2023年春ドラマ一覧

風間公親−教場0− 9話 感想|なんでそうなる?としか言いようがない。

 

 

プライベートの描写は女性刑事2人の時にはありましたが、

男性刑事の中込(染谷将太)の回でもガッツリやるんですね。

まぁ、ブツ切れで挿入していたとは言え、

母親役の余貴美子さんの佇まいも相まってか事件パートとの温度差を感じず、

終始ジリジリとした緊迫感を保った作りにはなっていたので

そこは良かったですけども。

 

中込のキャラクター自体も、何か才能が見込まれて送り込まれた

今までの刑事たちとは違い、完全なる問題児で、

風間(木村拓哉)と張り合おうとする様子は少し新鮮味がありますし。

前回に引き続き、"風間道場"らしく風間が指導する姿もしっかり描かれています。

ただ…肝心の事件パートは、前回はせっかく上手くヒントを見せていたのに、

また「戻っちゃった」って所でしょうか。

あまりにも無理くりな展開で、おいおい、いくらなんでも…と思えてしまうほどでした。

 

ドラマは基本フィクションであり創作物なので、

全てを全てリアルに寄せる必要はないとは思います。

しかし、本作のような「刑事モノ」、あとは「探偵モノ」…

つまり、トリックの解明や推理が物語の鍵を握る作品ともなれば話は違ってきて、

「いかに視聴者を納得させられるか」「視聴者がいかに推理を楽しめるか」

重要になってくる訳で。

"ご都合主義=ファンタジー"が度を超えれば超えるほど、視聴者も一気に興ざめしてしまい、

終いには作品の雰囲気も壊しかねない気がするんです。

 

仮に例えば、頭脳明晰な子供が大人顔負けの観察眼で真相を見抜く「名探偵コナン」や、

特殊捜査課の面々がみんな子供の「コドモ警察」、

今期で言うなら、赤ちゃんが事件解決に導く「育休刑事」などのような

ファンタジーを取り入れた作風だったなら、

「その手の作品だから」と割り切って楽しめたかもしれませんが…

本作の場合はいたってシリアスで、リアル寄りではあるんですよね。

でも、リアルな描写をしている割には、真相や着地点はファンタジー

以前でも書きましたが、やたらと重厚な演出&劇伴も含めて、

そのチグハグさが本作の面白味を損なわせてしまっているんだと思います。

 

そもそも、「倒叙ミステリー」の描き方もずっと疑問で。

犯人を先に見せれば良いってもんじゃないのでは?というのも引っかかるんです。

犯行に及ぶのが頷ける動機だったり、証拠だったりを

視聴者に前もって提示するのが「倒叙ミステリー」だと捉えているんですが…

事前情報もなく、ただ殺害する様子を描くだけなので、

その後の情報が全て後出しジャンケンに感じてしまうと言いますか。

一応"ヒント"のつもりで、前半部分で伊上(堀田真由)を病院に連れて行くエピソードを

挿入していたんでしょうけど、それも事件に繋がるのがあからさまで、流れとしては強引。

もっと経緯を冒頭に盛り込めば、内容にもついて行けそうなのに…

何だか粗っぽいんですよね。

 

それにしても、刺した時にカメラがスポーン!と出たんだと想像すると失笑もんですし…

大体、広島行きの往復列車が帰ってきたお陰で、証拠品が見つかったって…(汗)

もうこうなってくると、気を衒わない方が得策な気がするんですけどねぇ。

って、あと2話の段階で書いても遅いか……。

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 6話 感想|とにかく順調!順調すぎてやっぱり怖い。

 

 

今回は本編よりかは…会話や言葉から

若葉(生見愛瑠)と富士子(宮本信子)の根強い"親子"の形が垣間見えた所が、

一番印象に残る回だったかなぁと思います。

 

正式には祖母と孫ではあるものの、似てるな〜と感じる時が多々あるんですよね。

例えば、序盤辺りでサチ(清野菜名)や翔子(岸井ゆきの)に思っている事を

言語化してくれた感謝を伝えられるシーンがあったように、

若葉には、仮にふと思ったとしても、

それを認めるのが、口に出すのが恥ずかしいからつい避けてしまいがちな本音を、

遠慮せずかつ柔らかく包み込んで相手に届ける能力に長けている。

富士子も同じで、「役に立ちたいから邦子ちゃんを利用してしまっている」

旨の言葉なんて人前で中々言えません…。

プライドが先行して、自分の弱さやズルさをなるべく隠そうとするのが

人間の心理ではありますからね。

こうやって本音を伝える2人のシーンを各々用意する事で、

率直な気持ちを常に尊重する富士子の生き方が、今の若葉を作り上げたんだろう…という

画面上では表立って描かれない深い関係性を浮かび上がらせているような気がしました。

 

