2022年秋ドラマ-アトムの童一覧

アトムの童 9話(最終回) 感想|宮沢ファミリーオフィスとは何だったのか。

 

 

ええぇ…何のための10分拡大??

小山田(皆川猿時)と海(岸井ゆきの)による鬼ごっこや、

ステージを全てクリアした後に流れる

エンドロールっぽい長尺回想(しかもなぜか公哉の出番はカット…)に

時間を割いている暇があったら、

小山田がその後どんな処分を下されたのかとか、

明らかに裏で手を回していた堂島(西田尚美)と宮沢(麻生祐未)を逮捕するとか、

「ゲームの可能性に負けた側」の悪役をきっちり成敗する描写をしてよぉ…(滝汗)

 

那由他(山﨑賢人)が力説していた「ゲームで人を夢中にさせたい」事と、

SAGASのゲーム事業を残したい事は、買収を目的としている株主総会では

同意義にはならない気がするのに、多数決であっさり可決されちゃうし。

株を大量取得して興津(オダギリジョー)を苦しめてきた宮沢は

「少し楽しみですね…SAGASのこれからが」などと言って、

最終的には、可能性を見出している"良い人風"になってしまう。

第三の敵「宮沢ファミリーオフィス」を登場させた割には、

どこもかしこも中途半端で終わっているから、

視聴者に蛇足だと思われてしまうんじゃないでしょうか。

 

分野は全く違うものの、那由他と同じくクリエイティブな仕事に就いている私としては、

彼のモノづくりに対する情熱の深さと純真無垢さに、

がむしゃらに突っ走っていた学生時代を思い起こさせて、いつも元気と活力をもらっていたし。

今にも天下統一してしまいそうな"勢い"のある劇伴には、胸を高ぶらせていて。

その2つが視聴意欲に繋がって、「面白くなりそう」と思わせてくれただけに…

内容がそれに伴っていなかったために、最後まで「面白くなりそう」止まりで

終わってしまったのが、本当に残念でなりません。

 

これはドラマ全体にも言える事ではありますが…特に最近の日曜劇場は、

登場人物とその関係性、目指すべき方向性と、あらゆる設定の描写不足を補うかのように

本来盛り込む必要のない要素を盛り込んだ結果、

物語の本質を欠いてしまっている作品が続いているような気がしております。

(例えば、「ドラゴン桜」「日本沈没」「DCU」「オールドルーキー」とか…(汗))

本作だって、シンプルに、当初のコンセプト通り、

アトム玩具とSAGASの因縁を中心に、

「ワクワクするゲームでSAGASに勝つ」を描くまでの物語で良かったはずなんですね…。

そこに、別ドラマとして成立しそうな、一般的には小難しいイメージを持たれる

経済要素を取り入れるから、本作を通して何を描きたいのか?が分かりづらくなってしまう訳で。

ゲームの持つ可能性や面白さを、ゲームに疎い層でも理解出来るような

描写の積み重ねをコツコツと行っていれば、迷走する事なんてなかったと思うのです。

 

正直、私が最近の日曜劇場で心から面白いと思えた作品は、

2020年夏クールの「半沢直樹」くらいです…(泣)

企業買収やら、逆転劇やら、明らさまな黒幕の存在やら…

正直、もうそろそろ日曜劇場も、完全にリフレッシュしていただきたいと思えてしまいますね。

 

次回作は堤監督の作品なので、その点では、独自の世界観にはなるんじゃないか?

とは期待していますが…果たしてどうなるでしょうかねぇ。

 

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アトムの童 8話 感想|ゲーム開発の話を見たいだけなのに

 

 

いかんいかん、某ドラマの感想のサブタイトルにつけていた

「何の話だ?」をまたつけそうになってしまった…(苦笑)

それくらい、プロットに連続性が全くないと言っても良いでしょう。

 

当初は、倒産の危機に遭いそうなアトム玩具が、那由他(山﨑賢人)とタッグを組んで、

大手企業となった宿敵・SAGASもとい興津(オダギリジョー)をあっと言わせる

「ワクワクするような」ゲームを開発する…という話で進んでいたはずなんですけど。

最終章に突入した今では、ゲームの"ガワ"だけを借りた経済ドラマもどきの作りへと

すっかり変わり果ててしまっています。

ゲームの頃にはあまりやってこなかった解説が

株主総会に関するワードだと丁寧に施されていたのが、もう迷走している証拠です。

 

