2021年冬ドラマ一覧

レンアイ漫画家 3話 感想|いろいろ描き過ぎな気がしてきたなぁ。

 

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うーん…「恋愛ミッション」「レンと家族になっていく過程」

「恋愛が出来なくなった清一郎(鈴木亮平)の過去」

やっぱりこの3つのエピソードが組み合わさっていないから

ぎこちなく感じる…というのは前回と変わらず。

今回も「清一郎、優しい表情するなぁ…」で終わってしまった。

でもこれだと感想が数行で終わってしまうので、もう少しその理由を噛み砕いてみます。

 

本作は漫画原作で、私はそれを未読なのであくまでも憶測で書きますが、

多分、話が進んでいくのに伴って状況も登場人物も変わってくる

「〇〇編」を同時に描き過ぎているんだと思うんです。

つまり、整理整頓が出来ていない。

最初は「なんか面白そうなやつだな。こいつなら漫画に活かせそう…」という体で

あいこ(吉岡里帆)をスカウトし、丸の内のOLなりギャル風ママなり

いろんな恋愛ミッションをさせてみる…これが「①恋愛ミッション編」

次に、そのうち彼女が当時気になっていた高校生の女の子だったと気づいて、

今まで愛を知らなかった清一郎が次第に興味を示すようになる…のが「②主人公の過去編」

最後に、あいこと関わる事で愛との向き合い方が分かってきた清一郎が、

共に住んでいるちょっと控えめなレン(岩田琉聖)にも同じように愛を与え、

家族として互いに心を開くようになっていく…のが「③家族編」

本当に勝手な想像でしかないですが(謝)

こうやって時系列を追って展開していった方が、

不気味な装いの清一郎がたまに見せる"優しい一面"を終盤で重点的に描く作りからしても、

「不器用だらけのコミック・ラブストーリー」として

しっかり形にはまるんじゃないかなぁという気がしてきました。

 

ネタ振りも多くて、それが全体をごちゃごちゃさせちゃってるんですよね。

特に、正体を探る金條(木南晴夏)のくだりは、もう少し後でも良い。

恋愛ミッションにしても、劇中で合間合間に手の内を明かすんじゃなくて、

最後にまとめて「実は全部向後(片岡愛之助)がプロデュースしていました!」って

サプライズ性を持たせても面白いかもしれないのに。

 

今期の木曜日、2本ともあまり惹かれていないんだよなぁ…。

どっちかと言うとこっちの方が、主人公も主題歌も好きな感じで

応援したくはなるんだけど、内容がそれに追いついていないっぽいのが…

どうしたもんかなぁ…(汗)

 

 

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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 10話(最終回) 感想|トミーは捨てられたおもちゃに…

 

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え〜っと…トミーの扱い、可哀想過ぎない??

なんだあの、大人になってから捨てられるおもちゃみたいな別れ方(苦笑)

「役目が終えたから」「喋れなくなったから」捨てるものなのか?

さっきまで汗水垂らして探し回っていた萌子美(小芝風花)はどこ行ったのか?

もう喋れなくても、小さい頃から親友だったんだから、

新たな環境で頑張る萌子美を応援するお守り的存在にしたって良い気がするんですけど。

結局、彼女にとってトミーはトミーじゃなくて「モノ」でしかなかったんだ…と

思えてきちゃって、全然感動出来ませんでしたわ(汗)

 

最終回の内容自体も、数話まとめたダイジェスト版を見ている感覚…。

特に、俊祐(工藤阿須加)の劇団に入るくだりも蛇足でしたね。

元々目指していたというより、

一度やってみたかったという未練を打ち消すために挑戦してみたのは分かりますよ。

でもさ、役者志望の人に「ハングリー精神がない」とか言っておきながら、

彼も随分甘ちゃんだと思いませんか?

