2021年秋ドラマ-二月の勝者一覧

二月の勝者−絶対合格の教室− 10話(最終回) 感想|二月の勝者となった子供たち

 

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昨日の某作品では、全ての事の発端となった息子も、息子を擁護し続ける父も

憎い気持ちが一貫して変わらないまま見終えたように、

本作も、灰谷加藤シゲアキがいなければ

もっと生徒と講師の関係性を深堀り出来たかもしれない…

そんな勿体なさは終始残りました。

 

桜花ゼミナールには黒木(柳楽優弥)だけでなく、自分なりの考えを持って、

自分なりのやり方で子供たちと向き合う十人十色の講師がいるのだから。

今回の 志望校に出向いて見送るシーンを見る限り、

例えば、灰谷が 黒木がルトワックを辞めた真相を追究するために

邪魔してくるくだりを一切なくす代わりに、

まるまる1話分を橘(池田鉄洋)先生回や桂(瀧内公美)先生回として使って

「どの先生も子供たちの未来を見据えた上で受験をサポートしているのだ」といった

桜花全体の奥行きを描く形で、物語を盛り上げられた事だって出来たと思うのです。

終盤の佐倉(井上真央)のモノローグにあった

「子供たちの事を想うたくさんの人たちと出会い」の最後の回想に灰谷が映るのも、

子供たちよりも黒木の事を想ってたよね??っていう違和感が残るし。

黒木が講師をしていく上で感じてきた苦しみは、

新人が故に塾や彼の事情にズカズカと踏み込んでいけて、

教師時代に"生徒の未来を奪ってしまった"点で同じ気持ちを分かち合える佐倉がいれば十分だし。

過去の因縁…みたいな縦軸は、果たして描く"べき"ものだったのかどうかは疑問です。

 

また、これはベタな学園ドラマ寄りにはなってしまいますが、思いつきで書くとすると、

黒木が灰谷に言っていた「子供たちから学んだ事」も、

塾の卒業式で教壇に立って、メッセージとして届けた展開にした方が

より集大成らしくなったんじゃないかなぁ…なんて。

子供たちの顔や表情を一瞬一瞬思い出すほど愛を注いできて、

そんな自分が子供たちのためにやってきた事が本当に正しかったのかと

独り怯える黒木の人となりが心に響いたので、使い方次第ではもっと活かせたのかもしれません。

 

…って、灰谷の存在意義1点でここまで長々と書いてしまいましたが(汗)

それだけ惜しかったって事です。

しかし、受験は受験でも中学受験を取り扱う本作は、

「"自慢の我が子"にするために親が子供に中学受験をさせる」という

漠然とした偏見を持っていた私の視野を広げてくれた

貴重な作品だったのには変わりありません。

子供が受験を決意するまで、志望校を決めるまでの1つ1つの過程には、

親父に打ち勝ちたいとか、自分自身を奮い立たせてくれた友達と一緒の中学に行きたいとか、

自分の可能性を広げたいとか、

それぞれが家庭環境や人間関係を通して得た"強い意志"が含まれている事。

そして、それを1話完結型ベースで1人の子供を取り上げていく形で

様々な"ドラマ"を見せてくれた、思わず応援してしまいたくなるような熱さのある作品でした。

 

あとは、キャラクター自体の話になりますが…

合格発表ページを開くのを少し早とちりしたり、部屋で1人ヨッシャー!!って叫んだり、

八重歯が見えたりした所も、

黒木が好きで、最終回まで見てきた視聴者の特権っぽさが感じられて良かったです(笑)

切れ長の目でクールな顔つきをした柳楽さんが、

思いっきり笑顔を浮かべると八重歯が見えるというギャップ…

そういう意味でも、ザ・フィクションな黒木にぴったりでしたね。

物語の展開で言えば、最初は冷たくて怖い主人公が回を重ねるごとに優しさを見せる…

なんていう、受け取り側に変化を感じさせる描写は王道ですが、

"弱さ"を描く事で変に湿っぽくもせず、

あくまでも異様なオーラをまとい、斬新な提案をする

彼の個性にブレがなかったのも好感が持てました。

 

タメになる部分もあるし、原作はどうなっているのか興味はあるし、

最近CMでよく流れる次作主演の「浅草キッド」もちょっと見てみたくなっているし…

いろいろと興味を惹かせてくれる、良い出会いだったと思います。

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 9話 感想|今までの積み重ねが効いたセミファイナル

 

