2019年秋ドラマ-G線上のあなたと私一覧

G線上のあなたと私 最終回 感想|「好き」という気持ちさえあれば、前に進める。

 

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良いもの、見たなぁ…

とても心が満たされてるわ。今。

 

弘章(小木博明)の件。

ここは正直、前回のラストで引っ張った割に約5分で解決…という

若干サッパリとまとめた気がしなくもないものの、

幸恵(松下由樹)さんにとっては、この日をまた思い出す時が来るほどの思い出に。

事のきっかけが何であれ、自分のやった行為に自覚がないのも別として、

そこに込められた「誠意」と真っ直ぐな「言葉」が欲しかったんですよね。きっと。

 

また一段と芯の強い女性へと変わった幸恵さんが、

胸にグサッとくる直球な言葉を投げかける形で。

そして理人(中川大志)は、以前に「自分で動くしかない」と言われた事がバネとなり、

なんでも良いからと勢いで抱きしめる形で、

不安で心がボロボロ状態の也映子(波瑠)を救いに行く。

もうあの頃の「緩いかもしれないけど良いもの」以上の関係になっていると

十分に伝わります。

そもそも、学生時代からの親友でもない限り、あそこまで立場の違う相手に

しっかり向き合ってくれる事って滅多にないと思うから。

 

本作が始まってからは とにかくバイオリンの音が酷くて、

ドラマとして考えたら、最終回までにはまるで別人のように

上手くなっているんだろうなぁと想像もしていたけれど、

完璧!とまでは行かなかった。逆にそこが良かったです。

 

也映子「大人のバイオリン教室はみんな大人なので、

    何者になるわけでもない私たちの演奏は、大して上手くはない」

度々この台詞から始まる也映子のナレーションに、

理人と幸恵さん、そして真於(桜井ユキ)との出会いがあった事で、

1つの結論が出ました。

「でも、大人になってから、何かが出来るようになるって、素敵だ。」

「人は誰かに優しくなるとか、やっぱり家族が大事だって思えるとか、

 人を本気で好きになるとか。」

「前は上手くできなかった事が何度も練習する事で、ちょっとずつ、

 でも気がつけば出来るようになっている。それは素晴らしい事だ。」

 

「だけど本当は、別に出来るようにならなくたって全然良くて、

 ただ思ってさえいれば良いんだ。」

「私たちはいつでも、いくつでも、前に進める」

 

そして、1年が経って、也映子と理人が物件探しをしている時に、

こんな会話のやりとりが。

也映子「私たち、意外とバイオリン続けてるよなーって。」

理人 「好きだからでしょ。好きだから続くんでしょ、何事も。」

理人の言葉が、まるで一段落前の上記の也映子の言葉に対する

「好きという気持ちがあれば、何度だって前に進めるんだよ」という答えに

なっているように感じさせられ、

上手い流れを考えるなぁとも感動さえしてしまったのは、気のせいでしょうか…。

 

バイオリンが「好き」だから。

バイオリンで出会った3人が「好き」だから。

恋人として理人の事が「好き」だから。

 

この先、画面では見られない物語の延長線上で、

嬉しい事と同じくらいキツい事が待っていたとしても、

本当に会えなくなってしまったとしても、

也映子達ならきっと大丈夫だろうなぁと思えます。

 

視聴前は、恋愛もの?で、なんで波瑠さんと中川大志さんに、

松下由樹さんの組み合わせ?と少し驚きでしたが…

最後まで見てみて、幸恵役には明るさとチャーミングさもある

松下さんしかいないでしょ!と思えるくらいには、

時に視聴者代表にもなり、時にビシッと決め…で、偉大な存在へとなっていました。

「演技」「脚本に書かれた台詞」を飛び越えた会話劇も、

感情がそのまま溢れ出ているかのような也映子の告白シーンも凄く良かったです。

波瑠さんは本作で、かなりイメージが変わりました。

 

あくまでも恋愛を重きにする訳ではなく、

新たな環境で出会う人々、充実した日々を送る相手が羨ましい事から始まる嫉妬、

ヤキモチ、刺激、理想と現実の差に打ちのめされる姿…

「誰もが経験するであろう出来事の中に、恋愛へと繋がる道もある"かもしれない"」

というささやかな絡め方が大好きでした。

 

