2022年夏ドラマ-競争の番人一覧

競争の番人 2話 感想|なんで初っ端から前中後編にしたかなぁ…

 

 

私の"ドラマ"に対するイメージとしては…

まず初回って、物事の始まりから解決までを描いて

「本作はこんな物語になっていますよ」というコンセプトを提示する

"自己紹回"だと思っているんですよね。

3話くらいまで様子見するよりも、初回を見て視聴継続するかリタイアするか

判断する視聴者の方が圧倒的に多いだろうし、

最初は1話完結型でどんな話か分かった方が、作品の楽しみ方も掴めて、

次も見てみたい!と興味が湧く視聴者が少しでも増えるかもしれない。

1時間内できっちり完結させる事で、こんなメリットが生まれる…とも考えています。

 

なのに、本作は2話分に留まらず、3話分も引っ張る。

正直…まだ回収されていないミステリー要素も盛り込まれて、

ただでさえボリューミーな内容になっているのを、初っ端から前中後編に分けて放送した事が

大きな間違いだったんじゃないか?という気がしてなりません。

これが2話以降だったらまだ分かりますよ?

でも、本作のゴールとなっている"痛快劇"を2週間も引っ張られると、

本作が最終的にどんな終わり方をするのかも知らないから、

余計に、まだ続くんかい…とガッカリしてしまう訳なんですよ(汗)

何と言うか、出口の見えない迷路の中をずっと閉じ込められている感覚に近いんでしょうかね。

モヤモヤしております。

 

そして、分割する事が「大きな間違い」だとした理由はもう1つ。

回想や台詞での確認などによる補足もない内容で、

果たしてどこまで覚えていて

状況を把握しながらついて来れている視聴者がいるかって話なんですよねぇ…。

これは後で知りましたが、本編放送前の、ミニ番組を放送しているような時間帯で

前回のあらすじをさらっとやるのも、ちょっと不親切。

続き物にするんだったら、前回の内容にも触れて欲しかったし、

尺の都合で入れられないんだったら、最初から一気に描き切るべきだったと思います。

とにかく、難解な内容を1週間も覚えていられない私としては、

"連続ドラマ"に見せるよう話を繋げたのではなく、

ワンパッケージになっているものをただ"分断しただけ"。そう感じました。

 

そして、見過ごしか、忘れているんだったらすみませんが、

「実はこんな揺るがぬ証拠がありました!」を後出しじゃんけんするのもどうなのかなぁと。

先回りが得意な小勝負(坂口健太郎)が、何かを見つけたらしい描写があった上で

提示するんだったら良いんですけど、それを隠すように話が進んでいきましたからね。

最近主流になりつつある謎解きミステリーに寄せた結果なのかな?という気もしています。

 

あと、他にも気になる所としては…

W主人公でなきゃ成り立たない、"コンビモノ"らしい作りになりきれていない事。

まぁ…前回の最後に書いた感想にも通ずる事ですが、

頭の切れた主人公が大活躍するお仕事ドラマと、新人が新天地で奮闘する成長物語…という

2つのドラマを無理やりくっつけた感じ。だから、テンポが悪いんでしょう。

で、もう1つは白熊(杏)について。

警察でキャリアを重ねてきた人とは言え、公正取引委員会の世界ではまだ新人ですよね?

どんな仕事をするのかも具体的に分かっていないだろうに、

慣れたように立ち入り調査している所なんかは違和感を覚えるんですよねぇ。

 

視聴者に伝わりやすいドラマになっていない上に、コンビモノとしても整理されていない…

脚本家が複数体制である事を踏まえると、これは今後も期待薄かな?という気がします。

という訳で、まだ完結していない状態で言うのも締まりが悪いと思いますが、

月曜日は特に2本とも感想は書けないので、本作の感想はここまでにさせていただきます。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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競争の番人 1話 感想|権力が弱いって所がピンと来ない。

 

 

うーん…………やっぱりこの手の「世間的には珍しい職業を扱うお仕事ドラマ」を

満足度高い作品に仕上げるのって難しいのだと、改めて思わされますね。

フィクションを強めると嘘臭くなってしまうし、

リアルに寄せようとすると味気なさが残ってしまう。ここの匙加減、大事…。

 