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視聴してからかなり日にちが経っているので、すみませんが簡単感想で^^;

 

本作のゴールでもある「受験合格」に突入する前の総まとめ…といった感じですね。

セミファイナルで最終回に繋がる派手なエピソードを描くのではなく、

焦燥感だとか、自身を奮い立たせる気持ちだとか、

そういった受験間近だからこそのリアルを

子供たちの心情に寄り添って描く構成になっていたのは良かったです。

と同時に、意志の強さに感情移入させられてきた子供たちの

"今後"を覗き見する作りにもなっており、

これまで積み上げてきた個々のエピソードが効いていたようにも思えました。

 

しかし、前回では物足りなかった黒木(柳楽優弥)の描写も、

今回は影で物語を牽引していくキーパーソンとして描かれて

少し軌道修正したのが見えてきたとなると…

最終章に向けてエンジンがかかる大事な回=8話で、

なぜ"塾が舞台のドラマ"である必要のないDV・離婚問題といった

現代的要素を盛り込んできたのかはよく分かりませんね(苦笑)

個人的にはそこの違和感がまだ残っているので、

最終回で有終の美を飾れるのかどうかが少し心配…というのも本音です。

 

他のドラマの感想でも書きましたが、

途中がどんなに良かろうと、最終回でコケると

作品全体の印象も変わってくると思っています。

「中学受験」というニッチな題材を

老若男女見られやすいであろうこの枠に取り入れた本作のチャレンジングな所が好きで、

応援し続けてきたのには変わりないので、

「終わり良ければ全て良し」な最終回になる事を期待します!

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 8話 感想|DV親父に宣戦布告!

 

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からしてみれば、ぶっちゃけ、

島津(羽村仁成)の家庭の話はあれで終わりだと思っていたんですよねぇ…。

だって、劇中での台詞の通り、家庭内の問題に介入したら「越権行為」であって、

学校の教師ではなく"塾講師"である以上、どうする事も出来ないのが分かっていたから。

だから、5話の感想で「精神面が強くなっているのが伝わる彼の今後は

ちらっとでも良いので描いて欲しい」って書いたんです。

で…結果的に最後まで見てきて、時間を空けてわざわざ島津家の今後を描いた割には、

"感動の友情シーン"でそれなりに見せただけで中途半端に終わったな…

という印象が残ってしまいました。

 

というのも、前回以上に様々なエピソードが詰め込まれていて、

何を主体にした話なのかが分かりづらかったんです。

佐倉(井上真央)の成長物語?ヒューマンドラマ仕立てのお受験モノ?

塾を舞台にした学園モノ?群像劇?

それに加えて、なぜか黒木(柳楽優弥)が倒れるだとか、

相変わらず存在意義が感じられない灰谷(加藤シゲアキ)のストーカーっぷりだとか…

話の腰を折る場面が多いように思えてしまいました。

 

さっきも書いたように、塾講師は学校の教師ではないし、

5話が「男の友情」、6話が「女の友情」と対比されていた事を踏まえれば、

個人的には今回の島津家の話を描く必要はないというのが一番の考えなんですが。

島津家の話なら島津家の話で1つ(せめて前後編)にまとめるか、

縦軸ならまるまる1話分使って描くという形で整理整頓した方が

見やすかった気がしてなりません。

 

フィクションの世界だからこそ成立出来る黒木のキャラクターと、

彼ならではの持論展開・解決方法が面白くて見ているのに…

なぜ黒木1人の物語に絞らなかったのか?

縦軸や現代社会の問題を取り入れた事で、前回から少し迷走しているように

感じられてしまうのが勿体ない所ですね…。

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 7話 感想|王羅くんの件は水面下で解決

 

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うーん…黒木(柳楽優弥)の異様さと、

佐倉(井上真央)が1人で塾生徒のために奮闘するという

初期の頃の描き方に戻っちゃったかぁ…。

それに加えて、王羅(横山歩)の腑に落ちない解決方法。

何と言うか、今回はあちこち寄り道している構成になっていて、

話に芯がないように感じられました。

私が思うに…その決定的な理由は、「スターフィッシュ」のくだりにあるんですよね。多分。

 

