2024年12月一覧

嘘解きレトリック 11話(最終回) 感想|2人の日常をまたいつか見たい…

 

 

ドラマの中でクリスマスツリーが飾られていると、秋ドラマの終わりを実感するし、

母・フミ(若村麻由美)とのわだかまりも無事に解けたし…

これが最終回でもおかしくないと前回を見た時には思っていましたが、

なるほど…総括と呼ぶにふさわしい内容に仕上がっていましたね。

 

名前も自分自身の事も、全て嘘をついている麗子(加藤小夏)。

素性を隠したいのか?なぜそこまで嘘で塗り固めようとするのかは、

親友であり姉妹のようでもあり、特別な感情も抱いている存在の鈴乃が

婚約相手と結婚する事が関係していました。

あの時は喜んだけれども、本当はもう一緒にいられなくなるのが寂しくて、

大切な人の幸せを願えない自分が心底嫌になって、

こんな醜い自分を相手にも見せたくないし、心にもない嘘もつきたくないと思ったそう。

 

「何もかも思い通りになるなら、誰も嘘をつかない。

思い通りにならないものを思い通りにしようとした時、嘘をつくんです。」

左右馬(鈴鹿央士)のこの言葉にはハッとさせられましたね。

九十九夜町で彼と出会うまで、嘘と本当を聞き分ける能力を持っている自分に対して

コンプレックスを抱えていた鹿乃子(松本穂香)は、

これまで様々な事件や出来事を通して、悪い嘘だけじゃなく、

優しい嘘、好意からくる嘘…いろんな嘘がある事を知った訳ですが、

嘘をつく人の根本には「こうありたい」という、

理想に少しでも近づきたい想いが含まれているのだと。

走馬灯のような回想を見ながら、確かに…と、胸にストンと落ちる感覚を覚える結末でした。

 

「レトロ・ミステリー」とうたっている本作ですが、

個人的には、食べ物や小物、街の雰囲気から、季節の移ろいを感じさせてくれる所が好きで、

毎回惹かれながら見ておりました。

秋刀魚に栗ご飯、寒い時期に食べるあつあつのつくも焼、肉団子いっぱいのお鍋、おでん…

本作の中で出てくる料理、み〜んな美味しそうで。

「今日は〇〇♪」とウキウキしながら歩く左右馬の姿も、秋〜冬の季節の到来を感じさせて

見ている私も一緒に心が弾んでいたんですよね。

水面にゆらゆら映る月も、初雪もロマンチック。

昭和初期を舞台にした作品だけあって、古き良き日本の風景を尊重し、

大切に扱ったのが伺える画作りにも時折うっとりさせられていました。

 

若村麻由美さん、余貴美子さんといったベテラン俳優の存在も

味わい深さを醸し出していましたが、

若手俳優のキャスティングも、世間には広く知られていないんだろうけど

自然と目を引く方ばかりで、ここもセンスの良さを感じさせました。

西片くん(←分かる人には分かる)が登場してきた時には、声が出ちゃいましたよ。

半年くらいしか経っていなくても、やっぱり声変わりってするもんなんですねぇ。

徳田史郎は…今後も出番がありそう。絶対、1話限りじゃないでしょう。

 

視聴前は、脚本家陣と演出家陣のネームバリューのバランスが偏っている事から、

「脚本=物語の設計図」だと考えている私からしたら

大丈夫なのか…?と不安で仕方なかったですが、

いざ最終回まで見てみれば、ベテランの演出家と(恐らく)フレッシュな脚本家の

相互作用がきっちり働いた作品になっていた気がします。

何しろ凄かったのは、複数体制で、しかもそれぞれ作風や得意分野の違う

演出家を起用していれば、回によって雰囲気やキャラ設定が

ばらついてしまう可能性だってなくもないのに、

演出家ごとの良さを活かしつつも、物語の軸は「"嘘"が引き起こす葛藤・苦悩」

「相手を信じたいという気持ち」の人情劇テイストで一貫していた所。

お陰で、1話ごとに違った面を見せる内容に、冒険のようにワクワクしつつ、

そこでの経験を通して左右馬と鹿乃子の絆が深まっていく様を微笑ましく見られました。

鹿乃子の成長物語としても、ブレがありませんでした。

 

