2024年06月一覧

笑うマトリョーシカ 1話 感想|主人公がいろんな事に首突っ込みすぎ?

 

 

本作の放送までに「視聴リスト&期待度」の投稿が間に合わなかったので先に書いておくと…

今期はとりあえず2〜3本(うち1作品は新作ではないですが…)

最後まで感想を書く事を目標にしていて、その中の候補作品に本作を入れていました。

理由は、人間の隠された内面に迫るという部分をどう描写するのかに興味があったのと、

単純に「TBSドラマの金10枠×サスペンス」にハズレはない!と信じているからです。

 

ただ、1つだけ不安要素もあって。それは、脚本家がいずみ吉紘さんである事。

ここ数年間の作品を挙げるとすると、「仰げば尊し(2016)」「トドメの接吻(2018)」

集団左遷!!(2019)」「アリバイ崩し承ります(2020)」「インビジブル(2022)」

前期には「ACMA:GAME アクマゲーム」を執筆された脚本家です。

※なお、「アクマゲーム」に関しては未視聴。

いずみさんには申し訳ないですが…

個人的には、執筆された脚本が面白いと感じた試しがほとんどありません。

むしろ、リタイアした作品もあるくらい、微妙な印象が強いです(汗)

しかし、最近のドラマは脚本の良し悪しが全てでもなくなってきているため、

先入観は良くないと思い、まっさらな気持ちで初回を見てみようと決心しました。

 

で、いざ視聴してみた感想としては、

物語にイマイチ入り込めない…といった感じでしょうか。

何と言うか、台詞が多かったんですよね。

初回で初期設定の紹介が必要だから多少は仕方ないとは言え、

序盤から少々難解な言葉や言い回しが続いて。

その上、BG株事件に、清家に、佐々木に、鈴木に、宇野に、迫田に…と

一気に新情報が出てくるために、

情報を整理するので精一杯と言うか、見ながらだんだん集中力が切れてしまいました。

初回で特に目を引いたのは、冒頭の道上の父・兼高(渡辺いっけい)が

車に轢かれて死ぬシーンくらいで、残念ながら、そのシーンと同等か超えるものはなし。

 

かろうじて、清家(櫻井翔)の「これからも、僕を見ていて下さいね」という意味深な発言や、

終盤で明らかになった、権力の二重構造がマトリョーシカとリンクしていきそうな点で

次回も興味を持って見続けようとは思えましたが、

少しでも物語について行けない部分が出てくると

その作品に惹かれなくなってしまうのが私なので…

このまま情報過多で小難しい展開が続くとなると、

感想執筆どころか、視聴継続も難しくなるかもしれません。

 

そして、難解に感じる描写に関してもう1つ気になったのが、

道上(水川あさみ)の目的が不明瞭な所です。

初回で描かれたのはこの4つ。

・父の事で政治家を恨んでいるはずが、秘書に転身した鈴木(玉山鉄二)の謎

・「主体性がない」と言われ、鈴木との深い事情がありそうな清家の謎

・28年前に起こったBG株事件の真相

・兼高の死の真相

そう…要は一度に盛り込み過ぎなんですよね。

頭ではなんとなく理解していて、全ての事柄や人物がBG株事件に関係しているんだろう

というのは分かるんですが。

「道上が興味を抱こうとしている対象」が上記の4つで場面ごとにコロコロ変わるので、

結果的に話がフワフワして見え、

何を描こうとしているのかが分かりづらくなるんだと思います。

 

まぁ、主人公は4つ"全て"を知りたい…というのが目的にはなるんでしょうけど、

それは下手したら、最近のドラマでやりがちな「描くべき事を増やし過ぎたあまりに、

本来のコンセプトや設定からブレてしまい、散漫とした物語になる」

原因に繋がる気がします。

劇中には、主人公が真相を追求するモノローグや台詞が多く散りばめられているので、

印象操作のつもりで、何を一番知りたいのか?が視聴者に伝わるように

そこの微調整をしたら、本作の方向性も定まってくるのかもしれませんね。

 

