2024年11月一覧

宙わたる教室 5話 感想|"好き"を持つと人は強くなれる

 

 

科学部員が4人になり、これでいよいよ学会発表へ!…という事で、

今回からは大会に向けての部活動を中心とした話になるのかな?と思っていたので、

「夢中になっている様子」に心惹かれる立場のキャラクターを

まだ描いてくれるのは嬉しいですね。

楽しそうだな…綺麗だな…と徐々に気になり出す様子を、

余計な演出を入れず、表情で魅せる形で率直に描いてくれる。

本作の好きな所の1つなんですよねぇ。

 

麻衣(紺野彩夏)が、学会発表のエントリーを拒否され

諦めかけていたみんなに投げかけた言葉も、エネルギーに満ち溢れていて素敵でしたね。

彼女が大事に育てている娘からいつも元気をもらい、

店を持ちたいという夢を叶えるためにバイトと学業の両立で奮闘しているように、

柳田(小林虎之介)も、アンジェラ(ガウ)も、佳純(伊東蒼)も、長嶺(イッセー尾形)も、

科学部での活動で、いつしか忘れかけていた好奇心や向学心を取り戻し、

積極的に動けるようになった。

藤竹(窪田正孝)だって、あの組織に就いていれば将来有望であっただろう研究者から

定時制の教師になる道を選び、科学部で新たな目標を達成しようとしている。

根本的には、"好き"を持つと人は強くなれる…を

描いているんじゃないかな?という気がします。

 

今時風に言えば、「推し活」にも当てはまるかもしれません。

推したい人・物がいる(ある)から辛い仕事や勉強も頑張れるし、

休みの日にコンサートやイベントなどで実際に推し活を満喫すると、明日からの活力にも繋がる。

彼らを見ていると、それに近いとも思えます。

特に今回、その例が顕著だったのは佳純で、以前だったら病気や家庭環境もあって

どうせ…と諦めていたのが、自分の考えを勇気を出して話せるようになりました。

一回小さく頷いてから、「(学会発表を)やってみたいです…」とみんなに告白したくだりも、

彼女が科学と出会えて良かった…と、感慨深い気持ちにさせられました。

 

終盤で、麻衣も藤竹に「庄司さんもどうです?科学部、一緒にやりませんか」と

誘われるのですが、今はやらなきゃ行けない事がいっぱいあるし、

恵麻(曽根田あすな)とこれからもずっと一緒に生きていきたいから…と言って

断りを入れたんですね。

学校を舞台にしたドラマであるあるの、

主人公(=先生)との関わりを通して、心境が変わった生徒が1人ずつ仲間入りしていく…

という展開にはしない。ここも良い捻りでした。

この展開をとった事で、部員たちが「この先生だから、ついて行きたい」のではなく、

「この先生がきっかけで科学を好きになったから、もっと科学に触れてみたい」

人々であるという、それぞれの意思が改めて明確に示されたようにも思います。

 

いつも部員たちが熱心に取り組む様子を後ろから微笑んで見守り、

科学に興味を持ってくれる人が増える嬉しさ・喜びを目の奥に秘めながら

柔和でクレバーな佇まいを見せる藤竹が、

定時制高校は前例がないからエントリー出来ないと知った時に

感情を荒げたシーンは衝撃的でしたね。

科学部のネックとなる人物が、新しく委員長に就任された

石神(高島礼子)である事が分かりました。

研究所を辞めた理由もこの人物が関係しているんでしょうし、

今後どう関わっていくのか、彼の過去がどんなものなのかも気になりますね。

 

 

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嘘解きレトリック 5話 感想|慣習を守る義務感からの解放

 

 

ミステリーを前後編にすると、大抵は「これなら別に1話完結型でも良くない?」と

言いたくなるものが多いんですが、

本作の場合は前後編にしたのも納得の行く、工夫を凝らした構成になっていました。

 

後編に入る時に、冒頭に前編のおさらいを入れる事はよくありますが、

感心させられたのは、放送開始8分程度で左右馬(鈴鹿央士)の推理まで描いてみせた所。

前回の要点を踏まえつつ、鹿乃子(松本穂香)の能力のお陰もあって、

昨日のご飯を食べたかどうかを聞く形で、今そこにいる品子(片岡凛)は

昨日会った品子とは別人であると確定した。

そうして辿り着いた推理は…「品子さんは3人いたんだ」。

早い段階で提示する事で、果たして、左右馬の推理は当たっているのか?