警察が出てくる事で無理やり窮地に追いやらせる終盤の構図も、

那由他と隼人(松下洸平)の対立構造も、興津のキャラ変も、

そもそも「宮沢ファミリーオフィス」の存在も、

正直、最終章で盛り上げるための"その場しのぎ"のネタにしか思えず…。

特に興津に関しては、「奪ったつもりはない」と言うのなら、

じゃあなぜ5話の買収のくだりで、してやったりと言わんばかりの憎たらしい表情を

見せてきたのかも疑問でしかないんですよね。

心情変化の描写にまともに尺を割かずに、いきなり年月を飛ばす形での

二段階の章立て構成にこだわったから、こんな違和感が生まれるんだと思います。

 

そして、新キャラの伊原(山崎努)の登場も後出しじゃんけんと言いますか。

アトムの童が制作したゲームに以前から興味を持っていて、

評価をしているという設定なのであれば、

6話のシリアスゲームの時に、本人が直接名刺を渡してくる形で

「君たちに投資したい」と言わせて登場させていれば、

まだ最終章への唐突感は薄まったのかもしれません。

 

私が今回の内容を見ていて唯一心が躍ったのは、

繁雄(風間杜夫)がSAGASの社員たちに

アトムの技術の活かし方を熱弁していたシーンくらいですかね…(泣)

あんなシーンをもっと見たかったですし、

むしろ、初回の時には見せてくれそうだと胸を膨らませていたんですけどね。

「最高のゲームを作る」という当初の軸は変えずに、

ゲームを制作していく過程を地道に描いていれば、

ゲームに疎い世代にも彼らの"熱意"が伝わって、分かってもらえたと思うんですが…

なんで強引に従来の「日曜劇場」の型に嵌めてしまったのか、勿体ない限りです。

(もう総括じみちゃってますけど…(汗))

 

 

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アトムの童 7話 感想|興津、寝返るもまだ胡散臭い。

 

 

社員も増え、以前の活気ある状態に戻れた「アトムの童」…

あれ?私、1話分見逃してた??と思うくらいのペースの速さですね。

興津(オダギリジョー)が猫みたいにシャーっと吠えていた

前々回のラストが嘘のようです(苦笑)

 

裏切ったり寝返ったりの繰り返しに、「組織vs組織」の構図、

官僚・銀行・株主といった"お金""権力"にまつわる設定を盛り込んでのマネーゲーム的展開と、

回を重ねるごとにゲーム版「半沢直樹」になっている本作ですが、

(いや、もうゲームもアクセサリー代わりにしか使われていないかな…(汗))

逆に大ヒット作の足跡を追う作風にすればするほど

作り手と視聴者の求めているものに大きなズレを生じてしまっている気がするんですよねぇ。

もっと簡潔に言えば、アップダウンの展開で面白い"風"に見せているだけで、

それに描写が釣り合っていないというのか。

 

中でも、個人的に違和感を覚えてしまったのは、那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)が

ゲーム開発者の勤めるシアトルの会社に転職を決めた件。

え〜っと…この前までは、5000万円でかつてのアトム玩具の土地を買い戻すほど

「アトム玩具のみんなで作るゲーム・おもちゃ」に強い思い入れのある2人だったのに?

イベントで会って間もない相手の所で一緒に働こうってなるの??

そう感じる理由は単純で、"過程"が圧倒的に不足しているから…なんでしょうね。

 

話の前後が繋がるように物語を進めていない限り、

残念ながら、「そろそろ次のステージに進むべきなんじゃないか?」という台詞だけでは

とても補う事は出来ません。

「次のステージ」って言うけど、今はどんなステージに立っているのか?