また、学校の詩の宿題にまつわるエピソードにもほっこり。

担任が低評価にしたのは…マジレスすると、

実際にサービス残業もあって心が疲弊している所で

図星を突かれた気分になってしまったのと、子供がそんな現実的な思考を持って欲しくない…

って理由から来ているんでしょうけれど(汗)

まぁでもやっぱり、長年育てて来ている訳ですから、

なんでこの詩の良さが分からないんだ!って怒りたくなる富士子の感情も頷けはするんですね。

この「自分の詩を肯定してくれた」思い出話のお陰で、

若葉には何があってもそばにいてくれる人がいて、

それが自分にとっての"支え"になり"救い"になっていたのだというのも分かって。

先ほど書いた事も含めて、本作の人物同士のやりとりを通して生まれる余白が

今回の個人的な余韻に繋がったのではないか?と思いました。

 

で、本編に関しては、もう「順調」の2文字ですね。

前回に引き続き、その順調さが逆に怖く感じるのは、

前半で胸糞展開が描かれたが故の後遺症なんだろうな…と(笑)

カフェ開発プロジェクトに関わる以上、

契約書を取り交わす様子が全く見られないのが不安ではありますけど、

とりあえずは…賢太(川村壱馬)の次回予告の前後も知れて一安心かな。

 

そうなってくると、今回は回想以外一切出番のなかった

まどか(矢田亜希子)と博嗣(尾美としのり)の動向が気になる所で。←毎回名前出してますねw

ここら辺、本当にどうやって解決させるつもりなんでしょうねぇ。

3人(+2人)にはこのまま幸せな道を進んで欲しいと願いつつも、

際どい悪役を登場させたのなら、変に同情心を持たせず、なぁなぁにまとめずに

きちんとカタをつけて欲しい気持ちも同時にあって、複雑ではあるんですよね…(汗)

 

 

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それってパクリじゃないですか? 8話 感想|これぞ "ワンチーム"!

 

 

おおお…本作を見ていて、まさか涙がちょろっと出る日が来るとは(笑)

月夜野ドリンクvs本物の怪物」でいつにも増してシンプルな構造だったのもあり、

今までの中で最もスカッとした回でした。

 

また、ここにきて、登場人物の多さが活きてきたんじゃないかと思います。

当初はただ「多いなぁ」くらいの印象でしたが…

今更ではあるんですが、本作の社員の年代のバランスって案外、

若者寄りか年配寄りのどっちかに偏るって事がなく、

新人から中堅、ベテランまで、それぞれ上手い具合に収まっているんですよね。

4話で北脇(重岡大毅)の弁理士になる決意が描かれ、

前回で又坂(ともさかりえ)の発明と発明者を守りたいという信念が描かれ、

そして今回では高梨(常盤貴子)の責任感の強さと

熊井(野間口徹)のブレない考えや上司ならではの頼もしさが描かれて。

他も含めて、そうやって個々の仕事へのプライドの高さが伺える

エピソードの積み重ねで少しずつ影響を受けていった亜季(芳根京子)が、

最終的には自前の真っ直ぐさで社内全体の根気を底上げして

勝利へと導くという流れが、まさしく"連携""ワンチーム"を物語っていて、

チームに愛着を持ちながら見られました。

 

それに伴い、いつもなら亜季や北脇が解決策を見出しグイグイ引っ張っていたはずが、

今回は2人の見せ場は若干控えめで、

代わりに、先輩や上司、社長を前面に出した事も

終盤の熱い展開に繋がったのではないでしょうか。

特に社長(赤井英和)…初めてかっこいいって思いましたよ。

赤井英和さんと言えば、やはり思い浮かぶのは某引越社な訳で、

本作の社長役にキャスティングされた理由が8話でようやく分かるほどでした(笑)

退職願を破く王道パフォーマンスも、交通費1万円差し出す洒落と懐の広さも

社長らしさがありましたし、

何より、一番「ビジネスに正義があったって良い」を体現していた人物だった気がします。

 