見終わった後、自分もこれから何かが出来るかもしれない。

私にとって本作は、そんな心のビタミン的ドラマ。

そう思えるドラマとの出会いがあるって、幸せだよなぁ…。

 

 

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G線上のあなたと私 9話 感想|人の感情って、複雑で時に繊細。

 

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ああ、もう…分かり過ぎて辛い。

也映子(波瑠)が心配だからという気持ちが先走って家まで行っちゃう理人(中川大志)も、

「好きの先が怖い」、些細な言葉で悶々と考え込んでしまう也映子も、

一人になりたくても本音では誰かに助けを求めている幸恵(松下由樹)も、

どれも通ってきた道だから共感の嵐が過ぎる!!

 

この流れが原作通りかオリジナルのものかは分かりませんが、

全ての世代や立場を経験してきて、まるで人の気持ちを知り尽くしてるんじゃないかと

思えるくらいの脚本が、とにかく恐ろしい…

 

人の感情ほど、些細な事で傷つきやすく、面倒臭いものってない。

…が、今回のテーマ。

「どう見られているか」に偏見を持たない

恋愛は真っさらな状態の理人との関わりを増やす形で、 

自分の方が年上である事にコンプレックスを感じてしまう也映子の

むず痒い心情を深掘りしていたと思います。

 

理人の行動も、彼女なんだから、今あの場で苦しんでいる也映子を

何も言わず抱きしめてあげたら良いじゃない…とは言いたくなるんですけど、

やっぱり彼にとっては、まだまだ恋とは何かが分からないものなんですよね。

「普通」も、二人で両極端の考えが出てしまうって所も妙にリアル。

 

あとは、全体的には、幸恵さんの見せる表情にやられっぱなしだったかなぁ。

「誰か実況して!!」は的確過ぎて面白かったけど(笑)

自分の事かのようにソワソワした乙女心を見せる姿から、

大切な場所まで無くなるほど変わってしまう現実に打ちのめされそうになる姿、

抱えてきた重荷を手放したいからと強がってもみせてしまう姿など…

彼女の持つ、彼女にしかない複雑な感情っぷりを堪能した気がします。

 

恋愛の事は一旦保留にした也映子と理人ですが、

この二人には絶対に幸せになってもらいたいし、幸恵さんにも勿論幸せになってもらいたい。

恋人を作って結婚する事だけが 幸せな人生を送る上で全てではなくて、

バイオリン教室でないと出会えなかった三人が

何年経ってもこうして親友を助けたいという気持ちが働くほど、

かけがえのない仲間になれたという事実もまた最高のものであると

今まで教えてくれたから。

 

最終回、三人の結末がどうなるのか気になるから早く見たいけど、

終わって欲しくないというジレンマ…。

予告では何やら、幸恵の夫・弘章(小木博明)にビシッと言ってそうな

姑・由実子(夏樹陽子)のシーンが。

今回の「してやってる」風の言い方には本当に頭に来たので(笑)

ちょっとでもスカッとさせてくれないですかねぇ。ここは。

 

 

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G線上のあなたと私 8話 感想|何者にもなれない人なんていない…という幸せ

 

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本当、凄いわ。このドラマは。

「出会えた事の感謝」「喜び」といった人間愛で溢れるエピソードは

それだけでしっかり成立させつつも、

恋愛面でもちゃんと、早く次が見たい!ともどかしい気持ちにさせてくれる。

神様はスタッフですし、視聴者にもドSですよ(笑)

 

也映子(波瑠)、幸恵(松下由樹)、理人(中川大志)の3家族が集ってのミニ3コン。

ほとんどの家族と和解出来ている様子や、G線上のアリアがやっと弾けた事からし

今回が最終回と言わんばかりの集大成感が漂っていましたが、

今まで「家族と自分なりに向き合う3人」が描かれてきたから

余計にそう思えてしまうんですよねぇ。

 

夫・弘章(小木博明)に上手く伝えられない幸恵の素直な気持ちも、

ドラマ的に「あなたの事があったからバイオリンで充実した生活が

送れるようになったのよ!」なんて強気なキャラに仕立てて

スカッとさせない描き方も好き。

「弾けない人よりはほんのちょっとだけ弾ける、バイオリン好きの大人になる事が出来た」

という、背伸びしない言葉選び(脚本の台詞運び)はもっと好き。

 