そういった"過去と比較した現段階での""ゲーム業界においての"会社の地位が

明確化されていないのが、あのシーンを見て、腑に落ちない気持ちにさせたのだと思っています。

 

そして、急に助けを求める側になった興津(オダギリジョー)も同じです。

口約束じゃなくてきちんと契約書を交わして!はもちろん、

切羽詰まっている割には、髪型がほぼ乱れてないのもどうなのかな…

というツッコミもそうですが(苦笑)

「納得行かない」「まだ胡散臭い」と視聴者に思わせた件も、

"数年間"が端折られたが故に起こった弊害な気がします。

ゲーム制作をしていく上で、「会社を守るため」と言いながら

汚いやり方で技術を横取りしてしまった後悔や罪悪感みたいなものが

興津から時折垣間見えるように描かれていれば、

彼の人間臭さも増して、頼み込んでくるのにもちょっとだけ同情出来たんじゃないかと

思えてなりませんでした。

 

本当に、那由他の考えが「ゲームの未来と発展のため」から来ているのにブレがない所に、

何とか救われている感じです…。

口がポカーンとしてしまう物語でも、山﨑賢人さんの純真な佇まいで、

やっぱり、那由他の進む道を、那由他の見る景色を一緒に見てみたくはなるんです。

社内に興津が入ってくるシーンの演出も、その瞬間をスローモーションで撮った事で、

乾いた土地(=アトム)に水(=興津)という異なる性質が混ざり込む…という

ゾワッとした感覚を作り出していて洒落ているとは思いますし。

黒い傘を差していたのが興津から隼人に変わったのも、那由他との関係性の変化を

感じさせて、そこも上手いなぁとも思うんですよね。

 

演出や役者さんにはまだまだ良い所が見えるだけに、脚本の粗さが目立つのが残念です。

那由他と隼人が興津のせいで()別れたラストシーンにしても…

仲間割れ、買収…と、第1章での内容をなぞるような話が続いている作風からするに、

どうせまた時間経過させて、また数年間をやんわりと描いた上で

「eスポーツ制作で幅を広げた那由他」と「新技術を学んだ隼人」が合流して

感動展開をやるんだろうなぁというのが読めるので、あまり衝撃もありません。

 

前後編で何とか盛り返して欲しい所ですが…もう難しいのかな。

 

 

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アトムの童 6話 感想|ゲームアンチのママの過去が気になる

 

 

前回のラストでアトム玩具が買収され、事務所が差し押さえられたと思ったら、

今回ではもう取り返して「アトムの童」で再復帰を図るって…

なんつう浮き沈みの激しさよ………(笑)

 

じいさんズはあれだけSAGASを嫌がっていたのに、

1年後になったらすっかりSAGASの社員として、

時間外でも作業着を着ているくらいイキイキしているし。

海(岸井ゆきの)は、あんなに酷い仕打ちをされた銀行に、

契約社員とは言えなぜか再就職(敵対関係にいた彼女を採用する方も採用する方でしょ…)。

ファンタジーにしてもあまりにも前後の繋がりがなさ過ぎる上に、

1年を通しての各々の苦悩や葛藤に一切触れなかったのも疑問でしたが、

一番「なんでこんな話にしちゃったの?」と思えてしまったのは、

学童保育の生徒の保護者を露骨に悪者に仕立て上げてまで、

「保護者会のボスvs那由他チーム」というぶっちゃけショボい対立構造で

盛り上げようとしてみせた所。

 

何年かははっきり明かされていないから言いますけど…

本作って、令和の世界のつもりで作っているんでしょ?

プログラミングを使った授業を導入している小学校もあるはず。

なのに…今時、「漫画は頭を悪くする」とよく言われていた

昭和の時代を生きているような母親が存在するんですかねぇ。

子供の頃に夢中になってゲームをやっていたせいで、母が倒れたのにも気づかず、

早く病院に連れて行けば助かったかもしれない命を失わせてしまった訳でもないし。

大好きで尽くしていた彼氏に「お前よりゲームの方が好き」と言われて

ショックを覚えた訳でもない。

でも「ゲームは有害」だと決めつける。

そこまでに至った背景がないから、モヤモヤする。

今回作っていたシミュレーションゲームが、結局、保護者には納得が行くものだったのか?

