2022年春ドラマ-妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-一覧

妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪- 4話 感想|重圧に耐えきれなかった編集者の暴走

 

 

本作の初回"のみ"が前作と同じ1時間での放送だった上に、

「実は闇堕ちしていた妖怪の霊を払って救う」という構成が次の「のっぺらぼう」編でも

そのまま取り入れられていて、かつ前後編(30分×2)に分けられるとなると、

やっぱり痛快劇まで含めた話を楽しんでいた者としては

前編だけでは物足りなさは出てくるし、1時間が良かったのに…などと

前作と比較せざるを得なくなってしまうため、

2,3話を見た後に感想を書くのは止めにして、気軽に楽しもうかと考えていたんですが。

今回は「お?面白かったかも」と思える所があり、初回ぶりに書く事にしました。

 

1,2話では、既に闇堕ちしている妖怪が人間に扮装して澪(小芝風花)に出会い、

鈍感な澪を騙していく…という

いわゆる"アフター"の段階から始まる話になっていたのに対して、

今回は、普通の妖怪だった小豆沢(岩崎う大)が闇に取り憑かれて

変化して行ってしまうまでの過程を描いた"ビフォー"の話になっていた。

個人的には、4話(エピソード3)で早速ワンパターン化を回避する展開を持ってきた事が、

早く次回を見てみたい気持ちにさせられた大きな要因でした。

 

そして、久々に感想を書く気になったのは、前作の片鱗が見えたから…でもあります。

もう少し具体的に書くとすると、人間に扮装した妖怪なのは

名前からして「小豆洗い」を連想させる小豆沢だろうとは分かるんですが、

彼に嫌味を言う立ち位置で、もう1人妖怪に見えてくる…

いや、こっちの方が妖怪なんじゃないかと思える編集長・上(安井順平)がいるんですよね。

でも、彼は本当にただの人間で、ほんのからかいのつもりの言葉で

部下に重圧をかけていくだけの存在として恐らく終わる。

いつも不機嫌そうにしていて、日々部下を萎縮させる言葉を吐き続ける

上司の資格もない彼の様子が、心苦しくなるほど生々しく、かつコミカルに描かれていた所に、

前作の特徴の1つであった「ダメンズを成敗する勧善懲悪」の面影を感じさせたのはもちろん。

小豆沢が闇堕ちするきっかけも何も特殊なものではなく、

誰にでも共感出来そうな、他人からかけられる日常的なストレスから来ている…

そんな過程を今回でじっくり描写する事で、

「本当の悪は妖怪ではなく人間」というささやかな皮肉を残していた作りになっていたのが、

ブラックジョークっぽさもあって面白かったです。

 

で…小豆沢が闇堕ちした状態から、

次回予告が藤原道真やら、AI対決やら、いろいろと盛り沢山な感じなんでしょう?

予告だけでも想像の斜め上を行き過ぎていて、展開が全く読めません(笑)

後半の30分でまとまるかどうかは若干不安ですが、

解決編の次回でどう落とし込むのか楽しみになってきたのには間違いありませんね。

 

 

5/10追記:

こちらもリアルタイム(5/7)で5話を視聴。

何だか…前編で期待値を上げる仕上がりになっていた割には、

後編は"起承転結"の"転"ではなく、いきなり"結"に行った

あっさりとした終わり方だったような。

そして、「闇堕ちするまで」の物語の描写を重視した結果、

いつもの妖怪たちの愉快さや癖の強さが薄らいでしまい、

少し物足りなさも覚えてしまいました…。

 

前編の感想を書いておいて申し訳ないんですが、

やはり今後は、気軽に楽しむつもりで見た方が良さそうです。

という訳で、感想は今回で最後とします。

 

 

↓一応…初回の感想はこちら↓

 

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妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪- 1話 感想|完璧に作り上げました!…な初回。

 

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前作を好んで見ていた身からしたら、初回はカーニバルみたいな

お祭り的な楽しさがありましたねぇ…。

最近は好きな人に一途な役や等身大な役など

続編までの間に様々な役をやられるようになった小芝風花さんですが、

やっぱり"原点"とも言えるコメディでイキイキされた小芝さんが好きですし。

すっかり自分のものにしているのが伺える松本まりかさんのお岩さんも大好き。

お馴染みの面々、お馴染みの妖怪紹介…

今は通常の編成に戻りつつあるものの、

当時は放送延期や中断されたドラマの放送が6月から続々始まるイレギュラーな時期で、

(今はないとは言えませんが)まだコロナ禍で不安に駆られていた中での作品だったので

凄く癒されていた記憶があって。

その頃の感覚に戻ったようで、また会えるんだと思うと

ちょっぴり目頭が熱くなってしまうほどでした。

 

だけども…「楽しい」と「面白い」は似て非なるものだと考えていて、

個人的には、こんなに用意周到なコメディだったかな?って気がしなくもないんですよね。

1時間内に"笑い"がぱんぱんに詰め込まれた作りで、

会話の応酬やセリフ運び、オチのつけ方の何から何まで、あまりにも完璧に仕上がっている…

と言った方が近いんでしょうか。

そして、もう1つの違和感は…お仕置きされる側の動機、

そこから展開されていく台詞に、現代社会の課題に触れて問題提起しようとする

制作サイドの意思がはっきりと落とし込まれている所。

 

前作は確か、基本的には勧善懲悪で、ダメダメな男を妖怪たちの力を借りて

スカッと成敗するというある種の単純構造を楽しみつつ、

同時に、物語の核を深く読み解けば読み解くほど

「本当の悪は妖怪ではなく人間」であるという皮肉が潜在的に含まれていて、

捉え方次第で二度面白い作風になっていた記憶があります。

何と言うか…変にかしこまった要素を入れずに、もう少し深夜ならではの緩さが欲しいです。

 

初回は1時間かつ"続編"なのもあって楽しかったという気持ちが勝ちましたが、

社会派要素を強く滲ませた本作が次回から通常の30分放送となると、

削ぎ落とす所は次々削ぎ落としていった結果、説教臭い印象が残りそうで心配…。

それに加えて、登場人物の個性や会話の応酬が既に作りこまれているので…

形式が定まった"1つのコント"な内容が今後も続くと、

もしかしたら毎回感想を書く必要もなくなるのかもしれません。

という訳で、次回の感想が投稿されなかったら、

視聴するだけで楽しむ事にした…とお察しして下さいませ。

 

 

↓4話の感想はこちら↓

 

↓前作の最終回の感想はこちら↓

 

 

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