今回のサブタイトルは「親愛なる人々へ」だった訳ですが、

何者にもなれないけど、誰かにとっては必要不可欠な存在にはなれる…という真理を、

台詞に頼らず登場人物のストレートな感情を絡める形で

突いていたんじゃないでしょうか。

真於(桜井ユキ)も大事に想ってくれた。

先生が出会わせてくれた音楽に何度でも救われると思うとまで言ってくれた。

初回の冒頭での、まだ赤の他人同士だった3人が、

彼女の演奏で雷に打たれたかのような衝撃を覚えるシーンが

今でも脳裏でフラッシュバックするこの感覚…

ああ、也映子がそう言うのも分かるなぁ。

本当に貴重な出来事だったんだろうなぁという説得力の強さ。

丁寧な作りのおかげで、彼女達と同じ喜びを噛み締められる事がとても幸せ。

真於をコンサートに呼んでその言葉で感動させるのではなく、

後から録音で聞かせる…という演出も粋でした。

 

あとは、何と言っても幸恵さん!

也映子と理人の間を取り持つ役割として、いつも絶対的な存在感を放っていたけれど、

今回は特に乙女ちっくな愛らしさが光っていたなぁ。

松下由樹さんがとてつもなく可愛い。

この世代らしく世話焼きな所はあるんですが

「割り込む」までは行ってなくて、二人を遠目でささやかに応援していて、

一人できゃっきゃしているという塩梅が丁度良いですよね。

告白を引き延ばす理人にもう!と焦ったくなる幸恵さんの立場に

どれだけの視聴者がなった事か…(笑)残り2話、楽しみですぞ!

 

 

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G線上のあなたと私 7話 感想|アクシデントやキスシーンに頼らない恋愛でも、ちゃんと切ない凄さ。

 

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「大人になるとき」のサブタイトルに込められた意味。

それは、自身が成長した事をある日実感する「気づき」とも取れるし、

環境や時間の流れを経て自由な時間が増えたという「喜び」とも取れるし、

逆に、大人にならなくちゃ…というケジメを付ける上での「焦り」とも取れる。

その点を鑑みた上で、今回は也映子(波瑠)、幸恵(松下由樹)、真於(桜井ユキ)の

3人それぞれの「変わりゆく現実に地に足をつけて生きる女性像」

描き出した回だと思って見ていました。

 

前回では也映子に対してグサッとくる言葉を残した真於の真意は

「3人が羨ましかったから」…

言動と真逆だったとしても、彼女の背景がこれまでに描かれてきたから、

何となくそんな感情が芽生えてしまうのも分かってしまう過程の上手さ。

也映子との件も、理人(中川大志)が相談してねと言ってきたのにもかかわらず

勝手に去っていこうとする件も、

どこか弱く見られたくなくて、大人ぶろうと自分を立てている所があって。

真於はかつての也映子だったのかもしれません。

 

也映子が言った「人間愛」は、恐らく彼女にとって、

こうあって欲しいという願いのようなもの。

真於を助けられるのは理人しかいないと背中を押したのも、

私の好きな理人でいて欲しいと思った気持ちも決して嘘ではない。

けれども、「願い」は強くなればなるほど、人間にとっては手の打ちどころがない

厄介な感情をも生み出すのもまた事実…

胸を苦しそうに抑える也映子に、こちらもキュッとした心地になってしまって…

どうか何事も起きないまま帰ってきて…!と、願わずにはいられないラストでした。

 

前回の感想で「恋愛ドラマとは括れない」と書きましたが、

恋愛至上主義という訳でもなく、けれどもメインじゃないからって雑に扱わず、

「心が揺れ動く瞬間」として様々な人間関係を通して

機敏な変化が描けている所は、本当によく出来ていると思います。

最近は、恋愛ドラマとガッツリうたっていても、

要となる登場人物の心情がまともに描けていない作品があったり、

逆にラブコメディ路線で、壁ドンやキスシーン、〇〇対決に頼って

キュンキュンさせる作品が増えてきたりする中、

(勿論、貶している訳ではなく、ラブコメも独自の世界観を突き詰めていけば

化けて面白くなる作品もある…というのを見て経験した上で例を挙げています。)