学校ではどんな影響を及ぼしたのか?も曖昧に済まされたのも含めて。

なんかもう…"その場しのぎ"の悪役を用意して、主人公と対立させておけば

視聴者が勝手にスカッとしてくれるだろうっていう…

こんな事は言いたくなかったですが、安直な考えで今回の話が作られたと

思えてなりませんでした。

 

第2章開幕にしても、那由多(山﨑賢人)がゲーム制作に意欲的かそうでないかが違うだけで、

アナログなおもちゃを作ってきた社員と一緒にゲームを作る点、

気持ちも職場もバラバラだった社員がチームになる点、

ジョン・ドゥを交えて「"潰され(かけ)た"アトム玩具」の立て直しを図る点では

第1章である初回と同じ事を描いているんですよね。

だから、個人的には"二番煎じ"に見えて、イマイチ気持ちが乗りませんし。

今回の内容が、わざわざ買収の展開を盛り込んでリセットさせてまで

やりたかった内容なのか?とも思えてしまって…う〜んって感じです。

それだったらせめて、アトム玩具の面々をバラバラにさせずに、

SAGASにがむしゃらに対抗し続けての逆転劇の方が見たかった…。

まぁ…本当に見たかったのは、因縁にこだわるがために端折られてしまった

ゲームが完成するまでの紆余曲折や、

大賞を受賞するまでの過程だったんですけども……(滝汗)

 

他にも、「アトム」を社名に使うのと言い、

あの実験的なゲームを5,000万円で買ってくれたのと言い、

ツッコんだらキリのない回でしたね。

次回予告だと、興津(オダギリジョー)が助けて欲しいって言ってましたけど…

ただの罠ですよね?

なんか、前回からの迷走っぷりを見ていると、

キャラ変する可能性もありそうなのがなぁ(苦笑)

 

那由他たちの真っ直ぐさや青さが、モノづくりに励んでいた学生時代と重なって

好意的に見ていたのに。なんでこうなっちゃったかなぁ…(泣)

 

 

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アトムの童 5話 感想|これが銀行のやり方かー!ってやつ。

 

 

えぇ〜…そうなっちゃう??なラスト。

一気に「ザ・日曜劇場」臭が増しましたねぇ…。

那由他(山﨑賢人)・隼人(松下洸平)・公哉(柳俊太郎)の3人で培ってきた野望が

海(岸井ゆきの)との関係や、2人に出会わなければ忘れていたであろうじいさんズにも

受け継がれていく様子をせっかく面白く見ていたのに、

そのワクワク感を奪ったのも、大手企業と中小企業の戦いに勝手に割り込んできたのも

"因縁"には全く関わりのない銀行っていうのが何だか解せません。

日曜劇場は銀行を絡めないと気が済まないんでしょうか(笑)

 

過去の出来事以外に、興津(オダギリジョー)がアトム玩具にこだわる理由が

イマイチ分からないのを筆頭に、

以前から曖昧な箇所は曖昧なままにして物語を進行していったり、

ラストは毎回「上げて落とす」形に頼りきりで、ゲーム制作で切磋琢磨するよりも

アトム玩具をどうやって潰すかが狙いになってしまっているように映ったりと

ちょいちょい雑な部分は見受けられたんですが、

それにしても、今回はやり過ぎだったような気がします。

 

確かに、ゲームの売り上げがうなぎ上りになったきっかけは

消費者のオタク心理に沿って描かれていたので、説得力のあるものにはなっていましたが…

全体的にダイジェストっぽくサクサク展開されていったためか、

「崖っぷちだった企業がジョン・ドゥと手を組んで大ヒットゲームを作る」点では

カタルシスを感じにくかったんですよね。

最も気になったのは、2つの賞レースの立ち位置。

日本ア○デミー賞のパロディに思えた割に人が少ない

「ジャパンゲーム大賞」は、ゲーム業界においてどの程度価値のある賞レースなのか?

「ベストワン賞」も応募社数はどれくらいで、厳選なる審査で行われているものなのか?

賞をとるには大きな苦労を要するのか?

そういった詳細がボカされているのに、あっという間にベストワン賞とった!

でも銀行に邪魔された!ってぽんぽん進められても…気持ちが追いつかないのが事実です。

 

銀行も果たして、あんなに地上げ屋っぽく描く必要があったんでしょうかね。

あのくだりも、いくつもの違和感が生まれてきますよ。

例えば…株式の譲渡や買収は(多分)、本来は株主総会を開き、

上層部の退任の多数決をとってから行われるものであって、

一方的な考えで差し押さえる事なんてまぁあり得ないでしょうし。

公哉が契約書を読めないのは分かるけど、

元銀行員の海や財政管理の鵜飼(林泰文)が契約条項に気づけなかったのも不自然。

そもそも、鵜飼を利用してアトム玩具を潰そうとしてきた件があるのだから、

その時点で支店長・小山田(皆川猿時)に

法的措置をとらなかったのもなぜ?と思えてしまいます。

 