もし失敗しても花屋が残っている、彼女が待っていてくれるという"保険"があるから

数カ月程度であっさり戻ってこれるんでしょう。

結局は恵まれた環境に甘えているんですよね。

伸寛(田辺誠一)も自分勝手ですが、息子もその点では同じです。

 

それぞれが自由に好きな事をやる中、

千華子(富田靖子)だけが"お荷物"と言わんばかりに

誰かの意見に流されては従うしかなかったという着地点に落ち着いたのもモヤる。

観(橋爪功)に関しては家庭を壊したのは事実なんですし、

別に許す必要はなかったのではないかと。

母が許しているから娘も許す…はイコールにはならない。

みんなが本来の自分を晒け出しては何だかんだで受け入れられてきたけど、

千華子だけは(あの感謝の台詞を除いて)最後まで労ってもらえなかったのは気の毒でした。

確かにうざがられるのかもしれませんよ。

でも、父の田舎暮らしだって、一人暮らしだって真っ当な考えだったのに…。

なんで母だけが最終回になってもディスられ続けてきたんだろう。

 

最初に本作を見た時は、コンプレックスである"ちょっとヘンな部分"を

主人公が受け入れて成長していき、その姿を見た家族も影響されて変わっていく…

みたいな家族再生物語の路線を期待していましたが、

周りのエピソードも膨らませ過ぎたために、結果的に何人もの主役が集まった群像劇になり、

回を重ねるごとに主人公の"モノと話せる能力"がぼやけてしまったのは残念でしたね。

その群像劇にしたって、最終回になったら人が変わったように浄化されていく駆け足展開で終わり。

ファンタジーじゃなくてホームドラマの作りにするんだったら…

萌子美をただの内気で引きこもりがちな性格にして、モノと話せるのではなく、

感情を持たないはずの植物やぬいぐるみの声が聞こえてしまう

"繊細な心の持ち主"の設定にしても十分成立出来た気がします。

 

天真爛漫な役の多いイメージのある小芝風花さんが

こんなにも自信なさげのか弱い役もこなせるんだ…という発見はありましたが、

もし彼女が主演じゃなかったら最後まで好意的には見られなかったでしょう。

小芝風花さん主演作は当たり説」は早くも途絶えた感じですね…。

 

 

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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 9話 感想|バラバラで暮らしても良いんじゃない?

 

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観(橋爪功)の不倫…何か事情があるのかと思ったら、マジのやつだったのか。

しかも、好きになっちゃったんだからしょうがない!どっちも好きだった!と言う始末。

千華子(富田靖子からしたら…何を若気の至りで済まそうとしてるんだって話ですよね(笑)

反省もなし、実は亡き妻のクミコも想っていた良い夫だったアピール。

出て行けと言われるのも仕方ない。

それに、今では観に良いように捉えられちゃってますけど、

果たしてクミコは田舎で暮らす事を本当に心から喜んでいたのでしょうか…w

もしかしたら諦め半分だったかもしれないよ?

もう一緒に暮らすつもりはなかったのに、

リードされていつの間にかそんな流れになってしまった…とか。

 

千華子も男のロマンとやらに振り回されっぱなし。

うざがられるほどお節介だけど、逆に言えばそれだけ相手の事を考えている優しい性格だから、

1人で行くって言われてもやっぱりついてきちゃう人なんですよね。

最初、彼女がどうしたいか聞かずに

「家族で田舎に住む」前提で動いていたからなぁ…伸寛(田辺誠一)。

みんな成人しているんだから、わざわざ合わせる必要もないと思いますよ。

萌子美(小芝風花)は母とトミーと過ごす。

俊祐(工藤阿須加)は涼音(水沢エレナ)と新しい住まいに引っ越す。

父とおじいちゃんは田舎で二人暮らし。

「本当の自分を取り戻せー!」って前回も言ってたでしょ?

みんなが好きなように暮らす…で良いじゃないかと。

最終回らしく例えるなら「新たな道を歩む」で、このような形でも全然問題ない気がします。

 

そして、萌子美がもう一度物と話せるようになったら何に使うかに関しては…

これはもう、トミーと話したい!が本音ですね。

その時だけ、どうしても…どうしても…!という切実な想いが伝わったのか、

樹木と触れ合う形で再び能力を取り戻すラスト。

聞こえるか?聞こえないか?レベルで微かに声が聞こえて、

それから一気に周りが輝きを放つ流れが凄くドラマチックで泣けました…。

無事に話せるようになったみたいですし、ハッピーエンドの方向に向かうかな?

