2021年冬ドラマ-天国と地獄一覧

天国と地獄 〜サイコな2人〜 10話(最終回) 感想|運命から逃れられない2人

 

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本作の最終回を見て「これは名作だった!」「素晴らしかった!」と絶賛された方は、

私がこれから書く感想とは考えが合わないかもしれないので…

どうしても読みたいという方は自己責任でお願いします。

 

さて、最終回。

正直言うと、あの「入れ替わり」を匂わせるオチは蛇足だった気がしました。

最終章になってから途中まで、役者の演技の応酬で

これでもかと緊迫感と切ない余韻を味わわせる展開が続いていったのに、

結局最後はコミカルで締めるんだというズッコケた感覚が…(汗)

個人的に、世間が高評価するまでハマれなかったのはそこなんだよなぁ。

最近は「運命」のSEもコミカルな演出・くだりも控えめになっていって、

ようやく集中出来ると思ったのに…なんで温度差の違う要素を挿入して来るのかなぁ。

日高(高橋一生)から告げられた入れ替わりの理由は、

自分も朔也(迫田孝也)も何とか幸せに生きて欲しいと神頼みしたという

"母の願い"から来ているものだったはずなのに、

事件が解決して数年後になって、彩子(綾瀬はるか)も新たな人生を歩み始めている中で

また入れ替わってしまったら"母の悪戯"で意味が変わってきてしまいますよね。

 

そして、日高に殺意はなくても、物を隠す形で人の犯罪を隠蔽した罪を犯したのは

咎められるべき事実なんですが、懲役3年科せられるのもなんか腑に落ちず。

情状酌量で執行猶予の方が、彼に見合っていたんじゃないかと思います。

そもそも「天国と地獄」が、たった15分で運命が大きく変わってしまった

兄弟の事も指すのが明らかになった流れで、

しかも取り調べのシーンで

河原(北村一輝)が「お前にその(兄が唯一挙げた)声を奪う正義はあるのか」という

"きっかけ"を与えてくれたにもかかわらず。

法廷で「兄が挙げた声」について日高が言葉を選びながら語り、

それを聞いた裁判員が涙ぐむ…という"兄を想っている日高"を感じさせるやり取りもなく、

ダイジェストやナレーションでさらっと済ませるのは強引な気がしました。

 

最後まで見てきて違和感を覚えた所は他にもあります。

「入れ替わり」自体は興味深く見られましたが、

謎の漫画とか、奄美大島との関係性とかで

「大きな歴史がある」ような雰囲気を醸し出させておいて、

最終的には何ら意味を成さない扱いに終わってしまった所。

あとは、日高のこれまでの動きと、回を重ねるにつれて露わになった"本心"との矛盾。

15分で運命が変わってしまった申し訳なさから、

兄を救うために自分が罪を被るという責任感の強い性格なのは分かったけれども、

じゃあ彩子に入れ替わった時に殺害を犯した"あの動画"を残した動機は何だったのか?

陸(柄本佑)と行為に及んだ理由は何だったのか?という疑問が生じてきます。

後者に関しては同性愛者だった…と補完してもおかしくないにしろ、

兄の罪を頑なに背負おうとする"善意の人間"である日高が、

他人の身体では好き放題やっちゃおうと羽目を外す人になるのかと

不思議に思えてたまりません。

責任感が強い人なら、借り物だから余計な事はしないようにしようって考えるはずなんですよね。

だから途中で「彩子と入れ替わる前に誰かと入れ替わったんじゃないか?」と予想した訳で。

 

モヤっとした部分、伝わったかなぁ…。伝わると嬉しいなぁ。

まぁ、確かに盛り上がった部分もあったけれど…

終始温度差を感じる作品になってしまった…って所ですかね。

唯一良かったのは、ドラマでたまにやりがちな"警察を無能"にしなくても

面白い展開は作れた事かと。

河原もある意味彩子と一緒で、警察という組織のルールよりも自分の正義を第一に動く

熱い人間である事が発覚したし、

八巻(溝端淳平)の存在は緊迫したムードで一息つかせる緩衝材になっていたし、

科捜研の新田(林泰文)も独特なキャラで印象強かったし…

主役2人以外にも愛着の湧く、それぞれ存在感を残すキャラクター造形になっていたお陰で

最後まで見られたんだと思っています。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 9話 感想|SDカードが気になって仕方ない!