ドラマはリアリティを追求するべし!とは言いませんが、

ビジネスやサクセスストーリーを描く以上は、ある程度は残していただきたいです。

盛り上げようとするのに必死で、衝撃のラストありきで

話の構成を考えているのが丸見えだと、"予定調和"感が目立って冷めてしまうんですよね。

 

せめて、二者間の因縁を描くなら描くでそこにこだわって、

数字を重視するSAGASが、自分たちにはない技術力や発想力を持っているアトム玩具から

特許を奪い取る流れだったらまだマシだったのかもしれませんが…

う〜ん…もう後の祭りかな。

 

演出においても、オダギリジョーさんが顔芸を披露してきたり、

銀行員が大声でまくし立ててきたりと、かなりコッテコテの日曜劇場要素を出してきた印象。

まぁ…よくよく考えてみたら、主要キャストは若けれど

元々はあの役者さんが敵役になる予定だったのだから、

今回のような内容になるのも仕方ないというのか。

でもね…オダギリジョーさんは少し笑みを浮かべたすまし顔をされているだけで

十分に"脅威"の存在に感じるのですし。

とりあえず、土下座させて片付ける方向には持って行って欲しくないですね。

 

 

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アトムの童 4話 感想|鵜飼が迂回ルートで再起動

 

 

前回の内容はなんだったんだろう…って思うくらいには、盛り返してきましたね。

社長の海(岸井ゆきの)は社員たちのサポートの仕方を模索し、

じいさんズは事務作業をしながら会社の原点となっている"遊び心"演出を作り、

那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)はゲームの修復を目指す。

前回では曖昧になっていた役割分担がきっちり描かれた事で、

アトム玩具を立て直す物語であるという根幹が見える作りになっていました。

 

まぁ…ぶっちゃけ、日曜劇場ではド定番の"裏切り者"展開じゃなくて、

データがある日突然、クラッシュを起こしてしまって大ピンチ…で始まっても

成立出来そうな話ではあったんですけどね(笑)

でも、先が読めたとは言え、会社の人々との出会いを通して、

自分自身と向き合っていった上での鵜飼(林泰文)の決断・変化と、

彼を改めて迎え入れてくれる社員たちの懐の広さには、純粋に胸が熱くなりましたし。

彼のエピソードが加えられたからこそ、一致団結した感じもより強まったのかもしれません。

パソコンのポップアップ画面の「再試行」「キャンセル」の表示が、

正社員となってここでリスタートを図るか?

それとも、こことの関係を断ち切って、今後もずっと銀行にこき使われていくのか?で、

鵜飼に選択肢を委ねているようにも思えて、粋な見せ方でもありました。

 

そして、よく出来ているなぁ…と思わされたのは、今回の脚本の構成力。

変な例えにはなってしまうんですが、何だか、植物の観察日記にも見えたんですよね。

種を蒔いて(前フリ)、芽が出ているか確認して(登場人物のぶつかり合い・試行錯誤)、

花が咲いて(投資家に認められる)、やがて実がなる(試練を乗り越え、結束力が強まる)…

この過程が、各々順を追って描かれているというか。

 

ただ種を蒔いただけじゃ育たない。

育てたつもりが中々芽が出なかったり、しぼんだりして、失敗も経験する。

それなら今度は水をあげる頻度を変えるか、日光を浴びやすいように場所を変えるか、

土を耕して肥料を追加するか…いろいろ工夫を凝らす事で、初めて立派な植物が出来上がる。

 

今回の結末を「実がなった」とするなら、那由他も言っていたように

1人の力では心折れて諦めてしまっていた訳で。それは他の人も一緒で。

那由他のピュアさと、彼と"子供な大人"同士である隼人との結びつきと、

繁雄(風間杜夫)の元祖社長としての頼もしさと、

父に社長の理念を教えてもらった海(岸井ゆきの)の優しさと、鵜飼の健気さと、

デジタルにはある程度詳しい各務(塚地武雅)のアシストの上手さと、

八重樫(でんでん)の感の鋭さ…皆強みもあれば、不器用な部分もある。

社内の話に限定したのが良かったですね。

1つの壁を乗り越えるまでの流れを、

それぞれの目線で、"個"と"個"の交わりも含めながら余す事なく描いていったのが、

今回の見応えに繋がったのだと思います。

 

新作ゲームに関しても、実は、おもちゃを売りにしているアトム玩具がゲーム事業?

