2022年春ドラマ-パンドラの果実一覧

パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜 4・5話 感想|黒幕に立ち向かう準備が出来た…って所かな?

 

 

先週(4話)の感想を書きそびれてしまったため、

5/21分(5話)の放送と合わせて2話分の感想を書かせていただきます。

(ちなみに少々簡単感想です)

 

4話「その瞬間(CODE)に飛べ」

 

一見"発展""希望"ともとれそうなポジティブなイメージを持つ先端科学を

毎回扱っているけれども、そこには毎回生死が絡んでいるんですよねぇ。

だから、妻を冷凍保存し蘇生してくれる事を信じるあまり

どんな危険な科学にも手を出してしまう

小比類巻(ディーン・フジオカ)の危うさがより引き立つというのか。

今回の場合は、彼の人間性が顕著に表れた話になっていたと思います。

 

中でも印象に残ったのは、同じくジョインを体験してみた

長谷部(ユースケ・サンタマリア)との対比。

長谷部がバディ(ゲームの世界で会いたい人や物)に設定したのは亡き愛犬で、

振り回されながらもデレデレな様子を見せ微笑ましいエピソードになったのに対し。

小比類巻の場合はかなりヒヤッとするエピソードになっていて、

まるで沼の底から伸びた手でズルズルと引っ張られていくかのような、

妻に会いたいがためにどんどんのめり込み、境目がなくなってしまうのかのような

彼の危うさや狂気を感じさせられました。

 

でも、そんな彼も我に帰れたのは、最上(岸井ゆきの)がいてくれたお陰。

最上が男の子(実質的には息子を亡くした両親)に向けて言った言葉は、

小比類巻の心を揺れ動かし「忘れるわけない」と

率直な想いを言わせるためのものだったと察せられましたし、

何より、その後の男の子の最期の姿がね…。

励まされて嬉しそうな顔で消える姿を見せてくれたお陰で、

小比類巻も妻へのある意味異常なまでの気持ちを

少しでも断ち切る事が出来たんじゃないかというのが伝わってきました。

 

小比類巻の変化を描く回…でしたね。

 

5話「不滅の光(Prometheus)」

 

前回が小比類巻の変化にフォーカスを当てた話になっていたのに対して、

今回はようやく最上の過去に触れ、彼女もまた変化を見せる話に。

 

小比類巻は主人公だから、妻の死が縦軸として

1話完結型の案件とリンクさせるようにずっと描かれてきた訳ですが、

最上の場合は過去も変化も1話で片付けたからか説明台詞が多くて、

「不老不死」で魅せるエピソードとしてはちょっと物足りなかった気がしたかな?と。

と言うのも、科学を扱うドラマだと必ず取り扱われるテーマなので…

これこそ、今まで小比類巻と2人で正反対の考えを示す場面があったように、

不老不死に対して否定的なのか、肯定的なのか、

どう考えているのかを討論する所も見てみたかったです。

 

しかし、「たまには良いかもね。光…信じるってのも」で

速水(栗山千明)が大好きだったいちごにピントが当たるカメラワーク…

あれは芸が細かかったですねぇ。

多くは語らずとも、速水の地道な研究と足跡が

彼女にどれだけ大きな影響を与えられたかに説得力がありましたもん。

 

前回は最上が小比類巻を変え、その恩を受けた小比類巻が今度は最上を変える。

事前準備とも言うのか、2人の過去に触れ、2人が変わるまでの過程を描ききった所で、

次回からはいよいよ黒幕であろうカーン(安藤政信)に迫って行くんでしょう。

 

ここまで長谷部は脇役寄りになってしまってはいるものの、

ドラマ内では2人がシリアスな雰囲気を纏わせる代わりに、

唯一癒しを与えてくれるポジションとして描かれているので、しっかり存在感を残せています。

そこで、今頃気づいたんですが、監督は羽住英一郎さんお1人だけで

今の所は全話担当されているんですよね。

1人の脚本家が全話担当するケースはよく見かけますが、

通常だったら監督は2、3人用意しているイメージがあるので珍しい…。

だから、回によって登場人物の描写や演出にブレがなく、

むしろ同じ監督だからこそ、回を重ねて安定感が生まれてくるんだと思っています。

 

で、新たな風を吹かせた所で、次回はなんとモキュメンタリー!?(笑)

別番組のCMかと錯覚するほど作りこまれた、ドラマ内バラエティのくだり…

個人的には、何年も前に放送された「喰いタン」のクイズ番組回が頭に過ぎりましたw

でも、また3話のようなオカルト方面に寄りそうで、ちょっと心配ではあるんですけどね。

 

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パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜 3話 感想|肉体に心は宿っているか否か

 

 