ざっくり言うなら、面白くなりそうな要素はあるけどまだ分からない…に尽きますね。

しばらくは様子見です。

でも、政治界という小難しい題材を、拡大をせず通常放送で描いた所は

良い判断だったと思います。

きっとここの尺をとるために拡大したのだろう…

というのが明らかに分かるような描写があったら、物語が冗長気味になってしまいますからね。

 

 

7/13追記:

 

3話まで視聴。

イマイチ見えてこなかった、道上が鈴木と清家に興味を持って調べている理由については、

新聞記者らしく「取材して、真相を突き止めたいから」という事で

強引に進めていくのだと分かったのでまぁ良いとして。

何でしょうね。世間の評判を見る限り、きっと展開は早いんでしょうけど、

個人的には、事件を盛り込み過ぎな上に、

主人公のプライベートの描写で話の腰を折っているように感じられて

あまり物語にのめり込めないんです。

途中で一瞬、今何の事件を追っているんだっけ?

この人はどこに関連した人物?と混乱もしてしまいます。

鈴木と清家をもっと前面に出した方が、面白くなりそうなのに…。

 

調べてみたら、原作では主人公は道上ではなく清家になっているそうで。

それなら納得です。

2人の関係性を探る、第三者的な立ち位置の新聞記者の道上を主人公にする事で、

視聴者に考察を促そうとしているんですよね。

 

結末よりも過程の方に興味がある人間なので、やはり今後は視聴のみとします。

と言っても、完走出来るかどうかも怪しいですが(汗)

 

 

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アンメット ある脳外科医の日記 11話(最終回) 感想|心を満たしてくれる存在

 

 

「川内先生。わかりますか?」の三瓶(若葉竜也)の問いに対して

ミヤビ(杉咲花)が返したのは「わかります。」という答え。

この「わかります。」の前にはもちろん意味は含まれているのだろうけど、

表面的に見てみれば、何に対して「わかった」なのかは分からないし、

仮にまだ記憶を失った状態だったとしても、

目覚めていきなり医者っぽい格好の人にそう聞かれたら

「はい」の調子で答えてしまうかもしれない。

 

でも…ミヤビは目を潤ませながら、鼻をひくひくさせながら、

声を震わせながら「わかります。」と伝えた。

きっとそれは、今目の前にいるのが大切な人で、

その大切な人を思い出せている自分が嬉しくて、

溢れる感情が止まらない…という事だと信じたい。

 

カンテレ制作のこの枠のドラマは、基本的に最終回は延長しないものの、

本作は特に視聴者に好評だったにもかかわらず、拡大をせず通常時間内で描き切った。

もし拡大放送をしていたら、目覚めた後の数分間で

いつも一緒にいてくれる優しくて楽しい面々と居酒屋で快気祝いも含めた

"その後"もさらっと描いていたんでしょうけど、

「私の今日は明日に繋がる。」とも日記に書かれていたように、

ミヤビと三瓶はこれから少しずつ思い出を重ねていけるんだね…

重ねていけると良いな…と想像を膨らませたくなる、

希望を感じさせる締めだったと思います。

いつもは「同じ病院で働いてる〜」が決まり挨拶の三瓶が

最後では「脳外科医の三瓶先生」ではなく「三瓶友治」として接している所も、

あの回想の後で、どうか思い出して欲しいという切実な願いが伝わってきて。

その分、ミヤビが「わかります。」と言った時の安堵の気持ちを増幅させた気がします。

 

手術シーンもねぇ…ここ最近のドラマで、

あんなに静かで、かつ緊張感もじわじわ感じさせるシーンを見た事があったかな。

ミヤビの命がかかっているから、そっちに引きずられてしまう反面、

あまりにも静かな時間が流れているのに、ふと驚いてしまっている自分もいたのです。

聞こえてくるのは心電図の音と、酸素を吸入する(?)スー…という音だけ。

瞬きする余裕もなく向き合う三瓶の目のアップを始めとした、

手術に携わる人々の不安・願い・緊張が垣間見える表情を映し出すカット。

そして、残り1分を切ったら手持ちカメラに切り替えたのか、ブレが出始めて

まるでドキュメンタリーかのような臨場感が増す。

ドラマチックな劇伴を大きな音量で流さなくても、

照明や主人公が挑む姿を映すエンタメ色の強い演出を加えなくても、山場は魅せられる。

そう証明してみせた、中々貴重なシーンでした。

 