 

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途中までは「面白いっちゃ面白いんだけど、

どことなく演出が軽いのが引っかかるんだよな〜…」と思っていた本作で、

まさかうるっとしてしまう日が来るとはなぁ。

やはり、たった15分という違いだけで、

天国と地獄に分かれてしまった兄弟の運命を描こうとしているのが分かった回。

今までなんとなく悪役のイメージがあった迫田孝也さんだけど、

悲しさと苦労を背負いながらも

弟と再会出来た喜びだけを噛み締めるように逝ってしまった演技を見て、

あんな複雑で繊細な役もされるのかと、見る目が変わりましたわ…。

 

日高(高橋一生)と朔也(迫田孝也)の出会いや関係性を見ると、

物語の真相はいたってシンプルで。

入れ替わりもあの時が初めてだったらしい。

視聴者が考察する形で謎が一人歩きしていった…

で、結局それがミスリードに繋がってしまったのには、

本作が「入れ替わり」から始まる物語である事、

「入れ替わりをあっさり信じてくれる存在」がいる事という2つの非現実な要素が重なった作りに

原因があるのかも…ですね。

しかもその2つを初回〜序盤の段階で盛り込んでいる訳だから、

もっと驚くべき"何か"が待ち受けているんじゃないかという勝手な思い込みが生まれてくる。

視聴者と作り手の間で考え方に大きなズレが現れるようになったのは、

偶然だったのか、それとも計算済みだったのか。

もし後者だったとしたら、そんなに深く考察はしていなかった私でも

森下先生の「こう表現すれば、視聴者はきっと盛り上げてくれるだろう」という策略に

まんまと引っかかった事になるので…うーん、悔しい!(笑)

 

彩子(綾瀬はるか)と日高も元の姿に戻って、

(最終的には2人とも捕まっちゃったけれども)まぁ一安心と言えるのか。

日高が目を覚ましたときの、今にも人を襲いそうな獣のような目つきで

元に戻ったと分からせるんだから凄いよなぁ…。

そして、その後も「入れ替わり」の要素も「元に戻ったからおしまい」じゃなくて、

ちゃんと活かした話になっているのもまた凄い。

彩子が感情的になって朔也を殴ったのだって、

今回の殺人事件の真相を追い続けて、長い間入れ替わっていた日高の体を使って

"日高の人となり・人生"も家族や社員を通して知っていった過程があるから

説得力が増すんですよね。

 

ミステリー部分は今回までで複雑な構造にしていない事が分かったので、

目の前で殺したとかっていう確かな証拠がないのは気になるけれども、

朔也は空集合=犯人で、日高は共犯なのは、もうこれで確定なんでしょう。

でも、最終回のようで、まだ最終回ではない。次回こそが、本当の最終回。

一瞬だけ意味深に映したSDカードが、物語の鍵を握ってそうな気がしてなりませんねぇ。

あれには何が入っているのか。

入っているデータ次第では、真犯人は別にいて、

朔也は嵌められただけだという可能性もわずかに期待してしまうんだけど…

果たしてどうなんだろうか。

あとは、八巻(溝端淳平)は2人の入れ替わりを警察にバラすつもりなのか。

スマホの電源がついた事が吉と出るか凶と出るかも気になるし。

あれだけ片付いた感じに見えても、まだ75分もあるんですよ?

まだ何かどんでん返しがありそうだって思っちゃうでしょ!

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 8話 感想|入れ替わっては…ないだろうな〜。

 

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今回で分かった事。

複雑に考えるまでもなく、東朔也は師匠・湯浅(迫田孝也)で、

入れ替わっているのは彩子と日高だけらしい。

女装が上手いとか、陸(柄本佑)にときめいているような表情は何だったのかとは思うけれど、

彩子<日高>(綾瀬はるか)が「兄さん」と呼んでいたので、

中身が女性である説も、彩子と入れ替わる前に朔也と入れ替わっていた説も

ナシと見て良いらしい。

 

個人的には入れ替わりの詳細を一番知りたかったから、

最終回まで勿体ぶらず、変に風呂敷も広げずに

少しずつ繋がりかけているピースとピースから生まれる隙間を

補填してくれたのは嬉しいですね。

 

