2020年04月一覧

2020年 冬ドラマ 総括|不作の中にも良作あり

 

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どうも、りんころです。

えっと〜…あまりにも遅い総括記事の投稿になってしまってすみません!!!

別に体調が悪かったとかそういう訳ではなく、いつも通りピンピンしているのですが、

冬ドラマの締めが4月に入るからまだ良いか〜…春ドラマが続々延期しているからまだ良いか〜…

なんて先延ばしにしていたら、もう4月中旬を迎えてしまいました(滝汗)

 

通常であれば1作品ずつ、総括用にオリジナルのコメントを書き残していく

スタイルをとっているのですが、投稿が流石に遅過ぎるので、

今回にかぎっては「最終回の感想の一部を引用、再編集(+その他書き残しておきたいコメント)」

という形式で、超ざっくりとランキングを発表させていただきます^^;

 

 

ちなみに、視聴前に付けた期待度ランキングはこんな感じ↓

1位 コタキ兄弟と四苦八苦(テレ東・金深夜)

2位 パパがも一度恋をした(フジ・土11)

3位 テセウスの船(TBS・日9)

4位 病室で念仏を唱えないでください(TBS・金10)

5位 アリバイ崩し承ります(テレ朝・土11)

この中から1作品がTOP5に入る結果となりました。

最近、私の読みが外れるなぁ…(笑)1本はリタイアしちゃってますしね。

 

これはあくまでも個人的なランキングです!!

下に行くほど褒めるだけでないコメントも出てきます。

(そして、いつも程ではないものの、全部のランキング付けと振り返りをしただけあって

ボリューム大な記事となってます。お時間のある方にオススメ。)

ではでは…

 

 

2020年 冬ドラマ ランキング

 

視聴した17作品の順位を発表していきます。

※上から
順位 タイトル(放送局・曜日・時間)視聴前期待度(最大:★5つ)
という構成になっております。

感想記事のリンクも貼ってあるので、詳しい内容を見たい!という方は、よろしければ。

 

 

1位 最優秀作品賞

心の傷を癒すということ(NHK総合・土曜21時)★★★

 

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全4話という短い話数だけあって、時間経過の描写は確かに多かったものの、

この世界の登場人物にはそれぞれの"生きた時間"があり、

駆け足を一切感じさせない脚本と演出がとにかく素晴らしかったです。

 

劇伴の緩急のつけ方も良く、わざわざそれで煽ろうとしなくても

「無音」と「行間」を使いこなせていれば、緊迫感溢れる雰囲気は

しっかり作れるのだとも証明してみせたと思います。

 

また、柄本佑さん、尾野真千子さん、濱田岳さんなど各キャストの演技力の高さと、

桑原亮子さんの脚本力も含め、

「こんな演技もされるんだ」「こんな優しい世界観も生み出せられるんだ」など…

全てにおいて新たな発見・収穫を得た作品でもありました。

 

個人的には「調査力の高さ」「"余白"のとり方の上手さ」

「数字を取る事を最優先しない独自の題材選び」において信頼を寄せているNHKドラマで、

また1つ名作が誕生しました。

 

震災を取り扱うと、当時被災者だった方々のトラウマを抉る事にもなってしまいかねません。

しかし、本作に関しては、伝えるべきメッセージは伝えると同時に、

「"その時代"を確かに生きていた人々」の心情、そこから生まれる繋がりの温かさも

丁寧に描いてみせました。

 

それを全4話でまとめたのもポイントが高いです。

ぜひ、毎年放送して語り継いでいって欲しい作品です。

 

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2位 優秀作品賞

アライブ がん専門医のカルテ(フジテレビ・木曜22時)★★★

 

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「病気を抱えた患者」「それを治療する医者」という単なる二者の関係を描くのではなく、

あくまでも「がん」はベースとし、家族を、人生を、自分にとっての生きがいを見つめる

きっかけを与えてくれる作りでした。


ドラマチックに仰々しい台詞や動きを加えず、

登場人物の抱える心境を「行間」を用いて等身大に映し出す作りは、

個人的にはNHKが得意としているイメージがありましたが。

視聴率のためにと忖度しない、奇を衒わない作品を民放でも作れてしまうのだという、

ドラマ…いや、量産され続けて世間では飽きが来つつある医療ドラマの「可能性」を

感じさせてくれました。

 

最初は「あの某後出しじゃんけんのドラマの脚本家だからなぁ…」という事で

あまり期待していなかったのですが、 安易に がん=お涙頂戴のアイテム にしない

内容の質の高さに、回を増すごとにみるみる引き込まれてしまいました。

患者エピソードに関しては、1位の作品と肩を並べるほどの出来栄えです。

 

強いて言うなら、やはり縦軸部分の絡ませ方が勿体ない部分がありましたが、

それでも大好きでした。

残りの人生とは?パートナーとは?家族とは?