ここまで"魅せられる"恋愛描写は、本当に珍しい。

 

幸恵が階段で倒れて病院行き…という安易なアクシデント展開にしなければ、

女性同士が嫉妬をむき出しにする喧嘩や修羅場がないのも、好感の持てる作品。

 

世代ごとに共感出来る部分があれば、続きを早く見たくさせる盛り上げ所や

ほんの胸キュン要素もあるのに、何で視聴率が6%台なのかが不思議で堪らなくて…

恋愛ドラマが苦手だったとしても本作なら老若男女楽しめると思うのに。

今からでも期間限定とかで良いから、

1話からTVerで一挙放送やりません?

 

 

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G線上のあなたと私 6話 感想|ほっとけない、認められたい…も含めて人間愛。

 

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 「人間愛」。

見終わった後に毎回残る余韻は…

ああ、そうか、本作はこれがテーマだったのか…とストンと腑に落ちた回でした。

 

婚約破棄されて仕事も辞めて、一人でも大丈夫そうだと言われるけど

本当はそばで見ていてくれる人がいない事に寂しさを覚えて…

でも誰かに察して欲しいからって自分の気持ちに蓋を閉じてしまう也映子(波瑠)と。

自己満足な愛と優しさに浸る侑人(鈴木伸之)。

「最上位女子」の目線でしか相手を考えられない真於(桜井ユキ)と。

夫は今でも許せない、だけど出て行っては欲しくないという

中途半端な自分に苛立ってしまう幸恵(松下由樹)。

そして、その「自己満足」も「中途半端」も自分の事のように許せない理人(中川大志)。

 

どちらかと言うと也映子側の私からしたら、

真於は何てドライな事を言うんだ…とは思うし、

冷静に考えたら、勝手な解釈で動いている人ばかりではあるのですが。

でも、「ほっとけない」「認められたい」「必要とされたい」

それぞれが自分だけの"愛"を探し求めて生き続ける姿が描かれるから

愛しいと思えてしまうんですね。

 

愛が欲しいからありのままを見せる人がいる。

逆に、愛が欲しいから大人の自分を演じて、強がってしまう人もいる。

しかしそんな人に限って、思いがけない救いの手が差し伸べられると

抑えきれない"何か"が溢れ出して、どうしようも出来なくなるのも事実…

「サムワン」の本当の意味に気付いた時の也映子には、

彼女と同じようにどこか報われたようで、感情を追体験せざるを得ないシーンでした。

 

偶然過ぎるほど同じ場所でばったり会ったり、立聞きしたりと

恋愛を取り扱うドラマではありがちな展開は結構盛り込まれてはいるものの。

それでも「都合が良いな」とはならないのは、

「自分はどうしたいか」「どうなりたいのか」が主に描かれている、

所謂 恋愛ドラマとはそう簡単に括れない"感情"や"人間臭さ"がたくさん詰まっているから

也映子達の動きに目が離せないのかもしれません。

 

次回でいよいよ、也映子と理人が潜在的な恋心に気付く展開となりますが、

それに向き合った事で自身の成長へと繋がる話となるのか、

あるいは、よくあるヤキモチの流れに落ち着くのか…

物語がどう転ぶのか、楽しみです。

 

 

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G線上のあなたと私 5話 感想|結婚とは何か?を体感して得た也映子の答え…

 

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「結婚とは何か?」を也映子(波瑠)が体感する回。

良いですねぇ。何というか、"人間臭い"恋愛パートを久しぶりに見ているような気がします。

 

冒頭では元彼とばったり出会って、誘いに付き合ってしまった也映子。

元彼とのくだりはもう少し後にも回せそうなものの、

なんで今?という理由が最終的に理解出来た構成でした。

 

人に合わせて、優しい言葉をかけてしまいがちだった彼女が、

幸恵の「"結婚したい"と"この人と結婚したい"は似て非なるもの」という言葉の真意を、

白鳥との交流、その話を受けた理人(中川大志)のアドバイスによって気づき、

結果、私は!今!2人の前でバイオリンが弾きたい!と人目を憚らず

今のありったけの想いを叫ぶ姿へと変われた。

「2人に出会う前の也映子」と「2人に出会ってからの也映子」の対比が効いていて、

バイオリン教室での出会いがどれだけ彼女の人生に影響をもたらしたか…という点で

また1つ胸に希望が満ち溢れるエピソードが見られた満足感を覚えました。

 

