2020年夏ドラマ-アンサング・シンデレラ一覧

アンサング・シンデレラ 11話(最終回) 雑感|全員集結はしたけどさ…

 

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7話でリタイアしたつもりが…結局最後まで見てしまいましたw

なんというか、大人の事情とやらに押し潰されてしまったんでしょうね…。

最終回の内容が、黒岩さんが本来描きたかったものなのかなぁ、なんて。

 

産婦人科という特定のジャンルに絞ったために

今までとは違う内容になっていて、別のドラマを見ているようだと

錯覚してしまうのも仕方はないですが。

全体的に「薬剤師」「看護師」「医師」の役割配分が効いていて、

最初からここの病院が舞台の話で良かったんじゃ?と個人的には思いました。

 

小さい病院だから少数精鋭=人手が足りない訳で、

みどり(石原さとみ)がまるで看護師かのように患者の自宅にまで押しかける

"お節介"設定も無理なく溶け込んでいたし、

薬の在庫がないから隣町まで代用薬をもらう事もある…という

タメになる情報も練りこまれていて、それなりに面白かったです。

 

ただ、最後の畳み掛け方はちょっと雑でしたね。

「ここで経験積んでから戻ってきます!」と言った数分後、しれっと総合病院におるし(笑)

いや、何年経ったんだよ!とツッコまずにはいられない。

それだったら、感動的な路線に走る本作らしく、

ラストは全員集結して「みんなでまた頑張っていこう」と鼓舞し合う流れの方が

綺麗に収まったかもしれませんよね。

瀬野(田中圭)が戻ってくるのも、もう引っ張り続けるから読めちゃったしなぁ…。

 

「薬剤師」という事で期待していましたが、

いざ蓋を開けてみたら、薬剤師がいないとこの病院は成り立たないみたいな内容に、

途中からはガン患者を取り扱う話ばかりの構成に…で、

斬新な題材でも結局"主人公を立てて""泣かせに走る"

量産型の医療ドラマになっちゃうんだと、

そんなむず痒さが一番に残る作品になってしまったのが残念です。

 

 

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アンサング・シンデレラ 5話 感想|忘れ去られた孫の摂食障害設定

 

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※今回の話を見て「泣けた!」という方は、この感想を読まない事をオススメします。

もし読む場合は、自己責任でお願いします。ではでは…

 

 

こりゃあ酷かったですなぁ。

極端な事を言うと、ゴーストライターとして新人脚本家を

雇っているんじゃないかと思うくらいの出来でした。

同枠の名作「モンテ・クリスト伯」や映画「累」の脚本を書いた

黒岩勉さんの最新作なのか疑いたくなります…。

 

個人的に一番ガッカリしたのは薬剤師達で草野球をするシーン。

字幕だと「休診日」と記されていたらしいんですが、

いくら休診日だとしても入院している患者がいる訳で、

薬を管理する人が全員休めるのかどうか疑問です。

なぜ主要メンバーを揃えて草野球をさせる必要があったのでしょう?

職務と全く関係のない事で泣かせようとするんだったら

くるみ(西野七瀬)が薬剤師しか知らない仕事を目の当たりにしたようなシーンを

もっと描いて欲しい。正直言って、時間の無駄。

延命して欲しいという相談を受けるのも、病院の食堂に掛け合ってチャーハンと餃子セットに

変えてもらうのも、ぜ〜んぶ薬剤師の仕事らしい。

 

医療ドラマはものによって「スーパードクター」を演出するために

主人公を上げて周りを下げる傾向にある事は理解していますし、

そういった作品は「ドラマだから」「フィクションだから」で割り切れば良いんでしょうけど、

本作は「ドラマだから」の範疇を優に超えている訳ですよ。

いくら漫画が原作だったとしても、現実に沿った内容にするよう臨機応変に変えていかなければ

映像化&実写化する意味がないと思いませんか?

 

今回はいつも以上に雑だと感じたのは、何名かの唐突なキャラ変にもあります。

本来だったら今回のくるみの立場に回りそうなみどり(石原さとみ)が

なぜか達観したような上司ヅラした人になる。

そして、いきなり勉強熱心キャラになったくるみに、優しくなった瀬野(田中圭)。

冒頭で「新人脚本家が…」と書いたのもここに繋がり、

今までの話を見ていない初担当の脚本家が、

内容に合わせるために登場人物のキャラを都合良く変えたんじゃないかとさえ思いました。

 

七尾(池田鉄洋)が提案した治験薬をみどりが断った理由もよく分かりません。

治験は患者や家族にとってネガティブなイメージがあるから?