もし本当に3人以上いたとするなら、イネ(松浦りょう)にあの時人形を品子だと

勘違いさせるまでのカラクリは?など、残された時間で真相が丁寧に描かれて、

視聴者にとっても、彼らと一緒に"答え合わせ"が出来るんですね。

 

劇的な展開を作ろうとするがあまり、派生した事件やサブエピソードなどで

物語を複雑に仕立てたり、情報の小出しや後出しジャンケンで引っ張ったりと、

解決に至っても消化不良感が残るミステリーやサスペンスも散見されただけに、

これはよく出来た展開だったな…と思わされました。

原作があるとは言え、漫画だと恐らく数話分にも及ぶ内容を前編・後編で分けて、

どれを削ってどこまで収めるか…がきちんと整理整頓されていたのは、

脚本力あってこそだったと思います。

 

横溝正史ミステリーに出てきそうな人形屋敷の話という事で、

昭和初期の下町を舞台に、町の人々を巻き込みながらの人情噺の印象が強かった

本作の今までの作風とはかけ離れてしまうのではないか?と少し不安でもあったんですが、

最終的には、ありのままの自分でいさせてくれる人と出会って逞しさが増した鹿乃子が、

"自分"を殺して生きている品子たちの心を救い出し、

品子たちもまた、たまたま聞いた「自分が正しいと思う方向に動く」という言葉をきっかけに

頑なに守り続けてきた慣習から解放されよう・変わろうとするという、

ほっこり温かいストーリーへと着地。

 

もうこの先も大丈夫だろう…と、今後の展開にも期待したくなった前後編でした。

雅(北乃きい)のキャラクターも好きだったなぁ。

最初は、人の懐にグイグイ入り込む系の人なのかな?と思いきや、

鹿乃子が何か特別な力を持っている事は何となく分かっていそうなものの、

追求はせず、彼女の想いを尊重してくれる優しい人でしたね。

寺山刑事(正名僕蔵)の頓珍漢なボケと、

キビキビツッコむ雅の掛け合いもテンポ良く、楽しめました。

あのやりとりが1話限りなのは勿体ないような…(笑)

 

 

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海に眠るダイヤモンド 2話 感想|水道から落ちる水滴も惜しい

 

 

まず、本作の感想に入る前に、今日の番組編成についていろいろ思う事を。

(長くなってしまったので、感想だけ読みたいという方は こちら を押してくださいませ(汗))

いやぁ〜さすがに…あの切り方は野球ファンが可哀想なのではないでしょうか。

 

どうやら今日で全てが決まる試合だったようで、

某横浜チームが26年ぶりに日本一になったとの事。

となると、ここまでの苦悩とか感謝の気持ちとか、言葉にしたいたくさんの想いがある訳で、

普段野球に興味のない私も、良いよ良いよ…22時まで延長して良いよ…(←誰^^;)

と思いながら放送を待っていたんですけど、

なんと、ドラマは21時30分から始まるとのアナウンスが。

え…?今インタビュー中だけど途中で切れない?と思っていたら、案の定。

ドラマを心待ちにしている視聴者への配慮のつもりで急いで切り替えたんでしょうけど、

あの中途半端な切り方では、ドラマ好きも野球ファンも素直に喜べないですよね。

 