清々しい結末に合わせて、主題歌との相性も抜群でしたね。

ここも初めてしっくりきました。

風でも吹いてきそうな主題歌の軽やかなメロディが、

一仕事終えたチームの達成感や爽快感に拍車をかけていたと思います。

 

で、ボスも倒せたし、もうこのまま最終回で良いじゃん!と言いたい所なんですが…

残り2話は案の定、カメレオンティーの特許をあえて出願しなかった件で

話を膨らませる事になるんですねぇ。

ボスとは書きましたが、ハッピースマイルも敵側ではありますしね。

SNSでチラッと原作既読者の呟きを見た感じだと、さらに重〜くなるそうで…?

「やっぱり8話で終わりにした方が…」にならない締めになるよう願っております。

 

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風間公親−教場0− 8話 感想|「教場Ⅰ・Ⅱ」の面影を感じさせた回。

 

 

前回は…路子(白石麻衣)のプライベートな部分を強調しただけでなく、

風間(木村拓哉)が新人刑事への指導を放棄した(と捉えられる行動をとった)事で

かえって路子単体での台詞量やカットが多くなってしまい、

「マイペースで肝の座った新人女性刑事が主人公の刑事ドラマ」に見えたのはもちろん。

事件パート自体も憶測と後出しジャンケンが著しく、"刑事ドラマ"としても雑な作りで

今までの話の中で最も満足度の低い内容だったのですが…

今回は前回とは打って変わって、最も良質な印象を受けましたね。

 

何と言っても、風間の魅せ方が明らかに違うのです。

個人的には「教場」「教場Ⅱ」を彷彿とさせるほど、

今回で初めて、彼がちゃんと主人公に映りました。

例えば…序盤で風間が後から現場入りしてきて

路子や谷本(濵田崇裕)とやり取りをするシーンがあったんですが、2人を平等に描き、

"風間にとっての部下"である2人と"捜査チームにおいての上司"である風間で

2:1の構図を作る事で、風間の存在感を際立たせていたのもそうですし。

何より、"風間道場"らしく、路子に指導する姿が頻繁に描写されていて、

それに伴い、彼の些細なカットを増やしていたのも効果的だった気がします。

 

そして、いつもお馴染みの「風間に全て見透かされている」

不安や恐怖を生み出す演出も冴えていて…。

一度は玄関に人がいなかったはずが、名越(小池徹平)の動向を映してから

恐る恐るカメラをずらしていったら、風間がいると分かった時のゾクっとした感覚だったり、

終盤の路子への取り調べシーンで、風間が確信を突く言葉を言うタイミングで

寄りと引きでカメラワークに緩急をつけたりしながら、

彼がいかに洞察力に長けた人物であるかを映像&演出で見せていったのが良かったです。

 

で…最後には、相手を想いやる一面も持ち合わせている事を分からせるエピソードまで用意。

前回で、いつもなら前編で交番勤務を推奨するくだりがあるはずなのに、

路子の時だけなぜ…?っていうのが気になっていたのですが、今回のためだったんでしょうね。

捜査情報を漏洩し、薬物絡みの彼氏と同居していた以上(調べが入るはずなので…)、

路子が交番で再起を図れるのは現実的ではないのかもしれませんが、

私はこのオチは中々好みでした。

風間流に言い換えて真似た「何となくだが」という、普段なら絶対言わないであろう発言は、

これからどうして行きたいかはお前が決めろ。俺は陰ながら応援するだけだ…みたいな、

さり気なく背中を押してくれているような彼なりの優しさと洒落を感じさせましたし。

回復に向かいつつある遠野(北村匠海)に「時間はかかるが、復帰出来るそうだ。」と

声をかけてからの交番で働く路子への場面転換も、

彼女の今後を願っているようにもとれて、秀逸な流れだったと思います。

 

そんな訳で今回は、"指導官"として、優れた刑事として、上司として、1人の人間として…と、

風間のいろんな顔を見られた点で充実感を覚えました。

事件パートも、基本は倒叙ミステリーなので、犯行の過程は明かされはするんですけど、

今回は視聴者に「ん?」と思わせるポイントを提示するなどして

いつにも増して親切設計だったのが良く、疑惑が確信へと変わっていく様を

畳み掛けて見せていく形をとっていたのが面白かったです。

 