そんな噂を聞いた事がないんですけど?

少しでも効果があるのなら取り入れてみた方が可能性は広がりますし、

治験薬を取り入れて、逆にそれでトラブルが起こったら

代用薬を処方して随時対応していくのが薬剤師の仕事だと思うんですが違うんでしょうか。

今回、それを拒否した段階で完全に薬剤師が主役のドラマではなくなりました。

お坊さん木下ほうかさんを呼びたくなる内容…

「医者」と「薬剤師」で全く仕事内容が違うのに

医者が主人公の作品の内容と既視感を覚えるっていうのはどうなんですかね…。

 

前回で取り上げられた孫の摂食障害の件もあっという間に解決してますし。

これこそ薬を服用して治療していく必要のある深刻な病気なのに、

適当に終わらせるのであれば、最初からこの設定を盛り込まなくても良かったと思います。

 

医者や看護師が空気な薬剤師のドラマになってしまったのは

恐らく大人の事情が大きいんでしょうね。

スポンサーの薬局への忖度とか?

めったに描かれない職業だけあって、「薬剤師をよく見せて欲しい」という

要望でも来てるのかもしれません。

でも本作は「縁の下の力持ちを目立たせる」を履き違えている感じ。

その職業の良さを前面に出すために薬剤師ありきの患者設定にしたり、

医者のイメージダウンを図ったりしているけど、

それが逆に視聴者の見たいものとはかけ離れた作りになってしまっているのが問題。

看護師の存在が描かれればもう少し改善されるはずで…

患者の事を思って、色々世話焼いたり行動したりしている心情を表したいのは

分かるんですけど、みどりの様子を見ていると

実際の薬剤師もこんなに患者にべったり向き合っているものなのかというのが

気になってしまって、物語に集中出来なくなる弊害を起こしている気がするんです。

 

元々期待していた作品なのでここまで何やかんや言いつつ見てきましたが

仕事描写に特に変化は感じられませんし、

あまりの現実味のなさにリタイアしようかと思ったんですけど、

好きな女優さん・桜井ユキさんが人質に取られてしまっている以上は(表現…w)

一応最後まで見るつもりではいます。

しかし、感想を書くのはもう止めにします。

毎回同じような内容ばかり書く事になってしまいますし、

本作の以前の感想で批判的なコメントを頂いてゲンナリした部分もあるので…。

(勿論、あの表現は確かによくも知らないで書いた私が悪かったと反省していますが…(謝))

 

 

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アンサング・シンデレラ 4話 感想|アンサングの意味って知ってる?

 

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アンサング(unsung)とは、

本来「讃えられない」「報われない」という意味。

一応本作でもキャッチコピーに「見えないところで、支えている。」と明記されている。

ところが、蓋を開いてみたら薬剤師が医療業界の最前線で

活躍しているように見えてしまっている。

今回に関しては「元々医者を目指していた」という羽倉(井之脇海)の設定に

おんぶに抱っこした感じなんでしょうけど、

検査をするよう患者に伝えるのも、症状を説明するのも全て薬剤師がやっているのなら、

じゃあその間医者や看護師は何をしてるんだって話なんですよね。

もうここは最終回までツッコみ続ける事になるんだろうか…(汗)

 

ちょっと根暗そうな雰囲気を醸し出すただの説明係だと思っていた羽倉に

突然付け加えられたボンボン設定。

父はベテランで横暴な医師。別の道を進んだ息子に反感を覚え、口をきかない関係性…

ベタですねぇ。

どうしてベタなドラマって、自分とは違う職業を見下す設定が多いんでしょうか。

おまけに「薬剤師は医者の奴隷」だと言い出す始末。

なんで?脳外科医こそ、再発防止薬とか血流改善薬とか

自身の治療だけでは賄いきれないような補助薬に助けられているんじゃないの?

息子が医者の道から薬剤師の道に乗り換えただけで「奴隷」と言うほど嫌っちゃうの?