その他に今回心が盛り上がったのは、河原(北村一輝)が彩子<日高>に問い詰めるシーン。

一度失敗して表から退いた人が着実に真相を突き止めていって、

やがて陥れられた相手を形勢逆転出来るほど頭角を表す流れは、何度見てもワクワクします。

彩子<日高>の焦りが隠しきれていないともとれるし、

兄が自分の乳歯を持っていたと知って少し安堵の表情を見せたともとれる、

複雑な気持ちが表情に出る綾瀬はるかさんの演技も良かった。

 

乳歯が犬から見つかった事で、追い込まれてしまう2人。

日高<彩子>(高橋一生)が逮捕される前に入れ替わってあげようとしているのだから、

日高はやはり善良な人間だとは思うし、

朔也も濡れ衣を着せられていた事が分かって、元々サイコパスという訳でもなかった。

「お前が15分先に生まれてきてたら」この台詞が全てなんですかねぇ。

サイコパスという恐ろしい犯罪者になった理由は、ほんの少しの時間差で

大きく運命が変わってしまった妬みから来ているのか。

そして、入れ替わった相手が彩子である意味は何なのか。

(「だから、あなたなんですねぇ」という台詞もあるし…)

最終章は人間ドラマ方面で、この2つをじっくり描いていく感じになるのでしょうか。

 

で、最後は…多分入れ替わってはいないだろうなと。

彩子が顔を手でベタベタ触る動きは、次回予告の後で流れた

「全話の見逃し配信はParaviで!」…だったか忘れたけど。

日高<彩子>がやっているのと同じ動きっぽく見えたので、

もしかしたら元に戻ったのか?とも思えるんですが…

何となく、違う気がしてます。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 7話 感想|彩子が陸に好意を持ってそうな描写が気になる。

 

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ええーーーーーー!!!

東朔也が日高の双子の兄…そういう設定で来たか!

本当に毎回毎回見ないと分からない作品ですな。

兄貴は玉木宏さんかな…とか、

片方ずつ引き取られて生き別れの双子に…「ミラー・ツインズ」かな…とか、

いろんなドラマを思い出してしまいましたわ(笑)

そうなってくると、タイトルの「天国と地獄」の意味も何となく掴めてきた感じですね。

双子が送るはずの人生が奄美大島に行った日をきっかけに

大きく逆転してしまったって事を表しているのかしら。

 

奄美に行っていたという基準で考えるならば、

・日高と入れ替わっているのは彩子

・彩子と入れ替わっているのは朔也

・朔也と入れ替わっているのは日高

になるんでしょうけど…どうもストレートに朔也が湯浅(迫田孝也)だとは思えなくてですね。

右手にホクロがあると分かったタイミングで、朔也は右手に包帯を巻いているのは

いかにも犯人感満載過ぎて逆に怪しいし、

ホクロがあるかどうかを次回に引っ張ったって事は…

冒頭で「なんだぁ。違ったか」ってなる可能性も大いにある。

そもそも、二卵性双生児とは言え、年齢が離れているように見える。

陸(柄本佑)が朔也で大どんでん返し!はないのでしょうか。

元証券マンという設定が意外と鍵を握ると思うんですよ…。

リストを作って、上手い話でターゲットを信用させて殺害?も出来そうですよね。

 

同じ刑事なのに、山巻(溝端淳平)に彩子<日高>(綾瀬はるか)を

常日頃尾行させない所も不思議なんですが、

個人的に一番不思議なのは、彩子<日高>が陸に対して

恋愛感情に近しい感情を持っている様子をわざわざ挿入する所。

惚れたような表情と言い、夜の営みと言い、今回のディープキスと言い。

これ…事件の真相に女性が絡んでくるか(あの時朔也を放っておけなかった母か?)、

それとも朔也が同性愛者なのか何かしらの言及がないと、

なぜ入れたのかが謎過ぎるんですが…。

まだ手がかりを得るための"ヒント"だと思っておきます。

 

話はますます複雑化してきているので、

上に書いた内容以外はもう考える事を放棄しているんですけどね(笑)

それにしても、「もう反則だろ」の言い方はもろ高橋一生さんらしさが滲み出てましたね〜…。

内容で頭がごちゃごちゃになっても、

役者の演技面で楽しめる部分が用意されているのは助かる。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 6話 感想|「東朔也」を押さえておけばOK