今回の事件は、蘇った遺体。

まぁまた…超常現象の方向へかなり舵を切った話になりましたねぇ。

しかし、その代わりに、初回と2話で描いてきた「なさそうでありそう」な

少しヒヤッとする近未来的要素は薄まったように思いましたし、

ネタ自体もミステリアスに見せてきた割には、真相はそれに見合わない

ショボいものになってしまった気がします。

 

主人公が科学者ではなく警察官だとは言え、サブタイトルにもある通り

取り扱っているテーマは"科学"なので、

小比類巻(ディーン・フジオカ)が妄想を語って"推定"で事件を終わらせようとするのではなく、

検証をし、確実な証拠を得て捜査をした上で解明して欲しいんですよね。

どうして遺体が歩き回っていたのか?の科学的根拠が乏しかった件については、

現実世界でも評論家や研究者、科学者によって唱える説が違う事はよくあるので、

"視聴者への話題のタネ"だと捉えればまだ流せます。

でも…土屋の背景に家族があって、小さい娘がいて、

その子が描いた絵を大事そうに見ていたという設定も盛り込めば、

展開の仕方によっては人情味のある少し捻ったオチに出来そうなものを、

「家族の思い出の場所に行きたかったのかもしれない」でやんわりと済ませるのは…

誰もが思いつく真相止まりでちょっと消化不良なのかなぁと。

せめて、娘の証言が出てきて土屋があの場所に行った理由が判明するとか、

他の警察が後から掴んだ情報を報告するとか、多少の補足的な描写がラストにあれば

まだ腑に落ちたかもしれませんが、

あの台詞で終わらせたのは、流石に強引な印象を受けました。

 

その事に付随して、今回まで見てきて勿体ないなぁと感じるのは、

最上(岸井ゆきの)の"天才科学者らしさ"が物語上で活かせていない所。

いや、確かに、長谷部(ユースケ・サンタマリア)も含めて

3人の個性はちゃんと確立されているのは伺えるんです。

でも、最上をどうしても天才科学者の設定にする必要性が見当たらないと言いますか…

彼女の活躍と言えば、小比類巻と1つの議題について双方の考えを提示するくらいで、

推理から真相解明まで全て小比類巻だけで完結してしまっているのが

根本的な原因なんだと思います。

情報を入手するなら三枝(佐藤隆太)だという信頼を寄せているように、

捜査や推理にももっと彼女を…欲を言うなら、唯一一般的な思考を持つ長谷部も絡める事で、

「それぞれ個性や境遇の違った3人が"チーム"として事件に挑む」意味が

出てくるのではないでしょうか。

 

研究室で再生研究が行われていた時点で「あ、ここは絡んでくるな」とは察しましたが、

真相に繋がるまでの手がかりも、いくら何でも偶然の産物が重なり過ぎて…(汗)

ご都合主義なのが目立ってしまったのも残念だったかなぁ。

前回の衝撃展開には見入ってしまうほどだったので、

次回でまた盛り返してくれる事を願ってます。

 

 

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パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜 2話 感想|愛はないが精神転送には成功??

 

 

前回に引き続いて「なさそうでありそう」と思わせる題材選びが

中々良い所を突いてきている作品です。

 

本作がもし数年前に放送されていたら、設定のどこもかしこも嘘臭く感じられて

一種の"ファンタジー"として流されてしまうものなのかもしれませんが、

「脳内チップ」と検索すれば、それに関する記事が何件もヒットする今なら、

(前回の感想と被りますが)近い将来起こりうるのかも…という恐怖心さえ覚えます。

内容自体もそれを反映していて、先端科学のワクワクする部分だけを取り上げるのではなく、

実現させる際に起こるデメリットや危険性、実験が成功して導入されるようになってからの世界も

じっくりと描写して行っているから、ついつい惹かれてしまうんですよね。

 

今回は、チップを脳内に入れ込まれた人体実験にまつわる事件のお話でした。

今野浩喜さんがゲストの時点で只事では終わらなそうな予感はしましたが、

「そこに愛はあるんか!」とは安易にツッコめないバッドエンドで…

自身が実験台になるのを止めない時の今野さんの白目演技と頭の装置の組み合わせ、

夢に出てきそうなほどゾッとしました…(汗)

劇中にかかったオペラもまた良い仕事をしていて、映像とのミスマッチ具合が

鮎川(今野浩喜)の科学に取り憑かれた頭のイカれっぷりを際立たせていたし。

精神転送に成功したかどうかは、微かに微笑むカーン(安藤政信)の様子で視聴者に察しさせて

あえて濁した終わり方も、次回も見たくさせるニクい作りだったと思います。

 

