談シーンでの3人の姿や、

鶴巻に関するニュースを見ながら笑みを浮かべる鷲津の表情など、

陰影をくっきりさせる演出を施す形で、政界に漂う"影"や"悪"を際立たせた後に、

少し憑き物がとれたかのような鴨井のエピソードを挟んで、一旦対比をとってきたんですね。

それが、悪に染まり切った結果、真実を知った眞人(杉野遥亮)に刺されるバッドエンドか、

あるいは、彼女と同じく自身の過去の過ちに気づいて、

一からのやり直しを図るハッピーエンドか?

今まさにそんな分岐点に立たされている…という

鷲津の現状を表しているような気もしました。

 

いやはや、良い意味で「分からない」回でしたね。

眞人の意味深なカットも何度も挿入されていて、

きっと"あの書類"を読んでしまったのでは?とも想像させられます。

鷲津の闇落ちについては…悪に染まるまでのスピードは確かに早かったですが、

5話で「あれ?」と思える言動だったり、

6話での「権力を使って弱き者を救う」エピソードだったりで

ぼちぼち助走はつけてきていたので、彼がああなるのにも違和感はないのかなぁと。

 

で…まだ来週が最終回じゃないと言うのに、

今回のラストでは、集まって欲しくない敵が一気に再集結。

逆襲の展開になる事は想定内でしたが、一気に…ってなると、

もしかしたら犬飼(本田博太郎)も再登場するのでは?なんて期待してしまいますね。

正直言うと、あの「ワッシッヅ!」の声が恋しい自分もいるのです(笑)

 

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罠の戦争 9話 感想|黒鷲津の誕生と敵の再集結。犬飼もそのうち復活します?

 

 

辰吉(岩谷健司)の件に関しては、いつもの如く

鷲津(草彅剛)の煽り文句に押されて思わず口を滑らせてしまう流れだったので、

そこはあっさり気味ではありましたが。

ただ、そのエピソードを除けば今回は、掴み所のないミステリアスさや

クレバーな人々による"駆け引き""探り合い"が強まった内容になっていて、

少し盛り返したような気がします。

 

中でも、個人的に面白いなぁと感じたのは、

竜崎(高橋克典)と鷹野(小澤征悦)の、最近の鷲津の活躍を見ての発言。

時系列に沿って具体的に書くとするなら…

まず、鷲津の声を聞きたいと国会議事堂に押しかけてきたマスコミへの取材をきっかけに、

彼の株がうなぎ登りに上がっていっているのを示す記事を読んで、竜崎がこう言うんですね。

「ふふふっ、良いんじゃない?庶民の代弁者。権力に立ち向かう正義の味方。

どんどん書いてもらうと良いよ。彼の記事。」

そして…後半になって、鷲津が内閣総理大臣補佐にまで出世した一方で、

自分たちの手柄はとられてしまっている旨を言及した秘書に対して、

鷹野がこんな言葉で返すんです。

「ふっ…まぁ、良いんじゃないの?鷲津先生にはどんどん出世してもらおうよ。」

この「良いんじゃない」「どんどん」というワードと、高みの見物をしながらも

鷲津を自分の計画の"コマ"として利用するタイミングを伺っているかのような言い回しの

絶妙な被り具合にワクワクさせられました。

 

実際、竜崎はあの発言をした後、鷲津と鶴巻(岸部一徳)の2人を呼び、

鷲津には議員としての仕事を全うする事、

鶴巻には幹事長を辞職してもらうよう"提案"をするんです。

なぜわざわざ同時に呼んだのか?は…

この件を鷲津が、鶴巻を落とすためのネタとして使う事まで読めていたからなんでしょうねぇ。

で…自分の思い通りに動いてくれた後は、支持率維持のためにも補佐に任命して、

好き勝手に扱いやすい位置に留めさせます。

 

鷹野の発言が竜崎と被っていたのには恐らく意図があり、

いずれ鷹野も、彼のように鷲津を利用する立場に回るのかもしれないよ?…という

暗示にもなっていて。

残り2話でどんな展開を繰り広げていくのかが未知数な中で、

彼が敵か味方なのかどうかに自然と注目が行くようになる構成の仕方は

中々よく出来ていました。

 

あと印象に残っているのは、鴨井(片平なぎさ)のエピソード。

内容というよりかは、挟み込まれたタイミングでしょうか。

先程の会談シーンでの3人の姿や、

鶴巻に関するニュースを見ながら笑みを浮かべる鷲津の表情など、

陰影をくっきりさせる演出を施す形で、政界に漂う"影"や"悪"を際立たせた後に、

少し憑き物がとれたかのような鴨井のエピソードを挟んで、一旦対比をとってきたんですね。

それが、悪に染まり切った結果、真実を知った眞人(杉野遥亮)に刺されるバッドエンドか、

あるいは、彼女と同じく自身の過去の過ちに気づいて、

一からのやり直しを図るハッピーエンドか?