本当、今回のようなお話が初回から描かれていれば、

脱落者ももう少し減ったんじゃないでしょうかねぇ。

車を使ってのダイイングメッセージとか、学校の銅像の溶接とか、

大皿で体液を全て受け止める…とか、

今となっては、トンチキ要素濃い目だった前半が懐かしいです(笑)

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 5話 感想|どうしてもハラハラしてしまう

 

 

ここまで、悲しい→幸せ→悲しい→幸せ と、1話ごとに真逆の展開を繰り広げてきた本作。

じゃあ順当に行けば、今回は3人に不幸が訪れる番になるのか?と思いきや、

意外や意外、何事もなく終わりましたね。

でも…「順調」「安心」とも言い切れず、少し構えて見ていたのもあってか

エピソードや台詞の節々にどうも不穏な影を感じてしまうのです(泣)

 

今回気になったのは、3人それぞれの友達への接し方で。

今まで孤独な人生を歩んできた分、何でも話せて心を開ける友達が初めて出来た嬉しさは

3人の様子から十分に伝わってきますし、喜ばしいのは確かなんですけど…

同時に、初めての友達だからこそ、

(言葉は悪いですが)相手への依存度の高さも垣間見えるんですね。

例えば、3人のLINEへの使用頻度が高かったり、

サチ(清野菜名)と若葉(生見愛瑠)が、送ってから数時間後にもかかわらず

翔子(岸井ゆきの)の返信が来ないと不安がっていたり、

終いにはサチが翔子の自宅まで押しかけてきたり…

とにかく、友達に対してゾッコン!と言ってもおかしくないんです。

 

中でもちょっと心配なのは

「田舎暮らしが故に、2人と物理的な距離感を感じる」人物に描かれていた若葉の立場で、

カフェの写真が中々上げられなくて焦っていたのもそうですが、

サチと翔子の2人が向こうにいて、しかも翔子のプライベートな話を

自分だけ聞かされていない事が後で判明したら、

仲間外れだと感じてしまうんじゃないか?とも思ってしまいました。

これは考え過ぎなので軽く流して欲しいんですけど、

ブランコに3人が乗るシーンで若葉だけが逆方向に揺れていたのも、

「人生っていうのは、信用出来る人と出会うための長い旅」発言を彼女がしたのも、

3人の関係性にヒビが入って、連絡が途絶えてしまうのを示唆しているようで

何だか意味深だったんですよね…。

 

以前の感想にも書いた通り、私自身も会って遊べる友達が極めて少なくて。

その友達が他の友達と遊んでいるのを知って嫉妬し、

その友達の事で頭がいっぱいいっぱいになって

しばらく泣いて、モヤモヤした時期もあれば(重い話ですみません)。

この人となら仲良くなれそうだと思えた相手にはずっとベッタリで…

っていう経験を学生時代にしてきたからこそ、

3人の友情に共感するとともに、ただ幸せなだけでは終わらないんだろうなというのも

感じ取れてしまって、今回の内容は終始複雑な気持ちで見ておりました。

 

それに加えて、まだ本格始動していない

まどか(矢田亜希子)と博嗣(尾美としのり)、田所(橋本じゅん)の動向がありますからねぇ。

博嗣と田所がつるむ事によってゲスな部分が相殺されるのが一番良いんですけど、

だからと言って急に漂白されるのも「違う」って思っちゃうので…

ここら辺をどう解決していくのかも気になります。

 

不穏な展開が続く中、唯一スカッとさせられたのは若葉の退職シーンで、

彼女が本音をぶちまけ始めたのには、最初は、夢か?妄想か?なんて想像したりもしましたが、

空気の読まない鳩時計のタイミングに妙なリアリティを感じてしまいました(笑)

彼女にはあの職場から抜け出して欲しいと思っていたので、そこは良かったです。

 

賢太(川村壱馬)が怪しい疑惑を浮上させていた次回予告も含めて…

いやはや、何だかんだで、本作が今期の中で最も先の読めない作品になってきてますね。

いつも"節"が炸裂している岡田作品にしては、本当に珍しい…。

 

 

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それってパクリじゃないですか? 7話 感想|特許の怪物をスカッと撃退!