がんを通して、たくさん考えさせられる作品でした。

 

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3位 作品賞

死にたい夜にかぎって(TBS・火曜25時28分)(-)

  

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本作の魅力はやはり「多くを語らない」所にあり、

美術館でずらっと展示されている1枚1枚の絵を、自分のペースで、

自分なりに解釈しながら鑑賞する…そんな作りのように感じられました。


周りから見たら「ろくでもない」かもしれない立場にいる人々を

視聴者にも共感してもらえるように、

優しく、温かく照らし続けた、作り手のセンスが光った作品だったと思います。


個人的には、世間では「福田ファミリー」の一員として見られがちな賀来賢人さんをはじめ、

今後のドラマ業界のポテンシャルを感じさせてくれました。

 

初回の時点で、私の好みにドンピシャだったんですよねぇ…。

ああ、やっぱり、世の中にどこか生きづらさを抱えながら過ごす人に

焦点を当てた話が好きなのだと、改めて気づかされた作品でした。

 

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4位

コタキ兄弟と四苦八苦(テレビ東京・金曜24時12分)★★★★

 

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入れ替わりネタからトランスジェンダー、ファンタジー的コメディ、ホロっとさせられる話など、

1話完結パートだけでも コタキ兄弟を通して

変幻自在な世界に誘(いざな)ってくれる充実感がありましたが。

終盤になるにつれて「まさかそこが繋がっていたとは!」という、

思わず初回から見直したくなってしまうようなサプライズも施されていて、

全てにおいて抜かりがないな…と意表を突かれた作品でした。

 

不器用さが何とも言えない哀愁を漂わせた一路と、飄々としてちゃらんぽらんな二路の

苦味渋味を効かせた兄弟のキャラクター造形も秀逸でしたが、

そこにお茶目でありながらもしっかり者でもあるさっちゃんも加わる事で

ボケツッコミのバリエーションが広がったようにも思え、

3人の間から生まれるやり取りにも毎回クスッとさせられました。

 

古舘寛治さんと滝藤賢一さんに関しては、テレ東ならではのアングラでちょっとユルい

世界観にハマるのだろうという期待を寄せていましたが、

芳根京子さんも最初の段階で何の違和感もなく溶け込めていたのが、個人的には一番の収穫。

さっちゃんという役をサラッと愛らしく演じてみせたのが大きいのかもしれません。

 

ドラマ24」枠らしさと、脚本家・野木亜紀子さんの強みをどちらも打ち消す事なく、

絶妙な塩梅でいいとこ取りした作品に仕上がっていたと思います。

三番目と四番目の兄弟は恐らくネタでしょうが(笑)

スペシャルでも良いので、また続編が見たいです。

 

 

※1、2、5、6、8話の感想を投稿しています。

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5位

女子高生の無駄づかい(テレビ朝日・金曜23時15分)★★

 

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笑いのツボが合うのかどうか…という点で、始まる前までは全然期待していなかった本作。

しかし、最終的には一番のダークホースとなりました。

 

学校を舞台にしているのもあり、バカ、ヲタ、ロボの他にも

マジメ、ロリ、ヤマイ、マジョ、リリィと特徴的なキャラクターがどんどん増えてくるので、

主役3人の存在感がそのうち薄まってしまわないか…話がゴチャゴチャしてしまわないか…

という不安もありましたが、

そんな不安も綺麗さっぱりなくなるほど、構成の上手さが特に際立っていたと思います。

 

1話の中に軸を設けず、それぞれの日常を短編集としてまとめて

1時間内で次々見せていく手法に新鮮味が感じられたのは勿論ですが、

それに加えて、良い意味で「役者の無駄づかい」とも言えるような、

あの役者がこんな役を!?という漫画ちっくなキャラクターを堂々と演じてみせる

演技力の高さも堪能し、どちらにおいても飽きずに楽しく見られる事が出来ました。

 

小劇団の脚本家が手がける…というのも、作品の成功に繋がったのではないでしょうか。

女子高生役が似合ううちに、こちらも是非続編としてまたお会いしたいです。

 

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6位

病室で念仏を唱えないでください(TBS・金曜22時)★★★

 

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視聴前は、僧侶と医者を掛け持つ主人公の奇抜な設定で

コメディテイストになるのかと予想していましたが、

いざ最後まで見てみたら、中々どうして、医療ドラマとして"魅せる"部分と

コメディパートが良い塩梅で仕上がっていたと思います。


医師も完璧なスーパードクターではなく、患者と同じ一人の人間であり、

常に"煩悩"と隣り合わせで生きているという事。

ドラマの中にはハッとさせられるような、素直で的確な言葉が刻まれていた事。

人の繋がりの価値、温かさを教えてくれた事。

ちょっと話は逸れますが、これらの点では今期の同じ医療ドラマである

「アライブ」とシンクロする部分が多々あり、

最終的にはどちらも、どの登場人物にも共感出来て愛おしくも感じられる、

お気に入りの作品となりました。

 

本作らしさが出るのに少々時間がかかりはしましたが、

その分、最後まで見てきて良かった…というカタルシス(?)も得られました。

どの役者さんも軒並み演技力が高かったですが、

中でも、ムロツヨシさんは、世間的なイメージとは違う役柄を見事に演じ、

爪痕を残せたんじゃないかと思います。

 

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7位

パパがも一度恋をした(フジテレビ・土曜23時40分)★★★★

 

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この手の話だと終盤がどんな内容になるのかの想像もしやすいですし、

最終回でオールスターが駆けつけるというのもベタofベタではあるのですが、

登場人物それぞれから「大切な人に対する思いやり」「何かを失ってしまった後悔」が

感じられる心理描写が丁寧になされた分、手にとるように共感出来、

愛着の持てる作品に仕上がっていたと思います。

 

最初は「何でこんなほんわかラブコメが オトナの土ドラ枠に!?」という違和感がありましたが、

一般受けしづらい(褒めてますw)カオスなやり取りや下ネタの盛り込まれ具合を見るに

深夜枠に放送したのも頷ける所があり、

そういう意味では、個人的にはサイコスリラーかドロドロ不倫劇の印象が強い

「オトナの土ドラ」枠の新たな可能性を見出した作品になっていたとも感じさせられました。

 

「もみ消して冬」での経験が活きたような小澤征悦さんのコメディエンヌっぷりも良かったですが、

本作で一番驚かされたのは塚地武雅さんでした。

見た目はおっさんでも、声色や仕草でちゃんと多恵子だと分からせる説得力の強さ!