今まさにそんな分岐点に立たされている…という

鷲津の現状を表しているような気もしました。

 

いやはや、良い意味で「分からない」回でしたね。

眞人の意味深なカットも何度も挿入されていて、

きっと"あの書類"を読んでしまったのでは?とも想像させられます。

鷲津の闇落ちについては…悪に染まるまでのスピードは確かに早かったですが、

5話で「あれ?」と思える言動だったり、

6話での「権力を使って弱き者を救う」エピソードだったりで

ぼちぼち助走はつけてきていたので、彼がああなるのにも違和感はないのかなぁと。

 

で…まだ来週が最終回じゃないと言うのに、

今回のラストでは、集まって欲しくない敵が一気に再集結。

逆襲の展開になる事は想定内でしたが、一気に…ってなると、

もしかしたら犬飼(本田博太郎)も再登場するのでは?なんて期待してしまいますね。

正直言うと、あの「ワッシッヅ!」の声が恋しい自分もいるのです(笑)

 

 

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罠の戦争 8話 感想|鷲津のモチベは幹事長を辞任させる事になるのかね?

 

 

いろいろと、捻りなく進めてきたなぁ…という印象です。

 

中でも「そこ、そのままの真相なんですね…」と思ったのは、

鴨井の息子・文哉(味方良介)が泰生(白鳥晴都)を突き落とした犯人だった事。

しかも犯行動機は、真面目な人が損をする社会背景から来ていたというのが、

個人的には、今まで引っ張ってきた見せ方と釣り合わないのかなぁと言いますか。

本作の舞台である政界を絡めれば、文哉の証言で「突き落とすよう唆した人物」が

新たに発覚して人間関係をさらに複雑にさせる事や、

"忖度"だらけの世界だからこそ、彼は罪を擦りつけられた1人だった…(犯人は別にいた)

なんて展開に出来たかもしれないのに、

その設定が真相に一切絡んでいなかったのが、

ちょっと盛り上がりに欠ける気がしてしまったんですね。

 

彼の話を聞けば気持ちも分からなくはないんですが、

危機的な状況に陥れば、鴨井(片平なぎさ)から大金をもらえる立場で。

そして、結局自首もせず、自身の行動でまた"母"でもあり"大臣"でもある鴨井に

迷惑をかけているにもかかわらず「母さんを守りたい」発言は…??で、

キャラ描写にもモヤモヤ。

親子で和解したようなので、ここはもう解決するんでしょうけど、

2人の美談をそばで聞かされた可南子(井川遥)がどんな想いでいたかと想像すると、ね…。

しんみりした劇伴含めて、人情味たっぷりで終わったこのエピソードも、

"復讐劇"としては正直、腑に落ちませんでした(汗)

 

もし仮に享(草彅剛)も2人の一連の話を聞いていたら、

「その私情で、下手したら泰生は命を落としていたかもしれないんだぞ!」と

感情的に訴えるシーンもあったのかもしれません。

でも、そのシーンがなかったのは、享は今代議士になっていて

永田町のボスとの戦いに集中しているからなんですよね…。

 

その戦略で忙しいからなのか、当初は「一緒に闘おう」と誓っていた可南子と

連携が取れていないのも気になって。

例えば、鴨井が辞任会見を行う事は、享と可南子だけが知っていた…という

鶴巻(岸部一徳)に一気に大打撃を与える"手段"として魅せていれば、

どんでん返しの演出に繋がったと思うんですけど。

実際は享は全然聞かされていなくて、

そんでもって、自分が用意していた奥の手が

「鶴巻が実は体調を崩していた」のが分かる写真だった…ってオチも弱過ぎました。

うーん…何だか、前回から"復讐劇"ならではのずる賢さや華麗さが不足している内容が続いて、

失速している感は否めませんね。

 