最終回まで近くなってきたから

黒木と灰谷(加藤シゲアキ)の関係性の変化も進めておきたいって気持ちも分かるんですが、

今回メインとなる王羅は元々勉強には意欲はなくて、託児所代わりに入塾した子な訳で。

そんな子の話を描く中で、勉強をした(させた)くても

事情があって入塾させられない人々が集まった「スターフィッシュ」と

それを経営し続ける黒木の考えを描くという

彼とは特段共通点もなさそうなエピソードを中盤でガッツリ扱った事が、

「話の分断」「登場人物の掘り下げ不足」に繋がり…

結局、どこが主体の話なのかが曖昧で、中途半端な仕上がりになったのではないかと思います。

 

黒木も佐倉や灰谷と同じ誕生会の会場にはいたものの、

CM明けで 母親も承諾した上で王羅のブルーミング転塾が分かった時には、

私が誕生会でのエピソードを見ている間に

水面下で動いていたのか??と思えるくらい、あっさりと済まされた感覚を覚えました。

個人的に強く印象に残っている6,7話ベースで今回の内容を勝手に想像するとしたら…

塾では笑顔で振りまいていた王羅も

9月の模擬試験後でピリピリし始める教室に居心地の悪さを感じ、

誰にも構ってもらえなくなって居場所を失った彼が逃げ出した所に

橘(池田鉄洋)が追いかけてきて、

劇中でも言っていた「毎日塾に来るだけでも凄い」

「勉強は何の道に進むにも役に立つからな」で説得されて悩んだ挙句、

ブルーミングに入塾する決意をし、

迷惑をかけた礼央(粟野咲莉)に謝りに行って、これから頑張っていこうね…と

互いに鼓舞して解決…とかにも出来たのかなぁと。(理想を追求した素人の想像ですみませんけど)

王羅と真逆の立場にいる礼央も、絡め方次第ではもっと存在意義があっただろうし、

よりグッとくる話になったのに…

とにかく、今回は登場人物の諸々の設定を活かしきれていなくて、勿体なかったです。

 

島津(羽村仁成)の件にしても尺を取り過ぎでした。

父親が父親だから続きがあるとは薄々感づいていましたが、

電話応対した時にあのガラスが割れる音が鳴り響いて次回へ…にした方が

全体の散漫っぷりが減ったのかもしれません。

 

3話以降尻上がりに面白くなっていって、前回で完全に"好きな作品"の1つになり

期待値を上げてしまっただけに、

今回はあまり褒めた感想ではなくなってしまいましたが。

好意的に見ている事には変わりないので、次回に期待します。

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 6話 感想|子供はみんな伸びしろあるよ…(号泣)

 

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男の子同士の友情の次は、女の子同士の友情。

また違った形の青春漫画だ。

一言で言ってしまえば…いや〜〜…良いもんを見たって感じです(泣)

前回でも思っていたんですけど、ここの子役たちはみんな演技が自然体で、

子供だからと言って変なあざとさがなくて上手い。

子役だけでのシーンも迫力が伝わる凄さ。

 

夏合宿から帰ってきてからのまるみ(玉野るな)のするすると流れてくる涙も美しかったなぁ。

前の涙がまだ残った状態で次の涙が出てくるもんだから、

それだけ追い詰められているんだと思えて、ついもらい泣きしてしまいました。

状況は決して同じではないけれど、今まで取り上げられた生徒の中では

一番自分を重ねながら見ていたような気がしています。

高校3年のちょうどこの時期とか、就活が始まった時とか…

周りの子はどんどん成績が伸びているのに対して自分は下がる一方だったり、

友人関係で徐々に壁が出来たり、身近な相手をライバル視したり。

そうやって自分で勝手に落ち込んでは、ピリついていたなぁって。

樹里(野澤しおり)も悪気はないし、

話の流れ的に「隣の芝生は青い」オチである事も分かってはいるんですけどね。

まるみの目線で見ると、「算数楽しい!」「(図形の解き方を見て)綺麗だから覚えられた!」

っていう1つ1つの発言がマウントを取っている感じに聞こえてしまうのは

何となく頷けるんです…。

まぁ、私も算数の楽しさが一度も分からない人間だったっていうのもありますがw

でも、お洒落で明るくてコミュ力抜群で…と、全てが真逆の人と毎日いると、

まるみの場合は初外泊だったのもあってキラキラした風を浴び続けるとなると、

自分を卑下してしまいがちになると思うんですよね。

 