それって会社ならではの良さが出るの??と疑問だったんですが、

デジタルとアナログの融合で打開策をとってきたのにはなるほどと思わされました。

初回の那由他の「おもちゃなんてなくても困らない。でもあったらワクワクする」

という台詞が最も活きた話にもなっていた気がします。

実際、面白そうでしたしね。もし現実世界で発売されたとしたなら、本当にやってみたい…

そんな気持ちにさせるには、十分に説得力のある内容でもありました。

 

で、興津(オダギリジョー)はどうやら、プランBに変更したようで…

頭が悪いので何となくでしか分からなかったんですが、

あの作戦だと、独占禁止法に引っかかりそうに思えたのは気のせいですかね?(笑)

土下座じゃなくて、警察に捕まるオチ??

 

 

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アトムの童 3話 感想|鵜飼さん、まだ寝返らず。

 

 

前回でジョン・ドゥの相棒・隼人(松下洸平)が仲間入りして、財政管理の人もやって来て、

ここから本格的に"立て直し"を描いてくれる事に胸を膨らませていたのに…

まさかの1年後に飛んで、ちょっとパニック状態に。

ついでに、まだその事で頭の整理が追いついていないためか、

銀行員の小山田(皆川猿時)が

「融資出来ない」「5000万払えなければ倒産」といった衝撃発言をしたのを機に、

アトム玩具を一気に窮地に追い込む状況に仕立てた内容から始まったのにも

困惑してしまいました…(汗)

 

日曜劇場(特に池井戸作品)らしい王道さはあれど、

それを踏襲しつつも、そこに若さ故の勢いや情熱、

同じくモノづくりを取り扱った「陸王」にも通ずる

夢を実現させるまでのワクワク感も足されたお陰で、新しい作品に映ったんですが。

どうやら…というかやはり?

もう1つの軸になっていた、ジョン・ドゥと興津(オダギリジョー)の"因縁"の方に

今後は重きを置くみたいですね。

本作は近年の日曜劇場の作品の中では、初回8.9%、2話10.6%と、視聴率はかなり低め。

どちらかと言うと若者がとっつきやすいゲームを題材にした作品を

その枠で放送するとなると、今までの視聴者層からし

あまり受けないというのも分かっていたから、

描きようによってはマニア寄りになりやすいゲームの話で広げるのは避けて、

"ドラマ的に"盛り上げやすい・分かりやすい物語にする事を優先させた…

そんな経緯だったんじゃないかと考えています。

 

例えば、上記をもとに挙げられる要素は、鵜飼(林泰文)の動向と救世主展開の2つ。

前者に関しては…アトム玩具側に寝返るのは前提として。

あの表情を見る限りは、データを壊した犯人というよりかは、

誰かがデータを消す所を目撃して、止めようとしたら「この件は誰にも言うな」と脅されて

怯えている立場にいるんだろうというのが見て取れます。

(まぁ…素人でも入れるセキュリティって?

那由他の秘密基地でバックアップとってないの??というツッコミもしたくはなりますがw)

 

で…後者も別に物語を進めていく上では悪くありません。

でも、1つ不自然に感じたのは、

なんで誰もクラウドファンディングを思いつかないの?って所かな…と。

業績は下がろうが長く続けてきたアトム玩具なら、熱狂的なファンもいるだろうし、

そもそもジョン・ドゥの名前を出せば、食いついてくれる人も多いはず。

今の時代だと、それでお金を集める中小事務所・団体もよく見かけるだけに、

救世主展開なんてキャッチーなものに頼らずに、

まずはそういった"下積み"描写を盛り込んでいたら、

まだ立て直しがメインの話に見えたかも…?と思えてなりませんでした。

 

好意的に見ている事には変わりありませんが、

今回でまた型に嵌ってしまったような気がしますね。

そちらには寄り過ぎないで欲しいんですけどねぇ…。

 

 

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アトムの童 2話 感想|ラブコールで後輩くんが仲間入り

 

 