野球が放送されるたびいっつも疑問なのは、なぜ延長する事を想定して

最初から多めに時間を確保しないのか?という事なんですね。

例えば、スポーツはスポーツでも、サッカーやフィギュアスケートなどは

15〜30分くらい延長するイメージはありますが、

野球の場合は30分〜1時間の延長が当たり前みたいな状態になっているじゃないですか。

なのに、どこのテレビ局も21時までの予定で編成を組んでいます。

また5分延びた…いつ始まるんだ…と、番組表をしつこく確認しながら

じりじり待たされるのが辛い私からしたら、

21時台のドラマやバラエティ番組は前もって休止して欲しいというのが個人的な考えなのです。

時間を多く見積もらないから、「いつまでやってるんだ」と文句を言いたくなってしまう

野球アンチが増えるんだとも思います。

 

時間を確保出来ない事情があるんだとしたら、21時以降はBSに移行するなり、

オリンピックの生配信もしたTVer、ABEMAといった動画配信サービスでも放送するなり、

野球ファンと特定の番組のファン同士が揉めずに済む方法がいくらでもある気がするのです。

(動画配信サービスはまぁ…録画したい方は出来なくなってしまうんですが(汗))

で…TBSは、重要な試合の放送権を得た以上は、

最後まで放送する責任を持っていただきたかったです。

SNSでは、2週間ぶりの放送なのもあって、「野球は良いからドラマを早く始めてくれ」と

イライラしている呟きも見かけて、それはきっと向こうも同じで

「ドラマは良いから続きを見せろ」と怒っていただろうなと…。

私がドラマを好きなように、いろんな人にも"好きなもの"があるからこそ、

あの終わり方にはモヤモヤさせられました。

 

さぁ、野球の話はもうおしまい。ここまでで1000文字超えちゃいましたよ(苦笑)

今から本作の感想を書かせていただきます…。

 

今回は対人関係の対比もありましたが、「水」を中心に話が構成されていましたね。

現代パートでいづみ(宮本信子)が、玲央(神木隆之介)の自宅の水道から

ぽたぽた水が垂れているのを見て発言した「それより、水道が気になるね。もったいない。」

過去パートでは、端島の水が未整備のため、

決められた時間内で回数券(のような券)を使いながら桶1杯分の水を溜めに行く大変さ…

進平(斎藤工)の妻・栄子がゴミを回収する仕事をしている最中、波に攫われた悲しい出来事…

台風という、人間の力はおろか、神の力に縋っても抗えない"膨大な水"への恐怖…と

水にまつわる様々なエピソードが書かれた事で、

時間が経つごとに、何気なく聞こえたいづみの発言にも徐々に重みが増しました。

現代パートが過去パートを掘り下げるための導入の役割を果たしており、

そういう意味では、2つの時代の切り替えも、初回より唐突感が減ったのではないかと思います。

 

しかし、今回を見ていて、ちょっと気になる部分もありました。

鉄平(神木隆之介)のナレーションによる状況説明…今回も多かったですね。

いや、まだ2話なのでやむを得ない所はあるんですけど、

やはりこれは、1週空いてしまったのが大きいのかなと。

お陰で…前回の感想で「『半沢直樹』『下町ロケット』が大ヒットして、

勧善懲悪のカラーが強まる前の、2010年代半ばまでを彷彿とさせる作品でもありましたね。」

と書きましたが、今回も、初回に感じた印象とあまり変わらず。

「これから面白くなりそう」止まりで終わってしまったのは確かです。

放送前に見返しておけば良かったかな…と思いますが、

端島での暮らし」の解説が3話以降、もう少し抑えめになる事を期待したいです。

 