 

 

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俺の家の話 10話(最終回) 感想|最高の花道!"どこかに"ずっといるよね。

 

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前回の感想で寿一(長瀬智也)のナレーションの事を「伝記」って例えたの…

あながち間違いじゃなかったですね。

序盤からな〜んか奇妙な感じだったんですよ。

いつものようにみんなで食卓を囲むんだけど、

寿一に反応しているのは寿三郎(西田敏行)だけだし、

なぜか寿限無桐谷健太)が代わりに謝るし、

観山家の資産の分配について「どうやって?」って…え?4等分なら割り切れるんじゃないの?

って違和感を抱えながら見ていた分、

それが寿一の死に関する伏線だったと分かった途端、全てが腑に落ちました。

 

能が題材である事…隅田川を披露する意味…

前回で「俺が息子だったら出てくるよ。だって会いてぇもん」と寿三郎に話していた理由…

どれも最終回の衝撃的な展開に関係するものだったんですなぁ。

 

 

能の舞台会場で寿三郎が座っていた時に下から現れた時のお風呂スタイルの寿一には

かつての"殺気"なんて全く感じられず、

少し気の抜けた柔らかい表情をしていたのを見て、

あぁ…本当にこの世からいなくなってしまったのかとようやく実感…。

舞台と地上の高低差を利用して上から俯瞰で彼を撮るという演出も印象的で、

そのお陰で当時厳しく指導していた頃の"子供"のようにも見えたし、

そのうち消えてしまいそうな、寿三郎にしか見えない"妖精"にも映りました。

 

それから寿一は有言実行と言わんばかりに、今度はスーパー世阿弥マシンとして

さくら(戸田恵梨香)やプロレスラー達の前に現れる。

「スーパー世阿弥マシンに山賊抱っこされて惚れた思い出」があるさくら。

リザード寿時代からずっと支えてきた仲間達。

"寿一そのもの"ではなくいろんな格好で現れたのは、

いなくなっても、一緒にいたという記憶や思い出はずっとそばにある…という事なのでしょう。

 

最後のマスクを取るシーンは

山口百恵さんの"あの"引退パフォーマンスを彷彿とさせるものだったけれど、

取る"瞬間"までは映らなかった。

あれで完全に別れを告げたと捉える人もいれば、

またいつかひょっこりと現れるだろう…というほんの希望を持つ人もいて、

解釈は大きく分かれるのかもしれません。

 

本作はひたすら誰かを「尊重」する優しさに満ちていたドラマだったと思います。

思えば、25年間も家族をほったらかした人がそんなに日も経たないうちに馴染めるのなんて

現実ではそうそうないし、

寿一が辞めると言っていたプロレスを再び始めていたのだって、

正体が分かった時点で問い詰める事は出来ただろうけど、

また消えてしまうかもしれない…という彼への想いから、

本人がカミングアウトするまで全員で黙っていてくれた。

寿限無にも遅めの反抗期があったけど、最終的には"父"だと認め、見舞いもしてくれたのもそう。

だから、最終回の結末だって、

「長瀬くんが芸能界からいなくなったなんて嘘だ」と思ったって良いんだと。

登場人物やファン、誰も傷つけない。

そんなラストに仕上げたクドカン、本当にありがとうございます…と言いたいです。

 

表現はちょっと大げさになるかもしれませんが、

長瀬くんの作品は、私の成長と共にあった思い出みたいなものでしたからねぇ。

小学生の時はあれやってて、中学生はあれで…って、いろんな作品が思い浮かぶ。

TBSの金10もそうだけど、日テレの土9にもよく出演されてたイメージがあります。

小さい頃から当たり前のように見てきた方だから、暫くお目にかかれないとなると寂しいですが…

寿一みたいに何年か後にまた芸能界に顔を出す日が来るのかも…って期待したって、良いよね?

 

 

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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 8話 感想|自分が思う普通と、周りが思う普通

 

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物の声が聞こえなくなっちゃった…怖い…どうしよう…って不安がるオチ、

前回と大体同じなのは話が進んでいないっていう事になる訳で、

もうちょっと展開を工夫して欲しかったな〜とは思うけれど、まぁ良いか。 

 

観(橋爪功)が幾度にわたって発していた言葉、

「普通って何だ?」が今回のテーマでしょう。

それも、「こうあるべき」という一つの定義ではなく、

それぞれが本来の自分を取り戻していく…という意味で。

この手の作品だと「自分らしく生きる」を尊くて素晴らしいものだと捉える事が多いのですが、

本作に関しては、時に思い通りに行かない場合もあるという事も教えてくれるのが面白い。

以前、観がかわいい孫の考えを全肯定しなかったのも含めて、

基本的に本作は登場人物を公平に描いている印象があります。

 