本作の感想をなぜか今まで書いてこなかったので

(まぁ…半分は気力のせいです。やっぱり一度サボったらアカンですな(汗))、

ここから少し総括まじりに書くとするなら。

正直、前回までの内容だったら、

ちょっとだけアンメット(=満たされない)な状態で見終えてしまってはいました。

というのも…記憶障害を長期間発症し続けているミヤビが"医者"として、

失語症患者や左半側無視といった、同じく治すまでに相当時間のかかる

病気を患っている患者の心の治療をする姿を描いた1・2話に惹かれた私からしたら、

3話以降は惜しいなぁと思う回が頻繁にありまして。

例えば、元々の原作の主人公が三瓶であるが故に、上手く改変出来なかったのか

ミヤビとの描写の比率が偏っているように映ったり、

1〜3話という物語の方向性を固める重要な段階で

なぜか津幡(吉瀬美智子)の回を3話でまるまる1時間使ったり、

あとは…三瓶と大迫(井浦新)との対立、綾野(岡山天音)との恋愛絡みの対立、

綾野と麻衣(生田絵梨花)の婚約話、西島会長(酒向芳)も交えた陰謀論など

サブエピソードで描く事が多過ぎて。

5話や7話のような良い回も時々あれど、

全体的に「ミヤビが主人公」感が薄れてしまっているというか、

もっと患者に寄り添う彼女が見たいかなぁと、若干勿体なさは感じていたんです。

 

けれども、作り込んだからぜひ見届けて欲しいという

作り手側の想いやこだわりがビシバシ詰まった最終回を見たら、もう吹っ切れちゃって(笑)

いや…最終回だけに関係なく、引き算で見せる演出、劇伴、演技から滲み出る心地良さは、

初回からずっと好みではありました。

医療ドラマでありがちな、いがみ合いや、嫌がらせをしてくる上司の存在、

医者を見下す描写がなかったのがとても見やすかったです。

会話のシーンにしたって、声を張る部分がないから凄くリアルに聞こえましたしね。

初回放送後にたまたま目にして読んだ若葉竜也さんのインタビュー記事↓で

若葉竜也、民放連ドラ出演決意した“打ち合わせ”「面倒くさいことに付き合ってくれるなら」(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース

「テレビドラマでよく見る、登場人物が説明的なことをべらべらと話すような台詞はやりたくない」

と若葉さんが仰っていたんですが、作り手がそのご要望を汲んで、

役者さんの演技の力を、視聴者の賢さを最後まで信じて

制作されたんだろうな…というのがよく伝わってくる作品でした。

 

「エルピス」でも前期の「春になったら」でも感じた事ですが、

「これを届けたい!」ものが明確にあって、それを妥協せず形に落とし込んで

丁寧に、真摯に制作された作品の熱量は、

1クール分を埋めるために企画された作品と違うのは明らかなんですよね。

カンテレ制作の枠は、月10と…去年出来た「火ドラ★イレブン(火11)」の2枠のみ。

枠数が少ないからこそ、1つの作品を作り込める良さってあると思います。

ついでに言うと、ここ最近思うのは…ドラマの本数が多いと、それぞれの枠のカラーも薄まれば

ただスタッフやキャストを押さえるのに必死になるばかりで個々の作品に時間をかけられず、

結果的に、ドラマ全体の質が下がってしまっているような気もします。

特にフジテレビのドラマ枠は本当に多い。多過ぎる。

いや、フジテレビだけにかかわらず、本作をきっかけにじゃないですけど…

どの局も本数を調整して、「日本のドラマはやっぱり面白い!」と思えるような

作品1つ1つの質を高められる方向になってくれたら良いですよね。

全てが全て、本作のような洗練された作風を目指して欲しい訳じゃなく、

曲者キャストや豪華な劇伴で彩ったエンタメ色の強い作品も、

ツッコんで楽しめる作品も必要なんですけどね(笑)

 

