2023年06月一覧

それってパクリじゃないですか? 9話 感想|商品が発売されるまでの苦労

 

 

なるほど、今までの描写の積み重ねがこう来るのかぁ…と。

今回の内容を見てみれば、カメレオンティーだけでなく、

ふてぶてリリイのサブエピソードも並行して描かれていたのにも納得。

根岸(福地桃子)の「今まで気にもしてなかったけど、

この小さな一文字があるかどうかで本当に大きな違いがあるんだって知ったよ」という

商標登録に四苦八苦してきた者から出た素朴な言葉には

ハッとさせられるものがありましたし、

この言葉とサブエピソードが、自社商品を世に出す上で挫折を何度も経験した

月夜野の上司たちの想いに立体感を持たせていた気がしました。

 

そして、序盤のみの登場だったイラストレーター・ハナモ(山崎静代)の件も、

ただの前哨戦かと思いきや、何気に効いているんですよねぇ。

製作物に手塩をかけ続けて生まれる愛着だったり、

いろんな人に愛されて欲しい願いだったり。

それは月夜野ドリンクの面々も根岸も、

世に商品を出すクリエイター側の人間全てに当てはまる共通点なんだけれども、

いざ商品化に向けて行動に移すと、壁にぶち当たる事もしょっちゅうある。

三者三様の事情が描かれたお陰で、私たち消費者は何も知らないだけで

水面下ではライバル企業が発売・発表を阻止するとか、

話し合いの結果、計画が白紙になってしまったりだとかは実際よくある事なのかも…と

しみじみ考えさせられる内容になっていたとも思います。

 

じゃあ今回はそんな商業界の"リアル"を描いた所で、

ラストは田所(田辺誠一)の悪巧みスマイルで終わるのか?と言ったらそうではなく。

ちゃんと最終回に向けて盛り上がりを感じさせてくれる

締め方になっていたのは良かったですね。

前回と今回の社長(赤井英和)もそうですが…

本作って、キャラクターの見せ場の作り方も上手いんですよねぇ。

彼に吠えたのが、いつも物腰柔らかな熊井(野間口徹)だからこそインパクトも大きくて、

良く言った!って清々しい気持ちにもなれました。

 

スパイの件に関しては、以前から"前フリ"は施されていたので

やっぱりスパイの話にはなるよね…とは思ったものの、犯人は意外や意外で。

役者さん次第では「この方を起用したのなら絶対何かある」と

裏を読んでしまいそうなものですけど、

あの方に関しては「そういう役なんだ〜」で納得してしまっていたので(笑)

ここはキャスティングの妙でしょうね。

 

今回の内容と、連続ドラマならではの醍醐味を感じさせる展開を見て、

最終回はきっと納得いく形で終われるんじゃないかな…と思えてきました。

集大成感のある、爽やかな結末を期待しております。

 

 

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風間公親−教場0− 9話 感想|なんでそうなる?としか言いようがない。

 

 

プライベートの描写は女性刑事2人の時にはありましたが、

男性刑事の中込(染谷将太)の回でもガッツリやるんですね。

まぁ、ブツ切れで挿入していたとは言え、

母親役の余貴美子さんの佇まいも相まってか事件パートとの温度差を感じず、

終始ジリジリとした緊迫感を保った作りにはなっていたので

そこは良かったですけども。

 

中込のキャラクター自体も、何か才能が見込まれて送り込まれた

今までの刑事たちとは違い、完全なる問題児で、

風間(木村拓哉)と張り合おうとする様子は少し新鮮味がありますし。

前回に引き続き、"風間道場"らしく風間が指導する姿もしっかり描かれています。

ただ…肝心の事件パートは、前回はせっかく上手くヒントを見せていたのに、

また「戻っちゃった」って所でしょうか。

あまりにも無理くりな展開で、おいおい、いくらなんでも…と思えてしまうほどでした。

 