也映子が白鳥と付き合ってみて分かった時の台詞も

「心が動かなかったから」「結婚したい意欲が湧かなかった」とかではなく。

理人が眞於(桜井ユキ)に言われた「時間を無駄にしますよ」を彷彿とさせる台詞で

まず視聴者を引きつけ、そこから也映子の「バイオリンの練習してたら良かった」といった

率直な気持ちを語る様子をじっくり描写した事で、

結局は"一緒にいたいかどうかが大事"という答えに具体的な説得力が感じられ、

その答えに導くまでに全く説教臭さもなかったのが良かったです。

本作は共感性のある言葉を多く生み出すなぁと思えるのも、そこにあるのかもしれません。

 

一緒に過ごしてきた時間を捨てられないという幸恵の真理は勿論の事、

メガネ女子に萌えてしまう白鳥の真理もよく分かります(笑)

最初の也映子の「結婚したいから結婚する」じゃないけど、

多分「メガネ女子と」が目的だったのかなぁと…

(物件紹介するのは怖いけど)根は誠実そうなので、いつかこの人にも

メガネ女子という魅力を飛び越えた相手に出会えると良いですよね。

 

最後に。余談ですが…

結婚とは何かを話し合う也映子と理人のシーンの最中に

結婚発表速報が流れるとは、中々の妙でしたねぇ。

きっとニノもこの人だ!って思ったんだろうな。

 

 

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G線上のあなたと私 4話 感想|私だって頑張ってるんですよ!

 

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今回も也映子(波瑠)の気持ちにグサッと。

うーん…「隣の芝生は青く見える」ってやつですよねぇ。

 

「なんでみんなさ、大事なものとか目指すものとか、譲れないものとか、

 ちゃんと見つけられるの?」

「入れ込めるものが見つけられないって、本当は一番きついよ!」

と言っていた也映子。

私も周りみたいに熱い野望を持って生きている訳ではないから、

彼女が羨ましがるのはとても分かる。

でも、理人(中川大志)の言う通り、「動く」のが一番なんだと思う。

 

入れ込みたくなくても入れ込まざるを得ない環境に陥る人だっているし、

逆に周りに置いてかれないようにと、

躍起になって入れ込むものを見つけた人だっているかもしれない。

みんながみんな、しっかりした人じゃない。

ただあえて口に出さないで"強く"見せているだけ。

 

幸恵(松下由樹)の姑の介護生活。晴香(真魚)の妊娠。

長い人生を送っていく以上、進路や就職、結婚、老後といくつもの壁がある…から

そんなに今の状況を追い詰める必要は、冷静になったらないんですけどね。

けれども、何が壁にぶち当たると将来を考える余裕がないって気持ちは

沁みるほど分かります。

なんか、也映子のエピソード中心に、強く思った事をだらだら書いてしまったけど…

それくらい共感性のある台詞運びが秀逸って事ですよねぇ。

 

話せる人が理人しかいないという也映子にも、

相手にはガツンと言っておいて自分の事となると弱さを見せる理人にも、

一番応援されたいであろうに「ここで救われた」と言えちゃう幸恵にも

どの世代の立場にも感情移入出来てしまう。

この手の作品だと大体、最も歳の近い登場人物の目線で見てしまいがちですが、

まだ結婚の経験がないのに幸恵の気持ちまで同じくらい分かるというのは、

個人的には珍しい。

 

私が日々の仕事を終えて帰ってきて、ドラマ鑑賞という趣味を楽しんで

「この時間が続いていけば良いのになぁ」と思うように、

3人にも、途切れる事なく関係が続いていけば…

そして幸せな未来がいつかやってくれば…とつい願ってしまいます。

本作はそんな作品。

 

恋愛要素でドキドキさせつつも、基本的には温かな人間模様を描いていて、

「人の出会いと繋がり」「第3の居場所」がある事の有難さを

そっと教えてくれているよう。好きです。

 

 

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G線上のあなたと私 3話 感想|人間模様のリアルさの中にほんのファンタジー

 