話を本作に戻して…「群青領域」ぶりのお見かけとなった若葉竜也さんの、

ビー玉のような純真な目の演技も印象的でした。

演技力は前提として、何となく変人な医者に見えて、

マスクをつけたら実は少年っぽい…?という

ギャップ込みでのキャスティングだったのかも?とも思えたり。

もちろん、安全な場所にいたのが、三瓶に刺激を受けて、時に壁にぶち当たりながらも

医者を目指すようになるまでの過程を繊細に演じた杉咲花さんも良かったです。

他にも、良い人なのか悪い人なのか心の内が読めないミステリアスな井浦新さんも。

シリアスめいた雰囲気の中で明るい風を注いでくれる立ち位置の野呂佳代さんも、

実は一番頼れる藤堂を演じられた安井順平さんも。

本作、何気にキャストのバランスも絶妙でしたよね。

 

本当は、本作の感想は雑感集に組み込む予定でしたが…

長くなりそうな気がしたので先に書いちゃいました。

本作の感想を待っていて下さった読者様には、中々書けなくて申し訳ありません。

実は、2話以降録画を溜めてしまっていたので、最終回に間に合うように

約5日間数本視聴して、何とか追いつこうとしていたのです(汗)

(↑日9もそう。感想は後日書く予定です。)

感想を書きたいんだったら早めに書く。

数本溜まったら各回の感想執筆は諦めて、まずは視聴して追いついて

ある程度まで来たら雑感を…なんて、ちゃんと形を決めないとダメですなぁ。

 

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「虎に翼」今日の回(51話)を見て思うこと。

 

 

「惚れてたんだろ?花岡に」

よね(土居志央梨)のこの言葉…視聴していた時は

轟(戸塚純貴)が花岡(岩田剛典)に恋心を抱いている事を指す

言葉だとは思っていなかったんですよね。

いや…「惚れた」にはびっくりしたけれども、

それだけで恋愛だと決めつけるのも安直なのかなぁというか。

その後で轟が「あいつがいなかったら、俺は弁護士を目指していなかった」

「明律大で共に学べると知った時は嬉しかった」

「あいつのいる日本へ生きて帰りたいと思えた」と言っていたように、

轟にとって花岡は、同年代で身近にいるからこそ刺激をもらえる存在というか、

切磋琢磨しながら高め合える、生きる活力を与えてくれる存在というか…

2人の事は、友情の枠を超えた強い絆で結ばれている関係性なのだと捉えていたんですね。

 

でも…帰宅して(大体、お昼休憩中に見る事が多いのです)いつものようにSNSに触れて、

おすすめTLでたまたま目に入ったのが、

「虎に翼」を書かれている脚本家・吉田恵里香さんご本人の投稿。

一部抜粋すると…

「轟の、花岡への想いは初登場の時から【恋愛的感情を含んでいる】として描いていて私の中で一貫しています(本人は無自覚でも)。」

「人物設定を考える時から彼のセクシャリティは決まっていました。」

と呟かれていて。

「惚れた」の意味が恋愛を含んでいると思いながら見ていなかった私からしたら、

えっそういう意味だったの!?と、意外に感じてしまったのでした。

 

轟が花岡に対して恋愛的感情を抱いている…なるほど、そうなのか…。

今まで考えてもみなかったけど、2人のやりとりを思い返してみれば、

花岡が寅子(伊藤沙莉)たちと出会って間もない頃、

本性を隠して女性に近づく彼に対して「撤回しろ!」と何度も訴え、

歪んだ正義感に正々堂々と立ち向かう姿は描かれていたし、

寅子に黙って、妻といきなり現れて結婚報告をした時もそうだった。

当時は素直に、この人は自分の中で強い意志や信念があり、

目の前の物事が正義なのかそうでないのか

白黒はっきりさせたい人なんだという印象だったんですが。

今回の件を踏まえれば…前者に関してはストレートに、

「俺が"良い"と思った花岡」から遠ざかっていく悔しさや憤りとも捉えられるし、

後者は後者で、寅子の複雑な気持ちを代弁する事で

言葉に表せないモヤモヤした感情に蓋をして

それを曖昧にし続けた自分を許せなかったりもしたんだろうな…とも想像出来るので、

「恋愛的感情を含んでいる」と言われても、合点は行くんです。

ただ私が今まで全くそう思わなかっただけで(汗)