 

 

ある日ふと本作の視聴率を調べてみたら、

2話以降は5%も取れていないとの事で意外だったんですけど…

題材的にやっぱりお堅いイメージが先行しちゃうのと、

主人公のキャラクターで好き嫌いが分かれやすいのと、

あとは…同じ水曜ドラマなら、裏の方が気楽に見られるのが関係しているんでしょうかね。

 

しかし、ここまで見てきて、回によって内容の質にムラはあるものの、

"エンタメ"として学べて楽しい作品に着実に仕上がっているんですよねぇ。

それに何だかんだで、一社内で物語を展開していくという構成が

連続ドラマならではの醍醐味を生んでいると思うんです。

一概に「特許」とは言っても、今回のような死蔵特許やパテントトロールとか、

分割出願とか、意味合いが全く違う関連用語がたくさんあって、

専門分野でなければ案外知らない。

だから、1つの軸を定めた方が「様々な特許問題に立ち向かう月夜野ドリンク」で

対立構造も見やすくなれば、回を重ねるごとに視聴者も

健気に頑張る登場人物への応援の気持ちが強くなって、

そこが本作の面白さに繋がっているんですね。

 

今回の内容については…先ほど挙げた用語2つに加え「先行文献」も出てきて

やや情報過多で終わりそうなのを、

勧善懲悪というキャッチーで馴染みやすい話にまとめ上げていた所に

作り手の工夫を感じさせました。

そして、7話の段階で、珍しく1話完結で終わらせなかったのも上手いタイミングだったなぁと。

簡単に言えば、ちょっとしたRPGなんですよね。

7話までともなれば、特許に関する知識や興味を持ちつつある視聴者も多い訳で、

ある程度学んだ上で"強敵(中ボス?)"を登場させる事で

いよいよクライマックスが近づいてきている実感も湧きますし、

同じく力をつけてきた知財部の面々が、強敵を相手にどう戦うのか?という

新たな盛り上がりどころも出てきます。

 

青山製薬堂にまつわるエピソードも、ほのかな人情味があって良かったです。

特許を出願していれば、その出願した本人がもう亡くなっていたとしても、

本人が時間をかけて大切にしてきた発明やこだわりは

今も商品の中で生き続けている事だってある…

妻も含めて、2人の想いを汲み取ってくれる北夜野ドリンクの人たちの優しさに

今回もほっこりさせられました。

現実世界では中々そうは行かないだけに…ね。

 

特許が絡んだ内容が何話か続く本作ですが、

勧善懲悪で見せたり、優しいオチに持ってきたり、若者成長記仕立てにしたりと、

マンネリ感を覚えさせないのも、よく出来ていると思います。

 

 

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風間公親−教場0− 7話 感想|女性刑事回の時だけに感じる違和感…

 

 

まず初めにおことわり。

出演者さん自体は好きな方ですし、ご本人には決して罪はないと思っています。

これを理解していただいた上で、感想を読んでいただけたら…と思います。

ではでは…

 

 

「知らんけど」のノリで「何となくですけど」をつい言ってしまう

路子(白石麻衣)の回がスタート。

同じく女性新人刑事である隼田(新垣結衣)の回が、刑事モノであるにもかかわらず

プライベートの描写があまりにも切り刻んで盛り込まれていたため、

今回も不安を抱えながら見始めましたが…

う〜ん…どうやら、その不安が的中したみたいですね。

 

隼田の時は、原作が原因なのか、脚本・演出が原因なのか判別がつかない状態でしたが、

最後まで見て、原作を未読の私でも、これは確実に後者が原因では…?と

思えてしまうほどでした。

 

男性刑事の時には深掘りされない"公私の私"の部分が、

なぜか女性刑事の時に限って深掘りされる。

捻くれ者の考えですみませんが、女性刑事側のキャストを踏まえると、

どうも大人の事情が絡んでいるように見えて仕方ないのです。

しかも今回の場合、特に異様だったのは、

路子単体でのカットや台詞の多さ、終いにはサービスシーンまで用意されていた所。

彼女といると調子が狂うのか、自身の目の事や遠野(北村匠海)が気がかりで

仕事に集中出来ないのか分かりませんが(だったら休んだ方が…とは思いますが)、

指導官であるはずの風間(木村拓哉)も本来の職務を途中で放棄していて、

お世辞にも「風間道場」とは言えない仕上がりになっていたのはもちろん。

その分、路子が自分のペースで捜査する描写が増えて、

「度胸のある新人刑事が活躍する刑事ドラマ」の作風へと

変わり果ててしまったような気がします。

 