ラストで、「くら田」家族の撮影のはずが、徐々に町の人たちが参加してきて

賑わっていくシーンを見て、この町の登場人物は個性豊かで魅力的だったなぁ…としみじみ。

6話の猫を追いかけるくだりもそうでしたが、1つの画面に人が密集する所が

いかにも下町らしくて、そこも好きなポイントだったんですよね。

 

左右馬を意識し始めるも、まだ迷いがある状態の鹿乃子で終わり…

ぜひまた、続編でも、土曜プレミアムで放送されるSPドラマでも良いので、

続きの話が見たいです。

肌寒い季節に人の温もりを感じさせる作りだったので、

秋冬にぴったりな作品ではあったんですけど、

これはベタな例えですけど…桜の木の下でお団子を食べながらお花見をする2人も、

線香花火をして楽しむ2人も見てみたいなぁとも思ったり。

いや、放送時期はいつだって嬉しいです。

原作は完結しているそうですが、まだ話が残っているとの事なので…

ゆっくり、ゆっくりお待ちしております。

 

↓今までの感想はこちら(6話以降は書いていません)↓

 

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海に眠るダイヤモンド 8話 感想|俺もダイヤモンドが欲しい!

 

 

う〜〜〜ん……玲央(神木隆之介)がいづみ(宮本信子)や和馬(尾美としのり)に

感化されて大胆な行動をとった件。

分かるけど分からないみたいな、曖昧な感じです。

1話の感想ではこう書いていて。↓

「(端島の人々の労働環境は劣悪)なのに、どの人も表情は活気に満ちて、

日本が発達していくのに手応えを感じているのか、やりがいを見出しているよう。

"生"が伝わってくるんですね。

一方で現代の東京は、職業も多種多様になってきて、豊かな時代であるはずなのに

どこか空虚で閉塞的で、ホストクラブで働く玲央(神木隆之介)からも

覇気を感じられません。」

最終的には「俺も変わりたい!」という方向性に行くだろうな…とは思っていたので、

彼の変化自体は困惑するものでもないですし、

ホスト相手に自分のありのままの想いを伝える台詞だけ聞いていれば、

彼がいづみと端島の人々に影響を受けたのだとも分かるんですが…

何でしょうね…なんか、その決断に辿り着くまでが強引な気がしちゃって、

気持ちがまだ追いついていないんですよね。

 

和馬が診断書を盛大に破ってばら撒いた件については、母のいづみが鉄平鉄平で

玲央に構ってばっかりで、父親に対してはどう思っているのか悶々としていた中で

本人があの人は優しかったと言及してくれた事が嬉しかったからなのだとは

後から理解出来たんですが…。

そのシーンからの、ホストクラブへと走り出してしまうという

ドラマチックな画(え)続きに引っ張られてしまったのもあるのかもしれません。

 

いや、それも原因ではあるけれども…あの感動的なラストにするのであれば、

そもそも、玲央がホストクラブに借金を返済しなきゃだの、

いづみの会社の今後だの、2人にまつわるトラブルの描写は不必要だった気がするんですよね。

現代パートは考察要素で中盤まで引き延ばしを図っていたのはもちろん、

トラブルを中心に物語を展開していた分、

玲央といづみの心情描写が不足していたと言った方が伝わるのかな。

やっぱり、何も2つの時代で別々に話を用意しなくても…もっとシンプルで良かったんですよ。

現代パートには"過去"を振り返るためのパートに徹してもらって、

思い耽っていたいづみが、先の見えない日々を過ごしていた玲央に過去について語り、

玲央が徐々に自分の生き方に疑問を感じるようになり、

やがて自分の思いのままに行動してみようと決意する…という

成長物語が軸の話になっていたら、

今回のラストにもカタルシスが感じられて、感情移入しやすかったんじゃないかと思っています。

 

前回の悲劇もあり、端島はもう無人島だと現在で分かっている以上は、

初回の冒頭でチラッと映った、リナが赤ちゃんを抱いて舟で逃げるシーンについて

ようやく触れられるのでは?と思っていたのですが、

まさかこのタイミングで「復活の兆し」を描くとは。

最終回は2時間スペシャルだと判明して、だからか…とは納得しました。

選挙で1週間お休みでしたし、再来週はSPドラマが放送されるので、2話分くっつけたんですね。

 

でも…2時間で描き切れるのかという不安も。

鉄平が今はどうしているのか?生きているのか?もそうですが、

一部が破られ、黒く塗り潰された日記の真相とか、

賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)の今とか、誠(小林昌樹)の今とか、

いづみの会社「IKEGAYA」の由来とか、気になる事が山ほどあります。

どこまで描かれるんでしょう?