 

(本人は無自覚なものの)轟が花岡に向ける視線が恋愛から来ていたと

気づきもしなかった私はなんて鈍感なんだ!!と思い、後からザーッと感想を調べてみたら、

もしかしてそうなんじゃ…と前から勘付かれていた視聴者もいれば、

わざわざそこも描かなくたって…と動揺されている視聴者もいて賛否両論。

だからこそ、脚本家の吉田さんご本人が補足投稿を上げられていたんでしょうね。

 

でも…何でしょうね、視聴時も恋愛だと知った時も関係なく、

いつもだったら出てくるはずの「盛り込み過ぎ」「その設定の必要性は?」といった感想が

不思議と出てこなかったんですよねぇ。むしろ、納得しちゃって。

もちろん今でも、同性愛者も登場させて"多様性"を押し付ける作品に対しては、

盛り込んだ結果、物語が散漫になり、本来描くべきテーマが霞みがちなケースを

いくつか見てきたので否定的ではあるんですけど…。

本作にはなぜネガティブな感想が先行しなかったのかを考えてみたら、

ここまで、男性が優位に立つ社会の中でスンとした顔をしながら生きる女性とか、

生理の辛さとか、妊娠をしたら仕事を諦めなければならない理不尽な社会構造とか、

大切な人が出征するのと同等にしんどいであろう

生きているのか、帰ってくるのかという不安に襲われながら過ごす戦後の日々とか、

そういった、「初の女性弁護士・裁判官になる佐田寅子」の人生を描く上で、

女性が生きていく中で潜在的に感じている"苦しみ"に目を向ける描写は

ずっとされてきた訳で。

憲法が改正されて「国民は法の下に平等」な社会に変わろうとしている今(当時)、

その対象を"女性"だけでなく"その時代を生きる全ての人"に広げただけで、

昔も今後も、描こうとしている事には

一貫性があるからなんじゃないかな?という結論に落ち着きました。

現代でこそ、同性愛やLGBTQ+を受け入れつつある社会にはなっているけれど、

当時だったら生きづらさを抱えたままの人が圧倒的に多かったでしょうからね…。

 

ただ、まぁ、こんなに理解あるようには書いていますが、

轟が花岡に恋愛的感情を抱いているのでは?という新展開をまだ飲み込めていない自分もいて。

モデルとなる人物はいるものの、登場人物もテーマも方向性も作り手自身で考えて

構想を練るオリジナル作品である以上は、やっぱり"設定"は"設定"だよな…と思ってしまう

頭の硬い私でもあります。

とにかく、現時点では気持ちがどっちつかずで、何とも言えません(笑)

 

しかし、吉田さんの過去作品を振り返って思うのは、

人気BLコミックを実写化した「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(通称:チェリまほ)」

に2020年に携わられたのをきっかけに、恋愛感情を抱かないアロマンティック、

アセクシュアルを取り上げた2022年1月期の「恋せぬふたり」、

そして、同性愛も絡めた2023年の単発SP「生理のおじさんとその娘」と…

個々の作品の内容がどうだったかは置いといて、時を経て社会や価値観が変化してもなお、

様々な"恋愛の形"について考え続ける事をやめない方だったんだろうな…と。

で、放送から2ヶ月近く、とても上質に作り上げられているのが伝わる本作だから、

そんなに安易には終わらないだろうと。

寅子の過程も含めて、長年の紆余曲折があって、吉田さんなりの

何か1つの"答え"が落とされるんじゃないかと(正解という意味ではなく)。

今は、信じております。

 

ああ…さすがに今回の事はなんか書きたくなっちゃって、

悶々と考えながら書いていたら3時間以上もかかってしまった(笑)