伸寛(田辺誠一)の場合、田舎で野菜を作りながら過ごす生活を送るという

理想を持つのは素敵だけど、誰にも相談せずに勝手に決断&行動するので

あまりにも"自分らしい"過ぎる部分がある。

会社は畳むし、在宅ワークはするし、今度は軽井沢に住もうとか言い出すし…

結構家族を振り回しがち(笑)

自分らしく生きるにはある程度の相手への配慮は必要だし、

それが自分には合っていると見込んでいても、

いざ実行してみたら予期せぬ弊害が生まれてしまう可能性も孕んでいる。

千華子(富田靖子)は余計なお世話だな〜って思われるかもしれないけど、

歳を取ってから新たな環境に慣れるって大変だし、

畑作業なんて初心者だったら腰はすぐに痛めるだろうし、

車がないとどこにも行けないし…で、言っている事は一理あるんですよね。

 

で、萌子美(小芝風花)の"自分らしさ"は物と話せる事ですけど…

せめてトミーとだけは話させてあげて欲しいなぁって思ってしまいます。

長年の相棒だもん。急に別れを告げられたようなものだ。

今は岸田(加藤清史郎)が一緒にいてくれるのが彼女にとって救いかな。

まさか俊祐(工藤阿須加)みたいに闇を抱えていて、感情が爆発するなんて展開は

尺的に多分ないだろうから…(逆に、あったら人間不信に陥りそうw)

このまま優しい男の子でいてくれると嬉しい。

 

 

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俺の家の話 9話 感想|能か?プロレスか?それとも…

 

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ガールズバーの話をしたら心拍数が上がった!と喜び、

踊介(永山絢斗)が芸を披露すると言ったら心拍数が下がった!と落ち込み、

一喜一憂する観山家…

ドキドキしながら見守りがちの心拍数の変化をブラックな笑いに変えちゃうなんて、

コンプライアンスにうるさい今の世界じゃ早々難しいですよ(笑)

ドリフのお笑いを見ているようでした。

ふざけた方向に偏ってしまうと、ちゃんと現実と向き合ってもらうよう

位置を元に戻してくれる医師がいるから、

際どいくだりも安心して見られるんですよね。

そして、「きもったま!しこったま!さんたまーー!」と

能一家と幹部達が一丸となって、寿三郎(西田敏行)の奇跡を待つ図には目頭が熱くなる…

ばかばかしさの中には、飾り気のない"愛"がこもってる。

今回はいつも以上に、笑って泣いて、感情が忙しかったです。

 

で、明かされる事のなかった二十八世の継承問題については…

寿限無桐谷健太)に継いでもらう、と遺書に残している気がするんですよねぇ。

その想いには、自分が優柔不断だったせいで彼の未来を奪い、

"家族"としても長い間関係を共に出来なかった申し訳なさとか、

小さい頃から稽古に励む姿を見てきて、その腕前の良さに期待している部分だとか、

いろいろ込められていそう。

ここ数ヶ月間大きな苦悩を味わった寿限無を思ったら、その答えでもアリなのかなって。

本当は寿一(長瀬智也)に継いで欲しい気持ちもあるんだろうけど、

リザード寿の特集が載っている雑誌に大事そうに付箋が貼ってあったのを考えると…

彼にはプロレスの方が合っているのも分かっているのかも…ですね。

一度は辞めたプロレスの世界に結局戻ってくるほど大好きだし、

その道を極めた方が、能面のような殺気を放つ事もなくなって、

さくら(戸田恵梨香)もスカイツリーを独り占め出来る。

寿一は目の前にいる大ファン=父の想いを胸に、再びプロレスに打ち込み、

二十九世は秀生(羽村仁成)になり…そんな流れだと勝手に想像してます。

 

でもなぁ…もう1つ気になるのは「離見の見」の描かれ方。

父の座につく能楽師姿の寿一を、私服の寿一が遠くから見守る図…

なんか、一瞬「幽霊かな?」と思ってしまいましてね。

そう思うと、「離見の見」的なポジションにいる寿一のナレーションも

自身の伝記を紹介しているんじゃないかという気もしてきました(汗)