仮に芸人を辞めたとしても、役者として長く生き残りそう…。

 

 

8位

僕はどこから(テレビ東京・水曜24時12分)★★★

 

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最初は、特殊能力、認知症の母、薄暗いアパート、ヤクザ社会といった異空間の中で

「ファミラブ」という言葉が浮いているように映りましたが、

回を重ねるごとに「ファミラブ」そのものの話になって行き、

境遇は違えど どの人々にも同じ優しい血が流れているんだ…

そして、その愛をどう受け取るかは自分次第なんだ…と背中を押してくれる、

これから出会いや別れが増えて行く時期に相応しい作品だったんじゃないかと思います。


途中、何話か中だるみした回もありましたが、総じて面白かったです。

"山場"と"伏線回収"がきちんと用意された最終回を見て、

ここまで視聴してきた甲斐があったなぁと実感させられもしました。

 

構成に対して勿体無さはあったものの、いろんな意味で予想の斜め上を行く展開続きで

満足して見終える事が出来ました。

 

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9位

知らなくていいコト(日本テレビ・水曜22時)★★★

 

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最初は主人公の共感出来なさっぷり、お仕事パートの雑さに、

いくら好きな役者さんが出ていてもこれは微妙だな…やめちゃおうかな…なんて思っていましたが。

最終的にはここまで見てきて良かったと胸を張れる作品になりました。


「ままならない人生の中で、それぞれがそれぞれなりの罪を受け、

時に転機に救われながら生きて行く。」

これが最も伝えたかったメッセージだったと思うのです。


そう考えると、野中の存在は、勿論、ここぞとばかりに魅せてきた

重岡さんの怪演によるものも大きいですが、

本作にとって唯一の「世間」の象徴でもある気がしました。


視聴者の感情をかき乱される役者陣の演技も。

仕事に対する真摯な姿勢を見せるキャラクター造形も。

時々垣間見える人間臭さも。

どの面においても見応えがありました。面白かったです。

 

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10位

ハムラアキラ〜世界で最も不運な探偵〜(NHK総合・金曜22時)★★★

 

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最後まで徹底して「アンティークな内装の喫茶店で、コーヒーを飲みながら推理小説を嗜む」

作りになっていたのは良かったですし、

シシドカフカさんにとっても、今まで出演された作品の中では間違いなく頭角を現していた

作品になっていたんじゃないかと思います。

 

全体的には面白かったです。しかし、全7話ではなく全10話で見たかった気がします。

4話の段階で「葉村自身の物語」へとシフトして行ったので、

3話までのような切れ味の鋭い「依頼中心型」=1話完結のエピソードが

もっと見られたなら…という気持ちに駆られてしまいました。

 

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以下は、もっと簡単に。

10位まで見られれば良い!ノミネート賞の方を見たい!という方は、

こちらを押すと「超個人的なノミネート賞」のページに飛びます。

 

 

11位

病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜(テレビ東京・月曜22時)★★★

 

最初は頼もしく映った有原がだんだん、

何も後先を考えないでやりたい放題やるお坊ちゃんキャラになってしまったのが残念。


3ヶ月後、半年後といった過程すっとばし展開だったり、

反対意見しか言わなかったイメージの医者達が急に漂白されたりと、

「再建モノ」「連続ドラマ」らしい醍醐味があまり実感出来なかったのも

何だかなぁ…という感じで見終えてしまいました。

 

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12位

悪魔の弁護人 御子柴礼司 –贖罪の奏鳴曲–(フジテレビ・土曜23時40分)(-) 

 

最終回まで見てきて、話の持って行き方的には、

やはり「もうそこでそのネタを使うの!?」オンパレードな2話が

個人的ピークではありましたが、

台詞にはハッとさせられるものは多く、少年法のあり方とは?罪を償うとはどうあるべきか?

を考えさせられるドラマとしては中々真摯な作りだったと思います。


ただ、「正しい罪の償い方とは?」という王道なテーマと主人公の殺害動機が結びつかないような気がして、

あまり主人公に感情移入出来ずじまいだったのが残念かな。

 

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13位

テセウスの船(TBS・日曜21時)★★★★

 

途中から薄々気づいていましたが、主題歌の力で感動シーンを無理やりねじ込み、

怪しげな人物をこれでもかと沢山映し、サイコパスなキャラクターを配置し、

引っ張り続けて最終回は風呂敷畳めずじまいの作風で…

なんだか、今振り返ってみればTBS版「あなたの番です」みたいなドラマでした。

 

ツッコミ成分は終始変わらずあったものの、

序盤は雪山でのロケというスケールの大きさも効いていて

緊迫感を保ちながら楽しむ事が出来ましたが…

7話辺りから、真相を引っ張りたいがために「家族の絆」をベースとした

あざとい展開や本編に直接無意味な展開を詰め込んだ作りになってしまったのが残念でした。

 

今でも、WOWOW制作だったら…と想像してしまいます。

原作を2本分扱う「半沢直樹」の話数を増やす代わりに、こちらはいっその事

全8話構成に思い切ってみても良かったんじゃないでしょうか。

 

結果的に、どこかに泣かせる要素を入れようとする

民法の悪い癖が出た典型例になってしまった気がします。

 

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14位

ケイジとケンジ 所轄と地検の24時(テレビ朝日・木曜21時)★★★

 

あの不祥事がなければどうなっていたかは分かりません。

逆にあの不祥事のお陰で、台詞や脇役において皮肉にも面白味が増し、

最後まで何とか完走出来たような気がします。

 

