罠の戦争 5話 感想|権力側の人間になりつつある鷲津

 

 

選挙活動の様子をドラマで見るのは何だか新鮮。

でも、ただの「仕組み紹介映像」に留まらず、罠や探り合いを絡めながら

今回もちゃんと"本作らしさ"を保った作りになっているのが上手いですね。

 

亨(草彅剛)の対立候補は有馬(真田麻好美)になる訳ですが、

彼女のバックには総理・竜崎(高橋克典)がついている事を聞かされるのです。

で…総理の思惑を知った所で頭を過ぎったのは、

前回、鷹野(小澤征悦)から告げ口された「隠蔽に関わったのは永田町の人間」の件。

汚い手を使っているのだから、

息子の事件の隠蔽を操作しようとしたのもきっと彼なのかもしれないと思い込みます。

 

こんな流れで、本来復讐とは無縁の選挙と復讐劇の2つを結びつけていったのも

凄く自然だったのですが、

もう1つ「そう来たか!」と思ったのは、現実世界でもよくありそうな

(というか一部は実際にあった)政治界隈ならではの裏事情も盛り込んできた所。

例えば、ウグイス嬢の引き抜きだったり、

完全に忖度が働いてそうな応援団員の要請だったり、

市議会議員への活動費の提供だったり…

ニュースで取り上げられていた事柄を、亨を陥れるために用意した"罠"の1つとして

見せていたのも面白かったです。

 

あとは、今回の話の中心軸を担っていた「悪評を流すスパイが誰なのか?」

前回の感想でも書きましたが、ここは、亨を囲む人物が一筋縄ではいかない、

それぞれキャラクターが多面的に描かれている良さが活きた

エピソードになっていたと思います。

特に眞人(杉野遥亮)ですね。

兄を精神的に追いやったのは亨だと知っているのか?知らないのか?

仮に知っていたとしたらまだ恨みを持っているのか?

何を考えているのか、何の意図があって亨の復讐に協力しているのかが

中々見えてこない彼だからこそ、友達に牛丼をおごった件が

「わざとでは?」「もしかしてスパイでは?」と疑われるきっかけになってしまいました。

まぁ、結果的には違ったんですけど(個人的には貝沼を疑っていたんですけど、そこも違くてw)

一番身近な仲間が裏切る展開はドラマではお馴染みなだけに、

眞人(と梨恵)には最後まで味方でいて欲しい…と、

ちょっぴりハラハラさせられる気持ちになっちゃいましたね。

 

そして、最大の見所はやっぱり、草彅剛さんの演技で魅せる

主人公の"嘘と誠"の使い分けでしょうか。

情に訴えかける事で相手の心を絆していく展開もこれまた王道なんですが、

本作の場合は本音の演説もずる賢さから来るもので、

その時見せていた泣き顔も、自分が当選して事が有利に運ぶための作戦に過ぎなかったのです。

でも、息子と会う時には、心からの涙を見せる…

回を重ねるごとにどんどん人間臭さが出ています。

自分が嫌々やっていた事をやらせる側になっていると本人は自覚しているみたいですが、

演説しようとした瞬間「犬飼さんならこんな時、泣いて土下座してるだろうな」と思い立って

あの言動になった辺り、

犬飼(本田博太郎)を軽蔑はしているけど、秘書として長い間共にしてきた以上

彼の思考や人柄が無意識に移ってしまったんだろうな…と、

そんなちょっとした切なさも残りました。

 

市議会議員になった事で、ここから第2章スタート…といった感じでしょうか。

犯人に近づくにつれて、亨もかつて犬飼がいた権力側の人間になりつつあります。

犬飼と言えば…っていうのも変ですが。

梨恵のあの書類隠しの件は、やっている事は事件を隠蔽した人と同じになってしまうような?

引き続き、それぞれの動向が気になりますね。

 

 

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