登場人物も、人物を絡めたサブエピソードも多い本作ですから…

いくらあのスタッフと言えども、

収拾がつかない結末になる可能性も秘めていてちょっと心配です。

感想は…当日に上げられるように頑張ります。

もし寝落ちしてしまった場合は、なるべく早めに上げます(汗)

 

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海に眠るダイヤモンド 8話 感想|俺もダイヤモンドが欲しい!

 

 

う〜〜〜ん……玲央(神木隆之介)がいづみ(宮本信子)や和馬(尾美としのり)に

感化されて大胆な行動をとった件。

分かるけど分からないみたいな、曖昧な感じです。

1話の感想ではこう書いていて。↓

「(端島の人々の労働環境は劣悪)なのに、どの人も表情は活気に満ちて、

日本が発達していくのに手応えを感じているのか、やりがいを見出しているよう。

"生"が伝わってくるんですね。

一方で現代の東京は、職業も多種多様になってきて、豊かな時代であるはずなのに

どこか空虚で閉塞的で、ホストクラブで働く玲央(神木隆之介)からも

覇気を感じられません。」

最終的には「俺も変わりたい!」という方向性に行くだろうな…とは思っていたので、

彼の変化自体は困惑するものでもないですし、

ホスト相手に自分のありのままの想いを伝える台詞だけ聞いていれば、

彼がいづみと端島の人々に影響を受けたのだとも分かるんですが…

何でしょうね…なんか、その決断に辿り着くまでが強引な気がしちゃって、

気持ちがまだ追いついていないんですよね。

 

和馬が診断書を盛大に破ってばら撒いた件については、母のいづみが鉄平鉄平で

玲央に構ってばっかりで、父親に対してはどう思っているのか悶々としていた中で

本人があの人は優しかったと言及してくれた事が嬉しかったからなのだとは

後から理解出来たんですが…。

そのシーンからの、ホストクラブへと走り出してしまうという

ドラマチックな画(え)続きに引っ張られてしまったのもあるのかもしれません。

 

いや、それも原因ではあるけれども…あの感動的なラストにするのであれば、

そもそも、玲央がホストクラブに借金を返済しなきゃだの、

いづみの会社の今後だの、2人にまつわるトラブルの描写は不必要だった気がするんですよね。

現代パートは考察要素で中盤まで引き延ばしを図っていたのはもちろん、

トラブルを中心に物語を展開していた分、

玲央といづみの心情描写が不足していたと言った方が伝わるのかな。

やっぱり、何も2つの時代で別々に話を用意しなくても…もっとシンプルで良かったんですよ。

現代パートには"過去"を振り返るためのパートに徹してもらって、

思い耽っていたいづみが、先の見えない日々を過ごしていた玲央に過去について語り、

玲央が徐々に自分の生き方に疑問を感じるようになり、

やがて自分の思いのままに行動してみようと決意する…という

成長物語が軸の話になっていたら、

今回のラストにもカタルシスが感じられて、感情移入しやすかったんじゃないかと思っています。

 

前回の悲劇もあり、端島はもう無人島だと現在で分かっている以上は、

初回の冒頭でチラッと映った、リナが赤ちゃんを抱いて舟で逃げるシーンについて

ようやく触れられるのでは?と思っていたのですが、

まさかこのタイミングで「復活の兆し」を描くとは。

最終回は2時間スペシャルだと判明して、だからか…とは納得しました。

選挙で1週間お休みでしたし、再来週はSPドラマが放送されるので、2話分くっつけたんですね。

 

でも…2時間で描き切れるのかという不安も。

鉄平が今はどうしているのか?生きているのか?もそうですが、

一部が破られ、黒く塗り潰された日記の真相とか、

賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)の今とか、誠(小林昌樹)の今とか、

いづみの会社「IKEGAYA」の由来とか、気になる事が山ほどあります。

どこまで描かれるんでしょう?