 

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ひとつ思ったのは…

あ…コロナ禍の設定、忘れていなかったんだ…という所。

なので、1話以来自分の中で勝手になかった事にしようとしていた

中途半端な取り入れ方による違和感が、またぶり返してきちゃいましたよ(苦笑)

だって、コロナ禍の世界線である事を表すマスクの着用が

初回の電車のシーンだけで、それ以降は匂わせる要素もなければ

普通に中でも外でも顔を出していましたからね。で、今回の「濃厚接触」ですよ。

私が最近ドラマを見ていく上で注目している点で

「コロナ禍を取り入れているかいないか」

「物語を描く上で、なぜコロナを取り入れようと考えたのか」も含まれているので…。

今回の台詞が今後に向けてのキーワードになっていくのでもないならば、

わざわざコロナ禍に関係した言葉を使う必要もないし、

別の嘘のつき方でも良かったんじゃないか?と思ってしまいました。

細くてすみませんね(汗)

 

さて、ミステリーの方は…

謎に謎を重ねている作りなので、点と点が繋がる爽快感がないまま

どんどん構造が複雑になってきていると言えばそれまでなのですが。

着実に真相には近づいてきていますね。

そして、同ジャンルである「あなたの番です」「危険なビーナス」

(某原案者の事情も含めて)キャスティングで犯人が分かってしまったし、

「テセウスの船」は家族愛で引き延ばし、設定をこねくり回し過ぎて

途中から多くの矛盾点を生じさせてしまったのを考えると、

本作の展開の仕方はよく練られているとも思います。

いかにもサイコパスやりそうな分かりやすいキャストもいないし。

今回は4人の男性が登場してきたけれども、

中でも最後に「東朔也(あずまさくや)」という名前、

その名前が死亡届に載っているかを調べる彩子<日高>(綾瀬はるか)の様子を見せた事で、

考察が苦手な視聴者にも「今回はこの名前をよく覚えておいてくださいね」と提示してくれる

親切設計にもなっている。

でも…考察した所でそれが確実なものかどうかも分からない。

毎回必ず"新たな謎"が見つかるから。

下手すれば「最終回だけ見れば良いや」で終わってしまいがちなミステリーもので、

来週も、再来週も…1つも残さず続きを見たい、真相を知りたいと思わせる作品って

中々ない気がします。

 

ちなみに、足りない頭で考えるとするならば…

満月になると誰かと入れ替わり、新月になるとお互いが元の姿に戻る仕組みで、

東朔也は日高と事前に入れ替わっていて、

新月の日に果たして本当にそうなるのか、事件の犯人は現れるのかを確かめるために

彩子<日高>があの家で待ち伏せしていた…とかですかね?

日高<彩子>(高橋一生)と八巻(溝端淳平)の元から

逃げて行ったあの男が、多分、東朔也=φ。東とは共犯者で、彼は主犯?

ああ、書いてても訳分からん!(笑)

過程を見守るのが一番良いのかもしれませんけどねぇ。

ただ、今の所あまり噛み合っていない主題歌に説得力を感じられるような、

壮大で複雑で、ほんの悲しさを見せる結末に辿り着いてくれる事を期待したいです。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 5話 感想|戸田一希は女性だと分かったけど…

 

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まぁ、日高が容疑者だと疑われている以上、

彼の秘密が誰かの手によって漏洩されて会社がピンチ!という展開は

いずれやりそうな内容ではあるんですが…

う〜ん、個人的には何か引っかかるなぁ。

 

「歩道橋の彼女」と日高の関係性、

そしてその正体を突き止めようとする河原(北村一輝)の動きと

着実に事件の真相には近づいている描写はあるし、

主要な人物の一人である陸(柄本佑)が果たしてただの善人なのかどうかにも迫っているから、

決して今回の話が意味のないものだったとは言わないんだけど。

でも…本作が全10話で、中間地点だとすると、後半戦に突入する前の重要な回に

会社にネガティブキャンペーンをもたらした犯人を特定するだの、

九十九(中尾明慶)が特許を買収しようと企んでいるだの、

本作が書こうとしている"事件"からズレた話をメインに盛り込む必要ってあったのかな?