「中学受験は本人よりも親の方が先に根を上げます。

子供は大人が思ってるよりタフなものです。」

前回でも上杉(伊藤駿太)に関して「あなた(佐倉先生)が言うほど弱い人間ではありません」と

似たような事を話していた黒木(柳楽優弥)だからこそ、

途中で衝突があろうがそうなるのも見据えた上で

生徒の成長を見守っているんだという彼の考えにも説得力が持てます。

灰谷(加藤シゲアキ)の好感度は下がり続けるけど、主人公は増すばかり…(笑)

 

そして、一気に涙腺やられたのは、最後の歩道橋の2人のシーンね…。

後で響いた理由を書き残すために、あえて会話の一部始終を引用しますが…

(長くてすみません。端折れなかった…(泣))

樹里 「一緒にしないでって…そんなの、こっちが言いたい台詞だよ!」

まるみ「私なんて、全然出来ないもん!最初から一緒じゃないよ!」

樹里 「だから、そういうんじゃなくて…5年の時からΩなの。それからずっともう今の位置なの」

まるみ「そんな事わかってる!まるみみたいな出来ない子と一緒にされたら嫌な事ってくらい」

樹里 「違う違う!そうじゃなくて…まるみは違う。

    だって1人でコツコツ自習できるとことか、嫌な科目も逃げずにやるとか、

    本気出したら何人も抜いてΩに上がってくるとことか…」

   「まるみは…まるみは伸びしろしかないじゃん!」

まるみ「そんなの…ジュリだって、まだまだ伸びるとこあるのに。

    だから…そっくりそのまま返すよ!」

 

まるみ「…分かった。私、二女目指す。樹里と一緒に二女行きたい!」

樹里 「樹里も…まるみと一緒に二女行きたい!」

それから、2人で同じ学校を目指すと決意してから流れ始めた主題歌の出だしの歌詞が…

『いつも いつも ありがとうね なんでそれが言えないんだろ

「負けないことが本当の強さじゃない」そう教えてくれたあなた』

"ドラマの主題歌"として初めて直感的に「良い!」って思えたんですよね。

何と言うか、相手を羨んでいるのは向こうも一緒で、

だけど2人はまだその事を知らなくて、

そのまま本音を口に出したら自分の心がボロボロになって

受験に支障が出てしまうのは分かっていたから、つい意地を張ってしまって。

でも、"強がりな自分"でい続ける事が成長に繋がるとは限らなくて、

お互い煮え切らない気持ちを遠慮なく伝え合う事で初めて

自分を高めさせてくれる存在が身近にいる幸せを噛み締める…という2人の心情変化が

歌詞とシンクロし過ぎていて泣けました…。

熱いなぁ。前回に続いて、中学受験の日々も十分青春だなって、胸を打たれました。

 

佐倉(井上真央)という"個"を前面に押し出す代わりに、

桜花ゼミナールという"全体"を描くようになってきているのも

熱い気持ちにさせられた理由の1つだと思います。

これは前回でも言える事ですが、

描く対象となる生徒を無理に1人に絞らなくなったお陰で

講師たちや生徒間の関係性を描く余裕が出来て、

登場人物に奥行きが感じられるようになった…っていうのもあるのかもしれませんね。

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 5話 感想|受験勉強の日々だって青春になる。

 

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なるほど、そう捻ってきたかぁ…なお話。

本作は基本的に1人の生徒を取り上げて、その生徒の事情を深堀りする事で

現代の家庭問題も浮かび上がらせていくという手法で

中学受験の実態を見せてきた印象があったのだけれども。

今回は"受験する者の意志"をメインに据えて、

クラスも境遇も違う島津(羽村仁成)と海斗(伊藤駿太)を真正面からぶつかり合わせる所に

面白味を感じさせました。

何と言うか…今までの構成を活かした応用編って言ったら良いのかな?

