科学部員が4人になり、これでいよいよ学会発表へ!…という事で、
今回からは大会に向けての部活動を中心とした話になるのかな?と思っていたので、
「夢中になっている様子」に心惹かれる立場のキャラクターを
まだ描いてくれるのは嬉しいですね。
楽しそうだな…綺麗だな…と徐々に気になり出す様子を、
余計な演出を入れず、表情で魅せる形で率直に描いてくれる。
本作の好きな所の1つなんですよねぇ。
麻衣(紺野彩夏)が、学会発表のエントリーを拒否され
諦めかけていたみんなに投げかけた言葉も、エネルギーに満ち溢れていて素敵でしたね。
彼女が大事に育てている娘からいつも元気をもらい、
店を持ちたいという夢を叶えるためにバイトと学業の両立で奮闘しているように、
柳田(小林虎之介)も、アンジェラ(ガウ)も、佳純(伊東蒼)も、長嶺(イッセー尾形)も、
科学部での活動で、いつしか忘れかけていた好奇心や向学心を取り戻し、
積極的に動けるようになった。
藤竹(窪田正孝)だって、あの組織に就いていれば将来有望であっただろう研究者から
定時制の教師になる道を選び、科学部で新たな目標を達成しようとしている。
根本的には、"好き"を持つと人は強くなれる…を
描いているんじゃないかな?という気がします。
今時風に言えば、「推し活」にも当てはまるかもしれません。
推したい人・物がいる(ある)から辛い仕事や勉強も頑張れるし、
休みの日にコンサートやイベントなどで実際に推し活を満喫すると、明日からの活力にも繋がる。
彼らを見ていると、それに近いとも思えます。
特に今回、その例が顕著だったのは佳純で、以前だったら病気や家庭環境もあって
どうせ…と諦めていたのが、自分の考えを勇気を出して話せるようになりました。
一回小さく頷いてから、「(学会発表を)やってみたいです…」とみんなに告白したくだりも、
彼女が科学と出会えて良かった…と、感慨深い気持ちにさせられました。
終盤で、麻衣も藤竹に「庄司さんもどうです?科学部、一緒にやりませんか」と
誘われるのですが、今はやらなきゃ行けない事がいっぱいあるし、
恵麻(曽根田あすな)とこれからもずっと一緒に生きていきたいから…と言って
断りを入れたんですね。
学校を舞台にしたドラマであるあるの、
主人公(=先生)との関わりを通して、心境が変わった生徒が1人ずつ仲間入りしていく…
という展開にはしない。ここも良い捻りでした。
この展開をとった事で、部員たちが「この先生だから、ついて行きたい」のではなく、
「この先生がきっかけで科学を好きになったから、もっと科学に触れてみたい」
人々であるという、それぞれの意思が改めて明確に示されたようにも思います。
いつも部員たちが熱心に取り組む様子を後ろから微笑んで見守り、
科学に興味を持ってくれる人が増える嬉しさ・喜びを目の奥に秘めながら
柔和でクレバーな佇まいを見せる藤竹が、
定時制高校は前例がないからエントリー出来ないと知った時に
感情を荒げたシーンは衝撃的でしたね。
科学部のネックとなる人物が、新しく委員長に就任された
石神(高島礼子)である事が分かりました。
研究所を辞めた理由もこの人物が関係しているんでしょうし、
今後どう関わっていくのか、彼の過去がどんなものなのかも気になりますね。
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