登場人物も、人物を絡めたサブエピソードも多い本作ですから…

いくらあのスタッフと言えども、

収拾がつかない結末になる可能性も秘めていてちょっと心配です。

感想は…当日に上げられるように頑張ります。

もし寝落ちしてしまったら、なるべく早めに上げます。←保険をかける人^^;

 

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海に眠るダイヤモンド 7話 感想|端島の人々はどうなるの?残り2話が気になる。

 

 

これは私の思う連続ドラマあるあるで、数年間ドラマを見ていると、

幸せなエピソードが続いた後には悲劇が待っているのがお馴染みの展開になっています。

なので、今回は少し気を引き締めた状態での視聴だったのですが…

まさかこの人が…という、予想の斜め上を行く辛い終わりが待っていました。

 

リナ(池田エライザ)と進平(斎藤工)の子供の1歳記念祝いで、

母・ハル(中嶋朋子)が感極まって「まだこがん幸せあるってね。長生きするもんたいね。」

と言った直後に鉄平(神木隆之介)を映したり…

上が黒焦げになってしまった皿うどんの麺の焼けた音をやけに長く残したり…

職業柄、坑内に入れない事にもどかしさを覚える鉄平の発言だったり…

序盤から不穏さを漂わせていた今回。

 

前回のラストでは、写真の中に鉄平がいない事が明かされ、

日記に書かれた「坑内火災」というワードがチラッと見えたので、

てっきり、鉄平が坑内火災に巻き込まれて亡くなってしまったんじゃないかと

思っていたのですが、それは早とちりでした。

幻覚を払拭して(一瞬、栄子を呼んでいた所も切なくなったけど…)

今度こそ3人で幸せに暮らそうと決意したのに、なぜ進平があんな目に…

みんなで移動していたのになんで彼を1人にさせてしまったのか…とも思うけれども、

こうなってくると、鉄平はどこへ行ってしまったのか?という謎も募るばかりですね。

 

今回特筆しておきたいのは、辰雄(沢村一樹)と一平のやりとり。

辰雄の決断も、自分が住民たちに報告する事で

端島が、住民たちの生活がどうなるのかが分かった上で、

苦しい想いでしたものなのだというのが握り拳を震わせている様子で伝わってきましたし。

最初は、生き甲斐でもあり人生でもあった炭鉱での仕事が出来なくなると知って

反発していた一平(國村隼)が、辰雄の想いを聞いてからは、

まだ悔しさは残りつつも受け入れる覚悟を決めた漢気っぷりにもやられました。

 

そうだよな、戦争を経験してからまだ数年しか経っていないんだもの…

これ以上多くの人の命が犠牲になって欲しくないよな…とハッとさせられる部分もあっただけに。

正直、2人のパートが、鉄平と朝子(杉咲花)のピュアな恋愛パート、

リナと進平の家庭パートと同列の、言わば"群像劇の1つ"として

まとめられてしまっているような構成にはちょっと勿体なさも感じて、

端島にとって大きな分岐点となる出来事を取り扱っているだけに、

ベテラン・重鎮の立ち位置である2人に焦点が当たった回も見てみたかったとも思ったんですが。

まぁでも…純粋に、残り2話でどんな過程を見せてもらえるのか?と、

先の展開に興味が持てる内容になっていたのは確かです。

 

前回に引き続き、現代パートは過去パートへの"繋ぎ"の役割を担っていました。

お陰で、クライマックスに向かう端島の物語に集中出来ますね。

 

 

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宙わたる教室 9話 感想|完全体のロケットで再出発!