と思ってしまいました。

森下脚本は物語の中間地点からどんでん返しが続くイメージがあったので、

そろそろ驚くべき"何か"がやって来ると待ち構えていた分、

あれ?思ってたのと違ったな?…っていう肩透かしを食らった感じ。

 

まぁ、唯一進んだと言えば、やっぱり戸田一希の件ですね。

男っぽい名前ですが、実は女性。

本格的な考察はそういうのが得意な方に任せるとして…

戸田一希がラブレターに書かれていた"歩道橋の彼女"で、

(いや…河原の勘違いで、次回の冒頭で別人だと発覚する可能性も考えられるか?)

手紙を大事に残している理由としては、

彩子<日高>(綾瀬はるか)が日高<彩子>(高橋一生)と入れ替わる前に

入れ替わった相手だからなんじゃないかなぁとは思ってしまいますね。

 

日高<彩子>も触れていたけど、化粧や服装と

"女"である事を楽しんで、しかもその楽しみ方を知っている感じですし。

陸が帰ってきて、「何言ってんの!他に行くとこないでしょ?」と言われた時の顔が

完全に恋に落ちた顔でしたし。

2話の感想でも書きましたが、日高が何度も入れ替わった説、まだ有力なのかも。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 4話 感想|2人なりの"らしさ"が見えてきた?

 

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今回になってようやく…というか初めて?

本作が「入れ替わり」の物語である事に説得力が増した気がします。

 

個人的に本作で見たかったのは、

"男性らしい"演技をされる綾瀬はるかさんと"女性らしい"演技をされる高橋一生さんでもなく、

彩子<日高>(綾瀬はるか)に言いくるめられる日高<彩子>(高橋一生)の関係性でもなく、

「彩子に入れ替わった日高」と「日高に入れ替わった彩子」という

立場も性格も全然違う2人だったから。

ミステリー部分も視聴者に興味を惹かせる軸にはなるだろうけど、

それはミステリーがメインの作品や2サスでも出来るのであって。

彩子なりの"正義感"が描かれる事によって、日高と立場が対等になり、

お互いが正面からぶつかり合う展開になっていた所に本作らしさが感じ取れました。

 

そして、立場も性格も全然違う2人である事を強調するために、

入れ替わる前の2人が「どんな人だったか」「周りからどんな風に見られていたか」という

エピソードを付け加えていたのも良かったです。

日高<彩子>の場合は、警察官が困っているおばあさんを助けに行くのを

素通りしてしまった自分をきっかけに

「これを見逃したら私じゃないでしょ」と言い聞かせる形で、

プライドが高くて、放っておく事が出来ないある種の"職業病"の持ち主だと分からせて。

彩子<日高>の場合は、社長が記憶喪失だと知ったらすぐに駆けつける社員達や

慕っている感じの妹で、周りから愛されていた存在だったと分からせる。

"以前の(本来の)姿"と"入れ替わってから現実に立ち向かおうとする姿"…

その人となりが分かるような、

どちらにおいても平等に描かれていた内容になっていたと思います。

 

事件の方は…八巻(溝端淳平)が逃げてしまった代わりに、

陸(柄本佑)が消されてしまう可能性が浮上してきましたねぇ。

事件の被害者は数字に因んでいる。

陸は「6」とも読めるし、毎回最後の方で"何か"を見つける

ポジションになっているのも何だか怖い。

(それを言うと、下の名前が「三雄」の河原(北村一輝)も消される対象者にはなりそう…)

「だから、あなたなんですねぇ」と言った時の寂しさを含ませた表情を見る限りは、

やっぱり日高は犯罪者ではないと思うんですね。

犯人が誰かを探しているだけで。

 

今回新しく登場した妹・優菜(岸井ゆきの)は…

果たしてちょい役で終わるのか。

人物相関図に載っているくらいですから、もしかしたら犯人の可能性も無きにしも非ずですし…

まだまだ展開が読めませんな。

でも、今回くらいに2人をバランス良く描いてくれれば、本作に対する印象は上がりそうです。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 3話 感想|八巻が普通に心配過ぎる件

 

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前回の感想でも触れた通り、個人的に気になっていた

「日高<彩子>(高橋一生)がただの女々しい人に見えてしまう」件。

八巻(溝端淳平)に入れ替わりを気づかれた今、2人が絡むようになってからは

以前のガサツで先走りがちな"らしさ"が戻って来たように思いましたね。

好意的に解釈するならば、1人でかつ特殊な出来事に遭遇した時は

あんな風に弱い部分を見せる事がある…と捉えれば良いのかもしれません。

 