 

正直、本作を見るまでは、当時の親しい友人で中学受験をしていた子がいなかったのもあって、

どんなものかが掴みづらくて。

"自分の意志"で志望校も受験するかどうかも決める高校・大学受験とは違って、

中学受験はあくまでも"親の意見"が尊重されるのだという

ぼんやりとしたイメージを抱えていたんですが、

今回の内容を見ると、その認識は間違っているのかもしれないなぁ…と考えさせられます。

 

中学受験を受ける子どもたちには様々な事情があるけれど、

それと同時に、受験する決意を示すまでにも、嫉妬や競争心、両親への見返し…と

自分の周りにある壁に打ち勝つために鍛錬を重ねてきた、いろいろな形の過程がある。

「待ってるからな、Ωクラスで」

ここのくだりには少年ジャンプらしい熱さを感じさせて、ちょっとグッときてしまいました。

自分を高めてくれる人=ライバルになるために、同じクラスになるために

互いに勉強に励む事も、また"青春"なんですね。

 

島津家の問題については確かにモヤッとしましたが、

塾講師が家庭にまで踏み込む権限はないと言っていたし、

島津が父親に意見を言えた時に声に震えがなかった辺り、

少しでも希望の持てる終わり方ではあったんじゃないかと信じたい。

そんな彼に任せてみようと思えた黒木(柳楽優弥)。でも…その目は悔しそうにも見えて。

ここの葛藤も…どことなく今時です。

現実世界だとドラマのように、

スーパーエリートがズバッと切り込んで解決!とは行かないですしねぇ。

実際にやってしまったらクレームに発展するだろうし、パワハラ扱いされるだろうし。

他の塾講師が生徒を親から守るために動こうもんなら、えこひいきだって言われるかもしれない。

どこまで介入すべきか判断するのは難しい…。

しかし、島津の場合は父親が反省する気ゼロなので、普通に心配。

家庭問題の解決までは踏み込む事はないんだろうけど、

精神面が強くなっているのが伝わる彼の今後は、ちらっとでも良いので描いて欲しいですな(泣)

 

で、相変わらずストーカーしてる灰谷(加藤シゲアキ)のターンは…

恋愛ドラマだったらこの"焦ったさ"も楽しさに繋がるんですけどねぇ。

とある読者さんのコメントによると、黒木の縦軸の件は

原作ではもう少し後にバラされるらしい。

良い加減気づいてくれ!と思いながら見ていた所で

スターフィッシュの存在を知るラストだったので…次回で大きく動く事を期待してます。

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 4話 感想|中学受験 is 課金ゲーム

 

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序盤の3つのコマ割りの時点で、今までとは違うなぁ…と。

そして、各登場人物どこもキャラが立っていて、イキイキして見える。

例えば黒木(柳楽優弥)だったら、他の講師からしたら少し近寄りがたくて

異質なオーラを放つ主人公である事が、

顔をずずっと近づける動きによく表れていたと思うし。

桂(瀧内公美)の時も、面談の前に後光がさしたような照明を加える事によって、

「もしかして、この先生を本気にさせたらヤバいかも…!?」というワクワク感がありました。

CM中にスタッフを調べてみたら、やっぱり初担当の演出家さんだったんですね。

 

全体的にコミカルな要素が散らばった作りになってはいるものの、

個人的には今回の見せ方の方が「中学受験」である事を考えたら合っているし、

視聴者にもとっつきやすいのかもしれません。

ほら…前回と前々回の冒頭は、本編の流れを考えたら必要性はあまりないのに、

なぜか時間と労力がかかっている(失礼^^;)原始人の夢オチのくだりがあったじゃないですか。

確かにインパクトは大きいけど、あのくだりにコミカルさが集約されてしまっている気がして、

そのあとの話は少し大人しめの仕上がりになっているようにも感じられたんですよね。

 

顔の周りを囲むようにしてお金が積み上がっていく演出も視覚的に面白いし、

中学受験が課金ゲームである事も、いつもよりは台詞で説明している印象はありますが、

テンポよく物語が進んで行ったので、純粋に分かりやすくて楽しめました。

 

本当、だんだん良い感じになってきてますね。

それだけに、初回に今回のコミカルさがあったなら…という勿体ない気持ちです。

 

ところで、灰谷(加藤シゲアキ)は黒木の事が好きなんでしょうか(笑)

↑小学生が気になる子にちょっかい出しに行くみたいな意味合い

毎回待ち伏せしてません??なんで場所特定出来てるん?…っていうw

灰谷のシーンだけは相変わらず謎。

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 3話 感想|黒木の裏の顔はキャバクラ塾講師

 

