前回に引き続き、別の視点で「誰かの心に自分がいて欲しい」を描いたお話でした。
瀬戸(松尾諭)は、優しくて、気遣いが出来て、どんな物事にもマメで…という
周りから見たら完璧な性格の持ち主ではありますが、
それを裏返せば、残念ながら「何の面白味もない」と捉えられてしまうのも事実。
フラれた理由が最終的に文法がめちゃくちゃな手紙だったとは分かっても、
優しい+面白い人なら「真面目になろうとして緊張し過ぎちゃったんだな」で
クスッと出来るし、後々思い出話にも出来るのかもしれないけれど、
瀬戸の場合だと「これは笑って良いやつなのかな?」「怒られないかな?」という
躊躇と気まずさを彼女側は感じていたのだと思います。
そして、前回の感想でも書いた「自分が何か失敗して落ち込んでいる時に限って響く」
エピソードが再び彼を襲ってくるのですね…。
あんなに誠実そうで、物腰柔らかに見えた瀬戸が、
森山(増田貴久)になぜ結婚出来たのかを聞いた途端、
徐々に感情そのものをむき出しにしていく姿…
本来の性格とは別人に変わり果ててしまった悲しさがありました。
"嫉妬"は特別な環境から生まれるものではなく、
やはり日常生活を過ごしていく上で避けて通れないものであって、
神林(葉山奨之)のようにそれを武器にする人も現れる。
今世間で誹謗中傷に関するニュースが話題になっているのもあり、
そこに繋がるきっかけを目の当たりにしてしまったショックも覚えたシーンでした。
しかし、ひょんな事から森山の二度目の依頼である中高年の夫婦の結婚式を
一緒に観覧する事に。
夫婦の幸せそうな表情を見たからか、さっきまでの真面目で優しい性格が再び顔を覗かせます。
「今日は本当に良かった。一人だったら落ち込んでた。
慰めたりしない所がありがたい。
僕も微笑みを微笑みで返す日、来るかな。」
その言葉をヒントに、瀬戸を「優しさに優しさがプラスされた人」と例えた森山。
彼の言う通り、直前に悲しい出来事があったら
他人を思いやれる余裕なんてない人の方が多い訳で。
パンケーキを分ける時に相手に生クリームやフルーツを多めにあげて自分はちょびっとな所、
相手の事を親身になって考えてくれる所、計画的にスケジュールを組める所。
瀬戸にとっては無意識でやる行動なのかもしれないけど、今回はたまたま合わなかっただけで、
きっとその良さに気づいてくれる人はいるはずだと願っています。
そして最後は、「みんなちがってみんないい」に帰結するような
もやしのエピソードにほっこり。(もやし丼、美味そうだったな…)
彼女は見る目がないと否定する訳でもなく、励ましの言葉を贈る訳でもなく、
ただポツンといるけれど人そのものを見てくれるレンタルさんに、
今回も自身の当時を重ねつつ癒されました。
来週から放送は中断となりますが、あと4話"も"あるという喜びを胸に、
再開を気長にお待ちしてます。
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