享の復讐のきっかけになっていた、息子を突き落とした犯人が分かった所で、

残り3話でどうやって話を膨らませるのか…と思ったら、

どうやら次回は虻川(田口浩正)が再登場するようで。

逆襲編もぼちぼち開始するんでしょうか。

享が微かに悪い笑みを浮かべた次回予告のラストシーンは

「銭の戦争」の最終回を想起させて、ここもなぜそんな状態に至ったのかも気になります。

 

それが鷹野(小澤征悦)関連なのか、竜崎(高橋克典)関連なのかは分かりませんが、

次回こそ"罠"であっと言わせる(言わされる)内容になる事を期待します。

 

 

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罠の戦争 7話 感想|「えっ本当に!?」が続く。

 

 

どうやら、疑り深く見過ぎてしまったようです(汗)

基本的に「〇〇だ」「〇〇かもしれない」という享(草彅剛)の思い込みから始まり、

それを元に情報を探っていった結果、予想もしていなかった真相が現れる流れが

今までで何度も描かれていたのもあって。

今回も、「違う、俺は…」と言いかけたのを見ると、

泰生(白鳥晴都)を突き落とした犯人とは無関係で、

7年前の事件は、むしろいじめられている友達を庇おうとしてやった行為なのでは?とか。

目撃者の女性は鶴巻(岸部一徳)の回し者じゃないかとか。

泰生の件を鶴巻が口頭で伝えている辺り、実は罠なんだろうとか、

1つ1つのエピソードを深読みしては

ラストでどんな種明かしがされるのかと期待していたんですけど…。

特に裏付けもなければ、他の可能性も考慮せずに

主人公の憶測や暴走がそのまま正解へと繋がる今回の内容には、

さすがに「あれ?」と思えてしまいました。

 

終盤の鶴巻による記事差し替えの件も、前回で彼が

「総理も頭が上がらない、編集長も記事にしたがらないほどの大権力者」である事は

既に描かれていたので、個人的には少しインパクトが弱いというか。

どうせだったら、あの記事が掲載されるのは想定内で、

掲載後に実は突き落とした犯人は別人だった事が判明し、

享は名誉毀損で訴えられて代議士を解雇させられる羽目になる…みたいな、

今まであたかも事実であるかのように進んでいたエピソードを

全てひっくり返す展開になっていたら、

鶴巻のしぶとさや容赦のなさがより際立ったのかもしれませんね。

 

そんな感じで、内容はうーん…だったのですが、

ラスト2分前辺りのカメラワークには、ちょっと惹きつけられてしまいました。

言葉だけじゃ伝わりにくいと思うので、補足で画像も載せると…

 

鶴巻に呼び出されるシーンで、

「警告は前にもしたよね?もう手加減はしないよ」と宣戦布告されてから

(カットを1つ挟んだ後)この↓引きのカメラワークになるんですね。

映像に関してはてんで素人ですが…徐々にズームアウトしていくカットが

主人公が今置かれている状況を表しているように思いました。

空間が目いっぱい映し出される中、同じ画面に収まっているのは鷹野(小澤征悦)だけで、

窮地に立たされた亨にとっては救世主的な存在になるかと思いきや…

距離が空いている(被写体を大小で差をつけている)事から、

"旧知の仲"ではなく"鶴巻派の一員"としての地位を優先しようとする彼の心境が伺えます。

 

で…亨が部屋を出た後で、「鷲津亨を潰せ」と命令されたシーンだと、

鶴巻と鷹野が横並びになる形で被写体を同等に映すんです。↓

この2つのカメラワークの対比が、

鷹野にとって、鶴巻が部下をコントロールするのに長けている

いかに恐ろしい存在であるかを強調しているようで、

面白い演出だな…と思いながら見ておりました。

あ、主題歌のタイミングも、

次回予告の通り「全面戦争」の本格化を匂わせていて抜群でした。

 

テレビ誌によると、どうやら全11話あるらしく。

つまり、残す所あと4話ですね。関テレ制作枠のドラマでその話数は珍しいです。

となると…次回の終盤で最終章の幕開けになるんでしょうかねぇ。

亨の暴走を見るに、そろそろ虻川(田口浩正)らの反撃があってもおかしくないですし、

まだ眞人(杉野遥亮)へのカミングアウトも残ってますし。

今回出番がなかった竜崎(高橋克典)の仲間入り展開もアリかも…?なんて思ってます。

 

 

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罠の戦争 6話 感想|権力を行使する者たち

 

 