でも、単独で捜査していた割には、本人の口から語られるのは

確実な証拠ではなく妄想ばかりですし。

ウインドブレーカーを頑なに脱がないのが気になるなら、

あの場で「なぜ脱がないんですか?」と聞いて反応を伺えばヒントに近づいた上に、

大体、業務で忙しいであろう刑事2人と事務員を巻き込んで徹夜で寸劇を練習する暇があったら、

その時間を捜査の時間に回した方が効率的では…とも思いました。

で、最終的には風間に「仕留めて」もらうという(苦笑)

事件パートの結末自体にも、女性には妙に甘い風間の対応にも

モヤモヤさせられっぱなしでしたね。

 

というか、遠野が勝手に飛び出していったとは言え、

風間には何のお咎めもないんでしょうかね?

遠野と同じで彼もかなり被害に遭っているのに、

事件の翌日にはもう現場復帰出来ているのも含めて…

何週間か時間経過させてからの今回…の方が、

まだここのツッコミどころも減ったのかもしれません。

 

軽い雰囲気をまとった物語に対しての重厚な世界観作りも

いつも以上にチグハグになっていて。

メインテーマが流れるタイミングも「えっそこで!?」って感じで、唐突感が凄かったです。

演出家が新しく担当されたのかと思って後で調べてみたら、

まさかの中江功監督だった事にびっくり(汗)

次回も引き続きの路子回なので、もうあまり期待出来ませんが、

内容にしても、演出にしても、次で少し"マシ"になるよう願うしかないですかね…。

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 4話 感想|あるあるが詰まった友達事情

 

 

いやはや…"分かってる"作品だなぁと、つくづく思います。

これは主観にはなってしまうんですが、

3人の関係性に感情移入して好んで見ている視聴者は、

日常生活でも人付き合いが苦手で、自身の言動で1人で悶々と後悔する事もしょっちゅうで、

そもそも、今でも連絡が取れる友達も数えるくらいしかいない…って方が多い気がするんですね。

つまり、自分に自信が持てず、内面にコンプレックスを抱えている人々ばかり。

本作は人物描写やエピソードの膨らませ方などで、

そんな視聴者心理を掴むのに長けている印象にあります。

 

今回は3人の友達事情が明かされた訳ですが、

誰か一方…ではなく、それぞれに自身の経験談と重なる部分があり、

またしても共感しながら見てしまいました。

甘え下手が故に余計な事を言ってしまって落ち込んだり…

自分に話しかけてきてくれたのが嬉しくて、その子にグイグイ近づいてしまったり…

仲良くなっていたつもりが、気づけばいつの間にかハブられてしまったり…

3人から語られる"過去"はとても切なかったです。

そして、過去を打ち明ける台詞をナレーション仕立てにし、

その間は、3人の学生時代=回想と、スイーツ交換や服選びでわいわい楽しんでいる

現在のシーンを交互に見せる演出も効いていて。

苦い想いをしてきたからこそ、今度は最後までみんな幸せでいてくれると良いな…

という希望(=願い)を感じると同時に、

最初は仲が良いと思っていても、またあの時みたいに傷ついてしまうのではないかという

3人(特に翔子)の不安な心境も浮かび上がらせてもいるようで、

それがより、ハッピーエンドで終わって欲しい気持ちにさせられました。

 

3人の友達事情はもちろん、まどか(矢田亜希子)やサチの父・博嗣(尾美としのり)の動向と、

見ていてしんどい部分もあるんですが、

何だかんだで、しんどい…重い…だけで終わらないストーリーの緩急の付け方も

よく出来ているんですよね。

どんなに辛かろうが、ちょっとした事で救われたりもするし、笑顔になったりもする。

前回のラストの時点では、今後どう進めていくのか不安ではありましたが、

"明と暗"の匙加減が上手いなぁと思いました。

個人的には、若葉の祖母・富士子(宮本信子)の家にまつわるエピソードも本作らしくて、

今あの家に住んでいる人が誠実な人だったと知って

安心したかのように帰ったくだりなんかは、

「世の中には良い人もいるもんだな」という富士子の心情を思わせて微笑ましかったです。

 

みね(岡山天音)を誘うシーンも良かったですね。

女性との方が波長が合う…って男性は、私のクラスメイトにもいましたからねぇ。

ラブストーリーやラブコメディならともかく、

以前のドラマなら(今も時々見かけますが…(汗))