ある意味、ガバガバセキュリティでしたね…w

ゲームがSAGASにパクられた背景を知っておきながら、

なぜかそっち側にいる隼人(松下洸平)に社外秘のゲームを見せちゃうし。

じいさんズも気にしていないようだし。

ジョン・ドゥへの思い入れが強い隼人じゃなかったら、日曜劇場の今までの作品から考えたら

情報を盗み取られる展開になるからね!?と思いっきりツッコんでしまいましたよ(笑)

 

そんな感じで、基本的にはご都合主義な流れで進んでいってはいるんですが…

でも、ツッコミで終わらないのが本作なんですよねぇ。

今回は、那由他(山﨑賢人)と隼人の"責任取り"から来る友情の熱さに泣かされました。

 

2人の関係性を描くのに一番グッと来たのは、

橋のシーンでの「寄り」「どアップ」切り替えを巧みに使った演出。

どアップ演出は、日曜劇場の池井戸作品(を手がけたスタッフ)ならお馴染みの手法なのですが、

本来は、周りの情報が削ぎとられる分、登場人物の表情や台詞が

よりダイレクトに伝わって来るという特徴を持っている…と思っています。

本作ではその特徴をきちんと汲み取り、那由他と隼人の人柄を表すものとして

上手く消化されている気がしました。

 

最初は、相手に向けて話している状況を分かりやすくするために、

片方が喋っている時は、1つの画面にもう片方の後ろ姿も映す。

隼人がSAGAS側に就いた理由を察した那由他が、彼の心境を代弁し、

核心を突く言葉を言ったタイミングで、さらに人物を寄せて撮ったカメラワークへと変わる。

お互い本音をぶつけた事で、長い間離れていた2人の距離が

縮まり始めたのを示す演出…ともとれます。

そして、引き止めるタイミングで、初めてどアップ演出を取り入れる。

「俺がここにいんだろ!」…ここのくだりは何だか、少年漫画を読んでいるようで

胸が熱くなりましたね。

 

そこからは、寄せのカメラワークをベースにしてやり取りを見せながらも、

ラブコールを送る那由他、一度決めた覚悟は中々捨てられない隼人でどアップにする。

どアップ演出を効果的に使った事によって、

那由他は、大好きな物や大事に思っている人に対して伝える言葉に

全く嘘がない真っ直ぐな性格で、

隼人は、もうこれ以上仲間を巻き込まないようにと、1人で罪を背負って抱え込もうとする

責任感の強い性格であると読み取れる作りになっていたのが良かったです。

2人じゃないとゲームのアイデアは生まれない。相棒ってやつですねぇ。

ゲームプレイのスタイルでも触れられていましたが、

2人のキャラが"攻め"と"守り"で真逆になっているのも、コンビならではの設定で

これまた面白かったです。

 

ただ、内容全体を踏まえて、1つ惜しいなぁ…と思う点を挙げるとするなら、

海(岸井ゆきの)がジョン・ドゥの解散の経緯を知る時の見せ方ですかね。

CM明けで、また次のCMが入るまでの約10分間を、

森田(岡部大)から真相を教えてもらう場面でまるまる使ってしまったために、

ワンクッション置かれて、物語の進行を止められたような感覚は覚えました。

那由他か隼人から聞かされるのなら納得行きますが、

3人と特に深い繋がりのない、那由他をネカフェに居候させているってだけの彼が

なんで解説者の立場に回っているんだろう…?という疑問もあったんですよね。

 

そこで思うのは…例えば、「辛そうな顔してた」と海が明かすシーンがあったじゃないですか。

会場でのシーンを見る限り、彼女は既にそう感じていたはず。

なら、もう一度どこかで隼人と偶然会う展開にして、

表情の事を言って図星をつかれた彼が、全てではないものの過去を話して…

それからあの回想を挟んで…

去り際に残した意味深な言葉の真意を、森田に代わりに教えてもらう(補足する)…

という形をとった方が、停滞感も薄まったんじゃないかという気はします。

 

しかし、「こんな設定・展開だったら…」と思う部分もあるものの、

決める所はバシッと決める演出のお陰で、

現段階では、今期のラインナップの中で上位に来ている作品です。

次回は財務顧問が赴任してからのお話。

まぁ…前後の内容的に、騙されるパターンでしょうね(笑)

そのまま退場するのか、

那由他の熱量にやられてもう1人社員が増えるオチになるのか、楽しみです。

 

 

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アトムの童 1話 感想|日曜劇場らしいけどらし過ぎない!