ドラマは基本フィクションであり創作物なので、

全てを全てリアルに寄せる必要はないとは思います。

しかし、本作のような「刑事モノ」、あとは「探偵モノ」…

つまり、トリックの解明や推理が物語の鍵を握る作品ともなれば話は違ってきて、

「いかに視聴者を納得させられるか」「視聴者がいかに推理を楽しめるか」

重要になってくる訳で。

"ご都合主義=ファンタジー"が度を超えれば超えるほど、視聴者も一気に興ざめしてしまい、

終いには作品の雰囲気も壊しかねない気がするんです。

 

仮に例えば、頭脳明晰な子供が大人顔負けの観察眼で真相を見抜く「名探偵コナン」や、

特殊捜査課の面々がみんな子供の「コドモ警察」、

今期で言うなら、赤ちゃんが事件解決に導く「育休刑事」などのような

ファンタジーを取り入れた作風だったなら、

「その手の作品だから」と割り切って楽しめたかもしれませんが…

本作の場合はいたってシリアスで、リアル寄りではあるんですよね。

でも、リアルな描写をしている割には、真相や着地点はファンタジー

以前でも書きましたが、やたらと重厚な演出&劇伴も含めて、

そのチグハグさが本作の面白味を損なわせてしまっているんだと思います。

 

そもそも、「倒叙ミステリー」の描き方もずっと疑問で。

犯人を先に見せれば良いってもんじゃないのでは?というのも引っかかるんです。

犯行に及ぶのが頷ける動機だったり、証拠だったりを

視聴者に前もって提示するのが「倒叙ミステリー」だと捉えているんですが…

事前情報もなく、ただ殺害する様子を描くだけなので、

その後の情報が全て後出しジャンケンに感じてしまうと言いますか。

一応"ヒント"のつもりで、前半部分で伊上(堀田真由)を病院に連れて行くエピソードを

挿入していたんでしょうけど、それも事件に繋がるのがあからさまで、流れとしては強引。

もっと経緯を冒頭に盛り込めば、内容にもついて行けそうなのに…

何だか粗っぽいんですよね。

 

それにしても、刺した時にカメラがスポーン!と出たんだと想像すると失笑もんですし…

大体、広島行きの往復列車が帰ってきたお陰で、証拠品が見つかったって…(汗)

もうこうなってくると、気を衒わない方が得策な気がするんですけどねぇ。

って、あと2話の段階で書いても遅いか……。

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 6話 感想|とにかく順調!順調すぎてやっぱり怖い。

 

 

今回は本編よりかは…会話や言葉から

若葉(生見愛瑠)と富士子(宮本信子)の根強い"親子"の形が垣間見えた所が、

一番印象に残る回だったかなぁと思います。

 

正式には祖母と孫ではあるものの、似てるな〜と感じる時が多々あるんですよね。

例えば、序盤辺りでサチ(清野菜名)や翔子(岸井ゆきの)に思っている事を

言語化してくれた感謝を伝えられるシーンがあったように、

若葉には、仮にふと思ったとしても、

それを認めるのが、口に出すのが恥ずかしいからつい避けてしまいがちな本音を、

遠慮せずかつ柔らかく包み込んで相手に届ける能力に長けている。

富士子も同じで、「役に立ちたいから邦子ちゃんを利用してしまっている」

旨の言葉なんて人前で中々言えません…。

プライドが先行して、自分の弱さやズルさをなるべく隠そうとするのが

人間の心理ではありますからね。

こうやって本音を伝える2人のシーンを各々用意する事で、

率直な気持ちを常に尊重する富士子の生き方が、今の若葉を作り上げたんだろう…という

画面上では表立って描かれない深い関係性を浮かび上がらせているような気がしました。

 

また、学校の詩の宿題にまつわるエピソードにもほっこり。

担任が低評価にしたのは…マジレスすると、

実際にサービス残業もあって心が疲弊している所で

図星を突かれた気分になってしまったのと、子供がそんな現実的な思考を持って欲しくない…

って理由から来ているんでしょうけれど(汗)

まぁでもやっぱり、長年育てて来ている訳ですから、

なんでこの詩の良さが分からないんだ!って怒りたくなる富士子の感情も頷けはするんですね。

この「自分の詩を肯定してくれた」思い出話のお陰で、

若葉には何があってもそばにいてくれる人がいて、

それが自分にとっての"支え"になり"救い"になっていたのだというのも分かって。

先ほど書いた事も含めて、本作の人物同士のやりとりを通して生まれる余白が

今回の個人的な余韻に繋がったのではないか?と思いました。

 