男女一緒になれば途中からでも恋愛話を絡められがちだった分、

そういった固定観念をなくして、

あくまでも友達の関係性だと貫こうとする描き方にも好感が持てます。

 

で…ラストはまさかの計画。

岡田脚本だと考えると意外にも意外、毎回ジェットコースターな展開で

良い意味で振り回されるんですよね(笑)

まぁ、3人がそれぞれで幸せになる可能性は低いだろうと思っていましたし、

最終回付近でそんなオチになるのかも…とは予想していましたけど、

恐らく中間地点であろう5話でその話を持ってくるとは。

ってなると、賢太(川村壱馬)や邦子(和久井映見)も計画に関わってくるのかな?

でも、今回が幸せな感じで終わった分、次回はまた辛い話で終わりそうな気がするので、

少し覚悟せねば…ですね。

あの2人が再びお金の匂いを嗅ぎつけて来そうですし…(泣)

 

 

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あなたがしてくれなくても 5・6話 感想|悶々とした中でただ1人…

 

 

感想がかなり溜まっている上に、今から1話ずつ記事作成するのも大変なので

2話合体感想(&超簡単感想)とさせていただきますm(_ _)m

 

5話「何があっても傍にいるから…」

 

みち(奈緒)は立ち止まる人。新名(岩田剛典)は追う人。

楓(田中みな実)は追いかける人。

そして、陽一(永山瑛太)は置いていかれている人…ですかね。

それぞれの立ち位置が浮き彫りになった回だったと思います。

 

家庭パートが増えた楓については、そんなに仕事を早く切り上げられるんだったら

なんでもっと前からやらなかったのか…

今まで完全に新名の優しさに甘えていたよね…と思わなくもないですが、

個人的には、4人の中だったら彼女に一番同感出来るんですよねぇ。

人間、案外完璧な生き物じゃないっていうのはもちろん、

そもそも彼女だけ浮気していなくて、落ち度が低いっていうのもそうなんですけど(笑)

相手を落胆させたのを自覚して、このまま自分の元からいなくなってしまいそうな恐怖から

以前の信用を取り戻そうと張り切り過ぎてしまう心理は

私も経験した事があるので、彼女が急に家事に専念するようになるのもよ〜く分かるのです。

ちょっと違うかもしれませんが…親に怒られて冷たい態度を取られた子供が

泣きながら「もう〇〇しないから!」と説得するのとも似ているのかも?

 

また、みち→新名、新名→みち、楓→新名 で

3人が矢印が一方通行の三角関係を繰り広げている中、

陽一だけは人付き合いの根底である「人の気持ちを理解する」とは何なのか?に

向き合っていて、彼らとは同じ次元に立てていないかのような描写も

中々心に来るものがありました。

今回の陽一は、どちらかと言うと脇役の立ち回りに近くて。

それが暗喩的に、みちの彼に対しての気持ちの度合いを物語っていて

少し切なかったです…。(冒頭で「置いていかれている人」と例えたのもそのため)

 

そんな流れがあってからの、姉からの「子供を預かって欲しい」エピソード。

直前で新名家のすれ違いエピソードが描かれただけに、

みちと陽一が子供たちと楽しそうに過ごしている図が、

2人が無事に赤ちゃんを産んで、家族を作るという

未来や希望を映しているように思えたのは気のせいでしょうか。

 

姉の言葉が刺さって、ここから再生してくれると良いんですけども…

でも、まだ中間地点なのでまた一波乱はありそうです。

 

6話「燻る恋の炎…裏切りの告白!」

 

やってくれたなぁ…陽一(汗)

訴訟で傷ついている三島(さとうほなみ)に「俺、あいついないとダメだから」と言ったのも、

夫婦を続けて、みちを幸せにしなければいけないという義務感が滲み出ているようで

引っかかりは覚えていましたが、

「みちだけ」発言はもう…その重圧に押し潰されて出ちゃったって感じでしたね。

 

LINEに返信する時のモノローグは感情が死んでいるし、

旅館のパンフレットは無の表情で見ているし、

みちの言葉を後々反芻しては、どんどん気が重くなっているし…

今回は彼の負の心情がこちらにも乗り移ってくるようで、見ていて苦しかったです。

 