最後は「全て薬剤師のおかげ」な結末も含めて、特に腑に落ちません。

 

プロであればあるほど、多剤服用したら認知症と似た症状が出ると

理解しているはずなのに…と思っていたら、

「ダブルチェックをするのが薬剤師の仕事」に繋げたかったからなのは分かりました。

でも、父の抱える病には他にも原因があるかもしれないのに

"薬のせい"で片付けちゃうのも何だかなぁ。

この世界では、精神的、肉体的、いかなる病も主人公の作る薬で治してしまいそうだと

考えてしまっても不思議じゃないです(苦笑)

 

まぁ、いつもネガティブな感想になっちゃうので、

最後に唯一良かった点を挙げるとするなら…

相手に不快感を与える薬剤師の言動がなくなったって所くらいかな。

そこがないだけで大分見やすくはなりました。

調子に乗った羽倉が瀬野(田中圭)に「お前上司なめてんだろ」と言われて

フフっと笑い合うシーンなんて良いじゃないですか。

仕事に追われてゆとりのない状態の会話じゃなくて、

もっとそういう"素"の会話も見たいです。

 

 

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アンサング・シンデレラ 3話 感想|医者と看護師が存在しない世界

 

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このドラマ、医者はおろか、看護師が一切出てこない。

だから、患者がいなくなった時に探しに行くのも、カウンセリングするのも

み〜んな薬剤師の仕事みたいになっている。

めったに取り上げてもらえない薬剤師の活躍を前面に押し出したいのは分かります。

でも、わざわざ上の二者を存在皆無にさせるのは違うんじゃない?

そういう人達と連携をとって初めて薬剤師が必要とされるんじゃないの?って思います。

 

みどり(石原さとみ)なんて、本来の仕事を放っぽり出してばかりだしなぁ…

そんな人に「薬剤師とはこうあるべき」なんて力説されてもピンと来ない。

何も知らない癖にウゼェ!ってなっちゃう小野塚(成田凌)の気持ちの方が共感出来ますし、

自分の立場を理解しているように見えて一番理解出来ていないのは彼女な気がしますよ。

あと、ドラッグストアに併設されている調剤薬局

行った事がないので強くは言えないんですが、品出しもディスプレイ作業も

店員じゃなくて全て薬剤師がやるものなの?っていうのは置いといて…

 

今回のエピソードは全体的にチグハグさが薄れていたのは良かったものの、

前回に引き続き「泣かせよう」感が出ている話運びになってしまったのが残念。

新田(浅利陽介)が薬を飲まなかったのは「飲み忘れたから」じゃなくて

「あえて飲まなかった」からであって、毎日決まった時間に決まった薬を飲む習慣をつける

おくすりカレンダーを提案するのもどことなく押し付けているように感じてしまいましたし、

まぁ…すんごいモヤっとするのが「ゲロゲロ先生には近づかない方が良い」って言った人が

誰かって所なんですよねぇ…(滝汗)

先生を走らせたのも悪気はなく、

クラスの子供達が全員良い子達だと分かって安心はしたんですけど、

重要な話に親が介入してこなかったとなると

周りからはよく思われてないんじゃないかと思ってしまって。

だから私には、先生に手紙を書いた子供達が今度は違うクラスの子にいじめられて、

結局いじめはループし続ける未来を想像してしまいましたとさ…。

あのEDも現実の話じゃなくて、先生が頭の中で描いている夢の話に見え…

あ、捻くれてますね。そうですね…(苦笑)

 

小野塚の方はそのうち仲間になりそうな予感がプンプンします。

忙しすぎて手が回らないが故に愚痴をこぼしていただけで性悪じゃないのは分かったので、

早く仲間入りして、第一声は否定の言葉から始まる薬剤師達のギスギスした雰囲気を

和らげてくれると良いんですけども。

 

 

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アンサング・シンデレラ 2話 感想|伝えたい事は分かるんだけど…

 

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患者のその後を描くエンディングのラストに

「葵」の押印がされた処方箋袋が映し出される演出を見ていると、

本作が視聴者に届けたいメッセージが何かは分かるんですよね。

ああ、ささやかながらも患者と"繋がり""心の拠り所"を築いていくのが

薬剤師のお仕事なんだなぁ…と。

エンディングやアバンの演出は折角よく作られているのに、

ぶつ切り過ぎるエピソードの構成に、出しゃばりな主人公、

薬剤師の度を超えているお仕事パートと色んな意味で違和感を覚える要素が多いので、

結果、全体的にギクシャクしているような作りになってしまうのに

歯痒さを感じてならないのです…。

 

大宮(小林隆)と娘の話、麻取が抜き打ちチェックしに来る話、

薬を飲ませるのに苦労する親子の話の3本を同時進行させる事で

「薬剤師って処方しているだけに見えて、こんなに多くの患者(人)と関わりがあるんだよ」

というのを示したかったのかもしれませんが、

麻取の話は無くて良かったんじゃないでしょうか。

残りの2本は好意的に考えて「薬の味見」で共通点を持たせてはいますが、

麻取だけはただ構成にメリハリを効かせるために

スケールを大き目にしてその役割を持たせた…としか思えません。

 