夜道で普通の声で電話するもんだから背後が常に心配になったり、

弁当のシーンとかで無意識に口が滑ってしまったりと、

そもそも警察の仕事に不向きなんじゃないか?わざとやってないか??ってくらい

彼の迂闊さが気になるんですけども(笑)

八巻が本格的に2人の関係性に介入してきたお陰で、

彩子<日高>(綾瀬はるか)に弱みを握られて

いつか消されてしまうのではないかという緊迫感も加わり、

これまでよりもあっという間に見終えた1時間となりました。

 

「入れ替わるまでの話」も「入れ替わりあるある」もようやく済んだので、

今回からがある意味ドラマとしての"スタート"とも言えるでしょう。

しかし、内容的に違和感のある部分が出てきてしまっているのも事実。

 

1つ目は、日高<彩子>に対する警察の監視体制がずさんな事。

日高の事を疑っているならば、会社や自宅の場所を特定して物を物色したり、

何か不審な動きがないか張り込み調査をしているだろうに、

当本人は呑気に奄美大島に行けるほど自由に動けているのが気になりました。

革手袋の指紋不検出の件だって、途中までは日高のものだと見込んでいたのが

最終的にはバクテリアの分解によって白になったって…

(実際は偽装工作したんだけど)すり替えられた可能性は誰か1人でも考えないのかと。

そもそも、証拠品が集まった科捜研の部屋の隅々に

監視カメラってついていないもんなんですかね。

 

2つ目は、まぁこれはまだ不確定な案件なのですが…

ゴミ袋に捨てられていた防護服についている血の色について。

私の記憶が間違っていなければ、彩子<日高>が犯行に及んだのは夜。

ゴミ袋を回収しに陸(柄本佑)が戻ってきたのは朝。

となると、血って時間が経つと鮮明な赤ではなくて

少し赤褐色っぽくなると思うんですよ。

これが単純に、スタッフによるうっかりミスで終わらなければ良いんですけど。

あの動画が合成によるフェイクで、誰かが彩子に恨みがあって、

彼女を陥れるためにわざと殺人犯に仕立てようとして

あの防護服を入れたんじゃないかと踏んでおります。

陸もあまり出番がなかったので最初は怪しんでいましたが…

純粋に驚いている感じだったので違うのかも。

 

違和感と言えば…度々使われている曲「運命」の軽さもねぇ。

ちょっとふざけてる?と思ってしまってすいません(汗)そこに一番馴染めないんです。

まぁ、「天国と地獄」を使ったら運動会になっちゃうだろうし?

「運命」を多用しているくらいだから、日高と彩子は前世で繋がっていた…じゃないけど、

せめて今後"運命的な出来事"が起こる事を示唆する意味合いを持たせていれば

良いなぁ…と思っています。

 

なんだか後半はネガティブ寄りな感想になってしまってますが、

回を重ねるごとに「面白い」の割合の方が増えてきてはいます。

今期の中では、次回が気になる作品の1つに入ってますしね。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 2話 感想|まだぎこちなさが残る感じ。

 

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事件の方は、視聴者の想像力を試されているような展開になってきましたね。

 

殺したとは自ら一度も発していない事から、

日高(高橋一生)が真犯人じゃない結末もあり得そうですし。

でも、入れ替わった彩子(綾瀬はるか)をナッツで殺そうとしたのを見ると、

自分が犯人だからこのまま逃げ切るつもりなのか?と思わなくもない。

(中盤からの魅せ方が強い印象の森下脚本の事だから、前者だとは予想してます。)

2人の秘密をすんなり受け入れた八巻(溝端淳平)もやけに怪しい。

日高は経験者で、連続殺人犯と言うからには

何度も誰かと入れ替わって殺してきた事で自分の身を守り続けてきたのか?とか、

中身は事件の被害者と入れ替わったままになっている可能性も?とか。

どんなパターンになってもおかしくなさそうな先の読めない面白さが増した点で、

前回よりも本作に対する興味が湧いてきた感じはしました。

 