シンプルに、よねの姿が見られたのには安心しましたし、

轟とよねが事務所を立ち上げると分かって、2人の今後の活躍が楽しみにもなりましたよ。

「私の前では強がるな」というよねの言葉も、凄く優しさを感じさせて。

「私の前では」っていうのがまた良くてねぇ。

普段は強がったって良いし、轟の考える"男らしさ"を貫いたって良いけど、

時には本音を打ち明けられる人がいないと心が疲れてしまうだろうし、

私にはそうしてくれると嬉しい…なんて想いもあったんじゃないかなと思います。

総じて、2人の等身大さと、2人ならではの関係性が垣間見えた回でもありました。

終わり方…これで良いのかな(苦笑)

以上、ひとりごとでした〜〜。

 

***

 

6/18追記:

なんと!本記事のリンクをhatenablogさんが貼って下さいました。↓

(「もっと読みたい!『虎に翼』に関するブログ」の部分)

 

いつもは朝ドラは視聴のみで、この回を見て、肯定の意見ともモヤモヤともなんか違う、

自分なりにいろいろと思った事を備忘録代わりに書いてみただけだったので、

リストアップの形でも紹介していただけてとても嬉しいです。

 

この投稿から1週間が経ってしまうので、そろそろ次の感想記事を上げたいですね(苦笑)

あれを書こう!書きたい!と思ってます。あ…ち……

 

 

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Destiny 9話(最終回) 感想|「20年の時をかける」とうたった割には…(苦笑)

 

 

がんが悪化して死にかけた経験をして以降、

ポエマーになり始めた真樹(亀梨和也)も真樹ですが…

お父さんも随分ペラペラ喋るようになりましたねぇ(笑)

で、相変わらず、相手の告白をすぐに信じてしまう奏(石原さとみ)。

野木が原因で英介(佐々木蔵之介)は自殺してしまったのに、

なんで彼に疑いの眼差しを向けないんだろう…と思うんですけど、

まぁ単純に、最終回でそこのイザコザを繰り広げていたら

時間がなくなるからって事なんでしょうね(苦笑)

 

ただでさえ話が進まなかったから、野木による真相告白(という名の説明台詞過多)と

回想だらけの最終回になる事は予め分かっていましたが、

そこで"答え"を提示すれば良いってもんじゃないと思うんですよね。

「初回と最終回だけ見れば理解出来るでしょ」みたいな作りでは、

正直、ミステリーどころか、"連続ドラマ"として成立していない…そう考えています。

謎を絡める以上は、段階を踏みながら真相解明に繋がる内容・展開で魅せなければ、

"連続ドラマ"ならではの醍醐味は感じられにくいですし。

その描写過程を疎かにして、最終回で「実はこんな真相でした」と言わんばかりに

畳みかけて明かされたとしても、それがいくら辻褄が合っていたとしても

何の面白味も湧かないんです。

 

肝心の黒幕にしても…え、こんな人今まで出てきたっけ?って感じで。

私が忘れているだけで過去に出演回があったのか、思わずwikipediaで調べちゃいましたもん。

「ぽっと出の登場人物が真犯人」という、初回から欠かさず見てきた視聴者を

裏切るタブーもやってしまって…冷めた気持ちに拍車をかけていた気がします。

 

では、どうしたらもっと面白くなったのか?を素人なりに考えるとするなら…

今までの無駄な恋愛描写や大学時代の回想は大幅にカットして、

最終回の秘書(岩田和浩)に関するエピソードを3〜4話辺りに持ってきて。

最近のドラマの主流(?)である二部構成にして、残り話数を「巨悪編」と名付けて

内閣総理大臣・東(伊武雅刀)に立ち向かう内容にすれば

盛り上がったんじゃないかと思ってます。

もう本当…「20年の時をかけるサスペンス×ラブストーリー」なんて

壮大なコンセプトにした割には、その大元とも言える人物の真相は

大畑(高畑淳子)の記者会見であっさり終わりましたから(汗)

 

その上で記者会見のシーンも、支部長が代表で…って事なんでしょうけど、

奏を傍観者にせず、奏1人か、あるいは大畑との2人体制で参加させて。

例えば…奏が机の下であのハンカチを握って、

心の準備を整えてから真相を1つずつ詳細に報告し始める…

時に涙目になりながらも、最後まで伝えきる姿を長台詞・長回しで見せる演出を施していたら、

「父の冤罪が晴れて良かったね…」「奏、やっと救われたね…」といった

カタルシスが味わえて、「20年の時をかける」にも説得力が増したのかもしれません。

 