 

 

廃業の危機を迎えた老舗メーカーが、新たな知恵を借りて経営再建を目指し、

大手ライバル企業もあっと言わせるまでの成長を描く…というお話。

もうこの時点で鉄板のストーリーですよね。

「日曜劇場」枠の過去作品には、

かつて「小さな巨人」や「ブラックペアン」「ドラゴン桜」など、

原作実写化なのに"池井戸作品"のガワを借りた結果

失敗してしまった作品が何作もあったので、

本作もどうせ、"いつもの"スタッフではないにしても

顔芸ドアップ!夕陽が沈む映像!野次馬演出!仰々しい劇伴!に寄せた、

型に嵌った盛り上げ方になってしまうんじゃないか…と危惧しながらの視聴となりましたが、

いやはや、シンプルに面白かったです。

 

何と言っても、森田(岡部大)のキャラと、大間々昂さんの作る劇伴が良い味を出しています。

まず彼について書くとするなら…

コントローラーを手にとってゲームしたり、筆が乗る勢いで何か付箋に書いたりする

那由他(山﨑賢人)を見つめる時の表情が、

「キラキラ」の四文字がすぐさま浮かんでくるほど輝いていて、まるで少年みたい。

見ているこっちまで気持ちが乗り移ってしまいました。

劇中で「おもちゃなんてなくても困らない。でもあったらワクワクする」

といった台詞がありましたが、那由他を奮起させる、ピュアな心の持ち主である

森田の存在がそれを体現してくれているようでしたし、

何なら、本作の象徴にもなっていたような気がします。

 

そして、劇伴。…終盤にかけての畳み掛け方が特に素晴らしかったです。

那由他が再びゲームにやる気を見出したシーン、

興津(オダギリジョー)に正々堂々と勝負を申し出るシーンでかかった

「♪どーん どーん どーん(伝わるかしら…)」な劇伴がちょっと大河ドラマちっくだったのが、

王道ならではの良さを生み出しているんですよねぇ。

「俺が天下を取ってやる!」と今にも宣言しそうで、頼もしい。

"ビジネス""下剋上"を扱ったこの手のドラマは、

主人公がいかに頼り甲斐があって信頼出来る人かを

初回で明確に提示する事が重要だと思っているので、

その点では、劇伴の良さも相まって、成功していたんじゃないでしょうか。

 

ただ、褒めるべき所だけでなく、辻褄合わせ的に若干引っかかる所があったのも事実。

海(岸井ゆきの)の設定が原因かなぁと。

おもちゃが好きで社員として父の会社に勤めているものの、

保守的思考な上司たちとは違い、将来のためにも新しい風の導入を視野に入れている…という

立ち位置だったら、繁雄(風間杜夫)の意向に急に賛同したのにも

あまり違和感を覚えなかったかもしれませんが。

あるトラウマのせいでおもちゃが嫌いになった、

堅実な印象の銀行員という立場から…では、予定調和には見えてしまいました。

 

あとは…"日曜劇場らしさ"の調整次第で、新鮮味がある作品になるか、

「またか」と言われる作品になるか?ですよね。

初回こそ、融資の取引、特許権の侵害、突然の災害(多分嫌がらせ説)と、

日曜劇場ならではのパーツが組み合わさっていました。

しかし、とりあえずは若いキャストのお陰で、既視感を払拭してくれたので、

次回以降にも期待してみたいです。

 

最後に、キャスト変更についてですが…

比べるような言い方で悪いですが、

興津役はオダギリジョーさんがぴったりだったと思っています。

「六本木クラス」の流れだとどうしてもイメージが被りますし、

IT会社の社長なら、オダギリジョーさんの方が年齢的にもしっくり来るんじゃないかと。

それに、もし元々の役者さんだったら、

頑固そうなおじさん vs 頑固そう(に見える)おじさん で

画が似通ってしまっていたかもしれませんしねぇ…。

良く言えば"王道"、逆を言えば"マンネリ"だと評される「日曜劇場」という名のブランドを

変えていくためには、まずはボスからキャストを一新しないといけなかったのに、

今までなぜもっと早くやってこなかったのか、疑問ではありますね(苦笑)

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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