 

 

私が真面目にドラマを見るようになったのは2017年の夏頃からで、

毎年何十本も見ていれば、数年経ったら記憶がぼんやりしてしまう事の方が多いんですが…

部分的だったとしても、いつまでも心の中で大切に閉まっておきたい

台詞やエピソードも出てくるんですね。

放送局も放送時期も違うのに、なんで本作の感想で?というのは重々承知していますが、

個人のブログですし、日付もいじるので…(ボソッ)

今回は、私が当時刺さった好きな台詞を紹介しながら感想を書いていこうと思います。

 

今回の内容を見ていて…個人的にはこの言葉を思い出してしまったんですね。

「彼らのゴールを勝手に作るな」

以前、とある作品の感想でも触れた事があるのですが、TBSの日曜劇場「陸王」での台詞です。

就職活動が上手く行かず、努力しても無駄なんじゃないかと

ネガティブになり始めていた息子に対して、

走り続けている限りは"終わり"じゃないという意味でエールを送ってくれた主人公の言葉で、

同じような心境だった私も少しだけ救われた気持ちになった事を覚えています。

 

科学部のみんなも…1つになって物事に熱心に取り組んだ経験は

無駄にはならない(と信じている)し、今後の人生において絶対に宝物になる。

何かがきっかけでいつか役立つ時が来るかもしれない。

そうは思っているんですが…それは、何かを悔いなくやり遂げ、

次のステージに進もうと決めた人が言うから響く言葉だとも思っていて、

実験に対して後ろ向きの状態のみんなを見ていると、

やっぱりこのまま諦めて欲しくないという気持ちが芽生えてしまうんですね。

 

柳田(小林虎之介)は退部届は出していないし、

科学部自体も廃部が正式に決まった訳じゃない。

今更ですが、佳純(伊東蒼)が記録をつけているノートのタイトルが

「科学部記録ノート」ではなく、「科学部活動ノート」になっているのも何気に素敵で。

「記録」と書いてしまったら、その日の実験成果を書き記す=終わりの意味合いが

強くなってしまいそうだけど、「活動」と書いているから、

彼女にとっては部活動は現在進行中のものだと考えているんじゃないかな…と思うのです。

 

だから…木内(田中哲司)が藤竹(窪田正孝)にかける労いの言葉も、

長嶺(イッセー尾形)の「このまま解散かもしれんな…」も、

藤竹の「科学部も壊れました」「僕の実験は失敗です」も…なんか…なんか違う。

あくまでも私は「見ているだけ」の立場である事は十分理解しているけれども、

完全にピリオドはついていないのに、

なんで全体的に"終わり"の流れになってしまっているんだろうと

もどかしく感じながら見ていたら…

後半、柳田が自分の思っている事を代弁してくれました。

 

「勝手に終わらせてんじゃねぇよ!」

そう!それ!その言葉を待っていたのよ!!

想像以上にストレートで、しかもガツンと言ってくれたのが柳田であるという事実に

ボロボロ泣いちゃいましたよ…。

(終盤、伊之瀬も同じような事を言ってましたね…さすが人生の先輩)

ドラマあるあるで、途中から立ち聞きしていないかという淡い期待にも

しっかり応えてくれていました。

科学室に来るのに躊躇していたのは…アンジェラ(ガウ)を理不尽に怒鳴ってしまった、

自分が大声を出して相手と揉め合った事で科学部に隕石を落とし、

佳純(伊東蒼)の心も苦しめてしまった自覚はあるからで、

その根本的な原因となった三浦(仲野温)と対等に向き合わないまま

生半可な気持ちで行くのは許せないと思ったから…なんですよね。

柳田が真っ直ぐな人で本当に良かったです。あぁ、カッコ良かった。

 

「あんたの仮説、俺たちが証明してやるよ。だから俺たちをもっとその気にさせろ。」

挫折を乗り越えまた1つ頼もしくなった柳田たちが、

1人立ち止まっている藤竹に手を差し伸べ、

引き連れてくれているかのようにも見える構図も胸熱でした。

また、今回は満を持して藤竹の背景が描かれた訳ですが、

セミファイナルで持ってくる事にも意義がありました。

科学部の看板に描かれているロケットのイラストに絡めて例えるとするなら…

今までは部品が一部欠けていた、不完全なままの状態で飛んでいたから

思うように行かなかった事もあったかもしれないけれども、

藤竹という1つの部品があって、全部揃って完全体のロケットになって、

初めて一歩前進出来る。そう感じました。

 

科学部、再出発!ですね。

前回が心が痛ましくなる展開だっただけに、

今回、みんなが再び一致団結していく様には一際感動がありました。

ついに最終回…終わって欲しくありませんが、

直向きな想いが実を結ぶ事を願って、見届けます。

 

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海に眠るダイヤモンド 6話 感想|朝子=いづみ、だんだん繋がってきた?