放送も終わりに差し掛かっている頃の、開始から48分辺りで

亨(草彅剛)が可南子(井川遥)にこう話すシーン…

衆議院議員の名刺1枚で救われる人もいる。

総理の名前を出しただけで、党の総務局も態度を変える。権力…ってやつか。」

今回の内容は彼のこの台詞に集約されていて、

名前を出したり、顔を見せたりしながら

「権力を行使する者」が多方面で描かれた回だったと思います。

 

具体的に例を挙げるとするならば、こんな感じ。

・(話しぶりからして)大手の週刊誌でも、幹事長・鶴巻(岸部一徳)の記事は

 クビを恐れて避ける

・ナイフで脅迫してきた男性が、鴨井(片平なぎさ)の「厚生労働大臣」という

 ワードを耳にした途端、怯んだ態度をとるようになる

・融資先を見つける手助けをして欲しいと頼む工務店員に対して、

 亨が名刺を渡しながら「私の名前を出せば話を聞いてくれると思う」とアシストする

・鶴巻の顔を見ただけで早急に車を通過させる検問

・総理・竜崎(高橋克典)の名前を出した途端、亨の要求に素直に従い始める総務局部長

 

「権力」と聞くと、まずは誰も逆らえなかったり、平然とした顔で揉み消し行為をしたりする

黒幕が思い浮かんで、悍ましいイメージがつきがちです。

ただ、本作の場合は…そんな意味合いだけでなく、

1人の力だけではどうにもならない相手に対してそっと支えてくれるような

"1つの手段"としても描かれるのです。

良い事にも悪い事にも権力は使われていて、そうやって世の中は上手く回っている。

ラストに向けてのこの"前フリ"が巧みに作られているなぁ…と思わされました。

 

鴨井の裏切りに関しても、回を重ねるごとに

ターゲットとなる人物が退場するか、亨の味方につくかしながら

登場人物がどんどん絞られていっているので、

正直、それだったら彼女もきっと…とは読めはしたんですが。

今回の構成と今までの内容…Wの意味で、

ちゃんとショッキングな展開に見せているんですね。

 

前者だったら、上の例にも書いた通り、

前半では鴨井も困っている人々を助ける様子があって、

彼女の活躍ぶりに惹かれた可南子が「私も力が欲しい」と亨に決意表明する流れで

彼女を"スーパーヒロイン"と印象づけてからの、直後のどんでん返しですし。

後者だったら、亨がよく発する「弱き者」に因んで、

まだまだ男社会である政治界を生きる女性議員の奮闘が、

物語を進める上でのもう1つの軸になっていて。

初回のセクハラ、前回の演説、そして今回の子供シェルターなど…

様々な活動を通して名誉を残す鴨井の姿が描かれていったのです。

そう考えると、「権力を振りかざす者に、自身も権力を使って政治界に変化をもたらす」点では

亨と鴨井は共通していますね。

 

まぁつまり、何が言いたいかっていうと(苦笑)

1話単体だけでも、ジェットコースター(頂上までゆっくり登って、一気に落とされる感じ)

のような展開で最後まで目が離せなければ。

"連続ドラマ"として見ていても、鴨井が実質

亨たちにとっての中心的な人物にもなっていたのを踏まえると、

今後、政治界での立ち位置や関係性が大きく揺らぎそうな予感がして

ゾクゾクさせられるという事。

それも残り4話だと想定すると、まだ隠し球が用意されている気がしてなりません。

 

ドラマは基本的には、9〜11話で1つの物語になっているんですけど、

他の作品を見ていると、1話ごとの完成度も大切だな…と改めて思っていて。

今回は、そのどちらの面でも十分に精巧な出来だったのではないでしょうか。

 

いや〜…つべこべ言ったものの、シンプルに面白かったです。

何となく分かっているのに、

主人公と同じ「騙された!」って感覚に陥らせるの、中々凄いと思います。

 

 

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罠の戦争 5話 感想|権力側の人間になりつつある鷲津

 

 

選挙活動の様子をドラマで見るのは何だか新鮮。

でも、ただの「仕組み紹介映像」に留まらず、罠や探り合いを絡めながら

今回もちゃんと"本作らしさ"を保った作りになっているのが上手いですね。

 