しかし、脇役を前面に押し出したが故に登場人物の多さが目立ち、

元々個性的なキャラクターが更に渋滞して、1話完結部分の事件パートと

上手く絡められていない印象がありました。

 

愉快な会話劇ややり取りで視聴者を楽しませたいのであれば、

この局らしく「チームワークで犯人を捕まえていく刑事ドラマ」で良かったと思います。

刑事と検事の二者間の違いを全く活かせていないモヤモヤも残りました。

 

 

※感想は4話までです。

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15位

絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(フジテレビ・月曜21時)★★★

 

前作よりも"都合の良い設定"がかなり目立っていた印象でした。

仮に第3(5)シーズンをやるとしたら、井沢の一線超える超える詐欺や

仲間内の誰かが犯罪者予備軍で不憫な目に遭う展開…

といった前作と似通った要素に頼る事なく、キャラクターからミハンシステムの検知基準まで

あらゆる設定をじっくり練り直してから作るべきです。

 

※1〜3、6、8話、最終回、AFTER STORYの感想を投稿しています。

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16位

トップナイフ –天才脳外科医の条件–(日本テレビ・土曜22時)★★★

 

バリバリ活躍する主人公を描きたいのか、チームの絆を描きたいのか、

それとも「医者だって一人の人間」という視聴者に共感させる話にしたいのか、

どこに向かおうとしているのかが曖昧な印象がありました。


親子関係の話だと、深山&娘の件、黒岩&少年の件とネタが被っているから、

どちらか1つに絞るべきで。

小机とバーの店主の必要性も、結局最後まで分からぬまま。

登場人物をやけにミステリアスに映す意味深な演出も含めて、

「これ、いる?」って言いたくなるような無駄な要素が多過ぎたのが

とにかく残念な作品でした。

 

群像劇のつもりなのでしょうが、登場人物のエピソードをいっぱい描けば良い

訳ではないと思うんですよねぇ…。

主題歌でバリバリ踊る天海さんだけが記憶に残りそう。

 

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17位

10の秘密(フジテレビ・火曜21時)★★★

 

家にいる事が増えて、さて、この機会に溜めていたドラマでも見ようかなぁと考えている方…

自信を持って言います。

これは見なくて良いです(笑)

今すぐHDDからポイしてください。最終回まで見ても何も腑に落ちません。

 

("全て"を評価している訳ではないのを前提にして)

「3年A組」や「あなたの番です」がヒットした今、

オリジナルのミステリー作品に対して世間のハードルが上がっている事を

もっと頭に入れるべきだと思います。

 

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番外編

 

螢草 菜々の剣(NHK総合・土曜18時5分)(-)

 

個人的に注目している、清原果耶さん目当てでの視聴。

去年の夏にBSで既に放送されていた作品だったので、ランキングからは外させていただきました。

 

内容自体は、現代モノのドラマにある復讐劇と何ら変わりなく特に新鮮味はありませんでしたが、

逆にそのお陰で、今まで何作か時代劇を見てきてはその世界観に慣れず、完走出来なかった私でも

最後まで見られたような気がします。

 

透明感のある可憐さを持ち合わせながらも、芯の強さも感じさせる清原さんの佇まい。

雅をまとった濱田マリさんの存在感。

「だんご兵衛」というあだ名がつけられるのも頷ける

松尾諭さんから醸し出される親しみやすさなど、それぞれのキャラクターも楽しみました。

 

 

リタイアしたドラマ…

 

恋はつづくよどこまでも(TBS・火曜22時)★★ 

 

2話まで視聴。世間的には話題になったみたいですが、

2話での「主人公の恋愛を描くために、登場人物を死なせたり、

真っ当に仕事をしている人を悪役扱いしたり…」という描写の仕方にトドメを刺されまして、

もう良いかな…と。(主人公アゲ周りサゲが、基本的に好きではないので。)

 

 

アリバイ崩し承ります(テレビ朝日・土曜23時15分)★★★ 

 

1話のみ視聴。どちらも演技派である浜辺美波さんと安田顕さんの組み合わせで

楽しみにしていましたが、幻想的な世界観、ミステリー要素、キャラクター

どれを取っても突き抜けていないように感じられてしまったので、リタイア。

もう少し様子見しても良かったのですが、視聴当時は録画が溜まっていましたので…(汗)

 

 

シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。

日本テレビ・日曜22時30分)★★

 

1話のみ視聴。「とうとうやっちまったな」感漂う作品でした。

横浜流星さんと清野菜名さんのアクションを推すのなら、

アメコミ設定を付け加える必要性はなかったと思うのです。

あちこち装飾してとりあえず見栄え良くした結果、

何を一番に見せたいのかという"本作らしさ"がぼやけていた印象がありました。

 

 

ちなみに、この他にも「ランチ合コン探偵」「スカーレット」を視聴していたのですが、

前者は5話分以上(しかも、HDDの残量の都合で1話分録画抜け)、

後者は2ヶ月分くらい録画を溜めてしまったので、

これは流石に追いきれない…他に見たいものもあるし…という事で

泣く泣く諦めてしまいましたorz

しかし、「スカーレット」は近年の朝ドラの中でもSNSでは評判が良さげだったので、

いつか総集編or夕方の再放送枠で放送される日が来たら

今度こそ完走したいな〜…とは思っています。

 

 

          

超個人的なノミネート賞

 

※投稿が遅くなったのもあり、各ノミネートに関するコメントは

今期にかぎって省略させていただきます(謝)

 

 

主演男優賞 柄本佑(心の傷を癒すということ) 

→候補:賀来賢人(死にたい夜にかぎって)

    古舘寛治(コタキ兄弟と四苦八苦)