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良いドラマだなぁと思えると、脚本が良く思えてきて、

次に演出、今度は役者のハマり具合と…どの要素にも良さを見出してしまいます。

私にとって、本作はそんな作品。

 

特筆すべきは、主演の波瑠さん。

今回のガチ泣きの演技は特に光るものがありました。

個人的には、どこか澄ましているような、

奥に潜んでいる感情が見えてこないようなイメージを

今までの作品を見てきて持っていました。

しかし、レンズが涙に溜まってしまったり、

曇ってしまったりするのには「本気」が伝わってきて

更には言葉を1つ1つ選んでいるかのような"溜め"の塩梅も絶妙な事から、

ああ、誰かのために泣けるんだなぁ…と納得させられる演技が出来るんだという

新たな収穫を得た気分でした。

 

他にも、也映子(波瑠)と理人(中川大志)の2人を支える中心軸として

大人の存在感を発揮する松下由樹さん。

自分の方を振り向いていないと分かっていても、気持ちには真っ直ぐでいたいとする

モヤモヤした悩みを抱える、今時の大学生を体現する中川大志さん。

そして、上品でふわっとしたキャラクターから僅かに垣間見える冷たさの

緩急が素晴らしい桜井ユキさんなど、

本作はどこか等身大で魅力的に映る役者さんばかりです。

これは、キャスティングをしたプロデューサーさんの力が大きいんだろうなぁ。

あ、でも…鈴木伸之さんにはそろそろ有島系統じゃない新たな役で

名を残す所を見たいものですが(笑)

 

細かなシーンですが、

LINEでメッセージを返したら続いていた会話が突然途切れてしまって、

「何か間違えちゃったかな…これ絶対ダメなやつかも…」と

一人で右往左往する描写があるのにも共感出来てしまいます。

感情表現の見せ方といい、カラオケに行ったら本来やるべき事をサボっちゃうのといい、

些細な部分でもあくまでもリアルに、丁寧に描こうとしているのが伝わります。

 

感情表現に関しては、あのガチ泣きは作りようによっては泣かせようとしている

狙った路線になってしまいがちですが、

メガネに涙が溜まっても語り続ける…というギャグ(?)的な要素を盛り込みつつ、

途切れ途切れの言葉の伝え方に不器用さも感じられて、

愛らしいキャラクターに映させるのが上手いと思わされました。

 

そんな「特に才能はない、普通に生きる人々の物語」として、

全体的に良い意味でドラマじゃないような展開を描き続けてきてからの

終盤の壁ドンラスト。

突然ファンタジー要素が入ってくる様も、最後まで見ていて飽きないです。

 

う〜ん、火曜日も土曜日も、贅沢な1日を過ごせているわぁ…。

 

 

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G線上のあなたと私 2話 感想|自分を動かすのは自分しかいない。…という鋭い真理

 

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皆それぞれに悔しさを抱えていて、

皆それぞれにポジティブな方へと向き合ったり、逆に責めたりしてしまう。

 

完全に「私、この人と同じタイプだわ!」って人はいないんだけれど、

也映子(波瑠)、幸恵(松下由樹)、理人(中川大志)の心境に

自分の過去を重ねながら所々共感してしまって、時に新たな刺激をもらえたりする。

だから、3人のこれからの人生を心から応援したいなぁ…と思えます。

 

也映子が2人に抱いていた気持ちは、王道のヤキモチや嫉妬とかではなく

「なんで自分は」という、本気度の違いに自分と他人を比べて勝手に落ち込んで、

いじめてしまった心から来たもの。

この心境の描かれ方が凄くリアリティに溢れていて好き。

 

きっと溜め込みがちで、どこか負けず嫌いな性格でもあった也映子。

バイオリン教室という第三の居場所で暫くお暇したいけれど、

「仕事」「恋愛」が充実した人生を送る上での基準だと見なされてしまう世の中…。

いとこ・晴香(真魚)に言われた「今何が目的で生きてるの?」という

直球な言葉をきっかけに、

前回の理人の「彼の事、本気で好きになった事ないでしょ?」という言葉がぶり返して、

今までの頑張りを否定されて悔しい気持ちがあったんですよね。

「自分なりに」やってきた事を、まるで火山が噴火したように

感情に任せて一気に吐き出す姿には、思わず心が揺さぶられてしまいました。

…で、話が噛み合ってないというのも、分かり過ぎて辛い。

しかし、ここまで吐き出せたのは理人がそばで聞いていてくれたから。

 