亨(草彅剛)の対立候補は有馬(真田麻好美)になる訳ですが、

彼女のバックには総理・竜崎(高橋克典)がついている事を聞かされるのです。

で…総理の思惑を知った所で頭を過ぎったのは、

前回、鷹野(小澤征悦)から告げ口された「隠蔽に関わったのは永田町の人間」の件。

汚い手を使っているのだから、

息子の事件の隠蔽を操作しようとしたのもきっと彼なのかもしれないと思い込みます。

 

こんな流れで、本来復讐とは無縁の選挙と復讐劇の2つを結びつけていったのも

凄く自然だったのですが、

もう1つ「そう来たか!」と思ったのは、現実世界でもよくありそうな

(というか一部は実際にあった)政治界隈ならではの裏事情も盛り込んできた所。

例えば、ウグイス嬢の引き抜きだったり、

完全に忖度が働いてそうな応援団員の要請だったり、

市議会議員への活動費の提供だったり…

ニュースで取り上げられていた事柄を、亨を陥れるために用意した"罠"の1つとして

見せていたのも面白かったです。

 

あとは、今回の話の中心軸を担っていた「悪評を流すスパイが誰なのか?」

前回の感想でも書きましたが、ここは、亨を囲む人物が一筋縄ではいかない、

それぞれキャラクターが多面的に描かれている良さが活きた

エピソードになっていたと思います。

特に眞人(杉野遥亮)ですね。

兄を精神的に追いやったのは亨だと知っているのか?知らないのか?

仮に知っていたとしたらまだ恨みを持っているのか?

何を考えているのか、何の意図があって亨の復讐に協力しているのかが

中々見えてこない彼だからこそ、友達に牛丼をおごった件が

「わざとでは?」「もしかしてスパイでは?」と疑われるきっかけになってしまいました。

まぁ、結果的には違ったんですけど(個人的には貝沼を疑っていたんですけど、そこも違くてw)

一番身近な仲間が裏切る展開はドラマではお馴染みなだけに、

眞人(と梨恵)には最後まで味方でいて欲しい…と、

ちょっぴりハラハラさせられる気持ちになっちゃいましたね。

 

そして、最大の見所はやっぱり、草彅剛さんの演技で魅せる

主人公の"嘘と誠"の使い分けでしょうか。

情に訴えかける事で相手の心を絆していく展開もこれまた王道なんですが、

本作の場合は本音の演説もずる賢さから来るもので、

その時見せていた泣き顔も、自分が当選して事が有利に運ぶための作戦に過ぎなかったのです。

でも、息子と会う時には、心からの涙を見せる…

回を重ねるごとにどんどん人間臭さが出ています。

自分が嫌々やっていた事をやらせる側になっていると本人は自覚しているみたいですが、

演説しようとした瞬間「犬飼さんならこんな時、泣いて土下座してるだろうな」と思い立って

あの言動になった辺り、

犬飼(本田博太郎)を軽蔑はしているけど、秘書として長い間共にしてきた以上

彼の思考や人柄が無意識に移ってしまったんだろうな…と、

そんなちょっとした切なさも残りました。

 

市議会議員になった事で、ここから第2章スタート…といった感じでしょうか。

犯人に近づくにつれて、亨もかつて犬飼がいた権力側の人間になりつつあります。

犬飼と言えば…っていうのも変ですが。

梨恵のあの書類隠しの件は、やっている事は事件を隠蔽した人と同じになってしまうような?

引き続き、それぞれの動向が気になりますね。

 

 

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罠の戦争 4話 感想|鷲津も雑草を踏みつける側の人間だった…

 

 

あんなに敵意をむき出しにしていたのに、随分あっさり引き受けてくれたなぁ…

今回はベタな人情劇で行くんだなぁ…とは思ってました。

でも、最後にはビックリ。

いやぁ…ラストシーンを見せるために、全て構築されていたんですね。

 

これまで亨(草彅剛)が「弱い者」を何度か口にしていたのもそうですし、

今回に関しては、眞人(杉野遥亮)の雑草と野草のくだりや

梨恵(小野花梨)の「パワハラに遭ってた時に唯一気づいてくれた」エピソードを通して、

2人は今後も亨の仲間としてついて行く意志を覗かせる描写が同時にあった所に

妙な感じを受けたんですが、

それらは、亨に同情が行くように誘導されていた視聴者への"罠"だったのです。

1話だけで物語が完結しない、連続型のドラマだからこそ成せる技で、

単純な復讐劇・勧善懲悪ではないんだろうな…というのは薄々分かっていたにしろ、

話の見方がガラッと変わってしまうどんでん返しには惹きつけられてしまいました。

 

