
ああ、良かった。良かったねぇ…。
見終わってから、そんな感想が真っ先に出てきます。
さとこ(桜井ユキ)の人生の一部を見させてもらえた事が嬉しいと思える最終回でした。
前職でのフルタイム勤務から、週4のパート勤務に変えた事。
マンションを買うという将来の夢。
副業のレンタルスペース。
移住への憧れ。
旦那の愚痴を聞いて欲しいという友達のお願いを、理由をつけて断ってしまった事。
団地に住む前も住んでからも、
自身が一生付き合っていかなければならない病気を患っているがために、
断念せざるを得なかったり、後悔を覚えたりした経験が何度もあったさとこ。
体と心に美味しいものを食べれば「う〜ん」と噛み締めるさとこの表情が本当に好きで、
それくらい感情豊かで素直な性格だからこそ、
なんで自分は…とため息をつく彼女の様子を見るたび、胸が痛かったのです。
でも、最終回での「やれるだけやった」という言葉には、確かに芯を感じさせて。
今のさとこにとって、過去の自分も、自分がした選択にも意味があり、
肯定しても良いのだと思えるほど変われた姿を見て、
心が浄化されたというか、こちらまで吹っ切れた気持ちにさせられました。
さとこが提案したレンタルスペースでの薬膳カフェの妄想図にいたのは、
ハンドメイドコーナーで接客する弓(中山ひなの)と、
スカートの宣伝をする鈴(加賀まりこ)。
個展を開いている高麗(土居志央梨)。
料理を盛り付けているウズラ(宮崎美子)。
料理の宅配に出かける司(宮沢氷魚)。
従業員として働いている吉富(塚田美津代)に、会話に花を咲かせる住人たち。
そして…薬膳茶を味わうさとこの母・惠子(朝加真由美)。
生き生きと接客をするさとこの表情が物語っています。
団地に引っ越してから出会った人々が勢揃いなのと、
母親と良好な関係を築けているのを見ると、
この妄想図自体が、まるで彼女の宝物を映像化しているように思えて
ボロボロ泣けてしまったのでした…。
最終回らしいハッピーエンドなオチではありましたが、
司が帰ってきたのにもホッとしましたね。
ネギを持っていた辺り、去年のこの時期は鈴さんと麦巻さんと一緒に
すき焼きを食べていたっけな…鈴さんのためにネギを買って帰ろうかな…と
思い出してくれたのかなと、想像しちゃいます。
1話での肉団子スープも含めて、本作の世界ではもう1年が経ちます。
毎日を過ごしていれば、またどこかで苦悩を抱えたり、
不安が募ったりする日は訪れるけれど。
視聴者はこの先の物語をもう見られなくとも、
さとこなら、鈴や司、住人たちと関わりながら、そして新たな出会いに刺激を受けながら、
きっと上手くやって行ける…と信じられる締めでした。
自分を自分のままでいさせてくれる居場所。
自分の考えに共感してくれ、分かち合ってくれる人との美味しい食事。
日常に転がる小さな幸せの積み重ねが、心の栄養に繋がる様を
コツコツ描き続けた作品でした。
↓前回の感想はこちら↓
↓今までの感想はこちら↓
P.S. 2週間ほど、3話から追っかけ視聴していた本作。
最終回まで無事感想を書けました。はい…もはや自分のためです(汗)
3・4話、5・6話、7・8話で途中から2話合体感想続きになってしまっていますが、
過去の感想も気軽に読んで下さると嬉しいです…m(_ _)m