ただ、個人的にはまだ絶賛するまでには到達しておらず、

シリアスな事件を描く中で所々コミカルなネタを挿む作りに

"ぎこちなさ"の方を覚えてしまうのも事実。

前回は刑事ドラマの印象が強く残っただけに、今回は別のドラマみたいになっちゃってるし。

それに、もう1つの初期設定である「入れ替わりあるある」で30分近くを割くのは…

構成に締まりがないと言いますか(汗)

3話からが本番だと捉えて、そのうち「独特な世界観が良いね!」なんて言って

慣れる時が来たら良いかなぁ…と思っています。

 

あと、ちょっと気になる事を最後に書くとすれば…

日高になった彩子には、語尾の伸ばし具合や危うさを含ませた目つきからし

時々"日高"が見え隠れするのですが、

彩子になった日高の方には"らしさ"は感じられず、

ただの女々しい人みたいになってしまっているような気がするんですよね。

もちろん、走り方や声色で女性を再現されている高橋一生さんの演技力は凄い。

でも、入れ替わる前の彩子には、正義感が強くて、

猪突猛進が故に先走った行動をして空回りしがちなイメージが付いていた分、

その後の彩子を見ていると、お世辞にもそんな性格には見えない。

 

警察と犯罪者が入れ替わったという設定は面白いし、

物語も二転三転しそうな可能性は秘めている。

それだけに、"入れ替わった後"の2人にもっと一貫性を持たせた方が

完成度が増すんじゃないかとも思いました。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 1話 感想|面白くなるのはこれからかな?

 

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森下佳子脚本と綾瀬はるかさん主演の組み合わせによる最新作。

もう予告の作りの時点で滲み出ていましたが…

さらにキャッチーな音楽や「シャララン♪」などのSEを頻繁に挿入しているとなると、

まず思い出すのが「義母と娘のブルース」ですよねぇ。たまに「JIN -仁-」とも重なります。

期待以上とまでは行かなかった原因はそこにあり、

いろんな作品との既視感を覚えて、本作の物語に集中出来なかったから…なのでしょう。

 

「義母むす」はそもそも、主人公が変わり者である事が分かりやすいキャラクターだったから

法螺貝のSEがハマっていた訳ですが、

本作の内容は、2人が入れ替わるまではごく普通の刑事ドラマの流れと同じ。

青と赤を鮮やかに映し、幻想的な映像美を取り入れて

事件そのものを猟奇的に見せている割には、

コミカルな劇伴やSEを挿入して雰囲気を崩そうとしたり、

目のカットでなぜかSFちっくな演出にしてみたり…と、

世界観の生み出し方に統一感がないのが気になりました。

 

そして、本作の見所は「入れ替わり」と「役者の演技」なのですから、

"入れ替わるまで"の過程を順序を追って描くのは引っ張り過ぎ。

高橋一生さんのサイコパスを匂わせる演技のお陰で何とか興味深く見られましたが、

本題に入るまでが長くて、若干退屈しましたかねぇ…。

冒頭で"入れ替わってしまった2人"…例えば、漫画的なあらすじの後に、

月が反転して2人が階段から転げ落ちている〜「入れ替わっている!?」と驚くまでの流れを

導入して、そこから"なぜ2人はこうなってしまったのか"を解き明かしていく構成にしてみたら

"掴み"としては良かった気がします。

 

そんな感じで、入れ替わるまでの展開にそこまで引きつけられはしなかったものの、

元々期待していたその後の2人の演技には

「次回も見てみたい!」という気持ちにはさせられたので、

「義母むす」のように、回を重ねるごとに化けるパターンかなぁ…と踏んでおります。

 

彩子(綾瀬はるか)になった日高の悪魔の微笑みに惚れかけた八巻(溝端淳平)が

禁断の恋に落ちるとか、実は陸(柄本佑)がサイコパスになるのかもしれないとか。

入れ替わってからの"先"の話が読めない分、いろいろ広げてくれそう。

そして、彩子と日高(高橋一生)の状況を見る限り、

ストレートに「天国=恵まれている」「地獄=入れ替わってしまった2人」という訳でもなさそうで、

森下脚本ですから、そのうち「天国と地獄」と名付けた"理由"が痛いほど分かる

展開がやってくるのかもしれませんね。

 

事前情報通りだった初回。次回以降に期待してみたいです。