 

 

だんだん繋がってきましたね。

いや…繋げてきたという方が正しいのかな?(笑)

端島の事で、いづみ(宮本信子)と玲央(神木隆之介)で会話が弾む…

ページをパラパラめくるカットの挿入…

今回はそんな"振り返り"の描写・演出がかなり多かったですが、

だったら、最初から日記を活用していれば、

過去と現在の行き来にももう少し納得出来たんじゃないかと思えてなりません。

 

公式サイトでも「昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ、70年にわたる愛と青春と友情、

そして家族の壮大なヒューマンラブエンターテインメント!」と記載されている通り、

本作はミステリーでもサスペンスでもないんです。

なのに…いづみが誰か?とか、玲央が誰の子なのか?とか、そういった考察要素で

折り返し地点の5話まで引っ張った。

考察に意欲的な視聴者もいるので、あくまでも好みの話になりますが…

私としては、本筋とは別軸で用意される"考察"は、

ただの話題作りのためのネタでしかないんですね。

 

また、現代パートが回によっては、過去パートとは別に物語が用意されていて、

現代パートは現代パートで独自に話を進めていったり、

はたまた、過去パートを引き立たせるための補助的な役割で終わっていたりと、

「結局、2つの物語を使って何がしたいの?」と思えるほど扱いが中途半端だったのも、

本作への面白味が削がれていった原因の1つになりました。

今回がようやく、見やすい内容に仕上がっていただけに、

いづみの正体はせいぜい3話までには明かして、誰なのかが分かった上で過去を振り返る…

(つまり、現代パートには後者に徹してもらう)という構成にした方が、

もっと早くから楽しめていたんじゃないかなって。

つくづく、勿体ない事をしたなぁ…と思います。

 

過去と現在云々の話はここで終わらせて、本編の感想へ(苦笑)

いづみが誰なのかについて、リナ(池田エライザ)・百合子(土屋太鳳)・朝子(杉咲花

の中では一番しっくりこなかったのが朝子だったのですが、

今回の内容を見ていて、ああ、確かになぁ…と頷ける面が多々ありましたね。

頭の回転は早いし、大勢の人を巻き込む力はあるし、

目標を達成すると決めた時の行動力もある。

若いうちから経営者の素質を見せていて、私の中ではやっとリンクしました。

 

百合子も味方についたら、いろんな意味で頼もしいですね。

無期限ストライキ宣言は、中々思い切った行動でw

子供たちに舞踊を指導中の百合子の所に、朝子が差し入れを持ってきた際、

笑顔でアイコンタクトをとる2人を見て…

前々回の着付けのシーン以降、2人とも本当に仲直り出来たのだと嬉しくなっちゃいました。

 

もう1つ書き残しておきたいエピソードは…

終盤の、玲央が勝手に、日記に閉じ込めていた種から芽が出たのをいづみが眺めるシーン。

現実的に言えば、50年前の種から…なんてあり得ない事ではあるんですが、

本作の場合は、これが良いんです。

初回で、フェリーに乗った玲央と遠くにある端島を見た時、

「廃墟なんかじゃない」と泣き崩れていたいづみ。

私自身も、すっかり寂れ果てた島が徐々に色づき"あの頃"が蘇っていく演出を見て

泣けてしまったのを覚えています。

芽が出た所は、初回のそのシーンが、いづみの複雑な心境が重なる小さな感動がありました。

端島で過ごしていた人たちにとっては、やっぱり"昔のもの"では終わらせたくないですもんね。

 

今回は幸せなエピソードが随所に散らばっていましたが、

鉄平(神木隆之介)が亡くなっている以上、

今後は、その幸せがゆっくり崩れていく展開が待ち受けていそうです。

やっと好意的に見られそうなので(笑)あとはただただ、結末まで見守っていきます。

 

 

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↓前回の感想はこちら↓

 

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