そして、もう1つ印象的だったのは、そんな鮎川のクレイジーさを描写した事で、

先端科学に常に興味を持つ小比類巻(ディーン・フジオカ)が純粋な心の持ち主である事を

さり気なく浮かび上がらせた人物対比の仕方。

鮎川が亡くなった時に駆けつけるでもなく、

唯一彼だけが立ち尽くす様子を長々と映していたのが物語っているなぁと。

一見、性格も価値観も全く違うようでも、

小比類巻が不老不死に興味津々になっている様子を見る限りは、

"科学にのめり込む"点である意味似た者同士とも言えて…

カーンも今後再び登場する匂いを漂わせていましたし、

そこにつけこまれそうな危うさを感じています。

そうならないように、小比類巻の行き過ぎた好奇心を引き止める立場として

対照的に用意されたのが

最上(岸井ゆきの)と長谷部(ユースケ・サンタマリア)の2人って所でしょうか。

 

科学にポジティブな感情を抱いている小比類巻と、

科学の発達を冷静に、客観的に捉える若干ネガティブ寄りの最上と、

唯一科学への知識に乏しく、視聴者側に近い考えを持ちながらも

捜査官としての仕事はしっかりこなす長谷部。

早くも3人のキャラにも安定感が出ているのも見やすいです。

 

次回は歩くご遺体との事で、小比類巻の妻の蘇生にまつわる

縦軸絡みの話が続きますね。

このまま"1話完結型の事件パート"と"縦軸"で切り離さずに、

事件を追う事で蘇生の手がかりを掴んでいく…という構成になっていくのかもしれません。

 

 

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パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜 1話 感想|科学には光も闇もある

 

 

科学×刑事ドラマねぇ…

敏腕な科学者が刑事と手を組んで事件を解決する作品や、現場検証が見所の作品や、

独自の科学捜査で真相に辿り着く作品など、過去にたくさん出尽くしたイメージがあって、

本作もまたいろんな作品の既視感を覚えながら見ていく事になるんだろうなぁと思い

あまり期待はしていなかったんですけど…

中々どうして、悪くなかったですね。

 

ロボットを取り調べる内容は過去に既に取り扱われてはいたし、

本来は人間が作ったプログラムを受理する機械なので、

「ロボットに意思がある」前提で進むのにはあまりにも画一的な気もしますが。

それでも、ロボット=人間と同等の"捜査対象"とみなして捜査が行われていく展開は

じわじわ来るトンチキ臭も漂いつつ、「もしかしたら起こりうるのかもしれない」という

少し先の未来も感じさせて面白い。

フォーマット自体は刑事ドラマと同じなんだけれども、ロボットに置き換えただけで

こんなにベタな話に映らないんだなぁ…と。

そして何より、小比類巻(ディーン・フジオカ)の設定も、ベタなドラマでやりがちな

変わり者で相手を翻弄していく科学者にするのではなく、

あくまでも刑事組織の1人で、唯一「科学は光」だと信じてやまない科学オタクという

キャラ付けにしたのも好感触でした。

科学者なのに"科学の闇"を見てしまった事で一度距離をとった友紀子(岸井ゆきの)との対比も、

珍しく狂気を纏っていないユースケ・サンタマリアさんのキャスティングも良い感じ。

 

ただ、強いて言うなら、事件パート(主に犯行動機)を

もう少し深堀りして描いて欲しい…って所でしょうか。

初回は初期設定の紹介があるから仕方ないとは言え、

話の半分以上は主要人物3人の馴れ初めや合流を重点的に描いていた印象が強く、

郷原内田理央)のLEOへの愛着や、LEOは犯人ではないと庇う様子など、

本作のテーマ「ロボットに意思がある」にも繋がる

事件のキーポイントとなりそうな場面は淡々と済まされていて、

ラストシーンに感情移入出来なかったのは残念。

まぁでも、小比類巻の縦軸も含めて、それぞれにどんな背景があり、

今後は何を描いていくのかも初回で掴めたので、

1話完結型のエピソードに本腰を入れられる次回からが本番なのかもしれません。

 

あと大事なのは、続きはHuluで!にならないかどうかかなぁ…(笑)

最終回終わってから発表ではなく、事前にお知らせしてくれるだけありがたいですけど、

どうも小比類巻の縦軸の件はシーズン2行きになりそうな気がしておりますw

そっちの方はある程度地上波で分かる範囲で見せてもらって、

事件パートが充実する事を期待します。

 

ところで…ディーンさんの主題歌は、今度はラップも取り入れているんですね。

インストのように作品の世界観に溶け込みながらも

つい口ずさんじゃう癖を残す塩梅が好きで、

ディーンさんのドラマ出演が決まった時はどんな主題歌になるのかと

毎回密かに楽しみにしている自分もいるのです(笑)

 

 

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