「奇跡は一度だけしか起こらなかった」

の台詞の時に映った寿三郎の表情は、そんなに病状が深刻そうでもないんですよ。

親の死に目に会えなかった…という"現実"に踏み込むパターンになるんでしょうか。

どうなんでしょ。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 10話(最終回) 感想|運命から逃れられない2人

 

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本作の最終回を見て「これは名作だった!」「素晴らしかった!」と絶賛された方は、

私がこれから書く感想とは考えが合わないかもしれないので…

どうしても読みたいという方は自己責任でお願いします。

 

さて、最終回。

正直言うと、あの「入れ替わり」を匂わせるオチは蛇足だった気がしました。

最終章になってから途中まで、役者の演技の応酬で

これでもかと緊迫感と切ない余韻を味わわせる展開が続いていったのに、

結局最後はコミカルで締めるんだというズッコケた感覚が…(汗)

個人的に、世間が高評価するまでハマれなかったのはそこなんだよなぁ。

最近は「運命」のSEもコミカルな演出・くだりも控えめになっていって、

ようやく集中出来ると思ったのに…なんで温度差の違う要素を挿入して来るのかなぁ。

日高(高橋一生)から告げられた入れ替わりの理由は、

自分も朔也(迫田孝也)も何とか幸せに生きて欲しいと神頼みしたという

"母の願い"から来ているものだったはずなのに、

事件が解決して数年後になって、彩子(綾瀬はるか)も新たな人生を歩み始めている中で

また入れ替わってしまったら"母の悪戯"で意味が変わってきてしまいますよね。

 

そして、日高に殺意はなくても、物を隠す形で人の犯罪を隠蔽した罪を犯したのは

咎められるべき事実なんですが、懲役3年科せられるのもなんか腑に落ちず。

情状酌量で執行猶予の方が、彼に見合っていたんじゃないかと思います。

そもそも「天国と地獄」が、たった15分で運命が大きく変わってしまった

兄弟の事も指すのが明らかになった流れで、

しかも取り調べのシーンで

河原(北村一輝)が「お前にその(兄が唯一挙げた)声を奪う正義はあるのか」という

"きっかけ"を与えてくれたにもかかわらず。

法廷で「兄が挙げた声」について日高が言葉を選びながら語り、

それを聞いた裁判員が涙ぐむ…という"兄を想っている日高"を感じさせるやり取りもなく、

ダイジェストやナレーションでさらっと済ませるのは強引な気がしました。

 

最後まで見てきて違和感を覚えた所は他にもあります。

「入れ替わり」自体は興味深く見られましたが、

謎の漫画とか、奄美大島との関係性とかで

「大きな歴史がある」ような雰囲気を醸し出させておいて、

最終的には何ら意味を成さない扱いに終わってしまった所。

あとは、日高のこれまでの動きと、回を重ねるにつれて露わになった"本心"との矛盾。

15分で運命が変わってしまった申し訳なさから、

兄を救うために自分が罪を被るという責任感の強い性格なのは分かったけれども、

じゃあ彩子に入れ替わった時に殺害を犯した"あの動画"を残した動機は何だったのか?

陸(柄本佑)と行為に及んだ理由は何だったのか?という疑問が生じてきます。

後者に関しては同性愛者だった…と補完してもおかしくないにしろ、

兄の罪を頑なに背負おうとする"善意の人間"である日高が、

他人の身体では好き放題やっちゃおうと羽目を外す人になるのかと

不思議に思えてたまりません。

責任感が強い人なら、借り物だから余計な事はしないようにしようって考えるはずなんですよね。

だから途中で「彩子と入れ替わる前に誰かと入れ替わったんじゃないか?」と予想した訳で。

 

モヤっとした部分、伝わったかなぁ…。伝わると嬉しいなぁ。

まぁ、確かに盛り上がった部分もあったけれど…

終始温度差を感じる作品になってしまった…って所ですかね。

唯一良かったのは、ドラマでたまにやりがちな"警察を無能"にしなくても

面白い展開は作れた事かと。

河原もある意味彩子と一緒で、警察という組織のルールよりも自分の正義を第一に動く

熱い人間である事が発覚したし、

八巻(溝端淳平)の存在は緊迫したムードで一息つかせる緩衝材になっていたし、

科捜研の新田(林泰文)も独特なキャラで印象強かったし…

主役2人以外にも愛着の湧く、それぞれ存在感を残すキャラクター造形になっていたお陰で

最後まで見られたんだと思っています。

 

 

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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 7話 感想|"縛り"からの解放。"不変"の崩壊の始まり。

 

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反抗期になった俊祐(工藤阿須加)がまずやる事は…タバコ。

いや、中坊か(笑)むせる姿含めて、あまりにも発想が初々し過ぎて笑っちゃったわ!