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本作は基本的に1話完結型寄りの構成なんですね。

1人の生徒間に何かしらのトラブルが起きて、最後は黒木(柳楽優弥)が上手くまとめてくれる。

そして、「勉強の楽しさ」「やりがい」を教えてくれる。設定がみんなブレない。

 

ただ、同じような構成でも、前回より面白く感じられたのは…

悩んだり、問題解決したりする人物が佐倉(井上真央)と黒木の

2人だけじゃなくなったって所が大きいんだと思います。

やっぱり、全員合格させるという1つの目標のために集められた塾講師=チームですからね。

流れが決まっている以上は、いろんな考えを持つ個性的な塾講師を絡める事で

前半と(主人公が動く)後半の間の微妙なテンポの悪さを埋めて欲しかったんです。

佐倉が1話2話では自力で生徒の悩みに向き合おうとしていたのが、

今回では他の塾講師に頼って悩みを共有したり、

何かの行動に踏み切ろうとする陰には黒木の指導があったり…と、

それぞれで連携している姿が垣間見えたのが、満足感に繋がった気がしました。

 

あとは、花恋(田中絆菜)の描写も良かったですねぇ。

ちょっと物足りなさがあった「中学受験」ならではのピリッとした雰囲気作り。

成績が優秀で、受験への意識が高い彼女がルトワックに体験入学してから数日、

本来「志望校に受かりたくて」勉強を頑張ると決めたのに、

いつの間にか「ルトワックで1番になりたい」という目標に変わってしまうほど

追い込まれていた所が、

受験勉強をするにつれて自分を見失ったり、

周りがどんどん点数が伸びていって自暴自棄になったり…という

"受験後半戦あるある"と重なって、緊迫感と焦燥感を生み出していたように思います。

 

母親役の高岡早紀さんに関しては、「母親の狂気」を一番体現出来る方だと思っていたので、

最後まで 娘がのびのびと楽しく生きられる道を後押ししたい

善良な母だったのには意外でしたが(笑)←女医役と知ってヒヤッともしたし…w

最初は「リカ」のイメージで見てしまっていても

徐々にその面影を忘れさせてしまうんだから、やっぱり凄い女優さんです。

朝ドラの時もそうでしたね。

でも、あの時は頼れる上司でも、今回はとことん物腰柔らかな母となると…

かなり珍しい役柄だったんじゃないでしょうかねぇ。

 

そしてラストは、黒木がキャバクラ塾講師を兼任していた事が発覚。

紗良ちゃん(住田萌乃)も講師かな?

私たちからしたら常連客ではなかったと分かったから良いですが、

何かと粘着質な灰谷(加藤シゲアキ)の事を考えると

キャバクラに立ち入る所を目撃して騒ぎを起こす気もするので…

黒木のバックボーンは興味深いですけど、誤解でクビの事態に発展しないか心配です(苦笑)

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 2話 感想|"母親の狂気"の意味が分かってきたかも。

 

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なるほどねぇ。

個人的には前回で「ドラゴン桜」と重ねて見てしまっていたけど、

中学受験と大学受験の違いが何なのか、なんとなく分かってきた気がしました。

「合格させるためには」じゃなくて

「勉強を楽しいものにするためには」どうしたら良いか?を

受験者と保護者含めた"チーム"で考える事に重きを置く話なのかもしれませんね。

 

今回は加藤匠(山城琉飛)のエピソード。

佐倉(井上真央)の対応が思いがけない形で騒動になるくだりは

前回とパターンが一緒で、展開に捻りがない気がしましたし、

匠がぼーっとしているのは何かを注視しているからで、

それが後に才能を見つける手がかりになるんだろう…と読めはしましたけど。

黒木(柳楽優弥)の提案方法は、

実は平等に子供達の"可能性"を見てくれている…と思わせてくれるには

今回の方が説得力のある内容になっていて、概ね満足出来ました。

 

母親の苦労について触れていたのも良い。

自分時間を満喫するよりも、受験を選んだ息子。

最初は少しでも彼をサポートしようと家事やら弁当作りやらに励むものの、

尽くせば尽くすだけ無意識にストレスが溜まっていって、

そのストレスを誤魔化す対象が息子に向かうほど余裕がなくなって…

だから「趣味も封印させて可哀想」って言葉が出たんだろうなぁと。

愛情という名の思い込みは視野を狭くするから「狂気」なんだろうと、

黒木の言っていた事にもちょっと頷かされました。

 