白熊(杏)のミスも、小勝負(坂口健太郎)の物事を見通す力の高さも、

仕事を通して紹介する事で"説明臭さ"を和らげているし。

チームに衝突する立場の人物がいないからか、雰囲気の良さを感じさせて、

そこがストレスフリーに繋がっていて見やすい。

そして、専門用語の1つ「カルテル」の図解も分かりやすい。

でも、どことなく「面白い!」までには至らない。

初回を見ていて思ったのは…

「で、結局、公正取引委員会ってどんな仕事なの?」って所なんですよね。

 

無知ながら、私がイメージしている公正取引委員会は、

独占禁止法に基づいて、劇中にもあった数十人での立ち入り調査だって何度も行う形で

企業の不正を取り締まっていく、言わば"人数と力"で圧倒していくといった感じ。

過去にも実際に、某大手芸能事務所の放映権について指摘したケースがあったから、

大小関係なく、忖度なしで是非を決める強い組織なんだろう…と捉えていました。

だからこそ、立ち入り調査を決行しても

一般職員にまで舐められている描写になっているのがピンと来ない。

もっと言えば、「警察よりも権力が弱い」所がピンと来ないんです。

そこで思うのは、公取"内"での仕事描写にこだわらず、

視聴者が想像つきやすく、ドラマの題材でよく扱われやすい警察や検察との対比を

もう少し強めるなどして、警察や検察に出来ても自分たちには出来ない苦しさ、不条理さを

話に織り交ぜても良かったのかなぁと。

何と言うか…"全体の中の個"が見えてこない。そう言った方が近いでしょうかね。

 

そして、「で、結局、公正取引委員会ってどんな仕事なの?」と書いた理由は

物語の紡ぎ方にもあります。

良く言えば、公取の持つ小難しさを感じさせないような工夫とも例えられるでしょうが、

逆に言えば、既存のドラマのパーツの寄せ集め…みたいな。

凸凹コンビモノでもあり、刑事モノでもあり、

ミステリー要素もあり、月9らしい恋愛要素も匂わせる。

約1時間半内でいろんなジャンルのエピソードを盛り込んでくるから、

本作でしか感じられない魅力がなくて、決め手に欠けると言いますか。

 

その根本的な原因は…原作者側と作り手側の

「こうありたい」意思のズレから来ているんじゃないかとも思ってます。

内容を見てみて、どこかテイストの噛み合わなさを覚えたのは気のせいですかね?

原作がどんな作風なのかは分かりませんが…

想定するとするなら、「弱くても戦わないといけない」という台詞があったように、

元々、弱者が強敵に立ち向かって這い上がる物語がベースだったはずが、

作り手側はもっと馴染みやすいようにと、あらゆるエピソードをゆるめにして

ライトで若干コミカルな仕上がりに変えてしまった気もするのです。

まぁ、逆も然りですが…。

日曜劇場の池井戸作品に携わられていた脚本家もいらっしゃるのでね(苦笑)

何にせよ、ライトに見せたいのか、真面目に見せたいのか、

この作風のブレは早めに軌道修正していただきたい…というのが本心です。

 

杏さん演じる白熊の空回り具合が、足を引っ張って物語のテンポの悪さを

加速させているのも、スカッと解決をうたうには大ダメージのような。

私がこの手の役でよくツッコむ「新人の役者さんでも支障なさそう…」以前に、

マイペースな小勝負を中心に据えて、彼女はそんな彼に振り回される個性的なメンバーの1人…

という立場に置いてみた方がしっくり来たかと思います。(これは後の祭りですが…。)

白熊に関する描写が抑えられていれば、展開のもたつきも減って

1話内で完結出来たのかもしれませんね。

 

同じ原作者作品でも、前作よりはるかに"ドラマ"としては消化出来ているのに、

なんか、全体的に勿体ないなぁ…と。

来週からは月10枠で新ドラマが始まるので、そちらが初回から掴まれる内容で

本作の方が2話でも面白くなる可能性がなさそうだと感じたら、

もしかしたら感想は初回のみ…って事もあり得るのかも?

 

最後に余談。あのわんこのキャラクター、実在していたのが一番の驚きでした(笑)

 

 

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