そして、家族に悪口だらけのSNSを見られていると分かったら…

私だったら恥ずかしくて、もう一緒に暮らしているだけで気まずいかもw

 

でも、最終的に俊祐が戻ってきてくれたのは良いてしても、

「自分がいなくても萌子美が店を守ってくれているのが分かった」から改心した…

という解決方法になってしまっているのにはちょっとモヤる。

彼は両親が萌子美(小芝風花)ばかり構っていて、自分には見向きもしてくれないという

長年積み重なったストレスが爆発して家出をしたのだから、

(萌子美本人も「私とお兄ちゃんは違うかもしれないけど」とは言っていたけど)

何も言わずに、あたかも何事もなかったかのように普通を装いながら帰りを待つ対処法は

彼には適さないと思うんですよね。

俊祐みたいな承認欲求のあるタイプは、「どこ行ってたの?何してたの?」と質問攻めする

母の世話焼きっぷりくらいがちょうど心に響くかもしれない。

まぁ、これはもう置いておくとして…

 

萌子美は"普通の人"の洗礼を受けた感じですね。

子供の時に見えていたものが、大人になってから見えなくなってしまった…

みたいな段階に入ってきている。

毎日孤独な想いをして、物だけが友達だった萌子美が、

今では岸田(加藤清史郎)と、人間と仲良くなれた。

これは彼女にとって大きな進歩で、

一般的に見たら"成長の証"としてかなり嬉しくなる出来事なんですが…

やっぱり相棒のトミーの声が聞けなくなるのは寂しいもので。

岸田に出会って、花屋で働いていろんなお客さんと交流していなければ、

こんな事はなかったはず。

自分の気持ちを押し殺して、誰かになりきるために物から力を借りるのは

タブーなんでしょうね…。

 

 

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知ってるワイフ 11話(最終回) 感想|どうせ…と思ってしまう自分がいるw

 

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まぁ…まぁ…そうなんだろうけど。元サヤで終わるのが相応しいんだろうけど。

なんというか…どことなくむず痒さが残りますな(笑)

だって、澪(広瀬アリス)は「選択肢Bの世界にいる(た)澪」で、

「元春(大倉忠義)のダメ男っぷりを知らない澪」な訳でしょ?

彼と一緒にいる事に夢見ていた期間よりも、関係がギスギスしている期間の方が長くて、

その記憶がこびりついて夢に出てきた場合だったら

果たして元サヤを選択していたのだろうか?って話ですよ。

夢に出てきた男=元春な所に運命を勝手に感じているだけで、

どこに魅力があるのかも分からずじまいだし…。

"記憶がない"、都合良い設定ですよねぇw

 

元春の方も、沙也佳(瀧本美織)に対して同じ別れ方をしているから、

「結婚して、子供も生まれて、幸せな家庭になりました…ちゃんちゃん♪」みたいな終わり方は

はて、本当に幸せなままでいられるのかな?って疑って見てしまう自分もいて(笑)

そう考える理由として…アイロンがけ、自分でやらないっていうのがね。

「ありがとう」「ごめんね」を素直に言う事を心がけるようにしたのは

大きな変化だったとしても、

結婚してからしばらくは、お互いに優しく接してきた所は

タイムスリップしてもしなくても共通していたと思うんですよ。

問題は、仕事が忙しくなって、育児と両立しづらくなってから。

最終回ではそこは触れていなかったから、今度は上手くいきそうっていう実感が持てない。

自分がお迎えの当番のはずなのに、急な仕事が入ってきてLINEに返事もよこさないで…

仕事で頭がいっぱいいっぱいになっている中で同じ場面に出くわしたら、

言い訳もしないで対応出来るのかどうかという"段階"まで描いていたら

この夫婦2人に現実味が増したんじゃないですかねぇ。

 