ただ…どうなんでしょうね。今後どういう展開で行くつもりなのかは掴みづらいです。

前回と今回みたいに1人の生徒と向き合う展開でも別に良いんですが、

それは勉強を好きにさせる点においては「中学受験」が絡まなくても成立出来そうな話ですし。

全体的に余分な所も多く、塾講師が何人もいるにもかかわらず、

基本 物語を大きく動かしているのが佐倉と黒木の2人っていうのがスローテンポに感じさせて、

このままだと終盤の方が駆け足になりそうな予感もさせますし…

要は、まだまだ「どこを見せ場にするか」の整理整頓は可能だと思うんです。

それに、受験までの日数を表示して「中学受験」がテーマの作品である事を漂わせている割には、

ピリッとした雰囲気が伝わって来なくって、釣り合っていないのも勿体ないかも?

 

次回はΩクラスの花恋(田中絆菜)に焦点が当たるので、

そこらへんが少しでも改善される内容になる事を期待しております。

ところで…お母さんがリカ 高岡早紀さんっていうのは分かり過ぎるキャスティングですね(笑)

 

 

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二月の勝者−絶対合格の教室− 1話 感想|もっと過激に出来そうな気がするな〜

 

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柳楽優弥さんの二次元キャラの再現度の高さ、凄いなぁ…というのが一番の収穫。

思えば、柳楽さんの出演作って2作品しか見ていないんですよね。だから新鮮に映ったのか。

原作は未読でも、ビジュアルをチラッと見た限りだと独特な髪型の印象が強かったですが、

彼の場合は黒目が小さいので、じっと睨まれた時の目力の方が勝ちます。

微妙にかっ開いている目の演技も、力は消耗するでしょうけど狂気じみていて良い。

上手いキャスティングしましたね。

 

内容自体は言うなれば、中学受験をテーマに、保護者や塾講師、生徒を巻き込み、

合格を勝ち取るためならどんな手段でも使う「スポ根学園ドラマ」ではあるけど、

一見"鬼校長"な主人公が、回を重ねるごとに子供達に優しさを見せていく

「ヒューマンドラマ」の面も持ち合わせている…

そんな二面性のある作品といった感じでしょうか。

 

受験パートの方はやっぱり同じ題材だけあって「ドラゴン桜」に近い。

「凡人こそ中学受験」は「バカとブスこそ東大に行け」と通ずるものがありますしね。

でも…異質な雰囲気の漂う主人公をトップに据えて周りをかき乱していく構図は、

水10枠のお仕事ドラマで多くの個性的なヒロインを生み出してきた

日テレならではの安定感が伺えますし、

一度聞いただけで耳に残る楽器を使った劇伴や主人公のキャラクターなんかは

個人的に「家族ゲーム」を彷彿とさせました。

 

テロップの演出も、黒木(柳楽優弥)の存在感の圧や

彼が発する言葉の異様さを可視化するのには最適で、

今後も今回くらい過剰にやってしまっても全然アリ。

何というか、それなりに良いとこ取りは出来ているから、

悪くない仕上がりにはなるんだと思います。

 

ただ、演者も演出も劇伴も良いし、アバンの掴みもOKなのに…

時間が経つにつれてパンチが足りなく感じてくるのはなぜなのか…?

それは「それなりに良いとこ取り」と書いたように、

いろんな作品を自然と思い浮かべたのが原因で

要所が"平均点"止まりで終わってしまっている気がして(おこがましくてすみません)、

もっと主人公のアクの強さを出して欲しい欲が出てきているっていうのもあると思うんですけど。

多分、取り扱うエピソードが、わざわざ中学受験にしなくても成立する

いたって普通の内容だったからなのが大きいんですよねぇ。

保護者の説得だけでなく、指導する姿も描かれたらまた違ってくるのかも。

 

まぁ、初回はどうしても初期設定の紹介に尺を割きがちですし、

原作は面白いという声もいただいているので、

次回以降はエピソード次第で化けるんじゃないかと期待しております。

とりあえず様子見!

 

 

↓次回の感想はこちら↓

kimama-freedays.ddns.net

 

 

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