    滝藤賢一(コタキ兄弟と四苦八苦)

 

 

主演女優賞 松下奈緒(アライブ がん専門医のカルテ)

→候補:吉高由里子(知らなくていいコト)

 

 

助演男優賞 重岡大毅(知らなくていいコト)

→候補:柄本佑(知らなくていいコト)

    小林薫(知らなくていいコト)

    佐々木蔵之介(知らなくていいコト)

激選区でした(笑)それぞれの演技力の高さに魅了された作品でもあったので…

 

 

助演女優賞 高畑淳子(アライブ がん専門医のカルテ)

→候補:芳根京子(コタキ兄弟と四苦八苦)

 

 

新人賞 福本莉子(パパがも一度恋をした)

→候補:柴崎楓雅(テセウスの船)

 

 

主題歌賞 ましのみ「7」/アイナ・ジ・エンド「死にたい夜にかぎって」(死にたい夜にかぎって)

死にたい夜にかぎって

死にたい夜にかぎって

  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

→候補:須田景凪「はるどなり」(アライブ がん専門医のカルテ)

    三浦大知「I'm Here」(病室で念仏を唱えないでください)

 

 

OP/ED映像賞 コタキ兄弟と四苦八苦 OP

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→候補:10の秘密 OP

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ブラァッッ! ラァッッ! ブラァッッ! ラァイッッ! オウオォウオウオオンオォン~ \ブラァッッ! ラァッッ! ブラァッッ! ラァァァイッ!/
(OPが本編みたいなものでした(爆))

 

 

脚本賞 桑原亮子「心の傷を癒すということ」

→候補:野木亜紀子「コタキ兄弟と四苦八苦」

 

 

演出賞 安達もじり、松岡一史、中泉慧「心の傷を癒すということ」

→候補:高野舞、石井祐介、水田成英「アライブ がん専門医のカルテ」

    村尾嘉昭、坂上卓哉「死にたい夜にかぎって」

 

 

劇伴賞 眞鍋昭大「アライブ がん専門医のカルテ」 

→候補:世武裕子「心の傷を癒すということ」 

 

 

特別賞 チーム「女子高生の無駄づかい」

 

 

今期の振り返り…

 

それぞれのドラマの2,3話を見た段階では

「今期はあんまり面白いのがないな〜…」という不安がありましたが、

最終的には(惜しいまま終わってしまった作品はあったものの)

どれも魅力や良さが感じられたクールになっていたのではないかと思います。

 

中でも不安だったのは、やはり医療ドラマの乱立ですが、

病院を舞台とした再建モノの「病院の治しかた」、ラブコメの「恋つづ」、

病気を通して人の人生のありのままを伝える「アライブ」、

生死について考えさせられる「ねんとな」、複数の要素を絡ませた「トップナイフ」と

これだけあっても意外と棲み分けが出来るものなのだという収穫は得られました。

しかし、それは1作品を除いて最後まで見てきたドラマ好きの一人としての視点であって、

そうでない世間的な視点であれば「同じようなものばかり」という印象を与えてしまいかねません。

見る前から捨ててしまう事態を避けるべく、今後はなるべく、

例えば「医療ドラマを制作した局は、来期では同じジャンルのドラマの制作は出来ない」といった

ルールを設けるなどして、各局調整をしていただきたい所です。

 

そして、今期の話題作は何と言っても「テセウスの船」「恋はつづくよどこまでも」の二作。

視聴率を気にせずやりたい事を突き詰める深夜帯に対して、

プライム帯は「3年A組」のヒットをきっかけに、SNSを通して大勢の人が考察に盛り上がったり、

キャーキャー言ったり、ツッコミを入れたりしながら楽しむ…

所謂「実況特化型」の作品が増えている傾向にあると思っています。

 

勿論、SNSを取り入れる事でドラマ業界が活性化し、

今まであまり見てこなかった層が、ある作品を通して「日本のドラマって面白いんだ」という

視野を広げられたら、ドラマ好きとしては嬉しい事この上ないですが。

その分、本当に質の高い作品はどんどん埋もれて

「視聴者の反応」を重要視した質の低い作品ばかりが生まれてきてしまうんじゃないか…

という"焦り"も感じさせられます。

 

"焦り"と表現したのも、話は少し逸れますが、今年の新春テレビ放談で

「「あな番」のような作りが今後のドラマにおいての基準になれば…」といった旨の

コメントがあったから。

ドラマの楽しみ方が時代と共に変わってきている以上、

ワイワイ盛り上がれる作品があっても別に良いのですが、

全部が全部、その"基準"とやらに振り回されないで欲しいな…と願うばかりです。

 

締めがなんか変な方向に行っちゃいましたが、とりあえず言いたい事は言えたので、

今期の振り返りはここで終わりとします。

 

 

*** 

 

以上、冬ドラマの総括でした。

来期も素敵な作品との出会いがあればな〜と思います。

 

閲覧ありがとうございました!

 


SUITS/スーツ2 1話 感想|ボストン行ってた間何してたん?