そして、それ以上に気になったのは、現代パートの内容に進展が見えない事。

先ほど「現代パートが過去パートを掘り下げるための導入の役割を果たしており」と書きましたが、

それってつまり、現時点では過去パートの引き立て役とも言い換えられるんですね。

いづみの若い頃は誰?玲央はなぜホストを続けてるの?家族は?などの"謎"が多く、

思わせぶりな描写が続くので、ぶっちゃけ、考察モノに近いんです。

現代パートの方で大きな動きが感じられない一方で、過去パートに割く時間はかなり多いので、

どうしても過去パートの方に魅力を感じてしまいがち。

題材も関係していると思うんですけどね。

初回の時は、2つの時代を交互に描く手法を最初から否定しないようにしよう、

何か意図があるんだろうと探りながら好意的に見ていたんですけど、

「現代パートはいらない」という声が上がるのも、頷けてしまいます。

最終的には意味のあるものになるんだと信じていますが…

現代パートがメインになる回もあるのでしょうか?

 

とは言え、期待はまだまだしております。

百合子(土屋太鳳)の言葉「浦上の上だってピカは落ちたんだよ!」も…

「ピカ」が何を指しているかは明確にせずとも何となく意味は分かってしまって、

思わず、ゔっ…と心苦しかったです。

戦前ですもんね。"あの事"も内包して、過去パートの物語は紡がれて行くんですね…。

 

 

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3000万 5話 感想|どんどん泥沼にハマっていく…

 

 

下手したら闇バイトの人たちと同じになってしまうと思いながら見ていた前半からの今回…

祐子(安達祐実)もとうとう、れっきとした"犯罪者"になってしまいました。

 

闇バイトの現場があそこまでじっくり描かれるのって、中々珍しいのではないでしょうか。

祐子が行ったのは、タタキ=強盗の情報集めで…

そこで驚いたのは、傍から見ると到底犯罪者には思えない、

ごく普通の見た目をした人たちばかりが電話していたという事だったんですね。

外で動く坂本(木原勝利)や蒲池(加治将樹)など、

闇バイト関係者の中にはいかにも悪さをしそうな風貌の人もいるんですが、

「犯罪者」と言えば全身黒づくめで…黒い手袋をして…

帽子とマスクをして…っていうのはもう古くて(この例も典型的ではあるんですが(汗))、

祐子がお金欲しさに片足を突っ込んでしまったように、

それぞれ何かしらの苦しい事情があって

いつの間にかズルズル抜け出せなくなってしまった人たちの方が

圧倒的に多いんだろうと考えさせられる光景でした。

現実世界でも実際に事件が起こっているだけに、あまりの生々しい描写に

恐怖どころか胸が痛くなりました…。

 

胸が痛くなったと言えば、ショッピングモールで偶然再会した

橋本(工藤遥)とのエピソードも。

今思えば佐々木さんと話すの結構好きだったと言ってくれている橋本に対して、

さっき撮った写真をやっぱり消して欲しいと切羽詰まった表情でお願いする祐子の様子が…

ああ…もう"あの頃"には戻れない所まで来てしまったのだという

現実を突きつけられたようでしたね。

橋本のいる世界と、祐子のいる世界とで自ら分断しに行ったとも言えます。

今の祐子は、自分が闇バイトに関わっているという事実を何とか隠したくて必死で、

話が全然噛み合っていません。それが悲しいのです。

彼女の心遣いに気づける・応えられるかどうかが、

泥沼にハマらない最後のチャンスだったかもしれないのに。

橋本の立場を思うと、切なかったです…。

 

それにしても、夫婦はま〜た危ない道を走ってますね。

そっちの方に引き摺り込むのって、いっつも義光(青木崇高)なんですよね(苦笑)

純一(味元耀大)のあの失望した顔を目の当たりにしたはずなのに、

坂本が家にも上がり込んできたのに、息子が巻き込まれて攫われるなんて発想が

全く頭にないのが不思議です。

小学生でまだまだ自立出来る年齢ではないのを自覚しているからか、

今でこそ大人しく親と一緒の生活を送っていますが、

両親が捕まったとしても終わりという訳にはいかず、将来が心配でたまりません…。

 

 

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