永山瑛太さんが「どうしようもない奴」を演じるのが上手いから、

みちと同じでつい魅力的に映ってしまうんですよねぇ。

やっぱり役者さんだなぁ…と思ったのは、終盤で陽一が食器洗いをしている際の手の動きで。

最初は普通に動かしていたのが、みちが旅館の話題を出した途端に

ちょっとずつちょっとずつ手の動きが鈍くなっていくのが、

今度は何言われるのか…と内心ビクついている陽一の心境を表しているようで

芸が細かいなぁと驚かされました。

 

前回に続き、4人のすれ違いは加速していき…

みちと新名がばったり会いそうで会わなかったのも、

実に「人生そう上手くいかないあるある」でもあり、ドラマチックな展開でもありましたね。

 

次回予告は楓とみちとの対面シーンで終わり。

田中みな実さんの低音ボイスを聞いたら興味が増す訳で…

いやはや、盛り上げどころを分かっていらっしゃる作りです(笑)

 

 

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それってパクリじゃないですか? 6話 感想|"尊重"が伝わる話はやっぱり見ていて気持ち良い。

 

 

今まで扱われなかった「知的財産」を題材としたドラマを作る難しさから来ているのか、

回によって内容の質に差があるのが気になる所ではありますが…

今回は良い方向に転がりましたね。

 

「やばい」「曖昧」といった言葉を会話に度々散りばめる事で

視聴者に何か"伏線"になっていると思わせ、

最終的に特許出願に向けての解決策が見つかる形で、その伏線をさらっと回収していく様は

ちょっとしたミステリーの趣も感じられて面白かったですし。

何より、純粋に見ていて気持ちの良い内容でした。

個人的には、(今回を除き)現時点で本作の中で一番よくまとまっている印象のある

3話に近しい味わいがありました。

 

前回の感想で知財部の面々の空気感の良さについて触れましたが、

彼らだけでなく、会社の社員たちみんなが

"一緒に働く仲間"を尊重してくれる優しい性格に描かれているのが

今回の出来に繋がったんじゃないかなぁと思います。

共同開発をしている学生3人は確かに青臭い部分が目立っていましたが、

劇中でも言われていたように、

「自分の努力や熱意がそのまま評価基準になる世界」で生きている学生と

「会社を守るために調整を重ねる」日々を送っている社会人とでは

当然、目の前の案件に取り組む目的も違ってくる訳で。

3人の未熟さを突いて、これが社会の流儀だから〜と威張るのではなく、

意思を汲んだ上で、じゃあどうすれば双方が納得行くのかを考え、

自分が今出来る事を探しては最大限に力を発揮し

1つの物事を成し遂げるまでの過程をコツコツと描く…

彼らの様子から仕事のやり甲斐や希望が画面上で伝わってきて、

明るい結末に微笑ましい気持ちにもなれました。

 

それに、私はどっちかと言うと、

今までの経験上、つい学生に感情移入してしまいがちなので(笑)

3人にとっては貴重な社会体験を味わえたんじゃないか…

今後社会人として生きていく上で一生忘れられない思い出になったんじゃないか…と、

そんな余韻も残りましたね。

 

肝心のカメレオンティーの件は、"その後"がどうなったのかが

ずっと気になってはいたので、言及されてスッキリ。

ケンタッキーの例を交えたりして、

特許出願をあえてしない理由の説明も分かりやすかったです。

企業秘密ってやつですね。

これまで本作では「陣取り合戦」「陣」がキーワードになっていて、

「特許を取るために、確実に迅速に動く」を最終目標とした回が多かっただけに、

出願しない事がブランドの価値を維持する手段の1つにもなると知った時は

目から鱗が落ちたようでした。

 

で、その件を知っているのが社員数名と高梨(常盤貴子)と社長(赤井英和)だそうで。

でも…社長に言っちゃって大丈夫なの?と思える自分もいてw

いや別に、企業のトップだから、伝える事自体何もおかしくはないんですけど、

なんせねぇ…初回で社外秘のキラキラボトルの試作品を

持ち込んで見せた人ですから、信用ならないんですよ(爆)

 

北脇(重岡大毅)は「賭け」と言っていましたが、ドラマですから…

最終章辺りでカメレオンティーの情報漏洩事件が起きて、

大波乱を招く展開が来るんじゃないかという気もしております。

五木(渡辺大知)に話を聞かれた疑惑も浮上してきましたからね。

 

 

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