 

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大輔(中島裕翔)に弁護士バッジを投げた

甲斐(織田裕二)のスタイリッシュなシーンで終わった前作。

時が経っているであろう今作で、無事にボストンで弁護士資格を取れたのかどうかも

曖昧なまま物語が始まる所は、相変わらず不親切だな…まぁ取れたんでしょうね…

なんて思っていましたが、なんと、まだ資格なしだったとは(爆)

えっと…じゃあ何しに行ってたのかな…というのは置いといて。

(本当は置いとけないけど。気になりますけどw)

 

初回の内容は、個人的には前作同様に引き込まれずじまいで、

証拠提示は後出しじゃんけん、主軸ブレブレの複数案件行ったり来たりという

ただでさえ分かりづらい作りが、30分拡大なのが災いしたのか

更に酷くなっていたようにも感じてしまいました。

 

新キャラの上杉(吉田鋼太郎)の縦軸がある上に、

既に取り扱われた「大輔がクビになりそう」というくだりが再び盛り込まれるとなると

余計にエピソードが散漫してしまいかねないので、

大輔の方は早めに資格を取らせたり、いっその事パラリーガルとして雇ったりするなどして、

序盤の段階で解決してしまった方が良いんじゃないでしょうか。

 

しかし、前作から大小の"変化"も感じられたのも確かです。

CM明けに都会のビルの街並みが映し出されるカットが追加されたのは

原作のアメリカドラマに倣って…という所なのでしょうが、

大輔の能力が映像を通して理解出来るものになっていたり、

アメリカナイズな台詞が若干抑えられていたりと、

日本風にアレンジしようとしている意欲は伝わりました。

 

フランクで澄ましたキャラクターが多い中に、登場しただけで画面に重厚感が増す

吉田鋼太郎さん演じる上杉も良いアクセントとなっており、

今後上杉をどう絡ませるか次第で、もう少し続編に対する印象も変わってくるかもしれません。

 

そんな訳で暫く様子見してみますが、来週から始まる「行列の女神」の内容次第では

本作の感想は初回のみになると思います。

 

 

↓前シーズンの最終回の感想はこちら↓

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美食探偵 明智五郎 1話 感想|ポンコツ探偵と不憫な1号

 

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普通に、純粋に面白かったです。

…と同時に、個人的には苦手だった、某作品の大ヒットを受けて

視聴者を煽ろうとする気満々だった考察路線から外れて、

日テレの特徴である「ゆるさ」「若者受け(若者も楽しめる…という意味)」を活かした

作品になっていて安心しました。

 

脚本家が、小芝風花さんとのタッグで記憶に新しい「トクサツガガガ」や

個性的なキャラクターの引き立たせ方が上手かった「女子高生の無駄づかい」などの作品を

手がけていた田辺茂範さんなので、

ある程度面白く仕上がっているのだろうと僅かに期待していましたが、

キャスティングがまず成功していたんじゃないかと思います。

CMやドラマに引っ張りだこになるのも頷ける、3人の演技の器用さ。

 

物語は今後もゆるく描かれるのか、それともシリアスになるのかの

方向性が定まっていないようで、まだ掴めない状態ではありますが、

麗しそうに見えて実はポンコツな一面も覗かせる明智中村倫也)と、

明るく元気っ子が故に振り回されがちな苺(小芝風花)と、

目を見開いて話しかける時の表情が印象的だった不気味なマリア(小池栄子)とで、

とりあえずは掛け合いや対峙シーンで楽しませてくれそうな気はしました。

 

今期はプライム帯のドラマが続々延期になる代わりに、事前に撮り溜め出来ていたのか

深夜ドラマや本作が先行放送する結果となりましたが、

世間が精神的にカツカツしている中、たまたまコメディ系統の作品が

残ったというのは嬉しい誤算だったんじゃないでしょうかね。

 

そんな訳で、久しぶりにこの枠の作品の視聴継続は出来るかもしれません。

明智と苺の馴れ初め描写がなく通常回のように始まった所は、恐らくhuluで配信される

エピソード0を見てね♪という狙いがあるのかもしれませんが、

本編内で起こった事件は、真相も含めて"本編で"きっちり終わらせてくれる事を

あとは願うばかりです(笑)

 

 

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隕石家族 1話 感想|どんなテンションで見れば良いのか…

 

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前作の最終回で流れた予告映像を見ちゃったからかなぁ…想像していたのと違いましたね。

隕石が地球にやって来るというトンデモ設定だから、

てっきりそれに寄せたツッコミ甲斐のある

ジェットコースターのようなテンポの良い作風になるのかと思いきや、

いざ蓋を開けてみれば、コメディの皮を被っただけの昼ドラ風愛憎劇…

という印象で見終えてしまった初回でした。

 

本編で描かれた主人公・久美子(羽田美智子)の秘密も、

実は隕石の襲来を食い止めるための機密組織に所属しているだとか

世界規模のものだと予想していたのですが、

「実は不倫してましたー!」じゃあ隕石を絡める必要はありませんよね。

初回で久美子・和彦(天野ひろゆき)・片瀬(中村俊介)の三角関係を提示したとなると、

回を重ねるごとにどんどんテーマとはかけ離れた別の話が展開しそうですし、

"主人公の秘密"を引っ張る事で間延びしてしまうのではないか?という予感もさせられました。

 

隕石がやって来る地球を舞台としている所はカオスだけど、

主人公をとりまくエピソードは昼ドラっぽい内容で、

でも洒落たバーで歌われているフォーク調の歌のチョイスは謎で…

SFなのに昭和感が漂う作りに、どんなテンションで見たら良いのかも掴みかねます。

 

それに、本業が芸人なのでツッコむのも野暮かもしれませんが、

天野さんの演技が若干浮いているような気がしますね。

決して本人が悪いと言いたいのではなく、芸人を起用するのだったら変に気取った役にしないとか。

逆に、厳格で頑固そうなキャラクターを貫き通したいのであれば、

もう少しそれに見合った俳優さんを起用するべきだったかと。

 

悪くはないんだろうけど特に惹かれもしない…という訳で、次回を見るかどうかは未定です。

感想は書けていない&2話をまだ見ていないものの、「いいね!光源氏くん」の方が

純粋に楽しめたので、もし今後感想を書くとするならばそちらが優先的になると思います。

 

最後に余談ですが、ウド鈴木さんは前作の鈴木拓さんみたいに、

毎回違った役でちょこちょこ出演されたりするんでしょうかね?