しんしんとした孤独と退屈な日々を抱えていた幸恵を理人が救い、

その恩をもらった幸恵が今度は「同じフィールドにいないから」と

也映子のモヤモヤを解してくれる。

也映子は自分の想いを伝える事で理人が心の拠り所となり、

今度は理人の恋愛を応援する形でアドバイスの言葉を与える。

「楽しくしていればこっちの勝ちだ」「しんどいけど、自分を動かせるのは自分しかいない」

基本的に楽しい会話だけれども、時折含まれる1つ1つの言葉が一々刺さる。

一番歳が離れてる幸恵をおばさん扱いしたりはせず、どの人にも対等に向き合い

成長していく関係性がじっくり描かれている所にも好感が持てます。

 

名前で呼び合うのは、より親密になっていく上で、

ほんの小さな事だけれどもかなり重要な一歩。

2話にして也映子が理人を下の名前で呼ぶようになるのも、納得の流れでした。

次のステップへと進んで行く過程を雑に描かず、視聴者が自然と汲み取る形で

丁寧に描かれている所も、また素敵な作品だと思います。

 

 

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G線上のあなたと私 1話 感想|バイオリン教室でなければ出会えなかった3人

 

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あ、これは好きかも。

見ていくうちにジワジワその世界観にハマっていく作品はよくあるけれども、

初回から「好き」だと感じられる作品に出会ったのは、かなり久しぶりかもしれないなぁ…

そんな感じで、視聴前はそこまで期待していなかった分、

良い拾い物だったと思える1時間でした。

 

自由気ままな也映子(波瑠)、気持ちの伝え方が不器用な理人(中川大志)、

正反対な2人を取り持つ幸恵(松下由樹)の、

年代も性格もバラバラの3人が同じ「バイオリン教室」で出会って仲を深めていく

という関係性も面白ければ、とにかくボケツッコミの構図のような会話劇も楽しい。

けれども、楽しいだけじゃなくて仲間割れするのも、「出会い」あるある…

 

3人にはそれぞれ、

婚約破棄や慰謝料問題、兄の元婚約者への恋心、浮気、

できちゃった結婚、姑との共同生活など複雑な過去と現状を抱えています。

これだけの要素があれば、人物を描写するのに軸がブレて

よく見かける群像劇になってしまいがちなものの、

あくまでも本作は「バイオリン教室という第三の居場所」をテーマとして

押し出している作りなのでとても見やすいですし、

終盤では3人なりの希望と頑張りが感じられる展開になっていて、

視聴後は清々しい感覚を覚えます。

 

大体折り返し地点でやりそうなチーム解散危機の展開を

初回でもうやってしまうんだという驚きはありましたが。

本作の時間軸が去年の夏頃なのを考えると、

年月を重ねて味わい深い音色になるバイオリンと一緒で、

衝突も喜びの繰り返しの日々だったけど、

私たち何だかんだで良い思い出たくさん作ってきたよね…

という"絆が構築されていく様"を、現在になった最終回に向けて

描いていきたいのかもしれません。

 

たまたまこうやって知り合うのって奇跡です」

也映子たちと違って、新たな出会いのチャンスがあって

友達と関わる機会も多い環境にいる理人には、その言葉の重みがまだ伝わらない様子。

あのショーを見ていなければ、同じバイオリン教室に入会していなければ、

出会わなかったであろう3人…。

いつか、そこが分かる時が来ると良いですよね。

個人的には、一度言いだすと止まらない所とか、色んな意味で若かった学生時代とか、

そんな過去を理人の言動に重ねて、一番共感しながら見ておりました。

 

基本的には「なんて事ない日々」を描く物語で、劇的な展開がある訳ではないのですが、

3人がどうやって関係性を深めていくのか…だけでも興味深いです。

学校や職場ではエリートだという立ち位置のキャラクターがおらず、

皆それぞれなりに年代ごとに苦労を抱えている所も、純粋に応援できる作品。

 

火曜日は久しぶりに充実した日になりそうだなぁ。

 

 

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