確かに、薬の認可を持続させるには彼らの調査が必要で、

病院に押し寄せる事があるというのは初耳でしたし、こういったある種のエンタメ的な話を

挿入するのも全然構いません。

あくまでも「ドラマ」であって、全部が全部をリアルに寄せる必要はないから。

しかし、普通だったら速攻クビになるであろう麻薬注射器の管理不十分の案件が

荒神(でんでん)のマジックで許されるというのは、正直言って"あり得ない"です。

漫画の世界でしか通用しない、いかにも漫画っぽく誇張されたキャラクターによって

丸っと解決させる話を挿入するくらいだったら、

3番目の薬を飲ませるのに苦労する親子のような話をじっくり見たいですし、

薬剤師がテーマのドラマって、良い意味で地味で、かつほんわかする内容で

十分成り立つんじゃないかという気持ちにさせられました。

 

処方箋も、特に子供向けのものだったら事前に「ジュースで服用しないで下さい」と

医師から口頭で伝えられるか、あるいは袋に注意書きとして記載されているはずです。

ジュースと混ぜると薬が苦くなるという特性を医師が知らないから、

代わりに薬剤師がわざわざ親子に出向いて説明する。

1人1人の子供達にこうやって教えに行かなきゃならないの?

刈谷桜井ユキ)も、最初に相談された時点でチョコアイスと一緒に飲ませる事を

オススメしていれば、みどり(石原さとみ)が余計な仕事をせずに済んだんじゃないの?

母親にしてもネットで薬について調べると言っていた割には

おくすり●めたねなどの服用補助食料の存在を知らないのは不自然だし…

薬剤師の度を超えている言動が目立つからか、あらゆる要素に粗っぽさを感じさせます。

 

登場人物に関しても、仕事が忙しくて"緊張感ある"というより

"ギスギスしている"の方が強く出ているようで、ちょっとキツイ…。

何というか、薬剤師も患者家族もネガティブな人が多い。

「そこまで言う?」って人が多いんですよねぇ。

常に怒っているような先輩とか、いつもサバっとして冷たくあしらう先輩とか、

何かあったらすぐ怒鳴り散らす上司とか、

微妙にこじらせてそうな謎にテンション高い同僚とか、

気持ち悪い!とストレートな言葉を投げかける娘とか…

もうちょっと和らげられないものかなぁと思います。

くるみ(西野七瀬)が緩衝材となってバランスを効かせてるつもりなんでしょうが、

「空気読めない新人」という設定だけでもテンポを崩すのに、

椅子を用意するシーンでの間抜けなSEやら関西弁設定やらのお陰で

更に加速させていっている気もします。

これは演技のせいではなく、キャラクターの膨らませ方そのものの問題ですが…。

 

人物の描写でこちら側もギスギスしてしまう所が多々あるので、

今後もそれが続くのであれば完走出来ない可能性も出てくるでしょう。

しかし、現状としては、「こうしたらもっと面白くなるのに!」と感じる部分が

何となく分かるから、元々期待度高めだったのもあって

徐々に良くなって行くと良いなぁ…という僅かな期待を込めて見ている感じです。

 

 

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アンサング・シンデレラ 1話 感想|医療ドラマも限界なのか…?

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私が今期(春ドラマの中で?)星5を付けるほど期待度は高めだった本作。

"がん"だけでなく、それに真摯に向き合う所謂"スーパーマン"ではない医師達の描写や

現代医療のあり方にも踏み込んできた名作「アライブ」に続く、

従来の作りとは一線を画した令和版医療ドラマが生まれてきて欲しいと思っていましたし。

脚本家も、個人的には最近脂が乗っている印象のある黒岩勉さん、

プロデューサーに野田悠介さんといった「モンテ・クリスト伯」のスタッフ×木10枠という事で

かなり楽しみにしていました。

 

しかし、まぁこの前置きがあるって事は

後の感想がどんな流れになるのか大体察しは付くと思いますが…(笑)

いざ蓋を開けてみたら結局は薬剤師版「ラジエーションハウス」みたいなもので、

あれ?なんでこうなっちゃった?というモヤモヤした感覚が残る初回でした。

 