 

 

4/19 追記:

 

2話も見ました。

前回の内容に加えて更にオカルト要素も入ってきて、

ますますどう見たら良いのか分からなくなってしまいました…(滝汗)

設定がゴチャゴチャ過ぎやしませんかね?

 

それぞれ怪しい動きを見せていく所を踏まえると

世紀末版「10の秘密」とも捉えられますが、

個人的には、登場人物の抱える秘密で物語を引っ張っていく作りは

もう飽きてしまったので、そこの部分にはあんまり惹かれません。

裏に面白いドラマもありますし、これはリタイアしようかなぁと思います…。

 


浦安鉄筋家族 1話 感想|実写化してみせた勇気は買いたい

 

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喫煙所の感染リスクだとか、室内原則禁煙だとかで騒がれている中、

原作ではお馴染みらしいカートンを丸ごと吸うシーンや

煙を人の顔に思い切り吹きかけるシーンを遠慮なく映した所は、

自由の効いたテレビ東京、かつドラマ制作枠の中では最も遊んでいる印象のある

ドラマ24」での放送だからこそ実現出来たものだとは思いますし。

特に原作は知らなくても、水野美紀さん、岸井ゆきのさん、染谷将太さん、坂田利夫さんなど

それぞれの持ち味も、超個性的で独特なキャラクターを通して活かせているとも感じさせられます。

が、しかし、演出が悪目立ちしていたのが残念でならない初回でした…。

 

個人的にコメディテイストのドラマにおいては、登場人物を一人ずつ膨らませて、

性格やそれぞれの動きをじっくり描いていく事がポイントだと考えているので、

人物紹介よりも「あ、この監督だな」と明らかに分かるクセの強さを前面に押し出した

作品づくりをしてしまっては、視聴者の飽きが来るのも早くなると思うのです。

(私も実際、途中から笑える頻度も減ってしまったし…。)

おっさんずラブ」の大ヒットで味をしめたのかは分かりませんが、

初回は飛ばし過ぎな気がしました。

せっかく経験を積んできた役者をキャスティングしているのですから、

原作漫画の背景は無しにして、ビュンビュン飛ぶカメラワークや色彩鮮やかな照明を

減らす代わりに、もっと「タール吸うやつ大体友達♪」やタクシーでのシーンなど

会話劇に力を入れてみた方が、本作の持つ面白味は増すんじゃないでしょうか。

 

花丸木(染谷将太)のキャラクターが気になるので次回以降も様子見してみますが、

初回同様にてんこ盛りな演出が続くと、ちょっと完走はキツイかも…。

テンション高めな作りが苦手なので、これは趣味嗜好の問題かもしれませんが(汗)

 

OP映像は前作に引き続き、センスの良さが感じられて好きです。

サンボマスターと本作の親和性はバッチリだと思います。

 

 

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きょうの猫村さん 1話 感想|可愛い可愛い言ってたら終わった(笑)

 

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これはまず、松重豊さんをキャスティングした企画の勝利でしょうねぇ。

似合ってるな〜可愛いな〜なんて言ってたら、あっという間に2分半経ってしまいました(笑)

(いや、事前にその放送時間なのは知っていたけれども。それにしても一瞬w)

 

内容としては、特に初期設定・人物紹介もないまま、

猫村さんがどんな日常を送っているのか…という「漫画の1ページ」を

切り取ったようなもの。

 

今回は初回だったのもあり、人間には猫村さんはそこらにいる"猫"として見られているのか?

二足歩行なのを何で不思議に思わないんだ??などと気になる点がいくつか浮かび、

主人公が人間とすぐ親しい関係になれたオチに、フィクションにしかない

シュールさを感じて見終える事となりましたが。

これは「こういう作品なんだ」と思って、何も考えずに見れば

純粋にひたすら癒されるものになるのかもしれませんね。

 

勿論、既に癒されはしたのですが、初めて見たため、

あらゆるインパクトが大き過ぎて…という感じです(笑)

 

「あーあ ボルシチって どんなお味かしら♪」「猫でも 食べられるのかしら♪」

という超呑気な歌から始まるオープニングも、

エンディングで(恐らく)アコーディオンを使用するというチョイスも何もかもツボで、

伸びやかで暖かい世界観を醸し出そうという作り込みが

しっかり伝わってきた初回でもありました。

 

OP曲のこなれてない歌い方が、逆に味わいがあるなぁ…なんて思っていたら、

松重さん本人が歌われていたんですね。

本業の歌手に敢えて頼まないのも、なんだか本作らしいです。

市川実日子さんとの共演も「アンナチュラル」を彷彿とさせられます。

 

今回の話はまだ続くのか?それとも全然別の話になるのか?は分かりませんが、

コロナの影響で日々の楽しみが減り、寂しい心境の中、

通常放送してくれる"有り難み"を感じながら次回以降も見ていこうと思います。

しかし、感想は初回のみにする予定です。

 


死にたい夜にかぎって 6話(最終回) 感想|夢でまた逢えたなら

 

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「よく出来たドラマだった」とか「素敵な終わり方だった」とか

一言でまとめるのは勿体無いくらい、二人の関係に心揺さぶられた最終回でした。

別れ話となるとしんみりさせられる内容も多い中、

思い出の街を歩いて、当時を語って、「最高に楽しい時間の無駄づかい」という手紙を渡して…

ああ、こんな風に"二人だけの秘密"を共有し尽くした上で

1つの出会いにピリオドを付けられたら、どんなに素晴らしいか…と、

ちょっと羨ましくもなってしまいます。

 