それ書いても仕方なくない?って事でも、今思いついたので書き残しておくとすると…

本作は元春がタイムスリップをして"気づき"を得ていく物語なので、

あくまでも主人公の成長物語に重きを置く作りだったんでしょうけど。

「誰かと人生を生きていくとはどういう事なのか?」をテーマにするんだったら、

澪もタイムスリップをして、お互いもう出会わない選択をしたはずなのに

ある日同じ職場でばったり出会ってしまって、

最初は嫌だと思っていたけど、一緒に仕事をしていくうちに

「自分が気づかなかっただけで、本当はこんなに苦労していたんだな…」

「あの時ちょっと言い過ぎたかもな…」といった誤解が解けて、

良い所も悪い所も、本心も知った上で改めて相手に惹かれ始める…

みたいな話にしてもアリな気がしました。

 

久恵(片平なぎさ)が過去を知ってそうな描写は、結局何だったんでしょうね。

小池(生瀬勝久)と繋がりがある訳でもなかったし。

っていうか、小池がタイムスリップしてやり直した理由が結構重くて…

こっちをメインにしたドラマでも面白かったかもしれません(笑)

 

まぁ、元春は誰とも関わらない選択をしたのを、澪がついてきたんだし、

元春も元春でわざわざ顔見に銀行まで行ったんだし。

どうしても頭の中から離れないのであれば、

気の済むまで一緒にいたら良いんじゃないかという結論ですね。

中盤までは秀作になりそうな予感もしたんだけど…

最終的には惜しさが残る作品だったかなぁ。

 

 

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にじいろカルテ 9話(最終回) 感想|3人の心には今日も虹がかかる

 

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良かった…。このドラマにはハッピーエンドがお似合いですね。

 

予告で真空(高畑充希)が倒れる所を見てしまっているものだから、

38分くらいまで、村人達が怪我したと騒ぎまくったり、

のど自慢大会に向けて一致団結をしたり…という"いつもの日常"の連続で

いつ不幸な出来事が起こってしまうのかと内心ドキドキしながら見ておりました。

病気の進行を匂わせる場面は、序盤で真空が食事中に手の違和感を覚えるシーンくらいで、

後は特に気にかけるような素振りはなかったですからね。

その分、ああ…病気はなんて意地悪な事をするんだと、

ついにこの時が来てしまったのかというショックが大きかったです。

高畑充希さんの演技がまた上手くてねぇ…

「なんで今なの…」って思っているのが表情から伝わってきたから、

凄く痛ましい気持ちになりました。

 

でも、「セミオトコ」でも未来で再会させるハッピーエンドで終わらせた

岡田脚本の事だから、真空を死なせたりはしないと踏んでいましたよ。

今後はまともに歩けなくなって寝たきりになるかもしれないし、

白衣を着て診察する事も出来なくなるかもしれないけど…

元気に帰ってくる真空の姿を見られて、3人が笑顔で。

喧嘩しながらも笑い合って過ごす3人の生活は、これからも続いて行くんだろうなぁという

余韻の感じられる締め方になっているのが本作らしい。

 

セミオトコ」「姉ちゃんの恋人」そして本作…と、

岡田脚本に出てくる登場人物はみんな"人と人との繋がり"に拘る傾向にあって、

「誰かの悩みはみんなで共有するべし!」「隠し事がないほどアットホームな関係!」

みたいな描かれ方をしているから、そこで好き嫌いは分かれるかもしれませんが、

私は好きな作品でした。

個人的には大人数でいるより一人でいる方が好きだから、

毎日毎日何かしらのイベントやらパーティやらがある

虹ノ村での生活は疲れちゃうとは思うけれどw

でも、真空や朔(井浦新)、太陽(北村匠海)の相思相愛な関係を見ていると

羨ましいなぁとも思えたり。

 

「この村は本当に存在するのか?」なんて途中まで疑って見ていた自分が小さく感じてくるほど

ひたすら純粋な、陽だまりのような医療ドラマは初めてでした。

まぁ…正確に言えばヒューマンドラマですけどね。

"日常"を描いているものの、そこには病気との向き合い方の"新たな可能性"も含まれていて、

今作られるべき作品だったような気がします。

 

 

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