ミステリーパートと恋愛パートのミスマッチ感が強い以前に、

視聴者を引き寄せるために用意しただけで、ミステリーなんて二の次…としか

思えないような作品でしたね。

最後のくだりも、一体何を見せられたんでしょう。

両者とも父は無罪だったし、真樹はがんを患っていたのに急に元気になったし、

みんな事件が解決したと思っているっぽいから

(東の裁判がまだ残っているんじゃないかって…)別に会う事に罪悪感はないだろうに、

「私と真樹は、初めから出会ってはいけない運命(奏のモノローグ)」って、

なんじゃそりゃ(呆笑)

その後結局、「真樹ー!!(多分)」と言いながら駆け寄っているし。

他にも、真樹は祐希(矢本悠馬)を早とちりで犯人だと決めつけていたにもかかわらず、

祐希に謝らせるだけで自分は謝ろうともしなかったし、

奏も貴志(安藤政信)に、今まで散々迷惑かけて振り回してきたのに

「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」って…。

何だかな。最後まで自分かお互いの事を考えてばかりで周りが全然見えていなくて…

2人とも魅力的に映らなかったのも残念でした。

 

貴志も英介も、最後は野木も良い人止まりで終わってしまったのも勿体なかったですねぇ。

安藤政信さんも佐々木蔵之介さんも、仲村トオルさんも…

お三方ともベテランで、"裏の顔"で一捻り効かせて

話を盛り上げる力のある俳優が揃っているだけに、そこの物足りなさも残りましたね。

特に貴志は、何かあるんじゃないかと期待していたんですよ、ずっと……w

 

 

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春ドラマの雑感いろいろ④〜火9・木9〜

 

こんばんは!りんころです。

今週までで視聴したドラマの一部の感想を、掲載していこうと思います。

 

※タイトルをクリックすると、その感想のページに飛びます。

マイペースに続けるためにも、ざっくりとした内容になっておりますm(_ _)m ←テンプレ

・Destiny 8話

・Believe 6話

 

ではでは…

 

 

Destiny 8話(5/28放送分)

 

放送開始から17分過ぎで、野木(仲村トオル)が言ったのが…

「(お前の友達は)30も過ぎて、みんな幼稚で世間知らずだ」。

なんかもう、的確な発言過ぎて、

それ以降頭の中でずーっとグルグルさせながら見てました(笑)

 

野木の言う通り、奏(石原さとみ)たちって、

みんな自分本位で、身勝手な人たちばかりなんですよね。

奏は検事なのに私情を挟みまくりで、貴志(安藤政信)と住んでいる自宅に

真樹(亀梨和也)を呼んで一緒にドラレコの録音を聴いたり、

貴志には無断で真樹と愛の逃避行をしたり…

散々貴志に対して不誠実な言動をしていたら、そりゃあ別れを切り出されるのも当然なのに、

本人は彼が気を利かせて誤魔化してくれたと知った時、

「あんな良い人、もうどこにもいない」はい…?と、思わず耳を疑いましたよ(苦笑)

彼への思いやりとか、罪悪感とかって彼女にはあんまりないんだなぁって。

 

他にも、真樹はたまたま目撃した祐希(矢本悠馬)を犯人だと勘違いして

簡単に罪を被って周囲に迷惑をかけるし。

祐希は祐希で、自分を庇った真樹が容疑者になってしまったにもかかわらず、

(全く犯罪に関与していないのに)自己保身を優先してしまう。

 

奏と知美(宮澤エマ)が梅田家で雑談しているシーンにしても…

なんであんなに笑っていられるのかが不思議でたまりませんでした。

特に謎だったのが…知美の「何やってんだろあの2人」発言。

あなたの旦那ですよ?

友達のために身の潔白を証明しようともしなかったんですよ??