本作の魅力はやはり「多くを語らない」作りだと思っていて、

最終回でもそれが一貫して貫き通されていました。

 

物語は震災でアスカ(山本舞香)の心が壊れていく場面から始まり、

OPが終わった後は時間軸を1ヶ月飛ばした状態で進みます。

その間に描かれるであろう"気持ちが徐々にすれ違っていく二人の姿"を

一切盛り込まない手法は、喧嘩するけど仲直り…というこれまでの話や

冒頭で既に印象強いシーンが描かれたために、

視聴者に自ずと想像させる"行間"の役割にもなっていたと思いますし、

また、震災をきっかけに一気に浩史(賀来賢人)の事を信じられなくなってしまった

アスカの繊細で複雑な心情をも表しているようでした。

 

最終回になって初めて登場したホームレスも、

普段は何しているだとか、今の姿に至るまでの背景とかは語られないままではありましたが、

逆にそうした事で、「どんな人もどうせいつかは縮んで死んでしまうから、

若いうちに楽しんだ方が良い」という言葉が、ドラマ用に作られたものではない

飾り気のない言葉として、ストンと胸に響くものになっていたと思います。

 

そして、本作の集大成かのように、湯豆腐やアサリの話をしながら

街を一軒ずつ訪れる二人を映した後は…

とうとう来てしまった別れの時。

 

新幹線で別れを告げるシーンには、涙を流さずにはいられません。

「もっと一緒に美味しいもの食べに行けば良かったね」

「もっとアスカの曲をちゃんと聞いとけば良かったね」

そんな風にタラレバを並べ立てながら、虫の裏側に似ていると言われる精一杯の笑顔を見せて

手を振っている浩史に対して、

一切顔は見ないものの、目には確かに涙が溢れているアスカ。

"動"と"静"で対比にはなっているけれど、大切な人に対する気持ちは同じだという事。

そこに後押しするかのように、アイナさんの主題歌の

夢で逢えたら 矢継ぎ早に 息を吐くのだろう」という歌詞が重なってからの

あの手紙…まで、流れが完璧としか言いようがありませんでした…。

 

どうしても印象的なシーンが多く、1つずつ解説してみました…みたいな

感想になってしまいましたが。

それだけ、周りから見たら「ろくでもない」かもしれない立場にいる人々を

視聴者にも共感してもらえるように、

優しく、温かく照らし続けた、作り手のセンスが光った作品だったと思います。

 

個人的には、世間では「福田ファミリー」の一員として見られがちな賀来賢人さんが、

唇カサカサで無精髭で…という、どこかの街でふらっと見かけそうな

素朴な佇まいを演じ切った事。

山本舞香さんが、唾で生計を立てていたのが精神疾患者になってしまい…という

深夜らしい過激で難しい役どころを体現されていた事。

そして、「平成物語」を始め、「俺スカ」「部活好きじゃなきゃ〜」など、

放送枠&その時間帯に見るであろうターゲット層に合わせた脚本を作り上げる

加藤拓也さんの柔軟性と力量を、また1つ知れた事。

語りきれませんが、それぞれの分野で、今後のドラマ業界の

ポテンシャルを感じさせてくれました。

 

冬ドラマ最後の作品が、本作で良かったです。

ありがとうございました。

 

 

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あと3回、君に会える 感想|あと1回は、どこで会う?

 

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U-NEXTと連携したSPドラマである事、山本美月さんが出演される事は知っていたけれども、

どんな内容なのかはあまり情報を入手しないまま見始めた本作。

 

タイトルから察するに、告白出来ないまま後悔していた人にチャンスを与える

タイムスリップモノなのか?

いや、無難にラブストーリーなのか?

おやおや、突然超能力の設定が出てきた…こりゃどんな話なんだ?

などと途中まで困惑した状態で見ていましたが、

征史郎(眞栄田郷敦)の 相手の背中にあと何回会えるかの数字が見える能力が

生まれつき備わっていたものだと分かった途端、物語にみるみる引き込まれてしまいましたね。

(放送中にとある芸能人がまた一人コロナにかかったというニュースを知って

パニック状態になりましたが、"何とか"乗り切りました…(泣))

 

少しでも運命に抗おうとはしないのかと最初は思いましたが、

いざ能力が備わってしまうと、しかも付き合っていく月日が長ければ長いほど

人は運命の前では無力である事を痛感させられてしまうのかな…と。

 

別れから何年か経って、同じ仕事先でクライアントになる相手がたまたまあの人だった…とか、

人ごみの中、通り過ぎた時に「もしかして…?」とお互いが振り返るだとか

といったドラマチックなラストではなく、

2人とも運転している最中にばったり出会うという

"ごくごく普通"のラストで幕を閉じた所に好感が持てました。

その後をあえて見せないのも、妙な清々しさと

胸がきゅっと締め付けられるほんの切なさが感じられて、個人的には中々好きです。

「エモい」なんて普段は使わないけど、こういう時に使うんだろうなぁ…と。

 

ヒゲダンの曲になると音量がデカイな(笑)なんてツッコンでたりもしていましたが、

大人で、哀愁があって、甘酸っぱくて…という、一言では表しきれない

様々な要素が入り混じったムードを演出するには、最適過ぎるチョイスでしたね。

 

カメラワークや青みがかった映像が映画っぽくて、特殊な設定を織り交ぜているとなると、

編成のインターバル期に30分×四夜連続の深夜ドラマを見ているような

不思議な心地になれた作品でもありました。