いや、勿論良い所もあったのです。

現場で医師と一緒に救急処置をしていたにもかかわらず

患者家族からお礼をされるのは医者だけというエピソードの後に、

「感謝されたいの?」「じゃあこの仕事は向いてないね。」

このみどり(石原さとみ)とくるみ(西野七瀬)のやり取りを繋げた事によって、

薬剤師がどんな立場にいて、どんな物語が描かれていくのかを

端的に示したアバンは、初回としては上出来なまとめ方でした。

全体的にふわっとした白い照明も、恐らく「賞賛されない彼女達にスポットライトを当てる」

という縁の下の力持ち的な意味を含んだ演出でしょうし、

薬剤師版ラジハとは言いましたが、全員暇そうではなく

常に調合や対応に忙しなく働いているのが伝わる

"薬剤師業界のリアリティ"も感じられはしました。

 

ただ、困ったのが「医師」と「薬剤師」の書き分け方です。

いくら新しい視点の医療ドラマが出て来たとしても、結局は…で片付けられてしまうのは

そこに原因があります。

治療において専門的な知識を備えていない人が

スペシャリストである医師に"勝つ"展開があってはいけません。

その手法をやられると一気に作品のオリジナリティがなくなります。

 

薬剤師が今回のように、実際に医師と救急処置を施したり、心臓マッサージをしたり、

薬の服用の確認をしに病室に出向いたりする事があるのかは分かりませんが、

それにしたって主人公が専門外の領域に立ち入るシーンが多過ぎです。

医師が誤診で、薬剤師の方が診断が正しかったというのはあまりないでしょうし、

周りに看護師の姿が見えないのも何か不自然。

そして、まだ取り上げられていない職業が主役のドラマだと

仕事内容が地味なのもあって話が広げられづらいのか、

活躍の場を増やすために医師側を安易に"悪人"に仕立て上げちゃう。

そうした方が今後の話を考えるのも楽でしょうし、

視聴者にとっても"勧善懲悪"でとっつきやすいでしょうからね。

 

林(飯田基祐)が中心となった会議でみどりの処分について揉めて、

最終的にはお咎めなしの結果に喜びコーヒーを飲むみどり…のシーンが

今回の山場のつもりだったかもしれませんが、そこも腑に落ちませんでした。

「薬剤師としての仕事のやりがい」をしっかり示した上であのシーンを見たかったですし、

糖尿病の若者2人のようなエピソードが最も本作らしかった気がします。

何というか、「こんな想いで働いているんだな」という

責任感が伝わる、もっと共感出来る部分が欲しいです。

まぁ、初回で拡大放送だから蛇足な要素が多くなってしまったのだろうと思ったら、

次回もまた拡大放送…

 

「悪人」サイドによくあるパワハラしがちなキャラクターももう見飽きました。

そういうのは失敗しない系の痛快医療ドラマで十分です。

強く印象に残ったのは桜のシーンと主題歌のかかるタイミング、

その後を描くエンディングだけ…(汗)

今は仲違いの状態にある医師と薬剤師だけれど、それぞれに自分なりの正義があると分かって、

でも立場が違うからやっぱりぶつかりあって…を重ねていくうちに

チームで協力して患者と向き合っていく…という流れに早めになるよう願っています。

 

うーん…それにしても、延期が続いてようやく放送されたドラマ達。

今の所、微妙か惜しい…のどっちかで、

初回だけで掴まれるっていう作品がないなぁ(一部はメキメキと良くなっているけど)

期待していたけど、「アライブ」を見てしまった以上、

同等かそれを超える医療ドラマは暫く出て来ないのかなぁとも思っちゃいました。

 

 

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7/24追記:

本題とは外れますが、この感想を見てくださったとある読者様から

批判的なコメントをいただきました。

(私自身精神が弱い人間なので、それを見て傷ついた衝動でそのコメントは

承認待ち状態から削除してしまいました。ご了承下さい。)

 

ブログ名「りんころのひとりごと。」からもおおよそ分かるように

本ブログは思った事を出来る限り本音で書くというスタンスでやらせていただいています。

しかし、今回の件でその本音により

誰かの怒りを買ってしまったという事案が発生してしまいました…。

 

言い訳に聞こえるかもしれませんが、

勿論私はそのつもりでいつも感想を書いている訳ではありませんし、

逆に「この拙い内容でも共感してくださる方がいると良いなぁ…」という思いで

ブログ運営を続けています。

 

今回勇気を出してコメントをしてくださった方だけでなく、

この記事を読んで不快に思われた読者の方々も含めてお詫びいたします。

本当に申し訳ありませんでした。

以後、文章表現には気をつけます。