で、本編に関しては、もう「順調」の2文字ですね。

前回に引き続き、その順調さが逆に怖く感じるのは、

前半で胸糞展開が描かれたが故の後遺症なんだろうな…と(笑)

カフェ開発プロジェクトに関わる以上、

契約書を取り交わす様子が全く見られないのが不安ではありますけど、

とりあえずは…賢太(川村壱馬)の次回予告の前後も知れて一安心かな。

 

そうなってくると、今回は回想以外一切出番のなかった

まどか(矢田亜希子)と博嗣(尾美としのり)の動向が気になる所で。←毎回名前出してますねw

ここら辺、本当にどうやって解決させるつもりなんでしょうねぇ。

3人(+2人)にはこのまま幸せな道を進んで欲しいと願いつつも、

際どい悪役を登場させたのなら、変に同情心を持たせず、なぁなぁにまとめずに

きちんとカタをつけて欲しい気持ちも同時にあって、複雑ではあるんですよね…(汗)

 

 

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それってパクリじゃないですか? 8話 感想|これぞ "ワンチーム"!

 

 

おおお…本作を見ていて、まさか涙がちょろっと出る日が来るとは(笑)

月夜野ドリンクvs本物の怪物」でいつにも増してシンプルな構造だったのもあり、

今までの中で最もスカッとした回でした。

 

また、ここにきて、登場人物の多さが活きてきたんじゃないかと思います。

当初はただ「多いなぁ」くらいの印象でしたが…

今更ではあるんですが、本作の社員の年代のバランスって案外、

若者寄りか年配寄りのどっちかに偏るって事がなく、

新人から中堅、ベテランまで、それぞれ上手い具合に収まっているんですよね。

4話で北脇(重岡大毅)の弁理士になる決意が描かれ、

前回で又坂(ともさかりえ)の発明と発明者を守りたいという信念が描かれ、

そして今回では高梨(常盤貴子)の責任感の強さと

熊井(野間口徹)のブレない考えや上司ならではの頼もしさが描かれて。

他も含めて、そうやって個々の仕事へのプライドの高さが伺える

エピソードの積み重ねで少しずつ影響を受けていった亜季(芳根京子)が、

最終的には自前の真っ直ぐさで社内全体の根気を底上げして

勝利へと導くという流れが、まさしく"連携""ワンチーム"を物語っていて、

チームに愛着を持ちながら見られました。

 

それに伴い、いつもなら亜季や北脇が解決策を見出しグイグイ引っ張っていたはずが、

今回は2人の見せ場は若干控えめで、

代わりに、先輩や上司、社長を前面に出した事も

終盤の熱い展開に繋がったのではないでしょうか。

特に社長(赤井英和)…初めてかっこいいって思いましたよ。

赤井英和さんと言えば、やはり思い浮かぶのは某引越社な訳で、

本作の社長役にキャスティングされた理由が8話でようやく分かるほどでした(笑)

退職願を破く王道パフォーマンスも、交通費1万円差し出す洒落と懐の広さも

社長らしさがありましたし、

何より、一番「ビジネスに正義があったって良い」を体現していた人物だった気がします。

 

清々しい結末に合わせて、主題歌との相性も抜群でしたね。

ここも初めてしっくりきました。

風でも吹いてきそうな主題歌の軽やかなメロディが、

一仕事終えたチームの達成感や爽快感に拍車をかけていたと思います。

 

で、ボスも倒せたし、もうこのまま最終回で良いじゃん!と言いたい所なんですが…

残り2話は案の定、カメレオンティーの特許をあえて出願しなかった件で

話を膨らませる事になるんですねぇ。

ボスとは書きましたが、ハッピースマイルも敵側ではありますしね。

SNSでチラッと原作既読者の呟きを見た感じだと、さらに重〜くなるそうで…?

「やっぱり8話で終わりにした方が…」にならない締めになるよう願っております。

 

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