で、もう1つ、変な言い方ですけど、

前回と今回を見て「なるほどな…」と思った部分もあります。

というのも…復讐相手と亨を囲む事務所・議員の面々が、

結構、対比的に描かれている気がするんですね。

例えば、俊介(玉城裕規)や鰐淵(六平直政)なんかは

分かりやすい"敵キャラ"に仕立て上げられている一方で、

鷹野(小澤征悦)や鴨井(片平なぎさ)などは、

味方のままでいるのか?それとも裏切ってしまうのか?という

どちらにも転じる可能性がありそうな、

一筋縄では行かないキャラクターに仕立て上げられています。

 

その中でも面白いのは、彼に最も近い場所にいるであろう眞人と梨恵の描写で。

正義感を貫く亨と進む方向は同じつもりでも、細部を見ていけば、

三者三様で異なった価値観や境遇、想いを抱えている事が分かり、

その複雑さが物語に奥行きを生み出しているんです。

やっぱり"罠"がテーマになっているので、人間模様が複雑化して行けば行くほど、

どんな展開が訪れるのか興味が湧いてくるものなんですよね。

 

話はまた冒頭に戻っちゃいますけど…

それにしても、亨が「雑草を踏みつける側」だったと知った梨恵が

どんな動きを見せるのか、気になりますねぇ。

でも、忘れてはならないのが、名前も顔も家族構成も覚えているという

亨の記憶力の高い設定。

彼は元々知ってて、懺悔のつもりで眞人に協力を求めたのか?

あるいは、あの書類自体が誰かによる偽装だったのか?(この線は薄いかしら…)

何かしらの事情がない限りは、彼の設定と矛盾してしまうのでね。

 

自分は踏みつけられる雑草のつもりでいても、

過去では雑草を踏みつける側だったと後になって気づく…。

人間はそう簡単に聖人君子にはなれないという事実にはリアリティを感じさせます。

どう向き合っていくのか、ここにも注目しながら見ていきたいです。

 

 

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罠の戦争 3話 感想|ワッシッヅ!が聞けなくなると思うと寂しいw

 

 

前期は演出で魅せる作品が多かった一方で、

今期は演技で魅せる作品が多いような気がしております。

 

特に、本田博太郎さん演じる犬飼がね…ぎゃふんと言わせたくなるのも頷ける、

本っ当に憎いキャラなんですよ(笑)

某刑事ドラマの笹川部長に似ているとの声も聞きますが、

それだけ、一度演技をお見かけしたらインパクトに残りやすい役者さんだとも言えるでしょう。

 

個人的には、「ワッシッヅ!」の言い方が、

毎回、ただ癖が強いだけじゃない所が良いなぁと思っていて。

例えば、猫なで声のような、語尾にハートが付いているかのような

甘〜い言い方の時もあれば、憎悪が乗り移っているかのような苦み走った言い方の時もあって、

時と場合で巧みに使い分けているから、余計に飄々とした人物に映るんですね。

で…声自体、年齢を重ねられたのもあって渋味があるし、強面な顔つきだから、

恫喝するシーンだと、いつもとギャップを感じさせて

ピリッと引き締まった空気になるのです。

"復讐相手"として、上手いキャスティングだと思います。

 

終盤の、倒れて搬送されながらの「ばぁか」も、

鷲津(草彅剛)と犬飼の本音のぶつかり合いのシーンも見応えは十分で、

もう逃れられない所まで来た…という亨の覚悟も伝わってきた回でした。

 

ただ、内容全体に関しては…やはり、前回と前々回で罠を仕掛けていく様を

連発させる展開になっていたので、

そのスリルを今回も求めてしまっていた部分もあったのかもしれませんが。

今回は、後輩2人が捜査する様子や、"謎の提示"が中心のミステリー寄りの話が続いていて、

途中まではあっさり気味だったかな?感は否めず。

まぁ、その反動で、一気に進展したラストには胸が躍ったんですけどね。

状況変化で新章を仄めかしていた辺り、

きっと、次回からまた物語が大きく動く事になるのでしょう。

 

敵にも見えるし、まだ味方説も捨てきれない鷹野(小澤征悦)の動向も目が離せませんが、

私としては、「弱い者は弱い者なりの戦い方をする」をモットーとしている亨が

もし出馬する事になったら、

牛尾(矢柴俊博)を救い上げる…なんて可能性もあるんじゃないかと期待してしまいますね。

 

 

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