私だったらそんな「同じクラスのあの人、最近〇〇になったんだって〜」みたいなノリで

他人事な発言は出来ませんよ。

むしろ、なんで言ってくれなかったの?って問い詰めるだろうし、

しばらく距離を置くかもしれません。

カオリ(田中みな実)がいたらな〜なんて思い出話になるのもよく分かりません(汗)

序盤でも書いた通り、みんな自分本位な性格なので…

大学時代を懐古出来るほどの友情って、ありましたっけ?

 

ここまで内輪の人間による証言というか告白が続いて、

それを"真実"だと受け取る描写に疑問を感じていた所で、

都合の良いタイミングで手がかりが現れるのも何だかなぁ。

ドライブレコーダーの映像とか、配達人(山添寛)に提供してもらった写真とか…

検事が調べる前に、警察が調べてそうなんですけどね。

「この人だ!」と気づくシーンも…寝落ちから目覚めた時にちょうど流れていたニュースで

見かけただけでしたし。

 

奏と真樹の惚気話に、大学時代の回想、真樹のポエムめいた不可解な発言に、

「俺がやった」で掻き乱す展開を2回やりながら

(↑この間の水10もそうですが、もうこの展開に飽きているどころか、うんざりしてます…)

ここまで事件の真相を引っ張り続けてきた本作。

最終回は野木の告白がメインでしょうね。つまり、説明台詞のオンパレード。

もうね…来週で終わりだから見るってだけです(悲)

 

 

Believe−君にかける橋− 6話(5/30放送分)

 

いやぁ、久々の雑感になっちゃいましたね。

2話の時に「話が進まない」と書いたっきりですが…ここまで見てきても、

・主人公にスポットライトを当てているはずなのに、狩山の妻・玲子(天海祐希)や

秋澤(斎藤工)、黒木(竹内涼真)、南雲(一ノ瀬颯)やその婚約者・本宮(山本舞香)など

他の登場人物のエピソードに尺を割くあまり、主人公の影が薄くなってしまっている

・登場人物の複数のエピソード+回想の挿入頻度の多さ+台詞の多さにより、

逃亡劇ならではの緊迫感が欠け、ダラダラした印象を与えてしまっている

・事件の真相をやたらと引き延ばしているため、

逃亡劇という似通った展開続きでマンネリ化し始めている

・明らかに「先が気になるでしょう?」「考察したくなるでしょう?」と

煽っているかのような思わせぶりな演出(特に場面転換)やシーンが多い

毎回、本当にこの4つの感想ばっかり浮かんでくるんですよ(笑)

 

今回は中間地点を越えたという事で書きましたが、

中々雑感集に上がらなかったのはそのためです。

同じような内容だから、時間もないし今回も書かなくて良いかな〜なんて…

ついつい優先順位が低くなってしまうのです。

 

私の中で「キムタクドラマ」は、光の意味でも影の意味でも

木村拓哉さん演じる主人公の存在感がとにかく大きくて、

持ち前の男気溢れるオーラとか、語りから滲み出る真っ直ぐさ・熱さとかで

周りの登場人物も視聴者もぐいっと惹きつけるイメージが強かっただけに…

こんなに群像劇ちっくになって、木村さんが目立たなくなってしまうのも珍しいんですよね。

豪華キャストで脇を固めるのも「キムタクドラマ」あるあるなはずなんですけど…

本作の場合は「この人の見せ場を作って下さい!」「出番を増やして下さい!」とでも

事務所から頼まれているのかな?と邪推してしまうくらい大人の事情を感じさせますし。

井上由美子さんは個人的に、人間の多面性やちらりと覗き見える"闇"を表現されるのが

お得意な脚本家だと認識しているのですが、

余計なお世話なのは重々承知で、あまり力が発揮出来ていないのでは?という気もしています。

 

また逃亡する舞台を変えたって事は、次回もそこまで進展はなさそうですね。

うーん、やっぱり逃亡劇は3ヶ月分の連続ドラマ向きじゃないのかもしれません。

仮に前後編での放送だったら、ダレないまま

先の話に興味を持たせることに成功していたでしょうし。

2時間SP or 映画だったら、真実追求のためにひたすら駆け抜ける主人公の動向を

ハラハラドキドキしながら見守れて、エンターテインメント感が強まって

あっという間に感じられたんじゃないかなぁ。

 

 

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